カルプロテクチン、ちょっと気をつけた方がいい3つのこと|潰瘍性大腸炎とカルプロテクチン

潰瘍性大腸炎の新たなバイオマーカーである「糞便中カルプロテクチン」が、2ヶ月前、2017年6月から保険適用となりました。
カルプロテクチン値測定は、大学病院や研究施設など特殊な施設でしか実施できませんでしたが、今後は一般病院でも検査することができます。

参考記事
・潰瘍性大腸炎の新たなバイオマーカー「便中カルプロテクチン」|客観的な数値で結果が得られる潰瘍性大腸炎の検査

腸管に炎症が起きると、好中球が腸管粘膜に移動、カルプロテクチン値が上昇します。

腸に炎症が起きる→好中球粘膜に移動→カルプロテクチン上昇
潰瘍性大腸炎の病状とカルプロテクチン値が関連します。

新しいバイオマーカー「カルプロテクチン」の特徴として
・腸管の炎症に特異的なバイオマーカー
・便で簡単に測定できる
・潰瘍大腸炎の内視鏡所見とカルプロテクチン値が相関する
・潰瘍性大腸炎、再燃の予測マーカーとなる

非常に有用なバイオマーカーですが、カルプロテクチン値の解釈3つ注意する点があります。

【気をつけた方がいいこと1】

カルプロテクチンには正常値がない
正常値の代わりに基準値がある

カルプロテクチン
240μg/g未満が、基準値です。

この数値以下は正常、
この数値以上は異常

ズバッと2つにわけるための検査ではないからです。

大腸カメラ(内視鏡)で潰瘍性大腸炎が落ち着いているか、炎症が強いか判断できます。

潰瘍性大腸炎、落ち着いている(DAI内視鏡スコア0~1)
潰瘍性大腸炎、炎症強い(DAI内視鏡スコア2~3)
を比べて統計計算すると、カルプロテクチン240μg/g前後で、落ち着いている時、炎症強い時に差がでたので、めやすに(基準値)と定めています。

絶対的な正常値ではありませんので、仮にカルプロテクチン値が400μg/gや500μg/gでも、病状が落ち着いていることもあります。

(引用:カルプロテクチン 添付文書)

カルプロテクチンを測定して高値だったから病状悪いと即判断せず、

高かったカルプロテクチンの値が、
治療で下がってくるかどうか、

低く安定していた値が、急に上昇した

など変化をみることも大切です。

【気をつけた方がいいこと2】

カルプロテクチン値で真価を発揮するのは
240μg/g未満と「陰性」の時です。

カルプロテクチンが240μg/g未満「陰性」の時、潰瘍性大腸炎が落ち着いている可能性がきわめて高いと判断できます。

検査の特徴をあらわす指数に
感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率、判定一致率などがあります。

注目するべきは96.0%『陰性的中率』の高さです。

陰性的中率は、検査が陰性(カルプロテクチン240μg/g未満)であったときその中に含まれる病気が安定している人の割合(的中率)です。

カルプロテクチン240μg/g未満 25例
その中で病状が安定している 24例 
活動性あり1例
24÷25=96.0%

逆に陽性的中率は69.0%と若干低いのが特徴です
陽性的中率はカルプロテクチン陽性(240μg/g以上)のとき、炎症がつよい人の割合(的中率)です。

カルプロテクチン240μg/g以上 42例
その中で活動性あり 29例
病状安定 13例
29÷42=69.0%

カルプロテクチン陽性(240μg/g以上)でも、炎症がつよいとは断定できません。病状が安定しているけれど陽性もあります。

【気をつけた方がいいこと3】

カルプロテクチンは腸の炎症マーカーですが、その他の要因でも値があがる。

カルプロテクチン高値、イコール腸の炎症とは限らないことに気をつけてください。

痛み止め(NASAIDs)でもカルプロテクチン値高くなります。
潰瘍性大腸炎以外にでも、腸の粘膜が傷つく、感染性腸炎でもカルプロテクチン高くなります。

さらには、大腸憩室炎でもカルプロテクチン上昇します。

カルプロテクチンは潰瘍性大腸炎の病状把握補助として非常に有用ですが、痛み止めをのんでいると値が高くなることがあることに気をつけてください。

まとめ
潰瘍性大腸炎の有用なバイオマーカーですが、その検査値の解釈には注意が必要です。

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