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ピロリ菌と胃内常在細菌叢|ピロリ菌最新研究の潮流、キーワードはDysbiosis細菌叢の多様性低下

オーストラリアの病理学者Warren博士と内科医Marshall博士が発見した胃にすみつくばい菌、ヘリコバクター・ピロリがLancet医学誌に報告されたのが1983年です。

ヘリコバクター・ピロリ菌が慢性胃炎をひきおこし、胃がんの発生と密に関連することが明らかになりました。

胃内は強酸性のため雑菌がすめないと思われた常識を覆し、ヘリコバクター・ピロリ菌を発見したしたWarren博士とMarshall博士に2005年にノーベル生理学医学賞が授与されました。

胃において、ヘリコバクタ・ピロリ菌の発見とともに医学がしてきた30年でしたが、ここにきて新たな展開です。

■ヘリコバクター・ピロリ菌感染と胃がん

ヘリコバクター・ピロリ菌がいない胃は、慢性胃炎がなく、非常にきれいです。一方ピロリ菌がいる胃は、胃粘膜全体的に赤く、ただれ、慢性の炎症が続きます。

慢性胃炎が続くと、胃の粘膜は胃よりも腸に近い形にかわってきます。これが腸上皮化生で、腸上皮化生は胃がんの前がん状態ともいえます。

正常胃粘膜→慢性胃炎→腸上皮化生→胃がん

ヘリコバクター・ピロリ菌が慢性胃炎をひきおこし、腸上皮化生に至り、さらには胃がんの発生につながることは明らかです。

逆にヘリコバクター・ピロリ菌を除菌することで、慢性炎症が治まり、胃がんの発生がへります。

■ヘリコバクター・ピロリ菌による胃がん発生率は国によってことなる

日本を含む東南アジアはヘリコバクターピロリ感染率も高く、胃がんが多い傾向にあります。一方、アメリカやヨーロッパはヘリコバクターピロリ感染率が低く、胃がんは比較的まれな病気です。

国により胃がん罹患率に多い少ないがあるのは、単にヘリコバクターピロリ感染率の多い少ないと思われていましたが、それだけではないのです。

もちろん、ヘリコバクターピロリ感染率が低ければ、胃がんも少ないので罹患率と胃がん発がん率は大いに関係あります。

ヘリコバクターピロリ感染している欧米人と東南アジア人を比べてみても、欧米人は発がんが少なく、東南アジア人は高率に胃がんがみつかります。

この差はヘリコバクターでも地域によって種類に差があり、その発がん性に違いがあると、説明されていました。

ヘリコバクターピロリ発見から30年余り、ここにきて新たな展開があります。

■キーワードはDysbiosis(細菌叢の多様性低下)

何百年もの間、胃の中は強酸のため、細菌がすめないと思われた常識を覆し、30年前に発見されたのがヘリコバクター・ピロリ菌です。

次世代シーケンサーによる16S rRNA メタゲノム解析でどのような細菌がいるかを調べることができるようになりました。

次世代シーケンサーによる16S rRNA メタゲノム解析を胃粘膜で行うと、おどろいたことに、胃にも常在細菌叢があることがわかったのです。

少し前までは胃は、ピロリ菌感染か未感染のどちからしかないと考えられていました。私も、そのように思っていました。

次世代シーケンサーで調べると、強酸下の胃内に多数の常在細菌が棲みついていることがわかりました。

(Citation: Noto J, Peek RM Jr. The gastric microbiome, its interaction with Helicobacter pylori, and its potential role in the progression to stomach cancer. PLoS Pathog. 2017 Oct 5;13(10))

30年前には無菌と思われた強酸下の胃にピロリ菌がいることで驚き、近年、ピロリ菌以外の菌が胃に棲みついていることを知りさらに驚いています。

胃の細菌叢にも多様性があります。実社会と同じで細菌の世界でも多様性が重要です。さまざまな細菌がひしめきあって、多様性を保っているので病気にならず安定しているのです。

この多様性が胃細菌叢にもあり、ピロリ菌に感染すると多様性が低下するのです。

Dysbiosis(多様性の低下)が、胃がんの発生とかかわっているという説が浮上しています。

正常胃粘膜→慢性胃炎→腸上皮化生→胃がん

この流れは正しいのですが、ピロリ菌に感染していても、胃がんになる人、ならない人がいます。

胃がんになるならないの違いが、Dysbiosis(多様性の低下)の違いによるのではないか、が最新研究の新たな潮流です。

今後研究が進展すれば、胃がんになりやすい人の細菌叢パターン、胃がんになりにく人の細菌叢パターンが明らかにできそうです。

ピロリ菌に感染すると胃内Haemophilus属、Campylobacter conicisusが減少する報告もあり、細菌叢の変化が同定されてきています。

胃がん患者でLactobacillus coleohominis、Lachonospiraceが増え、逆にPorphyromonas、Neisseria属が減ることも分かってきています。

さらに、胃がんを抑制する胃内細菌の存在が特定できれば、胃がん予防のプロバイオテクス(良性細菌)の開発につながる夢のある話です。

胃がんを完全に予防できる時代は遠くなさそうです。

■まとめ
・ヘリコバクター・ピロリ菌感による胃内常在細菌叢の多様性低下(Dysbiosis)が胃がんの発生母地となる

無症候性(症状のない)サルモネラ菌保菌の治療|無症候性サルモネラ陽性をみたら胆のうをチェック

腸炎ビブリオ、キャンピロバクターとならんで食中毒の原因としてサルモネラ菌、代表的な原因です。

サルモネラ菌はトリ、ブタなどの腸管に常在していますので、汚染された食べ物から容易に食中毒をおこします。

■職場の検便検査でサルモネラ陽性

嘔吐、腹痛、下痢、発熱あり病院受診。問診、触診で食中毒が疑われ、原因特定のため検便(便培養)したらサルモネラが原因であることが判明。というのが多くの場合です。

ところが、サルモネラには「保菌状態」があります。症状なにもないのに、検便(便培養)したらサルモネラ菌陽性がおこりうるのです。

健康で過ごしている人に検便検査をすることは病院やクリニックではありませんので、サルモネラ保菌状態が見つかるのは職場での検便検査です。

給食などの調理や食品関係の仕事についていると、食品衛生の観点から定期的に検便検査をおこないます。

元気に働いているのに、ある日突然呼び出され食中毒の原因であるサルモネラ陽性結果を告げられます。

「食中毒の菌が出てしまって、健康なのに」今後どうしたらよいのでしょうかと、相談にクリニックにこられます。

■サルモネラ感染症の治療

健康な方がかかる、食中毒としての軽症のサルモネラ感染症には、抗生物質による治療は必要ない場合がほとんどです。

逆に抗生物質の使用が、サルモネラの保菌を促してしまうことがあります。

とはいえ、全身状態、経過によって必要時は、クラビット、オゼックス、シプロキサン、ホスミシンなどを投与します。

乳幼児、高齢者、免疫不全状態(ステロイド内服中、抗がん剤投与中)は敗血症など重症化することがありますので、より慎重な治療が必要となります。

■無症候性(症状のない)サルモネラ保菌者の治療

職場の検便検査で見つかった、無症候性(症状のない)サルモネラ保菌どう治療するか。

症状がなくても食品関係にたずさわっているので、抗生物質による除菌となります。これは治療というよりは、社会的な理由からです。

クラビット、オゼックス、シプロキサンなどのニューキノロン系抗生物質やホスホマイシン系が治療の中心です。

施設に入所中に偶然見つかったサルモネラ保菌など食品にたずさわらず治療を急ぐ必要がない場合があります。抗生剤投与せず、ミヤBMなどの整腸剤で腸内バランスを整える治療をおこないます。西宮中島クリニックでも抗生剤を投与せず整腸剤で、サルモネラが陰性化(消える)を多数経験しています。

■無症候性サルモネラ、胆のうをチェック

サルモネラ菌陽性の時に、胆のうをチェックしておくこともポイントのひとつです。

胆石があると、抗生物質で治療して一旦消えても、しばらくしたら再度サルモネラ陽性になることがあります。

サルモネラ菌は胆石の表面に多糖類からなるバイオフィルム(バリアーみたいなもの)をつくって隠れます。そのため抗生物質が効かなくなるためです。

慢性のサルモネラ菌保菌者の8割に胆石ふくめ肝胆道系の病気が隠れているという報告もあります。

西宮市中島クリニックでも無症候性サルモネラの方は必ず、腹部エコーで胆石含め肝胆道系に異常がないかチェックしています。

個人的な印象ですが、肝胆道系疾患有病率8割の報告ありますが、実際にはそんなに多くないような。むしろ少数です。

胆石をもっているとサルモネラ菌、治療抵抗性なので胆のう摘出術が必要です。

■まとめ・無症候性(症状のない)サルモネラ菌陽性をみたら胆のうをチェック・胆石があり何度除菌治療しても陽性になるときは胆のう摘出術考慮

便秘で脳卒中、心筋梗塞が増える|ひどい便秘で心血管疾患リスクは1.4倍

たかが便秘されど便秘。便秘慢性の便秘で困っている方は人口の16%、6人に1人が便秘で悩まれています。

■便秘の治療

トイレでいきんでも出ない。便がででもすっきりしない。便秘は不快でOQL(生活の質)を著しく低下させます。

刺激性下剤(ラキソベロン)や緩下剤(酸化マグネシウム)などの便秘治療が中心でしたが、数年前から新しい作用機序の便秘治療薬が開発されています。

従来の便秘治療は大腸で効く薬が中心でしたが、新しいタイプの便秘治療薬は小腸ではたらいて効果がでます。

薬が効くところ、作用点が違うので、従来の下剤で効果ない時にも効果が期待できます。刺激性下剤(コーラック)は腸を無理矢理動かして便を出すので、腹痛やお腹のしぶりを伴うことが多いのですが、新しいタイプの下剤は腹痛やしぶりが少ないのが特徴です。

従来型の便秘薬に加え、アミティーザ、リンゼス、グーフィス錠など新しいタイプの便通を改善する薬、症状に応じて、自分にあう薬を選択できる時代になりました。

参考記事 ●グーフィス(胆汁酸トランスポーター阻害薬)新しい作用機序の便秘薬がもうすぐ処方できるようになります。

●便秘に悩む人必見!便秘解消には角度と時間が重要なワケ

■便秘と脳卒中、心筋梗塞との関係

不快で生活の質を落とす(QOL低下)する便秘ですが、不快なだけでなく便秘は脳卒中、心筋梗塞など血管が詰まる病気を増やすことがわかってきました。

(Citation: Honkura K et al. Defecation frequency and cardiovascular disease mortality in Japan: The Ohsaki cohort study. Atherosclerosis. 2016 Mar;246:251-6)

宮城県大崎地域に住む「大崎国保コホート研究」40才~79才の男女45,112人を対象に13.3年間の心血管系死亡との関連を解析した結果です。

排便回数で「1日1回以上」「2~3日に1回」「4日に1回以下」のに分けて調べています。

13.3年のフォロー期間中2,028人が心血管疾患で亡くなり、排便頻度との関連を解析しています。

毎日便がでている人とくらべ、「2~3日に1回」、「4日に1回以下」の心血管死亡リスクは1.21(95%CI:1.08-1.35)、1.39(95%CI:1.06-1.81)

排便頻度「2~3日に1回」 リスク1.21倍

排便頻度「4日に1回以下」 リスク1.39倍

4日に1回も便がでない方は、脳卒中や心筋梗塞など血管系の死亡危険度が1.4倍にもあがります。

一般的にトイレでいきむと40mmHgぐらいはあがります。

たかが便秘、されど便秘、あなどれません。

■まとめ
・便秘で脳卒中や心筋梗塞など血管系の死亡リスクがあがる
・たかが便秘されど便秘、生活習慣改善、薬で適切な治療

ダイエットは最初の1ヶ月がポイント|一気に体重を落とすべきか、ゆっくりと体重を落とすべきか

糖尿病や高血圧、食事や運動による体重コントロールが効果的です。

病気の治療でなく、少しでもやせて、きれいになりたい、かっこよくなりたい、今年こそは夏に向けてダイエットすると心に決めたかたも多いでしょう。

ダイエットに関する、興味深い報告を紹介します。

ダイエットゆっくり体重を落とすのと、一気に体重を落とすのか、どちらが効果的か。

■ゆるやかなダイエットと一気に体重を落とすダイエット比較

ダイエット、ゆっくり体重を落とす、一気に落とす、どちらが効果的でしょうか?

ゆっくりと体重を落とした方が、リバウンドしづらくダイエットに成功する。

一気に体重を落とすと、リバウンドして、すぐにもとの体重にもどってします。

上記が私もふくめ、みんながもっているダイエットに対するイメージではないでしょうか。

診察の時も食事療法を頑張ります!と宣言する患者さんに、頑張り過ぎず、半年で体重3kgほど落とすのを目標に続けましょう、などと伝えていました。

この常識というかイメージを180度ひっくり返す報告があります。

一気に体重を落とした方が、ゆるやかに落とすより、ダイエットの効果が高いのです。

(Citation: Nackers LM et al. The association between rate of initial weight loss and long-term success in obesity treatment: does slow and steady win the race? Int J Behav Med. 2010 Sep;17(3):161-7)

■ゆっくりダイエット、中ぐらいダイエット、一気にダイエット比較

肥満女性(平均59.3才、BMI36.8)250人を減量スピードで、ゆっくり、中ぐらい、一気にの3群に分けて比較しています

・ゆっくりは0.23kg/週以下、月0.92kg以下・中ぐらい0.23~0.68kg/週・はやくは0.68kg/週以上、月2.72kg以上

最初の1ヶ月間の体重減で3グループに分けています。

最初の6ヶ月間、食事を中心にダイエット指導、その後12ヶ月間はケアプログラムのみで様子見。

はやくダイエットした人は、よういにリバウンドして体重は元の木阿弥。ゆっくりダイエットした人は、リバウンドせず、体重減維持。の結果とおもいきや。

結果は全く逆でした。

最初の1ヶ月にはやいペースで体重落としたグループが、6ヶ月後に一番体重減っていて、さらに1年半後もほとんどリバウンドせず体重が一番へっていました。

ゆっくり体重を落とした方が、リバウンドせずダイエットに成功するわけでもないようです。

最初の1ヶ月にグッと体重が落ちると、ダイエット頑張った効果が体感でき、その後の生活スタイルがよい方向にかわるのがダイエット成功のひけつなのでしょうか。

この報告で注目するべきは、6ヶ月のダイエット後の過ごし方です。面談、電話、手紙など何らかの方法で月2回、ダイエットをした方に連絡をとり続けています(ケアプログラム)。月2回の連絡が、ほとんどリバウンドせずにすごせた影の立役者だと思われます。

ごくごくシンプルにまとめるとすると、

ダイエットは最初1ヶ月とくに頑張る、

目に見えて体重減、

とにかく6ヶ月間ダイエット続ける、

その後は誰からでもでもいいので時々励まされながら、リバウンドしないように意識して生活ですね。

■まとめ
・ダイエットは最初に1ヶ月がポイント
・最初の一ヶ月はやいペースで体重を落としたほうが、ダイエットに成功する

こどもの頃(乳幼児早期)の抗生剤使用はアレルギー疾患を増やす

■アレクサンダー・フレミングによる抗生物質の発見

1929年のアレクサンダー・フレミングによる抗生物質(ペニシリン)の発見以降、 感染症の脅威から人類は多大な恩恵を受けてきました。

抗生物質の発見と公衆衛生的環境の改善が、寿命をのばしたことに大きく寄与しています。特に乳幼児死亡率の低下に貢献してきたことは間違いありません。

■抗生物質とアレルギー疾患の関連

人類に多大な恩恵をあたえてきた抗生物質ですが、抗生物質とアレルギー疾患の関連が話題になることがあります。
抗生物質使用がアレルギー疾患を増やす、報告が相次いでいます。

中島クリニックが専門とする消化器疾患領域では、炎症性腸疾患の発症率と幼少期の抗生物質使用頻度の関連に関する報告があります。

(関連記事)
●幼少期の抗生物質投与、こんなにも影響するものなのか。炎症性腸疾患発症率との関連

■乳幼児期(2才まで)の抗生物質使用とアレルギー疾患発症リスク

乳幼児期(2才まで)の抗生物質使用とアレルギー疾患発症リスクのメタアナリシス(多数の論文を解析した結果)の報告がありました。

(Citation: Ahmadizar F et al. Early-life antibiotic exposure increases the risk of developing allergic symptoms later in life: A meta-analysis. Allergy. 2018 May;73(5):971-986. )

花粉症
湿疹
食物アレルギー
特異的IgE抗体価
などについて調べています。

1966年から2015年の論文を探索しています。

■乳幼児期(2才)までの抗生剤使用は、花粉症、湿疹などのアレルギー疾患リスクを増やす

図(フォレストプロット)の数値が1より大きければ(右)は、アレルギー疾患と関連あり、1より小さければアレルギー疾患と関連が乏しいことを示します。

図をみて分かるように、花粉症、湿疹、いずれも1より大きい数値、アレルギー疾患と抗生剤使用の関連を示しています。

花粉症のリスクは 1.23 95% confidence interval (CI):1.13-1.34;
I2: 77.0%.

湿疹のリスクは 1.26  95% CI:1.15-1.37; I2: 74.2%,

食物アレルギーのリスクは1.42  95% CI: 1.08-1.87; I2: 80.8%

花粉症、湿疹、食物アレルギー、いずれにも幼少期の抗生剤接触と関連を示す結果でした。

抗生剤とアレルギー疾患、全く関係なさそうですが、多数の論文報告を総合的に判断すると、関係がありそうです。

なぜ、幼少期の抗生剤使用がアレルギー疾患を増やすのか、これからの研究課題です。

想像するに、抗生剤使用が腸内細菌叢形成に影響を与え、腸管免疫を介した免疫システムが修飾をうけることが理由ではないかと、私は考えています。

とくに腸内細菌叢形成に重要な幼少期には、抗生剤の影響が強くでるのかもしれません。

人類に多大な恩恵を与える抗生剤です。
肺炎、腹膜炎など抗生剤が必要な病態にはきっちりと使う。
いわゆる風邪など抗生剤不要なときには、抗生剤飲んだ方が安心だから、などの理由で安易に使わない。
適切な判断が重要ですね。

■まとめ
・乳幼児期の抗生剤使用がアレルギー疾患のリスクを増やす可能性がある

ピロリ菌除菌治療、アモキシシリン(サワシリン)1日2回と3回どちらが効くのか|アモキシシリン1回500mg3回と750mg2回の比較

ピロリ菌治療は3種類の薬を1日2回7日間服用が標準治療です。
1日用量を2回に分けて朝夕食後ではなく、3回に分けて朝昼夕食後にしたほうが良く効く気がしますよね。
実際にはその答えは、YesでもNoでもあるのです。
抗生物質の服用回数についてのお話です。

■抗生物質には最適な服用回数がある

抗生物質には最適な服用回数があります。
大きく分けると
・1日1回が有効な抗生物質
・何回かに分けて飲んだ方がよい抗生物質
となります。

ニューキノロン系に代表されるような抗生物質の最高血中濃度が高い方が効く抗生物質は、1回に飲む薬の量を増やして、1日1回だけ服用します。

1回に集中してのむことで、血中濃度が高まりよく効くのです。
ニューキノロン系以外にアミノグリコシド系の抗生剤も濃度依存です。

一方ペニシリン系に代表されるような抗生物質は、最高血中濃度よりも、長時間安定して一定以上の抗生物質濃度を保っことで効果を発揮します 。
1日1回服用だと血中濃度が直ぐに下がってしまうので2回、3回、場合によっては4回に分けて服用します。

すごくざっくりとですが、まとめると
・ニューキノロン系やアミノグリコシド系は濃度依存、最高血中濃度が高い方が効くので服用回数を減らして1回の量を増やします。
・ペニシリン系は時間依存、最高血中濃度よりも安定した血中濃度が効果を発揮するので、服用回数を増やします。

■ピロリ菌除菌に用いる抗生物質は1日何回に分けて服用がよいのか

ピロリ菌除菌にはペニシリン系の抗生剤を使を使います。
ペニシリン系だけでなくエリスロマイシン系の抗生剤も併用しますが、ペニシリンにフォーカスをあててお話します。

ペニシリン系抗生剤は1日服用回数を多くした方が血中濃度がが安定して効果が高まります。
ペニシリン系抗生剤は通常1日3回から4回に分けて服用します。
例えば溶連菌で扁桃腺が腫れてペニシリン系抗生剤が必要な時は、1日3回場合によっては4回服用します。

でも、ピロリ菌除菌の時は1日2回です。

ペニシリンを1日4回に分けてピロリ菌除菌するのが理想ですが、1日4回に分けるとどうしても飲み忘れがでてきてしまいます。

理想を追い求め、胃酸抑える薬(PPI)を1日2回、クラリスロマイシンを1日2回、アモキシシリン(ペニシリン系)を1日4回服用、確かに除菌率少しはあがるでしょう。 しかし、1週間1日4回x7日、計28回のみ忘れなく服用はやや困難です。

そこで、アモキシシリンも他の薬と同じように1日2回服用として設定しているのです。

■ピロリ菌除菌、アモキシシリンを1日2回服用、3回服用の効果を比較

先週末行われた日本ヘリコバクターピロリ学会で興味深い報告がありました。 大分は遠くて参加できないので、抄録からのデータ紹介です。

(第24回日本ヘリコバクター学会学術集会抄録集)

ピロリ菌の1次除菌の時に アモキシシリンを1日2回に分けて服用、1日3回に分けて服用して除菌率を調べています。

飲む回数が2回、3回とことなりますが、1日の容量としては同じです。

アモキシシリン1日1500mgを
1回750mg2回と
1回500mg3回の比較です。

結果は予想通り、1日用量を3回に分けて飲んだ方が除菌率は高まるのです。

アモキシシリン服用回数での比較
1日2回での除菌率71.4%(180/252)
1日3回での除菌率81.5%(277/340)
(PPI+CAM+AMPC)

アモキシシリンだけ変則的に1日3回服用は有効です。

ただ、アモキシシリン以外の2剤は1日2回服用はなので、飲み間違えがおきたり、服薬コンプライアンス(正しく予定通り服用できるかどうか)が下がるのが難点ではあります。

きんちんと服用できる限り、アモキシシリンの3分割投与、効果は高いといえます。

■ボノプラザン(タケキャブ)使用除菌時のアモキシシリンを1日2回服用、3回服用の効果を比較

ペニシリン系の抗生物質(アモキシシリン)は同じ1日用量であれば2回より3回に分けて服用した方がよいのは上述したとおりです。この話には続きがあります。

胃酸分泌抑制剤を従来のPPIではなく、より強力に胃酸を抑え抗生物質の効きをよくするボノプラザン(タケキャブ)を用いた除菌でアモキシシリンの服用回数で除菌率を比較しています。

アモキシシリン服用回数での比較
1日2回での除菌率90.1%(471/523)
1日3回での除菌率92.2%(523/567)
(P-CAB+CAM+AMPC)

タケキャブを用いた除菌では、アモキシシリン服用回数が2回でも3回でも、ともに除菌率90%以上です。有意差(統計処理上での明らかな差)は2回と3回でありません。

タケキャブ(P-CAB)を用いた除菌において、アモキシシリン服用回数は気にする必要ないといえます。

除菌高率を高めるためにはアモキシシリンの2回ではなく3回の分割投与は有効なのですが、ボノプラザン(タケキャブ)のレジメンでは差がないのです。

ボノプラザンによる持続的かつ十分な酸分泌抑制下では、アモキシシリンが安定的に働くので3分割投与までする必要はないといえます。

西宮市中島クリニックでの1次除菌は、除菌率が高い、タケキャブ(ボノプラザン)を用いています。アモキシシリンも3分割ではなく、標準治療の2分割です。

■まとめ
・従来型のPPIを用いる除菌治療ではアモキシシリンの3分割投与が有効
・ボノプラザン(タケキャブ)を用いる治療ではアモキシシリンは2分割投与で十分効果がある

 

ピロリ菌3次除菌はグレースビット(シタフロキサシン)が有効|西宮市中島クリニックはタケキャブ、グレースビット、サワシリンを用いた3次除菌プロトコール

■ピロリ菌の除菌治療、1次除菌、2次除菌、3次除菌

ピロリ菌除菌治療は、胃酸を抑える薬と抗生物質を1週間服します。 ほとんどの方は1回目の治療(1次除菌)で消えます。1回目の治療で消えなければ抗生物質を変更して2回目の治療(2次除菌)を行います。 1次除菌は酸分泌を抑える薬PPI+抗生剤(アモキシシリン、クラリスロマイシン)の3剤を1週間服用です 2次除菌は酸分泌を抑える薬PPI+抗生剤(アモキシシリン、フラジール)の3剤を1週間服用です

上記1次除菌、2次除菌で100人中98-99人、ほとんどの方で消えます。抗生剤の耐性(抗生剤が効かなくなる)をもったピロリ菌の場合どうしても1次除菌、2次除菌で消えないことがあります。その場合3次除菌を考慮することになります。(注:1次除菌、2次除菌は保険診療ですが、3次除菌は保険適応外です)

■3次除菌のプロトコール

1回目、2回目の治療で消えない場合の治療どうするべきか。ピロリ菌はその名の通り「菌」です。「菌」なので抗生物質が治療の中心です。1回目、2回目で効かなければ、別の効く抗生物質を選択することになります。

3次除菌の抗生物質の候補として当初レボフロキサシン(クラビット)が用いられていましたが、シタフロキサシン(グレースビット)がピロリ菌によく効くことがわかりました。

当院でも以前から3次除菌はシタフロキサシン(グレースビット)を用いています。

・酸分泌抑制剤PPI ・抗生物質アモキシシリン(サワシリン) ・抗生物質シタフロキサシン(グレースビット)

上記3種類を1週間、朝夕、2回服用で70%以上の3次除菌成功率です。

■3次除菌除菌率レビュー

日本ヘリコバクター学会誌に3次除菌の成功率のレビューが掲載されていました。

3次除菌のキードラックはシタフロキサシン(グレースビット)です。ガチフロキサシン(ガチフロ)を用いている施設もありますが、主流はグレースビットを用いたプロトコールです。

3次除菌の成功率、幅があるものの70%から90.9%とグレースビットを用いたプロトコールで高い成功率です。

(浅岡他. 3次除菌治療の現状. 日本ヘリコバクター学会誌 Vol.20 N0.1 28-33)

内服日数は7日間の施設から14日間の施設まで幅がありますが、何れの施設も70%以上の良好な成功率です。内服期間7日間を14日間と長くしても除菌率がよくなるわけでもありません。内服期間よりも薬の選択、グレースビットを用いることが重要です。

■西宮市中島クリニックでの3次除菌除菌プロトコール

今後も3次除菌はシタフロキサシン(グレースビット)を用いて治療いたします。

以前は酸分泌抑制剤はPPIを用いていましたが、現在はより強力な酸分泌抑制効果があるP-CABボノプラザン(タケキャブ)をもちいています。

現在の中島クリニックでの3次除菌プロトコール
・酸分泌抑制P-CAB ボノプラザン(タケキャブ)
・抗生物質アモキシシリン(サワシリン)
・抗生物質シタフロキサシン(グレースビット)
上記3種類を7日間(1週間)服用です。

■まとめ
・ピロリ菌3次除菌はシタフロキサシン(グレースビット)を用いることで70%以上の高い治療効果がえられます。

400か800かそれが問題だ|ピロリ菌除菌クラリスロマイシン投与量、西宮市中島クリニックは800

■ピロリ菌除菌成功率比較、従来型胃酸分泌抑制薬(PPI)とボノプラザン(タケキャブ)

2015年2月認可、胃酸分泌を強力に抑えるボノプラザン(タケキャブ)の登場で、ピロリ菌除菌率が劇的に向上しました。

従来の胃酸分泌を抑える薬を使った治療での除菌率70%だったのが、タケキャブを使った治療で90%の方が消えるようになりました。

中島クリニックの治療データでも、従来型の胃酸を抑える薬を使った除菌成功率が69.8%だったのが、タケキャブの治療で92.5%です。

当院での標準的な一次除菌治療はもちろん、ボノプラザン(タケキャブ)+抗生剤2種類を用いた治療です。従来型の胃酸分泌を抑える薬(従来型PPI)と新しいタイプの胃酸分泌を抑える薬ボノプラザン(タケキャブ)どちらを用いるかに関して議論の余地はありません。ピロリ菌除菌に関して、ボノプラザン(タケキャブ)一拓です。

■抗生剤投与量400と800比較(従来型PPIを用いた治療)

ピロリ菌除菌治療薬には抗生剤の容量で400と800の2つの規格があります。クラリスロマイシンの1日用量を400mgと800mgの2種類です。

どちらの方が除菌率が高いかに関して過去の研究から一定の見解に達しています。400mgより800mgと多い用量の方が効きそうなイメージありますが、実際には400mgをもちいても800mgでも除菌率に大差はありませんでした。400mgでも800mgどちらでもOK、効果が同じなら少ない400mg用量でいいんじゃない、という考えが主流です。

ただ、これは従来型PPIを用いた除菌治療での話です。 新しいタイプの胃酸分泌抑制剤ボノプラザン(タケキャブ)に関しては400が800かの結論はまだでていません。

■400と800比較(タケキャブを用いた除菌治療)

タケキャブを用いた除菌治療でクラリスロマイシン用量400mgと800mgどちらをもちいる方がよいか結論はまだでていません。

消化器内科を専門としているDrに聞いても400mg派、400と800どちらでもいい派が半々。800mg派は少ない印象です。

個人的には800mg派です。中島クリニックでのボノプラザン治療実績が100例になった時に400mgと800mg比較したデータがあります。400mg除菌成功率85.2%、800mg除菌成功率92.5%でした。統計処理上は有意差でませんでしたが、400mgより800mgの方が治療成績よかったのです。

■西宮市中島クリニックで除菌時クラリスロマイシン800mgを用いる理由

私が、ピロリ菌除菌率が従来型PPIから新しいタイプの酸分泌抑制剤タケキャブ(ボノプラザン)にかえることで除菌率が改善する理由を解析した論文が、2016年に日本ヘリコバクターピロリ学会誌に掲載されました。

その中でクラリスロマイシンの薬剤耐性の度合いが除菌の成否に重要な点であることを発見しました。クラリスロマイシン薬剤耐性をもっているピロリ菌でも軽度の耐性程度であれば治療できるのです。

これには2つの条件が必要で、十分量のクラリスロマイシンが胃に届く(用量を多くする)こととクラリスロマイシンが効きやすいように酸分泌をおさえる(酸性下では抗生剤効かない)ことです。

この西宮市中島クリニックでの研究成果からクラリスロマイシンの用量は800mgが400mgに比べ望ましいのではと仮説をたてていました。

理論に基づく仮説にとどまらず、実際に中島クリニックでの治療成績を計算すると、タケキャブ(ボノプラザン)を用いた治療成績で400mg除菌成功率85.2%、800mg除菌成功率92.5%です。400mgより800mgの方が良好です。

ただ400mgと800mgどちらがよいかコンセンサス(共通見解)は出ていないので、個人的な治療方針として800mgを中心に治療していました。

■第24回日本ヘリコバクタープログラム抄録集、演題:P-CABを用いた1次除菌では、高容量のCAM使用がより高い除菌率を示す

ボノプラザン(タケキャブ)を用いるピロリ菌除菌治療、クラリスロマイシン用量800mgの方がよいだろうと個人的には考えながらも、確信をもてずにいましたが、800mgで治療方針でよいと確信をもてるデータに出会いました。

先日第24回ヘリコバクター学会のプログラム抄録集が郵送されてきました。

この学会なぜかいつも地方都市での開催です。今回は大分県。以前長崎の時もあったような。東京であれば新幹線で日帰りで参加するのですが、大分となるとさすがに日帰りはむりです。

旅行であれば、おんせん県、行きたいのですが土曜日半日仕事していますので、今回も学会参加は見送りです。最後に行ったのは、だいぶ前の神戸開催が最後かも。

学会に行けないのでせめても最新情報をキャッチアップするため、抄録だけは毎回熟読しています。興味深い演題を見つけました。

ワークショップ3 除菌率の向上を目指して WS3-11「P-CABを用いた1次除菌では、高容量のCAM使用がより高い除菌率を示す」 東京慈恵会医科大学内科学講座消化器科・肝臓内科、平和台クリニック

慈恵医大からの8施設共同研究結果です。 1798例のピロリ菌除菌治療率を集積した結果です。クラリスロマイシン800mgでの除菌成功率97.2%、40mgでの成功率88.2%。

多施設での研究結果でも、タケキャブ(ボノプラザン)を用いたピロリ菌除菌では400mgよりも800mgの方がよい成績で、当院の結果と同じです。

2年間の心のもやもやを吹き飛ばしてくれる素晴らしい結果です。やはり私の仮説は間違いでなかったことが分かりました。今後も800mgを中心に治療づけていくことにします。

■まとめ
・ボノプラザン(タケキャブ)を用いた除菌治療はクラリスロマイシン800mgが400mgより治療成績良好でした
・中島クリニックの方針は今後もクラリスロマイシン用量800mgで治療です

ピロリ菌除菌後も内視鏡(胃カメラ)での定期フォローアップ|除菌後内視鏡所見、小陥凹(少しへこんだ)斑状発赤がポイント

ピロリ菌除菌で胃がん予防

ピロリ菌が胃がんの原因であり、
ピロリ菌を除菌することで胃がん予防につながります。

発がん予防効果も、年齢が若ければ若いほどあることも当然です。
70才で除菌するより50才、40才で除菌です。

1週間の飲み薬だけで(3種類の薬、胃薬1種類と抗菌薬2種類)で90%以上の方が除菌できる治療が確立されています。中島クリニックではピロリ菌除菌は1回の治療で93%治療成功しています。

除菌すると発がん率は約2/3へ減ります。
発がんは減るものの残念ながらゼロにはなりません。
そこで、除菌に積極的に取り組むことと、同時に大切なので、
除菌後胃カメラでの定期検診です。

ピロリ菌除菌後にみられる内視鏡(胃カメラ)所見

ピロリ菌を除菌すると、あれていた胃粘膜がどんどんきれいになってきます。

胃粘膜全体のはれぼったい感じ、
粘液がべたっとこびりついた感じがとれ、
スッキリとしてきます。

ピロリ菌をすると胃の粘膜に見られる、特徴的な所見として、赤い小さなへこみ(陥凹)があります。

境界明瞭で地図状に発赤が広がることもあり
mottled patchy erythema 、
reddish depressed lesions
ともよばれます。
日本語でしっくりくる表現ないのですが「斑状発赤」に分類されている所見です。日本語にするとすれば、小陥凹を伴う斑状発赤です。

これらの少しへこんだ(陥凹)境界明瞭な発赤があると内視鏡をする医師は、ピロリ菌除菌後の胃と判断します。

この斑状発赤は除菌後にみられる所見との認識です。

斑状発赤部からの発がん

ピロリ菌後にみられる斑状発赤をフォローしていくとかなりの高率で癌が見つかると、興味深い報告がありました。

(Citation: Kotachi T et al. Clinical Significance of Reddish Depressed Lesions Observed in the Gastric Mucosa after Helicobacter pylori Eradication. Digestion. 2018 Apr 19;98(1):48-55.)

報告では斑状発赤、reddish depressed lesionsは39%、除菌後胃の4割に見つかっています。さらに、この4割の患者さんの斑状発赤に注意して内視鏡フォロー、約9%に胃がんがみつかっています。

除菌後にみられる小さな陥凹を伴う発赤reddish depressed lesions、単に除菌後の所見として認識するのではなく、発がんのハイリスク所見との認識をもつ必要がありそうです。

まとめ

・ピロリ菌除菌にて胃がん発癌リスクは低下
・除菌後定期胃カメラフォローアップも大切

「日本テレビ世界一受けたい授業」の電話取材を受けました|はしか流行について、2年前インドネシアから日本へ麻しん持ち込み感染

■日本テレビ「世界一受けたい授業」制作者から電話

(Citation: https://ja.wikipedia.org/wiki/)

中島クリニックに日本テレビ世界一受けたい授業制作者から電話がありました。
麻しんについて教えてもらいたいことがあります。との事です。

(Citation: 世界一受けたい授業http://www.ntv.co.jp/sekaju/)

電話があったのが、診察中で時間がとれないので折り返し電話で制作者の方とお話しました。

折り返し電話するまでは怪しい電話かと思いましたが、テレビ番組を語る詐欺電話でなく、ホンモノでした。

「日本テレビ世界一受けたい授業」は2004年から放送されている教育バラエティ番組のようです。
しかも19.3%の最高視聴率を記録したこともある人気番組のようです。

のようです、と語尾が伝聞なのは、
ボクほとんどテレビのチャンネル付けることない生活を過ごしています。5年ぐらい前からでしょうか。
「日本テレビ世界一受けたい授業」もちろん知っていますが、
実はほとんどテレビ見ないので、テレビ番組に疎いのです。

■麻しんの感染ルートについて

6/23(土曜日)放送の日本テレビ世界一受けたい授業テーマは「感染症」関連。

その中ではしかについても取り上げるようで、麻しんの感染ルートについて教えてくださいとの依頼です。
放送の内容裏取り作業の電話です。

過去に健康番組を見た患者さんから、とんでもな内容の相談を受けることが多々あり、健康関連のテレビ番組は眉唾な印象をもっていました。

今回「日本テレビ世界一受けたい授業」制作者から電話いただいてお話をして、放送内容に間違いがないか、きちんと確認していることを知りました。
失礼ながら、きちんと番組作りをしていることに驚きました。

■2年前に西宮市で確認された麻しん感染が、関空での感染か海外からの持ち込み感染かどうかの確認

制作者からの主な確認事項は、
以前西宮市で確認された麻しん感染が、
関空での感染か海外からの持ち込み感染かどうかでした。

2年前にインドネシアバリ島旅行から帰国した19才の方がはしかを発症したことがありました。その感染経路が、海外からの持ち込みなのか、関西国際空港での接触(日本)での感染かです。

参考記事 ●「はしか」に関する誤解を解いておくよ|麻疹感染拡大の注意喚起も必要だが、ワクチンによる予防が基本中の基本

質問:2016年西宮市で確認された麻しんが、関空での接触感染かインドネシア旅行中に感染したか?

答えとして:インドネシアで感染、日本に持ち込みと感染と考えると伝えました。
理由として、
麻しんには発症まで潜伏期間がある。
麻しんの潜伏期間は約10日~14日である。
このケースは発症の10日以内にインドネシアバリ島を訪れていた経緯があある。
発症時期から判断すると、インドネシアから帰国した際の関空での接触感染ではなく、インドネシアで感染、持ち込みである。
と根拠を説明しました。

今月6/23(土曜日)放送の「テレビ世界一受けたい授業」どのようなストーリーになっているか楽しみです。

■まとめ 健康関連テレビ番組は放送内容に間違いがないか裏取りをしている