先日、タバコについて小学校6年生と一緒に勉強しました。黙って私の話を聞くだけでなく、時に驚きの声を上げ、時にどよめき、私の質問に顔を伏せず挙手して積極的に参加する姿が印象的でした。
30枚余りの写真、グラフ、海外のタバコCM動画など、活字ではなく視覚から感じとる授業を心がけました。なかでも、中学校1年先生男子の約20%、女子の約15%も喫煙経験があると、具体的な数字(厚生労働省の全国調査のデータです)を示して話をすると、驚くとともに、喫煙は他人事ではなく身近な問題であることを理解してもらえたようです。
授業の最後に生徒さんから質問や相談をたくさん受けました。なかでも、一番難しいのは「家族がタバコをすっているのですがどうしたら止めてもらえますか」です。この質問は毎回でます。こうすれば良いと言う正解はないのですが、まずは、インターネットや新聞などでタバコについて調べ、一緒に勉強してみてはどうですかと提案しました。私のクリニックで禁煙指導を受けにこられる理由に「孫にすすめられて」「家族のすすめで」などが多いのは確かです。家族と一緒にタバコについて調べる、勉強する事が禁煙するきっかけになるからです。
たった1時間と短い時間でしたが、何らかの形で子供たちの心に残り、タバコの誘惑に直面したときに抑止力としてはたらいてくれる事を願うとともに、小学校でのタバコに関する授業の大切さを再確認する1日となりました。