ワクチン接種による病気予防の重要性が広く認知されるようになり、様々な種類のワクチンに関する相談を受ける機会が増えました。今日は名前が混同しやすいワクチンについてお話いたします。
髄膜炎、肺炎などを名前に含むワクチンは特に複雑です。
通称「肺炎ワクチン」は「成人用肺炎球菌ワクチン」を指します、日本では未認可ですが肺炎球菌ワクチンには「小児用肺炎球菌ワクチン」もあります。
「髄膜炎ワクチン」と言う言葉が「インフルエンザ菌b型ワクチン、ヒブワクチン」を指すつもりで使われる事があるのですが、髄膜炎菌髄膜炎を予防する「髄膜炎菌ワクチン」もありますので「髄膜炎ワクチン」と言う呼び名は避けた方がよいですね。
ワクチン名、製品名、通称など同じもの同士列挙してまとめてみます。
・インフルエンザ菌b型ワクチン、ヒブワクチン、アクトヒブ、ActHib
・成人用肺炎球菌ワクチン、ニューモバックス、Pneumovax、23価肺炎球菌ワクチン、いわゆる肺炎ワクチン
・小児用肺炎球菌ワクチン(日本未認可)、プリブナー、Prevnar、7価肺炎球菌ワクチン
・髄膜炎菌ワクチン(日本未認可)、メンスバックス、Mencevax
今はまだ小児用肺炎球菌ワクチンは未認可ですが、本日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会の部会で、小児用肺炎球菌ワクチンを承認して差し支えないとの結論をまとめました。早ければ本年中にも「小児用肺炎球菌ワクチン」が日本でも使えるようになりそうです。乳幼児の細菌性髄膜炎予防に朗報です。