まず、食生活、運動領を含めた生活習慣、両親や兄弟などに糖尿病の方はいないか家族歴、などを聞くことから診療は始まります。
いきなり薬を処方するわけではありません。生活スタイルを見直すことでかなり改善が期待できます。特に初期の糖尿病では。
糖尿病の家族歴なし、体重の急激な増加なし、結構運動もしている、アルコールもそんなに飲まない、生活習慣がそんなに悪くなさそうなのに、突然血糖が上がってきた、昨年の職場での健診結果を見ても血糖値悪くない。
さて、なぜだろうと思い、さらに問診をすすめると
「毎日健康のためにお茶代わりにスポーツドリンクを1L飲んでいます」
「脱水になったら困るので、スポーツドリンク買いだめして飲んでいます」
など、耳を疑うコメントが飛び出すことがあります。
今日のテーマ「スポーツドリンクに含まれる糖分」知っていますか。
答えを書いておきます。
スポーツドリンクをお茶代わりに、500ml飲むと、スティツクシュガー8本分のお砂糖(約25g)
1L飲むと、スティツクシュガー16本分のお砂糖(約50g)
を簡単に摂取してしまうことになります。
健康のためにと思った食生活で逆に糖分を過剰摂取してしまうことになるのです。
特にこれから、どんどん気温が上がってくる夏、スポーツドリンクの飲み過ぎにご注意ください。
スポーツドリンクの組成を調べてみました。
スポーツドリンクA
100ml当たりの栄養成分
エネルギー25kcal
エネルギー25kcal
タンパク質0g
脂質0g
炭水化物6.2g
ナトリウム49mg
カリウム20mg
カルシウム2mg
マグネシウム0.6mg
原材料:砂糖、果糖ぶどう糖液糖、果汁、食塩、酸味料、香料、塩化K、乳酸Ca、調味料(アミノ酸)、塩化Mg、酸化防止剤(ビタミンC)
スポーツドリンクB
100ml当たりの栄養成分
エネルギー 18kcal
タンパク質0g
脂質 0g
炭水化物4.6g
ナトリウム 40mg
カリウム 8mg
マグネシウム1.2mg
アルギニン25mg
イソロイシン1mg
バリン 1mg
ロイシン 0.5mg
原材料:糖類(高果糖液糖、果糖)、はちみつ、塩化Na、ローヤルゼリー、海藻エキス、クエン酸、 香料、 クエン酸Na、 アルギニン、 塩化K、 塩化Mg、 乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)、 甘味料(スクラロース)、 イソロイシン、 バリン、 ロイシン
スポーツドリンクC
ナトリウム 40mg
カリウム 8mg
マグネシウム1.2mg
アルギニン25mg
イソロイシン1mg
バリン 1mg
ロイシン 0.5mg
原材料:糖類(高果糖液糖、果糖)、はちみつ、塩化Na、ローヤルゼリー、海藻エキス、クエン酸、 香料、 クエン酸Na、 アルギニン、 塩化K、 塩化Mg、 乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)、 甘味料(スクラロース)、 イソロイシン、 バリン、 ロイシン
スポーツドリンクC
100ml当たりの栄養成分
エネルギー 25kcal
たんぱく質 0g
脂質 0g
炭水化物6.3g
ナトリウム51mg
グルタミン酸11mg
リン約30mg
カリウム18mg
カルシウム 2.4mg
マグネシウム 1.2mg
たんぱく質 0g
脂質 0g
炭水化物6.3g
ナトリウム51mg
グルタミン酸11mg
リン約30mg
カリウム18mg
カルシウム 2.4mg
マグネシウム 1.2mg
原材料:砂糖、ぶどう糖、イソマルツロース、マルトデキストリン、塩化Na、香料、乳酸Na、酸味料、クエン酸、リン酸K、乳酸Ca、グルタミン酸Na、酸化Mg
各製品ともしっかりと、カロリー明記されています。
各製品ともしっかりと、カロリー明記されています。
でも、お砂糖がどれだけ入っているか記載されていません。
炭水化物の量に着目してください。炭水化物と言えば、ご飯やパンをイメージされると思いますが、単糖を構成成分とする有機化合物の総称が炭水化物ですので、糖も含まれます。
スポーツドリンクに、米、小麦などの炭水化物は入っていないので、栄養成分表示の炭水化物=糖分(ショ糖、ブドウ糖、果糖など)と理解してよいでしょう。
スポーツドリンクA 炭水化物6.2g (100ml中)
スポーツドリンクB 炭水化物4.6g
スポーツドリンクC 炭水化物6.3g
スポーツドリンクは4-6%位の砂糖水です。
ジュースには10%位の砂糖が入っています。ジュースほどは甘くないものの、スポーツドリンクにも結構な量が含まれていることが分かります。