ピロリ菌除菌治療成功して『陰性』となった後、ピロリ菌にまた感染するのでしょうか?
答えは、NOです。正確に言うと、ないわけではありませんが、再感染はほとんどないといえます。
除菌後の経過について調べた論文が多数あります。
何れの報告をみても、一度消えたピロリ菌が陽性になる率は極めて低いことがわかります。
2002年に報告された論文では、ピロリ菌除菌に成功した1年後に再検、陽性率は1.2%。337人中、わずか4人が陽性になっただけでした。
また、2012年に報告された別の論文によると除菌に成功した人を最長12年フォローしたところ、1609人中、わずか26人が陽性。
陽性率は1.6%。
年率にしてわずか0.22%でした。
陽性率は1.6%。
年率にしてわずか0.22%でした。
ざっくりと切りのよい数字で書くと、再陽性化率は2%以下、100人除菌成功した人のうち98人は一生消えたままで過ごせるということです。
と、今までの話は日本の話ですが、国によりかなり再陽性化率は違います。
南米からの報告の1年後の再陽性化率は
コロンビア 18%
チリ 13.6%
メキシコ 13.3%
と軒並み10%以上です。
さらに他の国ではどうかと、論文を検索してみると。
見つけました、レアものです。
「イラン」からの報告
1年後再陽性化率 14.7%
結構高いです。
論文の内容を詳しく読んでみても、除菌後一定期間以上あけて、尿素呼気法で除菌成功を確認した症例をフォローされているので研究デザイン、方法は日本からの報告と大きな差はありません。
除菌プロトコール(除菌薬、内服期間)多少違いますが、大きな違いなく、
除菌効果判定方法も同じです。
でも再感染率が国により違うのは、衛生状況がことなるのが大きな要因と思われます。
上下水道が発達して、衛生状況がよい現代の日本では、一度ピロリ菌除菌したら再度陽性になることは、極めて少ないと思ってよいでしょう。