ドックなどで胃検査の前に必ず「緑内障」有無の問診が必ずあります。
胃の動きを少なくして、精密な検査を行うために「ブスコパン」という薬を注射するのですが、胃の蠕動運動をおさえる「ブスコパン」が緑内障の方には使えないのです。
ブスコパンには「抗コリン作用」があり緑内障発作を起こすことがあるために、禁忌とされております。禁忌とは使ってはならぬ、ということです。
緑内障の方に使えない薬としてはブスコパンの他に、抗ヒスタミン剤入の風邪薬、リン酸コデインなどの咳止め、ベンゾジアゼピン系の薬(睡眠薬、安定剤)、その他多数あります。
では、緑内障があれば風邪薬も飲めないのでしょうか。
緑内障には大きく分けて2種類あります。
細かい分類がさらにあるのですが、大切なのは次の2種類です。
・開放隅角緑内障
・閉塞隅角緑内障
どちらであるかが、他の薬を併用するときに大切です。
・開放隅角緑内障(緑内障発作を起こさないタイプ)
・閉塞隅角緑内障(緑内障発作を起こしうるタイプ)
開放隅角緑内障であれば、風邪薬、ブスコパン、その他抗コリン作用をもつ薬、気にする必要はありません。緑内障の90%は開放隅角緑内障(緑内障発作を起こさないタイプ)です。
私は診察の時に緑内障をもっている方に下に添付した紙を渡しています。
眼科主治医の先生に確認してもらい、自分の病気のことを正確に知ってもらうようにしています。
PDFファイルで添付しています。プリントアウトしてご活用ください。
緑内障問診をダウンロード
まとめ
開放隅角緑内障であれば併用薬、問題なし。
閉塞隅角緑内障であれば併用薬、要注意です。