2016年秋から、B型肝炎ワクチンの「ユニバーサルワクチネーション」が西宮市でも始まります。
「ユニバーサル」についてのお話です。
病気を予防するために、ワクチンを接種します。
どのような人を対象に予防接種を行うか、大きくわけて2種類の治療戦略があります。
「ユニバーサルワクチネーション」
と
「セレクティブワクチネーション」です。
「ユニバーサル」はテーマパークUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のuniversalと同じ単語、英語を直訳すると「 普遍的な」です。
「セレクティブ」selective 選択的な
「ワクチネーション」vaccination ワクチン接種
「ユニバーサルワクチネーション」は全員接種
「セレクティブワクチネーション」は病気にかかりやすい人などを対象とする、選択的接種です。
風しんワクチンを例に「セレクティブ」「ユニバーサル」の説明します。
風疹は妊娠中に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群といわれる障がいを起こすことがあります。
先天性風疹症候群を予防するために、昭和50年代に、中学生女子を対象に風疹ワクチンを接種していた時代がありました。これが「セレクティブワクチネーション」です。中学生女子を選択的に接種です。
でも、女子だけの接種では残念ながら先天性風疹症候群完全に防ぐことができませんでした。
その後、導入されたのが集団全員を対象として接種する「ユニバーサルワクチネーション」です。男女問わず、接種して風疹の流行を社会全体で押さえ込む戦略です。現在は1才、小学校上がる前の年、2回接種が行われています。
予防接種を受けていない世代の大人がたくさんいるので(特に昭和57年生まれ以前の男性)、まだ風疹の流行は散発的にありますが、幼少児に2回接種している世代の子供たちが大きくなる頃には次第に減っていくはずです。