東南アジア、南アフリカなど世界では、B型肝炎キャリア率が10%を超す国が多数あります。
日本は0.8%まで現在下がってきており、キャリア率は低い方ですが、まだ撲滅には至っていません。
どのようにしてB型肝炎が感染するのか、感染経路の話題を中心に、なぜユニバーサルワクチネーション(全員接種)が大切であるかお話いたします。
「ユニバーサルワクチネーション」って何と思った方はこの記事をどうぞ。
B型肝炎は、血液、精液などの体液を介して感染します。
母子感染、輸血(昔のB型肝炎をチェックしていなかった時代)、予防接種(昔の針を変えず接種していた時代)、針治療、入れ墨などです。あとは性感染です。
ボクが子供の頃はまだ、保健室に一列に並んで、同じ針で何人か続けて接種していました。30年ぐらいまえの話ですが。
今は注射の針、シリンジは使い捨てなので予防接種で感染することは絶対にありませんので、ご安心ください。
それぞれの感染経路を詳しく見ていきましょう。
母子感染→出生時にB型肝炎ワクチンとガンマグロブリンで予防できています。
予防接種→注射の針シリンジは使い捨てなので、この感染経路、今はありえません。
輸血→献血をB型肝炎抗原、抗体チェック、NATと言う精密な検査で調べているため、かぎりなくゼロに近い状況です。
性感染→大人になってからB型肝炎にかかっても、慢性化しません。例外の話は後ほど。
現在は、厳重に血液を介する、母子感染予防、輸血のチェックなどを行って、感染経路が断たれています。このように万全の対策をとっても、どこからもらったか不明のB型肝炎キャリアが約20-25%存在します。
これが、ワクチン接種の重要性を強調する1つめの理由です。
B型肝炎は大人になってからの感染では慢性化しませんので(例外の話は後ほど)、出来るだけ幼少期に全員がワクチン接種を済ませておくことが大切です。
B型肝炎は、大人になってからの感染は急性肝炎・劇症肝炎などを起こしますが、慢性化しないのが、すこし前までの常識でした。医学の教科書にもそう書いてありました。
しかし例外があることが明らかになってきました。
近年流行してきているジェノタイプA型とよばれるB型肝炎は、恐ろしいことに、大人になってからの感染でも慢性化することがあるのです。
これが、ワクチン接種の重要性を強調する2つめの理由です。
パートナーがB型肝炎キャリアであるかどうかは分からないものです。
ワクチンで抵抗力をつけておくことが大切です。