幼少期の抗生物質投与、こんなにも影響するものなのか。炎症性腸疾患発症率との関連

1929年のアレクサンダー・フレミングによる抗生物質(ペニシリン)の発見以降、
感染症の脅威から人類は多大な恩恵を受けてきました。

抗生物質の作用を別の角度からみた、お話です。

腹痛、下痢、血便などを起こす病気にクローン病、潰瘍性大腸炎 (炎症性腸疾患Inflammatory Bowel Disease: IBD)があります。
炎症性腸疾患は大腸や小腸に慢性炎症や潰瘍をおこす原因不明の疾患の総称です。
遺伝的素因、食事、生活習慣などなど、さまざまな要因が複雑に重なりあって発症しますがが、特定の要因は同定できず、原因は不明です。

幼少期に抗生物質を使ったかどうか、
その使用頻度と炎症性腸疾患発症のリスク、
を検討した結果がデンマークから報告されています。

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(citation: Morten F et al. Antibiotic use and inflammatory bowel diseases in childhood. Gut 2011;60:1 49-54 )

抗生物質を使ったか、
使わなかった、で分けて比較すると、
炎症性腸疾患発症の相対危険度は、
抗生物質使った群が1.84倍にあがっていました。

顕著な差があったのが、
7回以上抗生物質投与を受けている群での、
クローン病、相対リスクは7.32倍にまであがっていました。

このデンマークでの検討からは、
抗生物質投与で、腸内微生物叢が影響を受けることが炎症性腸疾患発症の一因になりうるとも解釈できます。

1929年のアレクサンダー・フレミングによるペニシリン発見以降、抗生物質は人類に多大な恩恵を与えています、
特に感染症による乳幼児死亡率の低下への貢献は絶大です。

人類に多大な恩恵をもたらした抗生物質ですが、その効果ゆえに、
たった数回の抗生物質がこのような別の形で体へ影響を及ぼしうることに驚いています。あらためて、抗生物質のメリット・デメリットについて、深く考えさせられました。

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