潰瘍性大腸炎の新たなバイオマーカー「便中カルプロテクチン」|客観的な数値で結果が得られる潰瘍性大腸炎の検査

潰瘍性大腸炎の新たなバイオマーカーである「便中カルプロテクチン」が、保険収載される予定です。
時期はまだ決まっていませんが、今年の夏頃だと思われます。

(参考記事)
カルプロテクチン、ちょっと気をつけた方がいい3つのこと|潰瘍性大腸炎とカルプロテクチン

潰瘍性大腸の病状を判断するためには、内視鏡で大腸を直接観察することが理想です。

大腸粘膜のキズの状態を、易出血性、血管透見、潰瘍、びらん、発赤、粘液付着など総合的に判断します。

大腸粘膜の状態をみて、治療法の選択、薬の増量逆に減量します。

大腸カメラで大腸を直接みて診断、治療を行うのが理想ではあるのですが、大腸カメラを受けるためには下剤をかけて前処置が必要であり、たびたび受けるのは時間的にも難しいものです。

大腸内視鏡のかわりに、病状を推察するものが「バイオマーカー」とよばれるものです。

採血値では、WBC(白血球数)、CRPやESR(赤沈)などが「バイオマーカー」として有用ですが、WBC、CRPやESRは炎症を反映している数値であり腸管以外の炎症でも上昇する点が悩ましいところです。関節炎、肺炎などでもCRPやESRは上昇します。

腸管の炎症だけの影響を受けるバイオマーカーとして発見されたのが、「便中カルプロテクチン」です。

カルプロテクチンは、おもに好中球から分泌されるカルシウム結合タンパク質で、好中球の腸管への移行に比例してカルプロテクチン値が上昇します。

腸管に炎症が起きると、好中球が腸管粘膜に移動、カルプロテクチン値が上昇します。

新たなバイオマーカーである「便中カルプロテクチン」は、潰瘍性大腸炎の内視鏡評価(大腸カメラでみた大腸の状態)と相関することがわかっています。

さらに、潰瘍性大腸炎の病状が安定していても、カルプロテクチン値が高値を呈する方で病気が再燃しやすいことも明らかになってきています。

(Citation: Manceau H et al. Fecal calprotectin in inflammatory bowel diseases: update and perspectives. Clin Chem Lab Med. 2017 Mar 1;55(4):474-483. )

新しいバイオマーカー「カルプロテクチン」の特徴
・腸管の炎症に特異的なバイオマーカー
・便で簡単に測定できる
・潰瘍大腸炎の内視鏡所見とカルプロテクチン値が相関する
・潰瘍性大腸炎、再燃の予測マーカーとなる

非常に有用なバイオマーカーである「カルプロテクチン」ですが、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患以外でも上昇することがあります。

胃がん、大腸がん、感染性腸炎、肝硬変、PPI(proton pump inhibitor)服用、アスピリンやNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)服用でも、数値ががあることがありますので注意する必要があります。

「カルプロテクチン」極めて有用なバイオマーカーですが、これだけに頼ることなく、血便、排便回数、腹痛、一般状態など含め総合的に判断することが大切です。

兵庫県西宮市 中島クリニック
内科・消化器内科

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