アメリカには、予防医学の専門委員会があり、どの年齢の人に、どのような検診がすすめられるかデーターに基づき推奨度を提示しています。
US Preventive Services Task Force国予防医学専門委員会、略してUSPSTFとよばれる専門委員会です。
かなり具体的な内容を提示しています。
肺がん検診であれば、USPSTFは以下を推奨しています。
55歳から80歳の30pack-year(1日20本なら30年、1日40本なら15年喫煙している人)
かつ
15年以内に喫煙歴のある人
に対して低線量胸部CTでの検診が推奨されると
定めています。
毎年胸部レントゲンをとりましょう、
などのシンプルな提案ではないのが特徴です。
USPSTF(US Preventive Services Task Force)米国予防医学専門委員会はどのような大腸癌検診を推奨しているか紹介いたします。
(Citation: US Preventive Services Task Force. Archived Recommendation Summary)
・50歳から75歳に対し、便潜血検査、S状結腸内視鏡、全大腸内視鏡によるスクリーニング推奨されるとなっています。
推奨度A、つよい根拠にもとづいた推奨となっています。
・85歳以上は大腸スクリーニング検査推奨「しない」
推奨度D、has no net benefit、メリットがないので「やめましょう」となっています。
スクリーニング検査の推奨だけでなく、推奨「しない」年齢にまで言及しているところが、USPSTFのすばらしいところです。
がんの発生頻度は、人種、食事を含めた生活習慣の違いから、国によって異なります。
そのため、USPSTFの推奨をそのまま日本に適用することはできませんが、大変参考になります。
日本での大腸がん発癌率を年齢毎に示したグラフです。
(Citation: 国立がん研究センターがん情報サービス)
これをみると40歳をさかいに、発がん率が高まっているのが分かります。
早期発見することで大腸ガンによる死亡率が下がります。
また、大腸内視鏡検査を受けることで、より早いステージでがんが見つけられることも分かっています。
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中島クリニックでは40歳からの大腸検査スクリーニングをおすすめしています。