最近よく耳にする「プロバイオティクス」
体によい効果をもたらす生きた微生物のことです。
ビフィズス菌
乳酸菌
などです。
菌を殺す、antibioticsアンチバイオティクス(抗生物質)と
対比する言葉として提唱されたのが、
probioticsプロバイオティクスです。
ロタ腸炎などのウイルス性腸炎は、プロバイオティクスをのむと、下痢の期間が短くなり、はやく病気が治ることがわかってきています。
病気になってからではなく、元気な時からプロバイオティクスをとっておくと腸炎、風邪などを予防できるかを検討した報告があります。
(Citation: Laursen RP et al. Probiotics and Child Care Absence Due to Infections: A Randomized Controlled Trial. Pediatrics. 2017 Jul 3. pii: e20170735. doi: 10.1542/peds.2017-0735. )
290人の乳幼児(平均10ヶ月)を2つのグループに分け
・ビフィズス菌と乳酸菌を毎日6ヶ月間内服
・プラセボを6ヶ月間内服
を比較しています。
下痢の回数、期間
肺炎、気管支炎
中耳炎
医療機関を受診した回数
その他20項目以上を比較検討しています
結果は、プロバイオティクスをとっている子供、とプラセボ(偽薬)をとっていた子供と、どの項目でも差がありませんでした。
残念ながらこの研究ではプロバイオティクスを毎日とっても、期待する効果はありませんでした。
プロバイオティクスに効果がないと結論づけるのは尚早で
6ヶ月間という限られた期間の問題か、
投与されたプロバイオティクスの種類の問題か、
プロバイオティクスの量が少なかったのか、
さまざまな要因があります。
今後の研究成果に期待したいところです。
(参考記事)
幼少期の抗生物質投与、こんなにも影響するものなのか。炎症性腸疾患発症率との関連
潰瘍性大腸炎にプロバイオティクス(善玉菌)は効くのか|プロバイオティクス VSL#3が有望
まとめ
ビフィズス菌や乳酸菌などのプロバイオティクスを日常的にとっても、ウイルス性腸炎や熱のかぜを予防するほどの効果は得られませんでした