ピロリ菌除菌による胃がん予防効果|治療効果を数値で比較してみる

ピロリ菌を除菌すれば、将来の胃がん予防につながることは、よく知られています。

(Citation: Ford AC, et al. Helicobacter pylori eradication therapy to prevent gastric cancer in healthy asymptomatic infected individuals: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.BMJ. 2014 May 20;348)

ピロリ菌について参考記事

・胃潰瘍や胃がんとピロリ菌の関係

中島クリニックのピロリ菌除菌成功率についてのデータ

院長研究論文がヘリコバクター学会誌に受理掲載されました。「ヘリコバクターピロリ一次除菌におけるボノプラザンの有用性ー抗菌薬感受性ブレイクポイントとの関連検討ー

ピロリ菌治療は、60才でするより50才、50才でするより40才と若い時にするほど胃がん予防の効果が高いのは明らかです。中学生や高校生を対象にピロリ菌検査を行って、若い年齢での除菌に取り組んでいる自治体もあります。

ピロリ菌をもっていれば「除菌」が今では当然の治療ですが、その予防効果はどれぐらいあるのでしょうか?

もしピロリ菌をもっていることが検査で分かり、医者から除菌治療をすすめられたら、
「ピロリ菌除菌」がどれぐらい効果があるのか知った上で、
除菌するか、逆に、除菌を見送るか、
判断したいと考えるはずです。

ピロリ菌の除菌効果がどれぐらいなのか、具体的な数字を用いて説明いたします。

治療の効果を示す指標に治療必要数(NNT number needed to treat)があります。
NNTは、何人に治療したら1人がその治療の効果を得られるかの数値です。
数字は100より50、50より10と小さい方が効果が高いと判断できます。

話はピロリ菌から、はなれますが、
一度脳梗塞を起こした人は、脳梗塞をもう一度起こすリスク(危険度)が非常に高いことが知られています。
一度脳梗塞を起こした人は治療しないと3年で19.1%、約5人に1人が再度脳梗塞を起こしてしまいます。
そこで、予防のために低用量のアスピリンを服用します。

一度脳梗塞をおこしたら、当然、予防のため低用量アスピリンなどのいわゆる血をさらさらにする薬(抗血小板薬)を服用します。
脳梗塞再発予防のために、アスピリンなどの抗血小板薬を服用することに迷いはないでしょう。

脳梗塞予防の治療効果NNTは30です。
NNT30はやや大きな数値と感じるかもしれませんが、「病気予防」の観点からは30は小さな数値で、有用な治療と判断できます。


(Citation: Berger JS, et al. Low-dose aspirin in patients with stable cardiovascular disease: a meta-analysis. Am J Med 2008; 121: 43-9)

脳梗塞を起こしたときに服用するアスピリン(脳梗塞二次予防効果)の効果は「30」と覚えておいてください。

本題にもどりピロリ菌治療効果のNNTはどれぐらいでしょうか。

ずばり、
ピロリ菌除菌治療のNNT
男性 NNT 15.3
女性 NNT 23.0
です。

男性15.3、女性23.0とピロリ菌治療は
極めて高い胃がん予防効果があります。

(Citation: Ford AC, et al. Helicobacter pylori eradication therapy to prevent gastric cancer in healthy asymptomatic infected individuals: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.BMJ. 2014 May 20;348)

脳梗塞予防の低用量アスピリン治療NNT30よりも、ピロリ菌除菌効果は小さい数値(数値は小さい方が効果が高い治療)、すなわち有効な治療です。

ピロリ菌陽性なら、迷わず除菌治療です。
胃がん予防につながります。

ピロリ菌治療のNNT日本人では男性15女性23と極めて効果が高いのですが、米国では男性163、女性245と効果が乏しい解析結果です。
英国でもNNT男性94.9女性163.4と若干治療効果が乏しい結果です。
国によってピロリ菌治療による胃がん予防効果に差があるのは興味深いところです。

まとめ
ピロリ菌治療のNNT
男性 NNT 15.3
女性 NNT 23.0
と非常に胃がん予防の効果が高い
(NNTは数値が小さい程効果が高いことをあらわす指標)

ピロリ菌陽性なら、迷わず除菌治療です。

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