ベビーアスピリン
かわいい響きです。
赤ちゃんではない、ベビーについてのお話です。
参考記事
・バファリンとアスピリンの微妙な関係
・旅の常備薬。海外で薬を買うとき気をつけること
ベビーアスピリンとは
大腸内視鏡検査は、のんでいる薬、全身状態をチェックした上で検査を受けていただきます。
この時に大切なのが、血をいわゆる「さらさらに」する薬を飲んでいるかどうかです。
脳梗塞や狭心症など血管が詰まる病気予防のために
アスピリン、プラビックス、パナルジン、エフィエントなどなど、
書き出すといくらでもありますが、
血をさらさらにする、抗血小板薬をのんでいると、
ポリープを切るなど処置後出血の原因となります。
検査前に入念にこのたぐいの薬を服用していないか問診します。
アメリカから大腸検査を受けにこられた方に、このたぐいの
抗血小板薬(Antiplatelet agents)をのんでいないか聞くと
「ベビーアスピリンのんでいるよ」
「友達もみんな、薬局でかって健康のためにのんでいるよ」
みたいな感じです。
(Citation: walmart.com https://www.walmart.com/c/kp/baby-aspirin)
baby bed ベビーベッド 赤ちゃん用ベッド
babies’ wear ベビー服
baby face ベビーフェイス 童顔
ベビーが付くことばは、赤ちゃん 関連ですが、
「ベビーアスピリン」は「赤ちゃん用のアスピリン」
ではありません。
ベビーには「少量」の意味があって、
ベビーアスピリンは赤ちゃん用ではなく、
アメリカでは
大人用の低用量アスピリンをベビーアスピリンとよびます。
通常のアスピリン量が330mg
それに対して、低用量アスピリンは100mg~81mg
アメリカ人、アスピリン大好きで
脳梗塞予防のため、朝起きたらベビーアスピリン1錠
なんか体調すぐれないので、アスピリン
常備薬です。
ベビーアスピリン、低用量アスピリンには血栓を予防する働きがあり、脳梗塞や心筋梗塞の予防となります。
さらには、アスピリンが大腸がんを予防する働きもあります。
参考記事
・アスピリンに大腸がん予防効果あり
いいことずくめの、アスピリンですが
逆に胃や腸からの出血、脳出血など重篤な副作用もありますので、自己判断でのむのは、やめておきましょう。
胃カメラ・大腸カメラ検査前にアスピリンを休薬するべきか
アスピリン(アセチルサリチル酸)は血小板の作用を抑え、血を、さらさらにする働きがあります。
その昔、10年ほど前までは
アスピリンを飲んでいる時に、
胃カメラ・大腸カメラ検査時に
生検(ポリープや腫瘍の組織を採取)すると、
出血の危険があるので、
検査1週間前からアスピリンを止めましょう
と休薬していました。
しかし、アスピリンを止めることで、
血栓ができ脳梗塞を起こしたりすることの方が危険であることが明らかになりました。
アスピリンなどの抗血小板薬は、検査の時に休薬する方向性から、真逆の継続下で検査する方向性に今はなっています。
2012年7月の日本消化器内視鏡学会からの消化器内視鏡診療ガイドラインにも明記されています。
アスピリンなど抗血小板薬をのんでいても、胃カメラ、大腸カメラ検査できます。
内視鏡検査前に、医師から処方されている
アスピリンを自己判断で
「休薬しない」ようにしてください。
生検はアスピリンをのんでいても大丈夫ですが、
大腸ポリープを「切除」するとなると休薬が必要です。
その場合は主治医の許可をえてから、アスピリン休薬です。
参考記事
・胃カメラ検査時のアスピリンなど抗血栓薬服用について
まとめ
胃カメラ・大腸カメラ検査前に、医師から処方されている
アスピリンを自己判断で「休薬しない」