潰瘍性大腸炎治療薬アサコールは1日1回投与でも寛解維持効果あり

潰瘍性大腸炎治療は多く分けて2本の軸に分かれます。
1本の軸は、大腸に潰瘍ができて潰瘍から出血、腹痛があるときの、直す治療。
もう1本は食生活、薬で潰瘍が治ったあと、再燃を防ぐ、寛解期の治療です。

潰瘍性大腸炎治療は、活動期、寛解期(落ち着いているとき)に分けて判断

大腸カメラで大腸粘膜の状態を精密検査して、落ち着いた状態になっている事を確認できれば(寛解期)、このままの薬の量で維持するか、
薬を減量するか、
1日の薬を飲む回数をへらすか、
など判断します。

薬を飲む回数は3回より2回、2回より1回、少ない方がよいのは当然ですが、
減らすことで潰瘍性大腸炎が再発してしまうのは困ります。
どこまで回数を減らして大丈夫であるかを判断する基準となる素晴らしい報告がありましたので紹介いたします。

ペンタサやアサコールを毎日3回きちんと飲み続けるのは難しい

血圧の薬、糖尿病の薬、潰瘍性大腸の薬でも、
薬の種類により1日1回の薬、1日3回毎食後と、
薬をのむ回数はさまざまです。

西宮市中島クリニックに通院されている方に処方する時
「薬が余っているので今回は7日分減らしてください」
と言われ処方する日数を減らすことがあります。
減らす薬はいつも、1日3回服用の薬です。

薬が余ってくるのはこんなパターンです。
・朝昼夜と3回薬のんでいる方が、週末朝起きるのが起きて、朝昼兼用となり、1日2食となった。
・職場に薬を持って行くのを忘れ、昼が飛んでしまった。
・夜外食したので薬を飲むのをわすれた

1日3回飲んでくださいと言うのは簡単でも、実際には難しいものです。

もちろん、そのことは私もよく理解しています。
血圧の薬でも糖尿病の薬でも、薬の効果が同じであれば、1日3回の薬よりも1日1回の薬を西宮市中島クリニックでは処方するように心がけています。

では潰瘍性大腸の治療ではどうでしょう、
アサコールを潰瘍性大腸炎で内服している方へ、私はこのように伝えています。
アサコールやペンタサを朝3錠、昼3錠、夕3錠、1日9錠のんでいる方には
「朝昼晩3錠つづ飲んでください。もし飲み忘れたら、1回の量は多くなってもいいので、1日で9錠のみ切ってください」
と伝えています。
朝忘れたら、昼6錠、夜3錠でもいいですよ。
と説明しています。

(注意:糖尿病や血圧の薬などはこのような変則的な服用しないでください。低血糖、血圧低下の危険があります)

潰瘍性大腸炎が落ち着いた状態(寛解)で1日1回と3回を1年間、効果を比べた結果

20年以上前は、血圧の薬アダラート(ニフェジピン)は効果持続時間が短いので、朝、昼、夜3回のんでいました。
その後、アダラートLが開発され、少し持続時間がながくなり、朝、夜、2回の服用に減りました。
さらに、アダラートCRが開発、一日中効果が持続するようになり、1日1回の服用となりました。

血圧降下の作用も1日1回の徐放剤と3回の薬と比べ遜色ないことがわかっています。

アダラートを処方する時にはアダラートCRを中心に処方します。アダラートLやアダラートを使うことは少なくなっています。

潰瘍性大腸炎でも、服用回数をへらしても効果が同じであるかどうかの検討がされています。

ペンタサ(時間依存型徐放製剤)では潰瘍性大腸炎が落ち着いている時期(寛解期)に1日3回と1回を比較した日本での報告がすでにあります。
結果、効果に差はなく、1日1回の内服が添付文書上も認められています。

アサコール(pH依存型徐放性製剤)の1回と3回服用を比較した日本での報告はいままでありませんでした。

アサコールの服用回数による効果を比較した結果が、2017年5月始めて報告されました。

(Citation: Hibi T et al. 2.4 g Mesalamine (Asacol 400 mg tablet) Once Daily is as Effective as Three Times Daily in Maintenance of Remission in Ulcerative Colitis: A Randomized, Noninferiority, Multi-center Trial. Inflamm Bowel Dis. 2017 May;23(5):822-832)

寛解期(落ち着いた状態:血便スコア0かつ活動指数UCDAIスコア2以下)で
・アサコール(400mg)6錠を1日1回
・アサコール(400mg)6錠を1日3回に分けて服用

1年間潰瘍性大腸炎の再燃を起こさないかどうか確認比較

結果
1日1回 無再燃率 88.4%
1日3回に分けて服用 無再燃率 89.6%
差は、-1.3%(95%信頼区間-6.2~3.7)

アサコールを1日1回と3回に分けて服用で差ががありませんでした(比劣性が確認されました)

治療効果に差がないことが確認できましたので、中島クリニックではアサコールの処方回数を積極的に減らす方針です。

まとめ

潰瘍性大腸の寛解維持には、アサコールの服用回数を減らすことを考慮できる。(注意:薬の1日用量は同じです。3回に分けて飲んでいた量を1回にしてまとめて服用するということです。非常に大切な薬ですのでくれぐれも、自己判断せず主治医に相談してください)

 

 

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