過敏性腸症候群IBSと便中カルプロテクチン値の関係

昨年末から(2017年12月)日本でも、
便中カルプロテクチンが測定できるようになりました。
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の状態を便をしらべることでチェックできます。

(参考記事)
・カルプロテクチン、ちょっと気をつけた方がいい3つのこと|潰瘍性大腸炎とカルプロテクチン

・潰瘍性大腸炎の新たなバイオマーカー「便中カルプロテクチン」|客観的な数値で結果が得られる潰瘍性大腸炎の検査

カルプロテクチンの特徴

カルプロテクチンは、
便を採って測定する簡便な検査です。
好中球から分泌されるカルシウム結合タンパク質でです。
好中球の腸管への移行に比例してカルプロテクチン値が上昇します、
腸に炎症があると上昇します。

腸管の炎症鋭敏な数値で、
潰瘍性大腸炎など腸にキズが出来る病気が
落ち着いていれば低下
炎症が強ければ上昇
さらに、
潰瘍性大腸炎が悪化する前にも、値が高くなる特徴があります。
落ち着いていたカルプロテクチンの値が急に上がったときには、
食事内容など生活を改善して潰瘍性大腸炎が悪化することを予防したり
薬を増量して再燃を未然に防ぐなど、
治療に有用です。

カルプロテクチンの値は240μg/g未満が、基準値です

過敏性腸疾患と炎症性腸疾患の区別、カルプロテクチン値の関係

保険診療の適応は「慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病等)の診断補助又は潰瘍性大腸炎の病態把握」です。
潰瘍性大腸炎やクローン病等以外には、保険診療でカルプロテクチンを測定できません。

過敏性腸疾患(IBS)とカルプロテクチンの話は、研究レベルの話です。過敏性腸疾患(IBS)に対して保険診療でカルプロテクチン測定は出来ませんのでご留意ください。

海外では、
潰瘍性大腸炎と過敏性腸症候群を鑑別(どちかの病気か判断)するのに
カルプロテクチンが活用できないか
研究されています。

(参考記事)カルプロテクチンによる、大腸カメラを極力しない試み|潰瘍性大腸炎と過敏性腸症候群の鑑別

潰瘍性大腸炎か過敏性腸症候群
判断つかない時
便カルプロテクチン測定して
・カルプロテクチン 150μg/g以上 大腸内視鏡(大腸カメラ)で精密検査
という診断アルゴリズム(診断手順)を提唱している方もあります。

内視鏡技術が発達していない国、
医療費が高すぎて大腸カメラを容易に受けられない国
ではカルプロテクチンをまず測定するのも
診断手順として、あり、かもしれません。

潰瘍性大腸炎か過敏性腸症候群の区別は、
大腸カメラで腸を直接調べれば分かることですので、
わざわざカルプロテクチンの値で判断する必要は
日本においてはありません。
大腸カメラで確認でよいでしょう。

過敏性腸症候群でもカルプロテクチンは軽度上昇

過敏性腸症候群は
便秘や下痢を繰り返す、
腸の動きが過敏になりすぎる病気です。

腸の粘膜にキズ(潰瘍)ができる、潰瘍性大腸炎やクローン病とちがい、粘膜は正常です。

粘膜が正常である、
腸の動き(蠕動)に異常がある
過敏性腸症候群では、
カルプロテクチンは正常だと思っておりました。

この報告をみるかぎりは、そうでもなさそうです。

(CitationMelchior C et al. Does calprotectin level identify a subgroup among patients suffering from irritable bowel syndrome? Results of a prospective study. United European Gastroenterol J. 2017 Mar;5(2):261-269.)

正常な方がカルプロテクチン値 20μg/g前後
過敏性腸症候群では 50μg/g前後

基準値が240μg/g以下ですので、
基準範囲内ではありますが、
過敏性腸症候群でやや高めの数値を呈しています。

ときどき、
過敏性腸炎の方で、明らかな病気はないものの、
ちょっとだけあれているところ(非特異的な発赤)
が散在していることがあります。

このようなごく軽度の炎症が、カルプロテクチンが少し高めの数値を呈している原因でしょう。

まとめ

・便中カルプロテクチンは炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の病状把握に有用
・過敏性腸疾患では、カルプロテクチンの値が基準範囲ないであるが、やや高めを呈する

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