肺炎の診断、つぎにするべきは重症度判定。日本呼吸器学会のA-DROPを参考に通院治療・入院必要を判断

私が医者になった頃は
胸部レントゲン撮影して、
肺に影、
肺炎の診断であれば
全て入院治療の時代でした。

診断学、治療薬の進歩、
軽ければ通院でも
治療できる時代となりました。

肺炎と診断、つぎにするべきは重症度判断です。

こんな記事もかいています
・レントゲンで肺炎が分からないことがあるのですか?

・脾臓摘出後の注意|脾臓摘出後重症感染症OPSIに注意。肺炎球菌ワクチン接種が大切

■重症度の判断はどのようにする

患者さんの重症度
どのように判断するのでしょうか?

見た目で判断します。

冗談です。

でも半分ホントです。

経験豊富な医者が
患者さんを見た目で
入院が必要かどうか判断
間違いないでしょう

医学部を卒業してまだ経験の浅い医者
が、入院必要かどうか判断
大丈夫かな、と思ってしまいますよね

見た目で判断
の見た目
背が高い低い、などの外見を見ているわけではありません。

見た目
経験ある医者が見ている(診ている)のは
外見でなく

呼吸が深いか浅いか
呼吸が早すぎないか
意識ははっきりしているか

全身状態です。
全身状態が良好であれば、
通院で治療して
よし
と判断

高齢で全身状態が悪ければ
入院加療
場合によっては
ICU加療
と判断します

このような
経験に基づいた
あいまいだが、信頼に耐える
全身状態の評価

見た目を

客観的に数値化できないかと
検討されたものがあります。

■肺炎の重症度評価 A-DROPシステム

肺炎の治療を通院で行うか、入院が必要か
判断の基準になるのは、全身状態の客観的な評価です。

日本呼吸器学会から提唱されている
A-DROPシステムがあります。

年齢、脱水の状態、意識状態
などから評価
特殊な機械や設備を必要としない
簡便にできる、実際の診療にそくしたスコアです。

A-DROPは各項目の略語です

A-DROPシステム
・A(Age 年齢) 男性70歳以上 女性75歳以上

・D(Dehydration 脱水) BUN >21 mg/dLまたは明らかな脱水
・R(Respiration 呼吸) SpO2 90%以下(PaO2 <60Torr)
・O(Orientation 見当識) 意識変容、意識障害
・P(Pressure 血圧) 収縮期血圧90mmHg以下

各項目に相当するかどうか評価
軽症 0項目
中等症 1-2項目
重症 3項目
超重症 4項目
となります。

クリニックで診療していていると、
このA-DROPが非常に有用はスコアと実感します。
病院であれば、容易にCTや血液ガスなどもチェックできますが、このスコアにはCT画像の評価は不要です。

年齢
脱水の有無
呼吸
意識状態
血圧

患者さんをよく診れば判断がつく項目だけで
評価できるように工夫されています。

私はA-DROPを指標として重症度評価
通院で加療するか
連携病院へ紹介、肺炎治療を行うか
判断しています。

■肺炎の重症度評価(海外版) CURB-65

A-DROPよりも前に海外で提唱されたスコアが
あります。
A-DROPより前に提唱されたというより、
CURB-65という素晴らしいスコアがあり、それを日本用に提唱しなおしたのがA-DROPでしょうか。

CURB-65です。

これも5項目からなる評価内容の
頭文字です

CURB-65
・Confusion(昏迷)昏迷、意識障害あり
・Uremia(尿毒症) BUN20mg/dL以上
・Respiratory rate(呼吸数) 呼吸数 30回/分以上
・Blood pressure(血圧) 収縮期血圧90mmHg以下、もしくは拡張期50mmHg以下
・65(年齢) 65歳以上

0-1 通院加療
2 入院加療
3以上 ICU考慮

CURB-65のいいところは、
特殊な機械、検査必要なく
患者さんを診て、判断できるところです

呼吸数の評価はとくに大切なところです。

今の日本で、
65歳以上を、危険要因とするには若すぎる気がしますので、
男性CURB-70、女性CURB-75ぐらいと、
年齢を引き上げて評価がよいかもしれません。

■重症度の評価、軽症であれば通院で肺炎治療

A-DROPシステムを参考として、重症度評価を行います。
評価の結果が軽症であれば、
通院で治療。

成人肺炎診療ガイドラインが昨年アップデートされ
成人肺炎診療ガイドライン2017となりました。

そこに診断アルゴリズムのフローチャートがあります。
クリニック/診療所での診療は
左側、市中肺炎(community-acquired pneumonia CAP)です。

重症度を判断
軽症~中等症は外来治療
中等症~重症は入院
です。
赤で囲っているところが、クリニックで診る患者さんです。

(成人肺炎診療ガイドライン2017年)

■まとめ
・肺炎の重症度判定はA-DROPシステムでおこなう
・軽症であれば通院治療可能

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・インフルエンザ流行|肺炎などインフルエンザ合併症をおこしやすいハイリスクグループ

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