肺炎治療、抗菌薬の選択|市中肺炎(CAP)と院内肺炎・医療介護関連肺炎(HAP・NHCAP)は治療方針がことなる

肺炎の治療についてです。
肺炎と診断、重症度判定にて通院で加療と判断
その後、どの抗菌薬(抗生物質)で治療するかの判断
となります

(参考記事)
・肺炎の診断、つぎにするべきは重症度判定。日本呼吸器学会のA-DROPを参考に通院治療・入院必要を判断

患者さんの背景で、肺炎の起因菌が異なります。

•元気な人が、風邪をこじらして罹る(肺炎市中肺炎(CAP community-acquired pneumonia))

•病院や介護施設に長期療養入院中の方が罹る肺炎(院内肺炎(HAP hospital-acquired pneumonia)医療・介護関連肺炎(NHCAP nursing and healthcare-associated pneumonia))

同じ肺炎でも治療方針を変える必要があります

なんでもかんでも、
ニューキノロン(幅広く効く抗菌薬)
投与ではありません。

クラビットやアベロックスなどの
ニューキノロン系の抗生剤
よく効く素晴らしい薬です。
これらの薬は、いわは切り札ですので
最初から切る札ではありません。

患者さんの病状などから、
ニューキノロン第一選択で投与することあります。
主に肺の病気(慢性呼吸器疾患)をもっている時ですが、
その場合はきちんとした治療方針があり、
クラビット、アベロックスなどを投与しているのです。

西宮市中島クリニックに来られる方の肺炎は
市中肺炎(CAP)です。
市中肺炎の治療を中心に記していきます。

■市中肺炎(CAP)と院内肺炎/医療介護施設関連肺炎(HAP/NHCAP)

市中肺炎はCAPとも表記されます。
CAP community-acquired pneumoniaの略です。
文字通り、普段元気にしている学生さん、仕事している人が、風邪をこじらせて肺炎
のようなケースです。

院内肺炎 HAP hospital-acquired pneumonia
医療介護施設関連肺炎 NHCAP nursing and healthcare-associated pneumonia

病気をもって療養中、入院中の人がかかる肺炎
高齢で介護施設に入所している方のかかる肺炎
免疫、体力が落ちているなどがあり、合併している肺炎です。

同じ肺炎でも、原因(起因菌)がことなります。

ざっくりと分けるとすれば
市中肺炎は、素直な菌
抗菌薬が比較的効きやすい

院内肺炎は、ひねくれた菌
もともと、体力、免疫が落ちているので治りづらい
緑膿菌やMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などの抗菌薬が効きづらいこともしばしば
特殊な抗菌薬が必要となることが、しばしばあります。

■市中肺炎(CAP)の抗生剤選択

細菌性の一般的な肺炎
肺炎球菌、インフルエンザ菌を想定してエンピリックに治療開始する場合としては

肺炎球菌であれば、高度耐性菌の頻度は低いので
アモキシシリンが第一選択(サワシリン、パセトシン)
第二選択としてニューキノロン
(ガレノキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、シタフロキサシン、トスフロキサシン)など

ニューキノロンを投与するとき、
結核でないことの確認必須です。

ニューキノロン、結核にも効果あるので
一見効いているように見えてしまうことあります。
結核は、ニューキノロン単剤のような、ぬるい治療では完治しません。

インフルエンザ菌
第一選択はβラクタマーゼ阻害薬配合ぺニシンです。
スルタミシリン、アモキシシリン・クルブラン酸(オーグメンチン)

ペニシリン系抗菌薬
が重要な位置を占めます。
1928年アレクサンダー・フレミングが見つけた、ペニシリン、100年近く経った、
いまなお、古くても、よく効く薬です。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの慢性呼吸器疾患がある場合は、ニューキノロンが選択薬となります。

市中肺炎の原因で多いものに、非定型肺炎があります。
マイコプラズマ肺炎を想定します。
治りづらい咳の原因となります。

第一選択
マクロライド系
(クラリスロマイシン、アジスロマイシン、エリスロマイシン)
第二選択
テトラサイクリン系(ミノサイクリン)
ニューキノロン系

マクロライド耐性マイコプラズマが増えているので
私は、マイコプラズマを疑う場合は、最初からミノサイクリンを投与しています。
ミノサイクリン(ミノマイシン)マイコプラズマに効果抜群なのですが、
副反応にめまい。があり
女性でこの副作用多い印象です
ミノマイシン合わない場合、他剤に即変更です。

■成人肺炎診療ガイドラインが刷新

医師、病院ごとの治療方針のばらつきを軽減するために
様々な病気のガイドラインが作成されてきています。
ガイドラインとは診療の目安です。

大腸ポリープ診療ガイドライン
炎症性腸疾患(IBD)ガイドライン
脳卒中治療ガイドライン
など多数のガイドラインがあります。

肺炎治療にもガイドラインはあります
いままで、
成人市中肺炎(CAP)
成人院内肺炎(HAP)
医療・介護関連肺炎(NHCAP)
別々のガイドラインが存在していましたが、
統合され、
「成人肺炎診療ガイドライン2017」
となりました。

数え切れないほどガイドラインあります。
内科の一般外来診療で
例えば
脳腫瘍診療ガイドライン
卵巣がん治療ガイドライン
はフォローする必要ないですし、
読んだことありません。

全てをフォローする必要ないとはいえ、
診療で関わる分野はフォローする必要ありま
肺炎もフォローするべきガイドラインのひとつです。
3つに分かれていたのが1つに統合され、実臨床にそくして使いやすくなりました。

(Citation: https://www.jrs.or.jp/modules/guidelines)

■まとめ
・市中肺炎は肺炎球菌、インフルエンザ菌、マイコプラズマを想定して抗菌薬選択。
・肺炎球菌、インフルエンザ菌肺炎で、抗菌薬の主軸はペニシリン系
・マイコプラズマ肺炎では、マクロライド系、テトラサイクリン系

こんな記事もかいています
・レントゲンで肺炎が分からないことがあるのですか?

・脾臓摘出後の注意|脾臓摘出後重症感染症OPSIに注意。肺炎球菌ワクチン接種が大切

・インフルエンザ流行|肺炎などインフルエンザ合併症をおこしやすいハイリスクグループ

・小児用肺炎球菌ワクチン、成人用肺炎球菌ワクチン、髄膜炎菌ワクチン、インフルエンザ菌b型ワクチン、ワクチン名は似ていてややこしい

 

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