健康診断の胃バリウムで要精査になってしまった方で
とーっても不安げに診察室に入ってこられる方がおられます。
胃バリウム検査で再検査の場合、胃カメラを受けることになります。
どうしてそんなに不安なのかと患者さんに聞くと、
「あんなしんどい検査は他に無い!」と家族に言われたとか、
ひどい時には「以前の検査がトラウマになっている。」とおっしゃられる患者さんもいらっしゃいます。
胃にカメラを入れる、、、というだけで不安になってくる方も多いのではないでしょうか。
医者の方にしてもできるだけ患者さんの不安を取り除いて、楽に受けて頂きたいですので、
ここでは、胃カメラを受ける際のコツをお話させて頂きます。
もちろん、検査をする医師の技術不足による苦痛は論外です。
しかし、確かに胃カメラの検査を受けるのが得意な方と苦手な方がおられます。
目次
胃カメラは本当にしんどい検査?不安を取り除く胃カメラを受けるポイント
胃カメラの検査を受けられる方が、しんどくない検査にするために、気をつけるポイントはこの3つだけ。
- とにかく肩の力を抜くこと!
- とにかく喉の力も抜くこと!
- つばは飲み込まない!
これができれば大丈夫です。
・・・って言われても、なかなか難しいですよね。
そういった方のためにコツがあるんです。
肩の力を抜く
どんなときでも緊張していると肩に力が入ってしまいますよね。
いきなり喉の力を抜くと言われても難しい事が多いです。
まずは、検査前にまずは上がっている肩を落として、肩や首回りの力を抜きましょう。
緊張しないようにしようとすればするほど、緊張してしまうものです。
サッカーやラグビー選手のフリーキック、やバッターボックスに入る野球選手を想像してみてください。
みんな緊張をほぐすためのルーチン(決まった動作)をもっています。
ルーチンとはバッターボックスに入ったイチロー選手が、
まずバットを立てる、スコアボードを見る、その後バットの先を通してピッチャーを見る、のような動作です。
複雑なルーチンは不要です、。
胃カメラ検査前のルーチン「肩を下げる」これをやってみましょう。
のどの力を抜く
中島クリニックでは主に細径内視鏡を用いた経鼻での内視鏡を行っております。
それでも、カメラが喉を通りますので、喉の痛みは無いですが物理的に「喉にカメラがある」違和感はどうしてもあります。
その時に、「痰が絡んだときに喉を鳴らしてだそうとする」ような力の入れ方をする方がおられます。
通常の生活で喉が気持ち悪いときに私たちがする行動なので、この動きをされるのは十分理解できます。
が、胃カメラの際これは禁物です。
できるだけ、喉の力を抜いて(うどんをつるん!と飲み込む感じ)、違和感が気になる場合は目を開けて他のものに注意を逸らす事をお勧めします。
当院で使っている胃カメラは直径5.4mmの極細径カメラです。
鉛筆の直径が7.2mmです。鉛筆よりも遙かに細径です。
安心して、うどんのようにつるん!とのどを通ります。
つばを飲み込まない
胃カメラの検査前には、喉の反射を抑えるため麻酔のスプレーを行います。
のどの反射とは、歯ブラシが喉の奥に触ったときなどにおえっとなるような反射のことです。
検査中は反射が抑えられて楽に検査を受けられるのですが、つばを飲み込むと喉の動きが麻痺しているため、むせる原因となります。
口の中につばがたまると無意識に飲み込んでしまうものですが、
胃カメラの時は、意識して、あえて飲み込まずに外に出しましょう。
口のところに受け皿を置いておりますので、遠慮する必要はありません。
顔を少しベッド側にうつむせ気味にして、出てきたつばは飲み込まずに受け皿に全て出してしまいましょう。
胃カメラは意識下鎮静で受けられるため、無理をせずに受けられる
そうは言っても上手にコツを使えない人のために、中島クリニックでは意識下鎮静という方法をおこなっております。
意識下鎮静法とは、少量の鎮静剤を使い、ほんやりした状態で検査をする方法です。
イメージとしては朝の寝起きのような感じでしょうか。
会話はできる程度の軽い鎮静ですが、不要な緊張はとれ、肩の力が抜けた状態になります。
元々上手に胃カメラを受けられる方も大勢おられますが、
胃カメラに苦手意識のある方は、
検査前に上記のポイントを思い返してみてください。
- 検査前のルーチン(肩を下げる)
- のどの力を抜く
- 口の中にたまったつばは、外に出す
この3つを意識するだけで、きっと、「胃カメラなんてたいしたことない」と思えるはずです。