ピロリ菌除菌治療、アモキシシリン(サワシリン)1日2回と3回どちらが効くのか|アモキシシリン1回500mg3回と750mg2回の比較

ピロリ菌治療は3種類の薬を1日2回7日間服用が標準治療です。
1日用量を2回に分けて朝夕食後ではなく、3回に分けて朝昼夕食後にしたほうが良く効く気がしますよね。
実際にはその答えは、YesでもNoでもあるのです。
抗生物質の服用回数についてのお話です。

■抗生物質には最適な服用回数がある

抗生物質には最適な服用回数があります。
大きく分けると
・1日1回が有効な抗生物質
・何回かに分けて飲んだ方がよい抗生物質
となります。

ニューキノロン系に代表されるような抗生物質の最高血中濃度が高い方が効く抗生物質は、1回に飲む薬の量を増やして、1日1回だけ服用します。

1回に集中してのむことで、血中濃度が高まりよく効くのです。
ニューキノロン系以外にアミノグリコシド系の抗生剤も濃度依存です。

一方ペニシリン系に代表されるような抗生物質は、最高血中濃度よりも、長時間安定して一定以上の抗生物質濃度を保っことで効果を発揮します 。
1日1回服用だと血中濃度が直ぐに下がってしまうので2回、3回、場合によっては4回に分けて服用します。

すごくざっくりとですが、まとめると
・ニューキノロン系やアミノグリコシド系は濃度依存、最高血中濃度が高い方が効くので服用回数を減らして1回の量を増やします。
・ペニシリン系は時間依存、最高血中濃度よりも安定した血中濃度が効果を発揮するので、服用回数を増やします。

■ピロリ菌除菌に用いる抗生物質は1日何回に分けて服用がよいのか

ピロリ菌除菌にはペニシリン系の抗生剤を使を使います。
ペニシリン系だけでなくエリスロマイシン系の抗生剤も併用しますが、ペニシリンにフォーカスをあててお話します。

ペニシリン系抗生剤は1日服用回数を多くした方が血中濃度がが安定して効果が高まります。
ペニシリン系抗生剤は通常1日3回から4回に分けて服用します。
例えば溶連菌で扁桃腺が腫れてペニシリン系抗生剤が必要な時は、1日3回場合によっては4回服用します。

でも、ピロリ菌除菌の時は1日2回です。

ペニシリンを1日4回に分けてピロリ菌除菌するのが理想ですが、1日4回に分けるとどうしても飲み忘れがでてきてしまいます。

理想を追い求め、胃酸抑える薬(PPI)を1日2回、クラリスロマイシンを1日2回、アモキシシリン(ペニシリン系)を1日4回服用、確かに除菌率少しはあがるでしょう。 しかし、1週間1日4回x7日、計28回のみ忘れなく服用はやや困難です。

そこで、アモキシシリンも他の薬と同じように1日2回服用として設定しているのです。

■ピロリ菌除菌、アモキシシリンを1日2回服用、3回服用の効果を比較

先週末行われた日本ヘリコバクターピロリ学会で興味深い報告がありました。 大分は遠くて参加できないので、抄録からのデータ紹介です。

(第24回日本ヘリコバクター学会学術集会抄録集)

ピロリ菌の1次除菌の時に アモキシシリンを1日2回に分けて服用、1日3回に分けて服用して除菌率を調べています。

飲む回数が2回、3回とことなりますが、1日の容量としては同じです。

アモキシシリン1日1500mgを
1回750mg2回と
1回500mg3回の比較です。

結果は予想通り、1日用量を3回に分けて飲んだ方が除菌率は高まるのです。

アモキシシリン服用回数での比較
1日2回での除菌率71.4%(180/252)
1日3回での除菌率81.5%(277/340)
(PPI+CAM+AMPC)

アモキシシリンだけ変則的に1日3回服用は有効です。

ただ、アモキシシリン以外の2剤は1日2回服用はなので、飲み間違えがおきたり、服薬コンプライアンス(正しく予定通り服用できるかどうか)が下がるのが難点ではあります。

きんちんと服用できる限り、アモキシシリンの3分割投与、効果は高いといえます。

■ボノプラザン(タケキャブ)使用除菌時のアモキシシリンを1日2回服用、3回服用の効果を比較

ペニシリン系の抗生物質(アモキシシリン)は同じ1日用量であれば2回より3回に分けて服用した方がよいのは上述したとおりです。この話には続きがあります。

胃酸分泌抑制剤を従来のPPIではなく、より強力に胃酸を抑え抗生物質の効きをよくするボノプラザン(タケキャブ)を用いた除菌でアモキシシリンの服用回数で除菌率を比較しています。

アモキシシリン服用回数での比較
1日2回での除菌率90.1%(471/523)
1日3回での除菌率92.2%(523/567)
(P-CAB+CAM+AMPC)

タケキャブを用いた除菌では、アモキシシリン服用回数が2回でも3回でも、ともに除菌率90%以上です。有意差(統計処理上での明らかな差)は2回と3回でありません。

タケキャブ(P-CAB)を用いた除菌において、アモキシシリン服用回数は気にする必要ないといえます。

除菌高率を高めるためにはアモキシシリンの2回ではなく3回の分割投与は有効なのですが、ボノプラザン(タケキャブ)のレジメンでは差がないのです。

ボノプラザンによる持続的かつ十分な酸分泌抑制下では、アモキシシリンが安定的に働くので3分割投与までする必要はないといえます。

西宮市中島クリニックでの1次除菌は、除菌率が高い、タケキャブ(ボノプラザン)を用いています。アモキシシリンも3分割ではなく、標準治療の2分割です。

■まとめ
・従来型のPPIを用いる除菌治療ではアモキシシリンの3分割投与が有効
・ボノプラザン(タケキャブ)を用いる治療ではアモキシシリンは2分割投与で十分効果がある

 

胃・大腸の検査をバリウム検査や便検査だけですませていませんか

胃カメラ胃の検査をバリウム検査だけですませていませんか? 胃カメラ検査(胃内視鏡検査)でないと見つけられない病状あります。
胃カメラが怖いと思っている方も、中島クリニックでは鼻から入れる経鼻胃内視鏡検査を行っていますので楽に受けていただけます。
大腸の検査を便検査(便潜血検査)だけですませていませんか? 大腸カメラでがんの早期発見、大腸ポリープを切除することで大腸がんの予防ができます。
大腸カメラが痛い検査と思っている方も、中島クリニックでは意識下鎮静法を用いた大腸内視鏡検査を行っていますので楽に受けていただけます。
胃カメラ検査の予約は電話で出来ます。
大腸カメラの予約は診察が必要です。電話で予約できません。
お気軽にご相談ください。
胃カメラ予約・大腸カメラ問合せは
休診日:日・祝