無症候性(症状のない)サルモネラ菌保菌の治療|無症候性サルモネラ陽性をみたら胆のうをチェック

腸炎ビブリオ、キャンピロバクターとならんで食中毒の原因としてサルモネラ菌、代表的な原因です。

サルモネラ菌はトリ、ブタなどの腸管に常在していますので、汚染された食べ物から容易に食中毒をおこします。

■職場の検便検査でサルモネラ陽性

嘔吐、腹痛、下痢、発熱あり病院受診。問診、触診で食中毒が疑われ、原因特定のため検便(便培養)したらサルモネラが原因であることが判明。というのが多くの場合です。

ところが、サルモネラには「保菌状態」があります。症状なにもないのに、検便(便培養)したらサルモネラ菌陽性がおこりうるのです。

健康で過ごしている人に検便検査をすることは病院やクリニックではありませんので、サルモネラ保菌状態が見つかるのは職場での検便検査です。

給食などの調理や食品関係の仕事についていると、食品衛生の観点から定期的に検便検査をおこないます。

元気に働いているのに、ある日突然呼び出され食中毒の原因であるサルモネラ陽性結果を告げられます。

「食中毒の菌が出てしまって、健康なのに」今後どうしたらよいのでしょうかと、相談にクリニックにこられます。

■サルモネラ感染症の治療

健康な方がかかる、食中毒としての軽症のサルモネラ感染症には、抗生物質による治療は必要ない場合がほとんどです。

逆に抗生物質の使用が、サルモネラの保菌を促してしまうことがあります。

とはいえ、全身状態、経過によって必要時は、クラビット、オゼックス、シプロキサン、ホスミシンなどを投与します。

乳幼児、高齢者、免疫不全状態(ステロイド内服中、抗がん剤投与中)は敗血症など重症化することがありますので、より慎重な治療が必要となります。

■無症候性(症状のない)サルモネラ保菌者の治療

職場の検便検査で見つかった、無症候性(症状のない)サルモネラ保菌どう治療するか。

症状がなくても食品関係にたずさわっているので、抗生物質による除菌となります。これは治療というよりは、社会的な理由からです。

クラビット、オゼックス、シプロキサンなどのニューキノロン系抗生物質やホスホマイシン系が治療の中心です。

施設に入所中に偶然見つかったサルモネラ保菌など食品にたずさわらず治療を急ぐ必要がない場合があります。抗生剤投与せず、ミヤBMなどの整腸剤で腸内バランスを整える治療をおこないます。西宮中島クリニックでも抗生剤を投与せず整腸剤で、サルモネラが陰性化(消える)を多数経験しています。

■無症候性サルモネラ、胆のうをチェック

サルモネラ菌陽性の時に、胆のうをチェックしておくこともポイントのひとつです。

胆石があると、抗生物質で治療して一旦消えても、しばらくしたら再度サルモネラ陽性になることがあります。

サルモネラ菌は胆石の表面に多糖類からなるバイオフィルム(バリアーみたいなもの)をつくって隠れます。そのため抗生物質が効かなくなるためです。

慢性のサルモネラ菌保菌者の8割に胆石ふくめ肝胆道系の病気が隠れているという報告もあります。

西宮市中島クリニックでも無症候性サルモネラの方は必ず、腹部エコーで胆石含め肝胆道系に異常がないかチェックしています。

個人的な印象ですが、肝胆道系疾患有病率8割の報告ありますが、実際にはそんなに多くないような。むしろ少数です。

胆石をもっているとサルモネラ菌、治療抵抗性なので胆のう摘出術が必要です。

■まとめ・無症候性(症状のない)サルモネラ菌陽性をみたら胆のうをチェック・胆石があり何度除菌治療しても陽性になるときは胆のう摘出術考慮

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