腫瘍マーカーが正常値でも、癌の場合がある事実。逆もしかり。

人間ドック、定期検診、皆さんはされておられますでしょうか?

癌は早期発見が大事。まさにその通りだと思います。

人間ドックの検査セット内容をみると、PET-CT・胃カメラ・腫瘍マーカーが一日で受けられるもの、よくあります。
何なら、アミノインデックスという新しい腫瘍発見マーカーも追加できます!とかも最近よく見ますよね。

「PET-CTも胃カメラも便潜血も異常なしでした。でも、腫瘍マーカーだけ陽性だったんです…、アミノインデックスだけランクCだったんです…」と不安げに来院される患者さん。
時々診察このような患者さんをすることがあります。

他の画像検査が絶対正しい!と言いたいのではないのですが、この患者さんはこの先どうすればいいのでしょう?
毎日、「私、癌かも?」と不安に過ごさないといけないのでしょうか。

腫瘍マーカーが陽性だと必ず癌?

そもそも、腫瘍マーカー(癌マーカー)って一体何でしょう?
腫瘍マーカーとは
身体に癌ができると、血中濃度があがる物質。
ざっくり言うとこんな感じでしょうか。

全ての腫瘍マーカーがそうという訳ではないですが、健康な身体では

ほとんど産生しない物質を、癌ができると癌自体がたくさん産生するから
上昇してくるものです。

ここで、「ほとんど」と申し上げたのは、そうでない方も少なからずいるからです。

多くの腫瘍マーカーは、健康な人を正しく陰性と判定する率を95-98%に設定しています。
(これを特異度、と言います)

これは逆に言うと、癌のない健康な人でも2-5%で陽性になってしまうと言っているのと同じなのです。

また、特異度と対になるものとして、癌にかかっている人を正しく癌であると判定する率を「感度」といいます。

感度は残念ながら95%もある腫瘍マーカーなんて無いのではないでしょうか。
例えば80%とした場合、癌である人のうち、20%の人は腫瘍マーカーがあがらないことになります。
「感度80%、特異度95%の腫瘍マーカーでご自身の身体に癌があるかどうかチェックしましょう。」
こう聞くと、すごく的中度の高いマーカーのように感じますが、実際は上述したとおりの精度なのです。

ちょっと、読むのがしんどくなる内容になってきましたね。

さらに専門的になるので割愛しますが、興味のあるかたは腫瘍マーカーやアミノインデックスの「陽性的中率」について調べてみられるとさらに理解が深まると思います。

腫瘍マーカーとは

では今度は、具体的な腫瘍マーカーをあげてみましょう。
例えば胃癌ではCEA、CA19-9という腫瘍マーカーが代表的なものになります。
ちなみにCEA・CA19-9は他にも大腸癌や膵臓癌・胆嚢癌、乳癌や甲状腺癌などで上昇することが知られている腫瘍マーカーです。

そのうちCEAの正常値は、0-5.0ng/mlです。
しかしながら、このCEAはヘビースモーカーでは高値を示しやすいことが知られています。

ヘビースモーカーのどれくらいの割合の方が陽性になるのかは残念ながらわかりませんが、10弱くらいまでの上昇は良くみます。
もちろん、非喫煙者でも10年来高値が持続してもお元気でいる患者さんも時折見ることがあります。

CEAが20-30以上で陽性であった場合にはやはり癌が存在している事を強く疑いますね。

そして大抵の場合は、上記で挙げたいずれかの癌ができているのです。

健康診断などで採血した際に、腫瘍マーカーを測ると思いますが、その際CEAが50や60といった強陽性が出た場合には、画像検査を全身くまなくすることをおすすめします。

ただし、こういった場合は、既に癌の症状があったりCT等ですくにわかる、要はある程度進行した癌がある事の方が多いです。

さて、PET-CT・胃カメラ、女性ならマンモグラフィー等々画像検査をしたその日に腫瘍マーカーも必要か。これ以上は特に申し上げませんが皆さんで考えてみてください。
もちろん、自費診療ですから検査を希望されることは個人の自由です。

腫瘍マーカーが陰性だった場合、癌は存在しない?

今度は、CEA・CA19-9が陰性だった方について。
私には胃癌は無さそうだ、と安心できるでしょうか?

脅すわけではありませんが、残念ながら言いきれません。
進行胃癌は無さそうだ・・・くらいは言えるかもしれません。
あくまでも無さそうだ、です。

先ほど、腫瘍マーカーは癌が産生する物質、と申し上げました。

わかりやすく言えば、癌が身体の中で成長していくのを助ける物質を作っているような感じです。
進行癌、つまり体内にある癌細胞の数が多いと産生される物質も相対的に多くなり腫瘍マーカーは高値になります。

では、早期癌はどうでしょう?
胃癌では、昨今の胃カメラの画像技術の進歩により直径1cm程度の癌も見つかるようになってきました。
その場合、腫瘍マーカーは上がるでしょうか?

上記の理論で言えば上昇する率が非常に低いことがおわかりいただけると思います。

結局のところ、現在の医学では胃カメラ等の画像検査を上回る癌発見技術はいまだ無いと言わざるを得ません。

なんだか、腫瘍マーカー良いこと無しのような説明をしてしまいましたが、癌のvolumeを表す指標になりますので、治療中の患者さん、術後の再発がないかのチェックには有用だと思います。

どんな検査も、やみくもに信用するのではなく、
症状や検査・画像所見を総合して考えることが大事ですね。

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