こどものピロリ菌感染経路|小児の80%は家族内感染

■ピロリ菌と胃がんの関係

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃がんと関連ピロリ菌は関連があります。最近ではピロリ菌が直接の胃がんの原因ではなく、ピロリ菌が感染することにより胃内の細菌叢の多様性が低下、結果として胃がんになるとの研究報告もあります。

正常胃粘膜→ピロリ菌感染→慢性萎縮性胃炎→腸上皮化生→胃がん

上記経過を経て胃がんが発生するのですが、直接の原因はピロリ菌ではなく、胃内細菌叢の低下が原因との説です。

正常胃粘膜→ピロリ菌感染→胃内細菌叢多様性低下→胃がん

参考記事
ピロリ菌と胃内常在細菌叢|ピロリ菌最新研究の潮流、キーワードはDysbiosis細菌叢の多様性低下

ピロリ菌感染による胃がんの直接の原因は、・ピロリ菌が胃に感染することによる、慢性胃炎の「炎症」・ピロリ菌が胃に感染することによる「細菌叢の変化」など諸説ありますが、いずれにしてもピロリ菌感染と胃がんは密接な関係があります。

参考記事
●ピロリ菌除菌による胃がん予防効果|治療効果を数値で比較してみる

■こどものピロリ菌感染率

胃がんとの関連があるピロリ菌ですが、よろこばしい事に、若年者の感染率が激減してきています。

高齢者は80%以上の方がピロリ菌をもっていますが、40才代前後を境に急激に感染率が低下しています。

こどものピロリ菌感染率は20才以下で10%以下、さらに中学生以下では5%以下とさがってきています。

ピロリ菌の感染はこどもの頃に感染します。こどもの頃、特に小学校に入学する前ぐらいの年齢で感染します。

衛生状況が非常によくなり、こどもの感染率が低下しているのです。

参考記事
●中学生のピロリ菌感染率は5%以下|ボノプラザン(タケキャブ)、アモキシシリン(サワシリン、アモリン)、クラリスロマイシン(クラリス)の3剤併用療法で一次除菌率成功率は83%

 

■こどものピロリ菌感染経路

患者さんから、「どこからピロリ菌に感染したのでしょうか」よく相談をうけます。

高齢の方であれば、上下水が発達していない、衛生環境が整っていない時代背景による、経口糞便感染です。井戸水など汚染した水からの感染が主なルートでした。

一方、上下水が完備され、衛生環境が整っている現代、どこからピロリ菌は感染するのでしょうか。

現在の感染経路は、口から口の感染が主なルートとなっています。

小児で80%は家族内感染と推定されています。80%のうち70%はお母さんからこども、10%はお父さんからこどもです。

(Citation:今野武津子 et al. 日本ヘリコバクター学会雑誌.4.20-24.2003)

80%は家族内感染ですが、残り20%は家族外感染のルートです。保育園や施設内などでの感染との報告もあります。

家族内感染さらに詳しくみると、離乳食の段階での感染、同胞感染(兄弟姉妹の年齢が近ければ、こども同士の感染)のルートも疑われています。

■父母、祖父母の感染率を下げる環境づくり

お父さん、お母さん、場合によっては祖父母からの感染ルートが主な感染ルートである、こどもにおいて、2つの対策をとることができます。

・お父さん、お母さん、祖父母のピロリ菌感染率を低下させる。子育て世代のお父さんお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんのピロリ菌有無をチェック。陽性であればピロリ菌除菌です。

これで、祖父母、父母からこどもへの感染ルートを断つことができます。

・離乳食を、常識ではあるのですが、お父さんお母さんから赤ちゃんへ口移しを絶対にしないようにしましょう。口移しをすることで、虫歯菌のみならず、ピロリ菌も赤ちゃんへ移してしまいます。

若い世代のお父さん、お母さんには赤ちゃん口移しすることは少ないのですが、問題となるのはおじいさ、おばあさん世代でしょうか。

おじいさん、おばあさん世代より上は、赤ちゃんの離乳食を大人がいちど口のなかで噛んであげていた世代です。離乳食の口移しは昔話、今は口移しは「しない」のが正解です。

■ピロリ菌検査方法

ピロリ菌が胃にいるかどうかを調べる方法として、胃カメラで直接胃の粘膜の組織をとって培養する、培養方がもちろん正確な方法法です。

その他、血液(抗体検査)、便(便中ピロリ抗原)、呼気テスト(風船をふくらます検査)など、さまざまな方法があります。

当院では、胃カメラにて癌の検診を行い、ピロリ菌を培養法にて検査します。ピロリ菌除菌後の、効果判定は便(便抗原)検査で施行しております。

その他、患者さんの年齢、病状に応じて、培養法、血液検査、便検査、適切な検査を選択して施行しています。

どの方法が適した方法かは、患者さんの病状、年齢でかわります。具体的な方法は主治医の先生にご相談ください。

■まとめ
・こどものピロリ菌感染率は喜ばしいことに低下している
・こどものピロリ菌感染経路は家族内感染が多い

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