大腸ポリープ、胃ポリープ、胆嚢ポリープ。良性だけど取ったほうがいいのはどれ?

「ポリープがあるって言われたのよ。」

我々、中年以降の友人や同僚同士の会話で、健康よもやま話の一つとして結構聞いたり言ったりするセリフですよね。

じゃあ、ポリープって何でしょう?

医学的にはざっくりと言えば「粘膜から異常な細胞が増生してできる隆起」と定義されます。

ただし、出来る臓器によってそのポリープの顔つき(細胞の種類)はだいぶ違うのです。

子宮頚管ポリープ、鼻茸(鼻にできるポリープ)、声帯ポリープ・・・身体の至る所にポリープはできますが、ここでは、消化器由来のポリープ、大腸・胃・胆嚢ポリープについて紹介します。

大腸ポリープ、カメラで取ってもらったよ、という方は周りにも結構いらっしゃると思いますが、胃のポリープ(生検ではなくて)取ったよ、とか胆嚢ポリープ取ったよという方には滅多に出会わないと思います。

なぜでしょう?

発生率の差、ももちろんあるでしょうがこの3つのポリープには大きな違いがあるのです。

胃のポリープ・胆嚢のポリープが癌化することは滅多とありません。
(無いわけではないのですが)

しかし、大腸のポリープは切除することで癌化を阻止する重要な役割があります。

胆嚢ポリープとは

ほとんどがコレステロールポリープというポリープに分類されます。

ポリープという名前は付いていますが、どろどろっとした胆汁が胆嚢壁にこびりつき、マクロファージという細胞がこれを掃除してできた、いわばコレステロールのカスがたまってできたゴミ山のようなものです。

なので、他のポリープのように細胞が増生してできたポリープとは厳密には異なります。

このタイプのポリープはきれいな球形で数ミリ程度、胆嚢壁に数個あることが多いです。

これらを放置しても癌化することはありませんのでポリープに対する治療は必要ありません。

もちろん、定期的に経過をみることや脂肪分の多い食事の是正・高コレステロール血症があればその治療などは必要に応じて行います。

また、少数ながら他のタイプのポリープや胆嚢癌の初期像の可能性はありますので、上記のような典型的なコレステロールポリープの画像でない、10mm以上と大きい場合は注意が必要です。

胃のポリープとは

これも、よく胃のポリープがあったとは聞くものの、切除した、という方はあまり聞かないのではと思います。

胃のポリープは病理学的に大きく胃底腺ポリープと過形成性ポリープという2種類に分けることが出来ます。

胃底腺ポリープがあった場合は、確認目的に一部をつまんで顕微鏡でみてもらう(生検)をすることはあっても切除をすることはまずありません。

胃底腺ポリープは、(議論の余地はあるものの)胃の分泌腺の細胞が異常増殖してできる隆起です。

胃カメラでは、半球形で表面がつるんとしたφ5mm前後のものが多く見られます。
多発することも多く、何十個とできることもたまにあります。
滅多にない、よりは多いです。たまに、おられます。

このポリープはピロリ菌の感染していない胃粘膜にできる事がわかっていて、昔は私の上司は「幸せのポリープ」なんて呼んでました。
今ほど、健診でピロリ菌を調べたり、慢性胃炎があるだけで保険でピロリ菌が調べられる時代でもありませんでしたので、このポリープがあればピロリ菌はまずいないから安心、だったわけですね。

ピロリ菌感染が胃癌を引き起こすリスクをあげることは昨今、テレビなどでもよく取り上げられていますが、それはまた別コラムに譲るとして、
要は、このポリープは癌とは関係ないので「幸せのポリープ」なんて呼ばれていたのです。

厳密には症例報告レベルで癌化はあり得るのですが、基本的に癌化しないと考えていただいて結構です。

一方、過形成性ポリープ。
こちらは、ピロリ菌感染に伴い生じてくるポリープです。

胃カメラでは、赤みのあるブロッコリーのようにブツブツ・もりもりっとした隆起が特徴です。

こちらは胃底腺ポリープよりは癌化率が高いのですが、それでも2cm以下のポリープではほぼ心配がありません。

また、不思議なことに、ピロリ菌の除菌に成功すると過形成性ポリープはだんだんと小さくなり消えてしまうことが多いため、ポリープがあっても切除せずにまず除菌をすることが多いです。

ただし、2-3cmの大きなポリープで癌化を疑う時や、胃に入った食べ物でこすれて慢性的な出血を起こし、貧血の原因となっている場合は胃カメラから道具を用いて切除を行います。

ピロリ菌除菌の広まってきた最近では切除する必要のあるポリープに出会うことは稀です。

大腸ポリープとは

これは小さくても要注意です。
なぜなら胃や胆嚢のポリープと違って、今は良性のポリープであっても将来的に癌化する可能性があるからです。

大腸ポリープの癌化については、別コラムで詳細をお話する予定です。
ここでは、消化器内視鏡学会のガイドラインを軽く引用するにとどめます。

ガイドライン上は、径6mmを超えるものは将来の癌化、もしくは既に顕微鏡レベルで一部癌の成分のある可能性があるため切除が望ましいとなっています。

といっても、実際は径10mm以下のポリープで癌化しているものに出会うことは非常に稀ですのでむやみに不安になる必要はありません。

5mm以下のポリープをどうするのか(切除するのか、数年後に様子をみるのか)は、施設によって対応が違うと思いますので、こちらも別コラムで述べさせていただきますね。

当院では基本的に切除を行っております。

また、大腸ポリープは数個同時にできたり、数年後にまた別の場所にできたり・・・ということがよくありますので定期的な大腸カメラ検査が欠かせません。

今回のポイント:胃・胆嚢ポリープがあると言われてもそこまで心配することはない。
大腸ポリープは、今は良性であっても定期的に検査もしくは大きさによっては切除をしてもらったほうがよい。

ポリープと一言にいっても、色々です。

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