子どものピロリ菌除菌、いつやるか?今でしょ!後でもいいでしょ!議論|論点は「除菌するかしないかではなく」「いつ除菌するか」

(Citation: ameblo.jp/kurisotsuya)

新聞の一面にこんな記事がありました。

『ピロリ菌の除菌子どもに必要?効果めぐり割れる』

(Citation: 朝日新聞朝刊201811.13)

さすが新聞、いい言葉知っていますね。

必要? 効果めぐり 割れる学会

あおり気味のタイトル、どんな内容だろうと思わず読んでしまいます。

ピロリ菌除「必要か不要」相反する意見に、侃侃諤諤(かんかんがくがく)口角泡を飛ばしている、印象です。

タイトルだけを見ると、子どもにピロリ菌除菌はいらないとの印象をもつ人もいるかもしれません。

実際に記事を読んでみると、そんな派手な内容では残念ながらありません。

こどもがピロリ菌もっていることが分かったとき、いつ除菌するか学会により判断がことなるがメインテーマです。

子どものピロリ菌除菌

いつやるか?

今でしょ!  今じゃなくてもいいでしょ! どちら

の議論です。

■ピロリ菌と胃がんの関係

ピロリ菌は胃がんの原因であることは疑う余地のないことです。ピロリ菌が感染することにより、胃の粘膜が炎症を起こしてキズつきます。胃炎が続くと、腸上皮化生とよばれる、胃なのに腸に近い状態となります。

分かりやすく並べると 正常胃→ピロリ菌感染→慢性胃炎→腸上皮化生→胃がん

正常胃から始まり、慢性胃炎、腸上皮化生を経て胃癌となります。ピロリ菌を除菌すると、胃炎が治まり胃癌の予防になる。ここまでは研究で証明されているところです。

■大人、ピロリ菌除菌いつやるか?早いほうがいいでしょ!

正常胃→ピロリ菌感染→慢性胃炎→萎縮性胃炎→腸上皮化生→胃がん の流れをストップさせるためには、ピロリ菌を除去すること「ピロリ菌除菌」です。

将来起こりうる胃癌を予防するための除菌です。

30才であれば、迷いなくピロリ菌除菌治療します。

60才でも、迷いなくピロリ菌除菌です。

90才なら、胃癌予防としてのピロリ菌除菌は不要です。

年齢が若ければ若いほど、胃癌予防効果が高いのは当然です。

大人に関しては、ピロリ菌陽性が分かった時、除菌です。

■子ども、ピロリ菌除菌いつやるか?今でしょ!とは現段階では断定できない、いつするべきか結論がでるのはこれから

新聞記事に内容もどると、「ピロリ菌の除菌は成人では胃がんのリスクを低下させるが、小児では科学的根拠はないと指摘」と書かれています。

「科学的根拠はない」否定的な印象をあたえる表現ですが、よく考えれば科学的根拠ないのはあたりまえです。

中学生、高校生がピロリ菌除菌することで将来胃癌の予防につながるかどうか、証明される(科学的根拠をもつ)のは20年後、30年後です。

子どもへのピロリ菌除菌、始まったのは数年前からのなので、時間的に結果がでていないだけです。

「科学的根拠はない」イコール、治療の効果がない、ではありません。小児期のピロリ菌治療効果あります。

正常胃→ピロリ菌感染→慢性胃炎→萎縮性胃炎→腸上皮化生→胃がん

の流れを止めるのは、年齢が早い方がよいのは当然です。しかし、子どもに対するピロリ菌除菌は各自治体で始まったばかりです。中学生時代にするべきか、高校生時代にするべきか、大人までまってよいのか、その答えはこれからの研究結果を待つ必要があります。

■子ども、ピロリ菌除成功率

大人に関してはピロリ菌除菌、将来の胃癌予防に当然の治療です。年齢が若ければ若いほど効果がある予防です。そこで最近各種自治体が取り組んでいるのが、中学生、高校生時代、より早い段階でピロリ菌をみつけて除菌です。

参考記事

●こどものピロリ菌感染経路|小児の80%は家族内感染

●中学生のピロリ菌感染率は5%以下|ボノプラザン(タケキャブ)、アモキシシリン(サワシリン、アモリン)、クラリスロマイシン(クラリス)の3剤併用療法で一次除菌率成功率は83%

中学生に対する除菌で成功率83%と佐賀県での取り組み、すばらしい効果をだしています。中学、高校時代、幼少期にピロリ菌除菌をしても、何ら問題はありません。

■子どものピロリ菌除菌時期、いつやるか?私見

ピロリ菌除菌は早ければ早いほどよいのは当然です。Point of no return(もはや後に引けない段階)が胃炎にもあって、そこを過ぎてしまうと除菌をしても効果が限局的です。

20代のピロリ菌陽性の人の内視鏡所見は、胃炎はあるものの萎縮性胃炎にはまだ至っていないことがほとんどです。 20代ではまだPoint of no return(もはや後に引けない段階)を越えていないとも考えられます。

お母さんなどから子どものピロリ菌検査、除菌を相談されたときには、このように答えています。

・お子さんが何才でもピロリ菌検査できます。当院では便中ヘリコバクターピロリ抗原や抗体検査で判定しています。

・ピロリ菌除菌に関しては、大人と同じ抗生剤、胃酸を抑えるPPIが使えるようになる体重40kgを越してからでどうでしょうか。

・二十歳になってから考えてもいいですね。

個人的意見ですが、子どもに関してはピロリ菌を持っていることが分かった時に除菌。体重が40kgを越す大人と同じ体格であればいつでも除菌Ok、幼少期にしらべてもいいが、20才になってから調べても遅くはない。とのスタンスで治療にとりくんでいます。

■まとめ

ピロリ菌に感染するとこで、慢性胃炎、腸上皮化生が起きて、胃がんにつながります。ピロリ菌除菌をすることで胃癌の予防となります。除菌は早い時期がよいのですが、子どもの場合、中学生時代にするか,高校生時代がよいのか、結論が出るのはこれからです。

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