最近食後に「げっぷ」がよくでる
夜中に「胃酸」が込み上がってくる
こんな症状があれば逆流性食道炎かもしれません。
目次
逆流性食道炎とは
文字通り、胃酸が逆流して上にあがり、食道が炎症をおこす病気です。
胃酸はpH1から2の強酸です。
強酸である塩酸を思い浮かべてください。
この強酸が食道に逆流して上がってくる病気が逆流性食道炎です。
のどを通った食べ物は、食道を通って、胃、そして十二指腸、小腸の順に流れ、消化吸収されます。
上から下への一方通行です。
食道と胃の間は逆流しないように弁のようになっており上から下への一方通行となっています。
この弁がゆるむと、下から上に胃酸が上がってしまい、逆流性食道炎を起こすのです。
逆流性食道炎はどんな状態
胃カメラで食道と胃のつなぎめを観察すると正常ではこのような状態です。
食道と胃の間がきゅっと締まった形になっていて、逆流が起きないようになっています。
一方、逆流性食道炎が起きると下の写真のようになります。
食道と胃の間にすきまができて、胃酸が下から上にあがってきます。
白矢印のように、食道にキズがついています。
キズが食道の痛みや違和感の原因となっています。
逆流性食道炎かもしれない?簡単な見分け方
胃カメラで食道と胃つなぎ目の状態を確認するのが一番正確な方法です。
簡単な問診で逆流性食道炎をセルフチェックする方法がありますので紹介いたします。
逆流性食道炎で多い症状が「胸やけ」と「呑酸(どんさん)」です。
胸やけは、文字通り胸が焼けるような感覚です。熱く感じることもあれば、焼けるような痛みとして感じることもあります。
呑酸、あまり聞き慣れないことばです。
呑酸は「どんさん」と読みます。
酸っぱい液体が食道や口まで上がってくる感じのことです。
酸っぱくはなく、胃の内容物が逆流する感じとして感じる人もあります。
胃の内容物(胃液、食べ物)が食道にあがってくる感じの総称が呑酸です。
・胸やけ
・呑酸
の有無をチェックです。
逆流性食道炎によるさまざまな症状、咳、胸痛、声がれ
逆流性食道炎で多いのは「胸やけ」「呑酸」ですが、逆流性食道炎はじつにさまざまな症状を引き起こします。
夜中に胸が痛くなり、心臓の病気と思い循環器内科を受診したら、心臓は全く問題なく、逆流性食道炎であった。
声がかすれるので、耳鼻科に行ったら、のどは問題なく、逆流性食道炎であった。
から咳が続くので、呼吸器内科に行ったら、肺は問題なく、逆流性食道炎。
など、多彩な症状を引き起こします。
逆流性食道炎セルフチェック12項目
逆流性食道炎によるさまざまな症状をセルフチェックできる12項目です。該当する項目があるかチェックしてみてください。
該当項目があれば、かかりつけ医にご相談ください。
逆流性食道炎の治し方
逆流性食道炎の治療の基本は生活スタイルの改善と薬です。
生活スタイルの改善
逆流性食道炎を悪化させる食習慣の典型としては 仕事で帰宅が遅いので深夜に晩ご飯を食べて、お酒をのんで、すぐ寝る。です。
晩ご飯を食べてすぐ寝る、当然胃液は食道に逆流します。
逆流性食道炎をよくするために、上記のような生活をさける必要があります。
深夜の晩ご飯をさける
寝る直前までのアルコールはさける
高脂肪食で逆流性食道炎が悪化するので、晩ご飯のカロリーをひかえる
その分お昼にしっかり食べる
間食をしない などです。
薬による治療
逆流性食道炎は胃酸が食道にあがってくる病気です。
上がってくる酸を抑えることで症状がすみやかに改善します。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)が有効です。タケプロン、パリエット、オメプラール、ネキシウム、タケキャブなどがPPIで、1日1回飲むだけで胃酸をグッと押さえつけてくれます。
逆流性食道炎を放置するとがんになる?
逆流性食道炎があると、食道にキズつき、炎症がおきます。
食道に炎症がつづくと、バレット食道になります。
バレット食道が食道がんの発生母地(なりやすい状態)となるのです。
正常食道→逆流性食道炎が持続→バレット食道→食道がん バレット食道が全て癌になるわけではありません、しかしバレット食道ある人、ない人を比べるとはるかにバレット食道をもっている人の方が食道腺癌が増えることが知られています。
逆流性食道炎を放置するとがんになる?
の答えは 必ず食道がんになるわけではないが、リスクが高まる といえます。
逆流性食道炎の治療とともに、胃カメラで食道をチェックすることが大切です。
まとめ
・逆流性食道炎の代表的な症状は「胸やけ」「胃酸のこみあげ」です。
・その他、食道つっかえ感、咳、声がれ、胸の痛みなど、さまざまな症状が逆流性食道炎でおきます。
・逆流性食道炎の診断は問診と胃カメラによる精密検査の両方で診断、治療法を判断します。