腕立て伏せが40回以上できると心血管病気リスクが低い|腕立て伏せ回数が健康チェックの項目となりうるのか

だれもで簡便に何回できるか数えることができる腕立て伏せ。

こんな単純な評価が、心血管疾患と逆相関があったというお話。

男性消防士のみに限定の結果なので、一般論としてとらえるのは拙速すぎますのでご了解を。

何十年ぶりに腕立て伏せしてみました。思い返せば真剣に腕立て伏せしたのは学生時代の体育の授業以来です。

ちなみに17回、実に平凡な回数でした。10回未満群ではなくてよかった。

■病気リスクと健康診断指標

健康の指標としては、単純であればあるほど良いのは当然です。

体脂肪率と心血管系疾患との相関がありますが、では健康診断として体脂肪率を測定するにはどうすればよいか。腹部CTで体脂肪率を算出するのが精密かつ正確ですが、健康診断で腹部CTを撮影するかといえば、非現実的ですよね。

腹部CTによる体脂肪率測定の代わりになる、簡便でよい指標ないかと探した結果が腹囲測定だったりします。

そんな経緯で特定健診では腹囲測定しています。

腹囲に関しては体格でかなりばらつきがあるので、腹部CTによる体脂肪率測定の代わりになるかどうかは、議論が残るところではありますが。

本題にもどると、腕立て伏せの回数と疾患リスクが逆相関するとすれば、健康診断の良い指標になるのではないかということです。

(Citation: Yang J et al. Association Between Push-up Exercise Capacity and Future Cardiovascular Events Among Active Adult Men. JAMA Netw Open. 2019 Feb 1;2(2))

■腕立て伏せの回数と心血管疾患リスク

腕立て伏せの回数と心血管疾患リスクが逆相関するという報告です。

腕立て伏せの回数が少ない、特に10回未満は心血管疾患が多かった。

腕立て伏せの回数が多い、特に40回以上は心血管疾患が有意に少ない結果でした。

■腕立て伏せできる回数がトレーニングで増えれば心血管イベント抑制につながるのか

Male firefighters(男性消防士)に限定して検討しているので、母集団としては非常に特殊です。

前向き研究ではなく2000年から10年間、1562人を評価した後ろ向きの検討です。

特殊な母集団、後ろ向き検討ですので、腕立て伏せできる回数がトレーニングで増えれば心血管イベント抑制につながるのかそれに関しての答えはありません。

特殊な母集団(男性消防士)から導きだされた結果ですので、腕立て伏せの回数40回以上という、40回以上の数値そのものには一般性はありません。

何もトレーニングしていない男性で腕立て伏せ40回以上できる人、ほぼいないでしょうから。

しかし、簡便に誰でも数えることができる腕立て伏せの回数のような単純な数値が、心血管イベントの差につながったとうことは実に興味深い点です。

■生活指導の項目としての腕立て伏せの可能性

逆流性食道炎や糖尿病は肥満の改善が生活指導で欠かせません。その際に分かりやすい数値目標として体重を目標にします。

それと同じように、分かりやすい体力や健康維持の指標として、腕立て伏せやスクワットなど、簡便に数値を目標として示すことができるので活用してもよいかもしれませんね。

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