逆流性食道炎と胃食道逆流症

あなたの症状は「逆流性食道炎」それとも「胃食道逆流症」?

食事の高カロリー高脂肪食化にともなって、胃酸のこみあげ、げっぷなど逆流性食道炎
増えてきています。
食事の欧米化だけでなく、ピロリ菌感染率の低下、ライフスタイルの変化などさまざまな
環境要因からも日本人の胃酸分泌がアップしてきています
食事をした後にげっぷ、胃酸があがってくる、朝起きたらムカムカする、これらは逆流性
食道炎が原因かもしれません。

アメリカ人などに多い病気といわれていましたが、最近日本でも急増してきているのが逆
流性食道炎です。
逆流性食道炎と聞くと、「胃酸が上に逆流」して「食道が炎症をおこす病気」というイメ
ージがわきます。
似た言葉に胃食道逆流症があります。
あまり聞きなれないことばですが、言葉から「胃のものが食道に逆流する病気」というイメージがわきます。

 

「逆流性食道炎」と「胃食道逆流症」医学的にはどっちでもよくありませんが
日常用語的にはどっちでもOKです。
似たようなこの2つの言葉、違いはあるのでしょうか。

逆流性食道炎と胃食道逆流症、学問的には、正確を期すとすれば違いますが
日常診療、日常会話においては、胃酸があがってくる、げっぷがでる、この病態
「逆流性食道炎」とよんでも
「胃食道逆流症」とよんでも
大差ありません。
フクロウ と みみずく の違い
ぶり と はまち の違い
成人病 と 生活習慣病 の違いみたいなものですね。
(あくまでもイメージだけの話です)

その例えは違うのではという声が聞こえてくるので
書くとすれば
フクロウ科の耳にみえる羽をもったものがみみずく、ないものがフクロウ
ぶりとはまちは同じで、成長魚で段階で呼び名が違う
ということになるのですが、
あくまでも、似たようなものを想像するというイメージの話です。

逆流性食道炎とは

逆流性食道炎は、最後に「炎」がついているように何らかの炎症を起こしていることを指
します。

胃カメラ(上部消化管内視鏡)でも食道と胃のつなぎめを診たときに、キズができている
状態が逆流性食道炎です。
逆流性食道炎の程度を

LA分類grade A
LA分類grade B
LA分類grade C
LA分類grade D
と分類します。軽いグレードAから重度のグレードDまで4段階です。

当初AからDの4段階で提唱されたLA分類ですが、グレードAよりさらに軽い色調変化だけ
の状態があるので、
それをLA分類grade Mとよぶことになっています。
改定LA分類ですね。

胃カメラ(内視鏡)で食道と胃のつなぎめ、胃酸でさらされているところを診て、診断す
る病気が逆流性食道炎です。

しかし、言葉は時とともに変化するもので、
胃カメラ(内視鏡)で診断する逆流性食道炎を狭義とすれば、もうすこし広い病態を指す
広義も派生しています。

広義の逆流性食道炎は、胃酸が食道にあがってきてむねやけげっぷなど症状を呈する状態
です。
日常会話で使う逆流性食道炎は広義のことが多いのではないでしょうか。

 

胃食道逆流症とは

胃食道逆流症はGastroesophageal reflux diseaseを略してGERDともよばれます。
GERDはカタカナで「ガード」とよんでいます。
特に呼び方に決まりないですけど。

胃食道逆流症(GERD)は、むねやけ、胃酸の逆流など症状をともなう病気です。
これだけ、聞くと逆流性食道炎と同じではないかと思われるのではないでしょうか。
その通りです、同じです。
ただし、「ほぼ」がつきます。

胃食道逆流症と逆流性食道炎はほぼ同じです。

胃食道逆流症は、胃酸が食道にこみあがってくることで「胸やけ」と「胃酸のこみあげ(
呑酸)」などの症状がおきる状態のことを指します。


胃食道逆流症は、内視鏡によりキズがあるかどうかを診断するのではなく、症状から診断
する状態なのです。

逆流性食道炎(狭義)胃カメラで食道と胃のつなぎめにキズがある状態
胃食道逆流症は、胸やけ、呑酸などの症状がある状態
の違いがあります。

胃カメラで診て食道と胃接合部にキズがある状態、逆流性食道炎は胸やけ、呑酸などをきたします。

症状からみると、逆流性食道炎と胃食道逆流症は同じ(正確にはほぼ同じ)です。

「逆流性食道炎」それとも「胃食道逆流症」どちらが正しいのか

逆流性食道炎が胃カメラの所見を基に診断
胃食道逆流症(GERD)が症状から診断
この2つどちらを使うのが正しいのでしょうか。

論文、研究においてはこの2つの用語正しく使い分ける必要があります。
しかし、日常会話、診察時の説明においては、どちらを使ってもよいでしょう。

ネットなどで検索して「私の症状はガードなのでしょうか?」
と聞かれたときには
「そうですね、おっしゃる通りガードで、薬と生活習慣の改善で治療しましょう」
とお話しします。
「胸やけは逆流性食道炎が原因でしょうか?」
と聞かれたときには

「そうですね、胃酸が逆流する逆流性食道炎が原因で、薬と生活習慣の改善で治療しまし
ょう」
とお伝えします。
ことばとして、広く浸透しているのは
逆流性食道炎
ですので、私は診察の時はわかりやすさを重んじて「逆流性食道炎」を多用しています。

 

「フクロウ」と「みみずく」、「ぶり」と「はまち」はまち、「成人病」と「生活習慣病」

逆流性食道炎と胃食道逆流症は、内視鏡診断か症状診断かの違いです。
ほぼ、言葉的には同じです。

 

冒頭のフクロウとみみずくはフクロウ科の同じ鳥

耳にみえるとがった羽があるのがみみずく、ないのがフクロウでしょうか。
ぶりとはまちは全く同じ。成長段階で呼び名がかわる、つばす→はまち→ぶりでしょうか。

クリニックのある関西ではつばすを使いますが、この呼び名は関西だけかもしれません。

成人病は、がん、心臓病、脳卒中など40歳ぐらいから増える病気の総称です。今はあまり
使わないことばですね。昭和の時代につかわれていたことばです。

生活習慣病は、食生活、運動習慣、睡眠、喫煙、アルコール習慣の改善で予防する余地が
ある病気のことですね。

胃食道逆流症(ガード)の症状

典型的な症状は

・胸やけ
・呑酸(どんさん)
みぞおちから食道にかけて酸っぱいものがあがってくる感じ
の2つです。

 


典型的な酸逆流の症状以外に
・慢性的な咳、治りにくい咳
・胸のつまり感
・のどの違和感
・胸の痛み
・嗄声(こえがれ)
など、心臓の病気ではないかと心配になるような、胸痛、胸のつまり感
耳鼻科的なのどのつまり感、声がれなどの症状のこともあります。
典型的な胸やけ、呑酸以外に、非典型的な症状がおこりうるのも胃食道逆流症の特徴です。
問診、胃カメラ(内視鏡)で食道、胃のチェックすることで、正確に症状の原因を特定す
ることができます。
思い当たる症状があるかたは、かかりつけの先生にご相談ください。

まとめ

胸やけ、呑酸(酸っぱいものが込みあがってくる感じ)などの症状があれば、胃食道逆流
症(GERD)が疑われます。
胃食道逆流症?
GERD?
ガード?

聞きなれれないことばですね。
胃酸が込みあがることによる症状を胃食道逆流症(GERD、ガード)と呼びます。
逆流性食道炎と胃食道逆流症(GERD)はほぼ同じ状態を指すことばです。
胃食道逆流症、逆流性食道炎どちらの用語をつかってもよいでしょう。

食事をしたあと、空腹時に、胸やけ、酸っぱいもののこみ上げがあったら、胃食道逆流症
かもしれません。
食事が楽しめない、起きたときにむかむかして気分がすぐれないなど生活の質を低下をき
たします。
生活習慣の改善、飲み薬で症状は改善しますので、思い当たるときはかかりつけの先生に
ご相談ください。

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