先日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、芸能人の方がお亡くなりになりました。
これにより新型コロナウイルス感染症は国民にとって、とても身近な問題と考えられるきっかけになったかもしれません。
今まで遠い国で何千人もの人が死亡しても、わが身に置き換える事が難しかった人も、
東京や千葉で感染者が増えてきている今、明日はわが国も同じ状況に陥る危機感を持つ事が必要です。
そういったことも踏まえて今一度新型コロナウイルス感染症についての情報をまとめてみます。
目次
若い人は新型コロナウイルスに強い?感染しても軽い?
新型コロナウイルスは壮年層から後期高齢者層がかかりやすく、比較的体力のある若年層はかかりにくいと言うかたもいましたが、これは間違いです。
高齢者、基礎疾患をもっている方や喫煙者など、肺に負担がかかりやすい人が重篤になる病気の特性があり、若い人の重症例が少ないのは事実です。
これは、若い人が新型コロナウイルスに感染しにくいというわけではんく、最近では10代や20代も感染する事がわかっています。海外では20代の女性が死亡する例も多く挙げられています。
決して若年層が万全ではないということを知っておきましょう。
最近では若年層がコロナウイルスに罹患していても比較的症状が出にくいため、感染していると知らず街中を出歩き人にうつしてしまっている可能性も出てきました。
嗅覚や味覚障害を引き起こすことも知られてきた新型コロナウイルスの症状
また、発熱や咳などの症状の他に嗅覚や味覚異常を引き起こすこともわかってきました。
発熱や倦怠感はないのに、匂いがわからない、食べても味がわかりにくいなどの症状があり、PCR検査を受けて初めて、新型コロナウイルス感染症にかかっていることが判明する人も出てきました。
アメリカの耳鼻咽喉科学会は新型コロナウイルス感染症の症状の一つに、「嗅覚異常、味覚異常」があることを発表しています。
ドイツでは新型コロナウイルス感染症の3分の2が味覚障害、嗅覚障害を訴えているとの報告もあります。
注意していただきたいのは、味覚障害、嗅覚障害があれば必ず新型コロナウイルス感染症というわけではありません。ウイルスや細菌感染など、いわゆる風邪で味覚障害、嗅覚障害は起きることがあります。味覚障害、嗅覚障害は新型コロナウイルス「だけで」起きる特徴的な症状ではないので、この症状だけで新型コロナウイルス感染症と判断することはできません。
味覚障害や嗅覚障害があればPCR検査は受けることができる?
では、突然味覚障害や嗅覚障害が出た場合、新型コロナウイルスに罹ったと不安になり、すぐにPCR検査を受けたいと思うでしょうが、現在のところPCR検査に該当する項目には当てはまっていません。
これは、風邪やインフルエンザに罹った場合など、上気道炎にも同様な症状を訴える人もあるため、一概に「嗅覚・味覚異常」で新型コロナウイルス感染症を疑うことはできません。
日本耳鼻咽喉科学会は発熱やせき、体のだるさなどほかの症状がなければ、しばらく医療機関の受診を控え、2週間、不要不急の外出を控えるなど、様子をみてほしいとしています。(3/30発表)
これは「嗅覚・味覚異常」の改善の特効薬はないため、自然に治ることが多いので、発熱や倦怠感、咳などの異常がなければむやみに病院に来てかえって感染してしまうリスクを下げるためでもあります。
新型コロナウイルスに罹っていない人が不安から病院に来ることで新たなクラスター(集団感染)を引き起こしてしまうことにもなりかねません。←ココとくに大事です。
一気に感染爆発が起こるオーバーシュートの可能性~海外に見る例
3月末現在兵庫県での感染者数は140名ほどですが、東京では2週間前は兵庫県より少なかったにも関わらず現在450名ほどになっています。
これは急激に感染者数が増えたため、東京都ではオーバーシュート(感染爆発)寸前と報じています。
海外でもイタリアをはじめ、ヨーロッパ諸国では2週間ほどの間に爆発的に感染が広がっており、医療崩壊ともいわれております。
知人が数週間スペインに滞在しておりましたが、2月下旬のスペインはまだ感染者数も少なく、スペイン人達は普通に頬にキスを(dos besos)して挨拶していたようです。
その頃日本ではマスクを求めて長蛇の列、アルコール消毒が必須だったころです。
ヨーロッパ諸国はマスクの習慣がなく、マスクは病人がするものとされ、皆、予防のためにアジア人がマスクをしているのを見て感染した人だと見られているといっていました。
しかし、その後10日ほどの期間で爆発的に感染が広がってしまいました。
同じくその頃、感染者が少なく抑えられている台湾では日本よりも1カ月先行して「マスク転売」(マスクは週に2枚国から配布される)、「開校延期」、「入国制限」など様々な感染防止政策を施していました。施設などでは必ずアルコール消毒、サーモグラフィーによる体温検査があり、国民のほとんどがマスクを着用しているとのことでした。
むしろ、マスクをしていないと白い目で見られているようだといっていました。
感染しにくい状況を作るために一人一人ができること
では、オーバーシュートを引き起こしにくい状況を作るためには私たちはどのようなことができるのでしょうか。
3密、ソーシャルディスタンス、衛生消毒
絶対避けたい「3つの密」
厚生労働省は感染拡大を防止するために3つの密、いわゆる「3密」を避けるように注意喚起しています。
3密とは「密閉空間」「密集場所」「密接場面」のことで、「むんむん」「ぎゅうぎゅう」「がやがや」とした場所に滞在することを言います。
実際、クラスター(集団感染)が発生している多くは「ライブハウス」「パーティ会場」「スポーツジム」など大勢の人が大きな声を出したり、むんむんしたところだったりする場所で発生しています。
こういった場所を避けるために、今は集団で集まることや密閉された空間での集合等を避け、クラスター発生を避けましょう。
人と人との距離を取るソーシャルディスタンスを実行
マスクなしで飛沫感染を防ぐには約2mを開けることが重要とされ、列に並んだり、飲食したりするときもソーシャルディスタンス(社会的距離)を取るよう推奨されています。
飲食店などでは間隔を空けて座る、店で並ぶ場合も一定間隔をあけるようにすることで、飛沫感染を最小限にとどめることができます。
正しい衛生消毒につとめる
外出したら手洗い、うがいを励行している方は多いと思いますが、正しい手洗いをすることが必要です。
20秒以上手を洗う
20秒以上かけて手を洗うことでウイルスが洗い流せるといわれています。
石鹸で入念に洗うことを習慣としましょう
手を洗った後、ハンカチやタオルでしっかり拭く
せっかく手を洗っても髪の毛を触ったり濡れた手でドアノブを触ってはせっかく洗った手が台無しです。
アルコール消毒をした場合もしっかり乾燥しましょう。
油断せずに感染爆発(オーバーシュート)を引き起こさないために国民一人一人ができる事
台湾の事例のように国をあげて十分な防疫対策をすることは、難しいかもしれないですが、オーバーシュートを引き起こさないために、今一人一人ができることは、
・人との距離を取る
・正しい衛生方法を身に着ける
ということを基本とすることが必要です。
命を守るために、一人一人の意識付けが大事な時にさしかかっています。