ストレス社会となった現在、不眠症状を有する大人は人口の20%とも言われています。
不眠とは寝つきが悪いだけでなく、夜中に起きてしまう、朝早く起きてしまう、眠りが浅く熟眠感がないなどの状態をさします。
不眠が原因となって日中にだるさ、やる気がでない、食欲がでないなどの不調をきたした状態が不眠症です。
睡眠障害の結果日常生活に支障をきたしてしまった状態が「不眠症」です。
不眠症は人口の10%、大人の10人に1人が患っているともいわれています。
不眠の原因にはストレスや環境変化など外的な要因が多く、生活習慣をかえることで改善が期待できます。 快適な睡眠のために心がけるべき生活習慣を紹介します
目次
■ 寝室の環境改善
非常に有効なのが寝室の環境改善です。スマホの発達に伴って寝る直前までスマホを使う方が増えています。寝る直前のスマホが睡眠を妨げています。自然な睡眠のためには目からの光の刺激を避ける必要があり、寝る直前のスマホは控えていきます。
スマホだけでなく寝室でのテレビも控えていきましょう。 ベッドにころがりながらのテレビ、映画鑑賞が楽しいのはよくわかります。しかしより良い睡眠のためには寝室では避けていきましょう。
少し極端ではありますが寝るためだけの部屋が寝室です。
寝室の快適な温度も熟眠につながります。夏はエアコンを27°から28°ぐらいにゆるくかけるのも有効です。
■昼寝
30分以内の短時間の昼寝は夜の睡眠の妨げにはなりません。 昼間の仕事のパフォーマンスを高めるためにも短時間の睡眠は有効と言われています。
もちろん昼寝は夕方以降にはしないようにしましょう。
■寝る前のアルコール
睡眠薬代わりにお酒を飲んで寝るという人をよく聞きます。 アルコールは眠るためには実は逆効果です。睡眠の質が悪くなり夜中に目覚めやすくなります。 深い熟眠感ある睡眠をとるためにはアルコールをひかえましょう。
■寝る前のタバコ
タバコと睡眠は無関係と思うかもしれませんが実は関係があります。タバコの中にはニコチンが含まれています。 ニコチンには神経を刺激する作用がありこれが睡眠を妨げる原因となります。そもそも健康のためにはタバコはすすめませんが、より質の高い睡眠のためにもタバコを控える必要があります。
■運動の効果
定期的な運動、特に有酸素運動は睡眠に効果的です。 体を鍛える目的ではありませんので全速力で走ったりトレーニングをしたりする必要はありません。 緩やかに歩く程度の運動で十分です。 定期的な運動することで寝つきが良くなり睡眠が深くなります。
■ 寝る前の考え事、仕事
忙しい現代社会では避けられない問題ですが、昼間の悩み事や仕事を寝る直前にまで持ち越さないことは大切です。寝る直前の考え事で寝つきも悪くなり眠りが浅くなる結果夜中に何度も目が覚めることになります。
子供の頃遠足の前日に はしゃぎすぎて寝付けなかった経験がある人も多いのではないでしょうか。 原因が楽しみなこと逆にストレスであっても、興奮することで寝つきが悪くなってしまうものなのです。
■寝る前のカフェインが含まれている飲料
カフェインには神経を興奮させる働きがあるために、寝る前にカフェインを摂ると寝つきを妨げます。 寝る前の4時間以内のカフェインは控えるようにしましょう。
カフェインが入っている飲み物として真っ先に思い浮かべるのはコーヒーだと思いますがコーヒー以外の飲み物にも意外と含まれています。 紅茶、玉露などにもカフェインが含まれています。 日本茶としては玉露に含まれているのは有名ではありますがその他、 煎茶、番茶、ほうじ茶、ウーロン茶にも含まれています。
栄養ドリンクにカフェインは入っていますし、コーラにもはいっていますね。
麦茶にはカフェインが含まれていませんので安心して飲んでいただいて大丈夫です。
飲み物ではありませんが市販の 総合感冒薬いわゆる風邪薬にもカフェインは含まれていますので注意しましょう。
■睡眠薬の種類について
睡眠薬は非常に多くの種類があります。 作用時間で超短期作用型、短期作用型、中間作用型、長時間型と分類することができます。
代表的な睡眠薬を以下列挙いたします。
・超短期作用型
ハルシオン、アモバン、ルネスタ、マイスリー
・短時間型
レンドルミン、リスミー
・中間作用型
ロヒプノール、ユーロジン、ベンザリン
・長時間型
ドラール、ソメリン
作用機序による分類、 ベンゾジアゼピン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬
・ベンゾジアゼピン受容体作動薬
ハルシオン、アモバン、ルネスタ、マイスリー、レンドルミン、リスミー、ロヒプノール、ユーロジン、ベンザリン、ドラール、ソメリン
・メラトニン受容体作動薬
ロゼレム
・オレキシン受容体拮抗薬
ベルソムラ、デエビゴ
睡眠薬には非常に多くの種類の薬があります。どのようなタイプの睡眠薬が合うかはかかりつけの先生に相談してみてください。
■新しタイプの作用機序をもつ睡眠薬について
どうしても睡眠が取れない時には睡眠薬の助けを借りる必要があります。昔はベンゾジアゼピン系と呼ばれる睡眠薬が主流でしたが最近は新しい作用機序の睡眠薬が使えるようになってきています。
オレキシン受容体拮抗薬と呼ばれるベルソムラやデエビゴという睡眠薬は自然に近い睡眠を得ることができます。
■まとめ
体は疲れているのに眠れない、寝ようと思ったら逆に頭が冴えてしまって寝られない状態辛いですね。睡眠薬の助けを借りる前にできることが生活習慣の改善です。
・寝る直前までスマホを見る
・寝る直前までパソコンに向かって仕事をする
・睡眠薬代わりにアルコールを使う
・夕方以降にコーラやコーヒーなどカフェインが含まれている飲み物を飲む
・寝室で眠くなるまでテレビを見る
睡眠を妨げる生活習慣を改善してみてはどうでしょうか。