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緊急現行犯逮捕 。アニサキス|原因不明じんましんアニサキスIgEチェック

■しめ鯖たべて、深夜にのたうち回る胃の激しい痛み

「先生、今日胃カメラしてもらえますか?この痛みアニサキスだと思うんです。夜中に痛みとじんましんが同時にでて、前にも同じ痛みあってその時と同じなんです」

アニサキスこの言葉を聞くと、内視鏡を専門とする医者なら、よっしゃ捕まえて、患者さんを痛みから解放。とテンションあがります。

意気込んで胃カメラ検査すると、予想通りアニサキス虫体を発見。現行犯逮捕、内視鏡鉗子で除去です。

これで患者さん、痛みから解放されます。

ここで注意することが1点。1匹捕まえて終わりではありません。大概2匹3匹と胃の粘膜に噛みついています。

胃内をくまなく観察すると、アニサキスやはり他にもいました。1匹見つけたら、そこで気を緩めないことが肝心です。

■しめ鯖、激しい胃の痛みでネット検索

ネット情報玉石混交です。どちらかと言えば、健康に関する情報玉よりも石が多いのでご注意ください。

「しめ鯖」「激しい胃の痛み」で検索するとこんなタイトルがトップ記事にでてきます。

・胃アニサキス症の痛みに対する治療 ・急性胃アニサキス症 ・刺し身につくアニサキス 強い痛みの波が特徴 ・アニサキス症って何? – 専門家によるコラム ・渡辺直美や庄司智春も苦しんだアニサキスの「意外な落とし穴」

渡辺直美さんもアニサキスに当たったことあるんだ、などと思わず、ゴシップ記事的なサイトを読んで、このブログ書きながら時間を無駄にしてしまいました。

話をもどすと、「しめ鯖」「激しい胃の痛み」一番疑われるのは、やはり胃アニサキス症です。

サバ、イカ、カツオなどの魚に寄生する、2-3cmほどの白い糸状の「きもちわる」形をした虫です。

■しめ鯖を食べた後のじんましん

胃アニサキス、胃粘膜に噛みつくと痛い病気ですが、痛いだけでなく、アレルギー症状を起こすことがあるのです。

しめ鯖を食べた後に、じんましん。

背の青い魚はよく当たると昔から言われています。

鯖にはアレルギーを起こすヒスタミンと関連のあるヒスチジンが多く含まれるため、と言われています。

■鯖でじんましんが出る原因は鯖に寄生しているアニサキスが原因

鯖でじんましんが出るのは鯖に含まれる成分が原因と信じられているのですが、じつはそうではないかもしれないのです

鯖が原因と思っていたら、鯖そのものでなく、鯖に寄生するアニサキスの成分が原因のことが多々あるようです。

粕谷先生はこの事に気づき、Lancet誌に1990年に既に報告されています。(Kasuya S et al. Mackerel-induced urticaria and Anisakis.Lancet. 1990 Mar 17;335(8690):665.)

鯖を食べた後に発症した11例のじんましん患者さんのアレルギー原因を調べています。

アレルギー物質を用いたスクラッチテストを行っています。

なんと11人全員、アニサキスから抽出した抗原陽性、しかも鯖抗原陰性だったのです。

鯖が原因と思われたじんましん、原因は鯖に寄生するアニサキスだったのです。

ほんと素晴らしい着眼点だと敬服します。

さらに、その後研究で、急性胃炎で受診患者さんのうち、内視鏡でアニサキス虫体陽性だった人の87.5%がアニサキス抗体陽性、内視鏡でアニサキス虫体みつからなかった人でも66.7%アニサキス抗体陽性と報告されています。

(Citation: Kasuya S et al et al. Significance of detection of specific IgE in Anisakis-related diseases. Arerugi. 1992 Feb;41(2 Pt 1):106-10.)

内視鏡を専門とする私たちは、アニサキスが胃粘膜に噛みついて、痛そうな現場を直接見ているがために、胃が痛むのは直接かみついていることが原因とおもいがちです。

胃痛がありながらも、アニサキスが内視鏡で見つからなかった人でも66.7%も抗体陽性のことから考えると、胃痛の原因としてアニサキスによるアレルギーがかなりの割合でおきるのではないかと推察されます。

お寿司など生魚を食べた後の、胃痛。アニサキス虫体が胃粘膜を噛みつくことによる痛み以外に、アニサキスによるアレルギーを鑑別診断として考えておくことも大切と感じた次第です。

胃アニサキス症を内視鏡で診断したら、アニサキスIgEもチェックです。もし陽性であれば、アレルギーを予防するために食生活の指導が必要となります。

■まとめ

・サバ、イカなどを食べた後の、七転八倒する胃痛の原因としてアニサキス症がかんがえられます。

・アニサキス症には、アニサキスが胃粘膜に直接噛みつくことによる直接の痛みとアレルギーによる痛み両方ありうります。

下剤ソムリエ第2弾、新しいタイプの下剤『モビコール』をテイスティング|効果は良好だが、味はまあまあ

ニフレック、マグコロールP、モビプレップ、大腸カメラ前処置下剤の味ついて熱く語っていると、友人からありがたくも、尊敬?呆れから「下剤ソムリエ」の称号をいただきました。

第1弾、大腸カメラ前処置薬、ニフレック、マグコロールP、モビプレップの味比べ

好評の第2弾、新しいタイプの下剤『モビコール』のテイスティング結果をお届けいたします。

●下剤ソムリエ第1弾、大腸内視鏡検査前、下剤(腸管洗浄液)味比べ|マグコロール、モビプレップ、ニフレック

■新しいタイプの下剤モビコール

モビコールは従来の下剤と少しことなる位置づけの下剤です。大腸検査前に腸をきれいにするために1Lから2L程の下剤を服用します。

大腸検査前にのむ下剤は非常に効果が高く、飲むと10回ほどトイレに行きたくなり、便は完全に腸から洗いながされ、腸の中が空っぽになります。

参考記事 ●スピードの「モビプレップ」、味の「マグコロールP」

大腸カメラの前処置として服用する液の安全性と効果は既に確立しています。

大腸カメラの前処置を、下剤として少量服用できるようになったのが、モビコールです。

■モビコールとモビプレップ内容の比較

モビプレップ

上の写真、真ん中がモビプレップです。

大腸検査前処置として服用するモビプレップ 1袋を水で溶かして2Lとして服用

マクロゴール400  200g 塩化ナトリウム  5.382g 塩化カリウム  2.03g 無水硫酸ナトリウム  15g アスコルビン酸  9.4g Lアスコルビン酸ナトリウム  11.8g

モビコール

モビコール1袋を60mlの水で溶かして服用

マクロゴール400  6.5625g 塩化ナトリウム  0.1754g 塩化カリウム  0.0251g 炭酸水素ナトリウム  0.0893g

主要成分のマクロゴール400の量に注目してみます。 モビプレップの1/30量がモビコールと設定されています。

大人の服用量が1回2袋、最大6袋までです。

通常量は、大腸検査前処置として服用するモビプレップの1/30から1/15服用となります。

緩やかに、じわっと効く容量と設定されています。

■モビコールの服用方法

モビコールは6x12cmの袋に粉末として入っています。液剤でないので溶かす必要があります。

水もしくはジュースでもよいので、1袋を60mlに溶かします。お湯のみ1杯が120mlぐらいですので、その半分量です。

私もモビコールを60mlに溶かしてみました。お砂糖のように、さっと水に溶ける感じではないですね。水を加えてもコップの底に沈むので、スプーンでかき混ぜる必要があります。

かき混ぜると簡単に水に溶けてくれます。

お砂糖が水に溶けるような感じではなく、片栗粉が水に溶けるような感じでしょうか。自然に溶けるというよりは、かき混ぜて、何とか溶かすイメージです。

■モビコールのテイスティング

60mlの水に溶かしたモビコール、特に香りはしません。甘い香りもしなければ、苦そうなにおいもしなければ、粉っぽいにおいもありません。

味です。

味は、まあまあ、というところでしょうか。

具体的には、マクロゴール400特有の甘いような苦いような味が中心です。そこに塩化ナトリウムが加わっているので、塩っぽい後味ものこります。

それぞれの味はすごく弱いのですが、甘い+苦い+塩っぽい、やや奇妙な後味です。まずい訳ではありませんので、ご安心ください。

■まとめ

大腸前処置下剤モビプレップの容量を調節した下剤 モビコール)が使えるようになりました。

1回容量はモビプレップの1/30~1/15量。

味は、甘い+苦い+塩っぽい、やや奇妙な後味です。まずい訳ではありませんので、ご安心ください。

胃カメラ検診、胃がん死亡率を低下させる効果明らかに|胃がん健診にはバリウムと胃カメラどちらがおすすめ

胃がん検診で真っ先に頭に思い浮かぶのは、バリウム検査です。台の上にのって、右を向いたり、左を向いたり、ぐるっと回って胃を撮影する検査です。ドラマ白い巨塔で財前教授が自身の胃がんの診断をうけるのもバリウム検査でした。

胃がん検診といえば、バリウム検査(胃透視検査)でした。胃バリウム検査は胃がん検診として有効性が認められています。最近ではより精密な検診を行うため、バリウムではなく胃がん検診を胃カメラ(内視鏡)で行う施設も増えてきています。

■胃カメラと胃バリウム検査、検診はどちらがよいのでしょうか

胃バリウム検査はバリウムをのんで胃の形を撮影して、病気を見つける検査です。一方、胃カメラ検査は直接胃の中をカメラで観察して病変を調べます。白黒の画像である胃バリウム検査とカラーの映像で確認する胃カメラ、もちろん胃カメラの方が精密なことは明かです。

ドックで胃カメラと胃バリウム、選択できれば胃カメラをおすすめいたします。

■胃カメラ検診、胃がん死亡率を低下させる効果明らかに

胃カメラと胃バリウム検査、もちろん胃カメラの方が精密検査なのは直感的にだれもが理解できるところです。医学は直感だけではなく、きちんと効果が証明されることが大切です。実は、胃カメラと胃バリウム検査どちらがよいか比較した検討はありそうでほとんどなかったのです。

1600万人という大人数を対象とした韓国でのコホート研究、胃がん検診として胃カメラの方がバリウムに比べはるかに役に立つことがあきらかになりました。

(Cittaion: Jun JK et al. Effectiveness of the Korean National Cancer Screening Program in Reducing Gastric Cancer Mortality.Gastroenterology. 2017 May;152(6):1319-1328)

全く検診を受けていない人を1とすると胃カメラでもバリウムでも検診を受けている人の胃がんによる死亡率は0.79 (95% CI, 0.77-0.81)に低下します。検診を受けるだけで胃がん死亡率が20%もさがります。胃カメラでもバリウムでも何らかの検診は有効です。

胃カメラ検診でオッズ比0.53 (95% CI, 0.51-0.56) 、胃カメラを受けることで胃がんによる死亡率は半分に減ります。

バリウム検診のオッズ比0.98 (95% CI, 0.95-1.01) 、バリウムの胃がん死亡率抑制効果あるのの、わずかでした。

■胃カメラ検診の効果、1回受けた人、2回受けた人、3回以上受けた人の比較

興味深いのが胃カメラ検診を受けた回数と、胃がん死亡率の関係です。

検診を1回受けただけでもオッズ比0.60 (95% CI, 0.57-0.63)、40%胃がん死亡率低下。

検診を2回受けると、オッズ比0.32 (95% CI, 0.28-0.37)、70%死亡率低下。

検診を3回以上受けた人は、オッズ比0.19 (95% CI, 0.14-0.26) 、80%も胃がん死亡率低下、1/5に胃がん死亡率を減らす効果がありました。

胃がん検診における、胃カメラの効果明かです。単回(1回だけ)よりも、2回、3回と定期的に胃カメラを受けることで、胃がん死亡率をさらに下げる効果が高まります。

■まとめ
・胃カメラ検診、胃がん死亡率を低下させる効果あり
・ドックで、胃バリウムと胃カメラ検診迷ったら胃カメラを選択

胃カメラ検診で胃がん死亡率低下|胃がん死亡リスク30も%さげる効果あり、胃がん検診はバリウムより胃カメラが効果的

ドックでバリウムと胃カメラがあれば、どちらを受けられるでしょうか?

是非、胃カメラを選んでください。胃カメラで胃癌による死亡率が下がることがわかっています。

■胃がん検診

胃がんの9割以上はピロリ菌が原因です。ピロリ菌をもっていれば、ピロリ菌除菌が胃がんの予防に効果的です。ピロリ菌除菌は胃薬と、抗生物質2種類、合わせて3種類の薬を1週間内服することで除去できます。

ピロリ菌検査、ピロリ菌除菌治療とともに大切なのが『胃がん検診』です。胃がんは早期で発見すれば内視鏡で治療できます。進行胃がんで見つかっても、手術、抗がん剤治療で治癒を期待できます。とにかく、早期発見、早期治療が胃がんです。

胃がん検診として思い浮かべるのはバリウム検査でしょうか。バリウムをのんで胃を撮影する、胃透視検査です。最近では胃がん検診をバリウムでなく胃カメラで検査するドックや自治体も増えてきました。

胃カメラで行う検診の歴史はまだ浅く、効果を証明する論文が少なかったのですが、この数年胃カメラ検診効果を示す論文が次々と報告されています。

■胃カメラ、バリウム検診による胃がん死亡低下効果

胃がんと診断される3年前までさかのぼり、胃カメラで検診を受けた人、バリウム検診を受けた人、受けていない人を比べています。

胃がん死亡率で全く受けたことがない人を1として、胃カメラ検診を受けた人 0.695 (95% CI: 0.489-0.986) 、バリウム検診を受けた人0.865 (95% CI : 0.631-1.185) でした。

(Citation: Hamashima C et al. A community-based, case-control study evaluating mortality reduction from gastric cancer by endoscopic screening in Japan.PLoS One. 2013 Nov 13;8(11))

バリウムでは胃がん死亡率抑制効果14%程度でしたが、胃カメラ検診効果は31%と、胃カメラで胃癌死亡率を2倍以上下げる果が得られています。

バリウム、胃カメラ検診ともにすばらしい検診ですが、ドックでどちらか一方を選べるとすれば胃カメラをおすすめいたします。

■まとめ
・胃バリウム、胃カメラ検診ともに胃がん死亡率をさげる効果あり
・胃カメラはバリウムの倍以上有効、バリウムと胃カメラどちらを受けるか迷ったら胃カメラを選ぶ

経口骨粗鬆症薬で食道がんリスクが高くなる|ビスホスホネート製剤を長期服用している人は、胃カメラで食道チェック

食道がんのリスクとして、悪名高いのは、お酒とタバコです。とくにアルコール度数が高いお酒。

ウオッカなどは直接食道粘膜を刺激、障害して食道がんの要因となります。要注意です。

■お酒をのんで顔が赤くなる「フラッシャー」は食道がんハイリスク

お酒を飲んだら顔が赤くなる人は要注意です。アルコールを飲むと脱水素酵素により、体内にアセトアルデヒドが蓄積します。アセトアルデヒドを分解する酵素であるアルデヒド脱水素酵素が強い弱いでお酒に強い弱いがきまります。アルデヒド脱水素酵素が弱い人は、アセトアルデヒドを分解する力が弱く、お酒をのむと動悸がしたり、顔があかくなったりします。お酒を飲んで顔があかくなる人、「フラッシャー」は食道がんのリスクが高いことがわかっています。

■ビスホスホネート系薬剤とは

ビスホスホネート系薬剤は、骨を破壊する細胞(破骨細胞)の働きをおさえる薬です。骨は再生と破骨を繰り返してバランスをとっています、破骨を抑えて、骨をつよくする、骨粗鬆薬です。

骨粗鬆症の治療薬として有用な薬剤で、多くのかたが服用されています。毎日飲む製剤、週に1回の製剤、4週に1回の製剤などがあります。

ビスホスホネート系薬剤は服用方法が、他の薬と違い特徴的です。朝起きた時に(食事の前に)服用。コップ1杯ほど(約180ml)の多めの水で服用。薬が食道にのこらないように、薬を飲んだ後30分は横になないようにするひつようがあります。

服用方法が特殊であるため、十分な効果を得るためまた、副作用をおさえるために、正しい飲み方がひつようです。

経口ビスホスホネートには、ボナロン、ホサマック、ダイドロネル、ボノテオ、リカルボン、アクトネル、ベネット

特許が切れてジェネリック(後発品)としては、アレドロンサン錠(フォサマック、ボナロンのジェネリック)、リセドロン酸Na錠(アクトネル、ベネットのジェネリック)などがあります。

■経口骨粗鬆症薬と食道がんの関係

骨粗鬆症薬と食道がん、全く関係なさそうなのですが、関連があることがわかってきています。

(Citation:Green J et al. Oral bisphosphonates and risk of cancer of oesophagus, stomach, and colorectum: case-control analysis within a UK primary care cohort.BMJ. 2010 Sep 1;341:c4444. doi: 10.1136/bmj.c4444.)

2010年にBMJに報告されたケースコントロール研究で大規模な症例数からの最初の報告です。

経口ビスホスホネート製剤を服用している人は、服用していない人と比べ1.30倍食道癌が多かったのです。(95%CI 1.02~1.66)。

食道、胃、大腸それぞれの癌と経口ビスホスホネート製剤の関連を調べても、食道癌だけが相対危険度増多、胃がん、大腸がんは駅強ありませんでした。

BMJに掲載された論文はカルテからデータを抽出しており、処方箋枚数での、食道がんリスクも調べています。

処方箋枚数 1-9枚 相対危険度 0.93

10枚以上 相対危険度 1.93

1処方箋あたりの処方期間はまちまちですが、1処方箋約1ヶ月とするとビスホスホネート系薬剤を1年以上服用で食道がんリスクが高まることになります。

さらに、経口ビスホスホネート製剤の服用している期間にも比例して相対リスクは高まっています。

1年未満の服用 相対危険度0.98

1年から3年 相対危険度1.12

3年以上 相対危険度2.24

経口骨粗鬆症薬(ビスホスホネート製剤)でなぜ食道癌が増えるのかメカニズムは不明ですが、同じ消化管である胃がん大腸がんは増えないことから考えると、食道へのビスホスホネートの直接刺が食道がんのリスクファクターとなっているようです。

ビスホスホネート製剤服用は、服用後30分の起座(横にならない)指導を遵守していくことが大切です。服用方法遵守とともに必要なことは、1年以上長期間経口ビスホスホネート服用中の方は胃カメラによる食道の定期的な検診です。

■まとめ
・経口骨粗鬆症薬(ビスホスホネート製剤)食道がんのリスク高まる
・正しい服用、服用後少なくとも30分は横にならずに過ごすことの厳守
・胃カメラでの定期的な検診(食道がんスクリーニング)

自分で大腸カメラを操作、自分自身に大腸内視鏡検査を施行、座った姿勢が一番痛くないことを発見|これこそまさにイグ・ノーベル賞受賞にふさわしい研究だよ

2018年のイグ・ノーベル賞が発表され、昭和伊南総合病院、堀内朗先生が受賞されたニュースの報道がありました。内視鏡を専門とする私には、衝撃的なニュースです。自分で自分に大腸カメラをするという発想への畏敬の念です。

■イグ・ノーベル賞とは

イグ・ノーベル賞ご存じでしょうか

人を笑わせ、考えさせる研究に贈られる賞です。文字通りノーベル賞のパロディーです。

「イグ」は英語のignobleから取っています。

ignobleはnoble(気高い、崇高な)の反対の意味をもつ形容詞です。考え・行為などが恥ずべき、不名誉なをあらわす言葉がignobleです。

過去にも多数の研究で日本人が受賞しています。犬の言葉を翻訳するおもちゃ「バウリンガル」の開発、わさびのにおいを使った火災報知器の開発などです。昨年は天橋立のまたのぞきの研究でした。

まさに、人を笑わせ、考えさせる研究に贈られる賞がイグ・ノーベル賞です。

■自分で大腸カメラを操作、自分自身の大腸内視鏡検査は可能なのか

そういえば、バナナを踏んでつるっと滑り人がこけそうになる、抵抗を測定した研究の受賞もありました。人を笑わせ、考えさせる研究に贈られる賞がイグ・ノーベル賞です。

今年のイグ・ノーベル賞はほんとスゴイです。内視鏡を専門とする私からするとイグ・ノーベル賞でなくノーベル賞の間違い?ではないかと感じるぐらいのインパクトです。

朝日新聞デジタルの見出し
座って大腸検査「苦痛少ない」自ら試しイグ・ノーベル賞

(citaton: https://www.asahi.com)

内視鏡をする医師たちの間でたびたび話題になるのが、胃カメラは自分で自分にできるのだろうか、大腸カメラは自分で自分にできるのだろうか、です。

胃カメラを自分で操作して、自分自身の検査をすることはそんなに難しいことではありません。

一方大腸カメラは、操作が複雑で自分自身の検査を行うのは無理だろうというのが、内視鏡をする医師のほぼ共通見解です。

自分自身のお尻からカメラを挿入して、左手で左右上下の内視鏡操作を行い、同時に右手で内視鏡を左右にトルクをかけて前進させる、とても出来そうにない動作です。

**内視鏡センターの**先生は大腸カメラを自身にしたらしい、などいううわさは聞いたりしたことはありましたが。都市伝説レベルのうわさ話でした。

■自分で大腸カメラを操作、自分自身の大腸内視鏡検査を施行することは可能

大腸カメラ検査を自身で行うことは、ほぼ無理だろうと専門家のあいだで考えられていたのですが、この常識を覆すニュースが飛び込んできました。、

朝日新聞デジタルにイグ・ノーベル賞受賞ニュースの詳細にこのように書かれています。

『米消化器内視鏡学会誌に体験談を発表。腸内をきれいにする前処置をした上で、右手で内視鏡の端をつまんで肛門に挿入しながら、左手でカメラを動かすつまみを操作。モニターに映し出された自分の腸内を見つめる姿をイラスト付きで紹介した』

衝撃的なニュースです。大腸カメラ自身に施行することは可能だったのです。しかも体験談を学会誌に発表するスゴさ。

人を笑わせ、考えさせらえるイグ・ノーベル賞にふさわし過ぎる研究です。内視鏡を専門とする医師の永遠の命題?、自身に大腸内視鏡検査ができるかどうかに終止符が打たれました。どうやら自身で大腸内視鏡検査できるようです。

3割の女性は大腸カメラ、女性医師を希望

■大腸カメラ検査、精神的なハードル高い理由

食生活の欧米化、高脂肪、高カロリー食で、大腸がんが急増しています。高脂肪、高カロリー食で増えるのは大腸癌と乳がんです。

死亡率では女性の1位が大腸癌、男性では3位が大腸癌です。大腸カメラでの、大腸癌、早期発見、早期治療が今後ますます重要になってきます。

頭では大腸検査大切と分かっていても、なんとなく精神的なハードルが高い検査です。

大腸検査は痛い検査の代表のように思われているようですが、そんなことありませんのでご安心ください。

丁寧に前処置(大腸検査食、腸をきれいにする洗腸液)をして、丁寧に熟練した内視鏡医が担当すれば、けっしてしんどい検査ではありません。

参考記事
●大腸カメラを丸ごとを知っていれば怖くない!|中島クリニックの大腸検査

●炭酸ガスを用いる検査後も楽な大腸カメラ検査

内視鏡機器、内視鏡技術はものすごいスピードで進歩しており、しんどかったり痛かったりすることのない大腸検査ですが、精神的なハードルはやはり高いのは確かです。

精神的なハードルの一つとなっているのが、担当する医師の性別にあるのか調べてみました。

■26%の女性が、大腸検査、女性医師を希望

医師の立場からすると、医師の性別は全く関係なく、経験を積んだ内視鏡医が大腸検査を担当することが大切です。

が、お尻からカメラを入れて大腸を調べる検査、恥ずかしい気持ちがともなうのは当然です。

海外のデータとなるのですが、 30.8%の女性が大腸内視鏡検査施行医師の性別希望です。

ヒスパニックの女性は35%と高い傾向があります。

男性は特に検査施行医師の性別には好みがなさそうなのですが、20.4%の人が担当性別に希望がある結果です。

3割強の女性が内視鏡担当の性別に好みがあり、そのうち84.8%が女性担当医師希望です。

女性の26.1%が、女性医師をこのむ傾向ということです。

(Citation: Zapatier JA et al. Preferences for ethnicity and sex of endoscopists in a Hispanic population in the United States. Gastrointest Endosc. 2011 Jan;73(1):89-97)

別の平均51才のヒスパニックを対象とした調査でも、ほぼ同様の結果で30%の女性が、内視鏡医の性別に好みがある結果でした。

(Citation: Varia A et al. Gender preference for the endoscopist among Hispanics: the results of a prospective study. J Immigr Minor Health. 2014 Oct;16(5):990-3)

大腸検査をうける精神的なハードルが高く、担当医師が女性であれば安心できるという面が多分にあることが分かります。

■産婦人科を受診するときに、男性医師/女性医師、どちらか選ぶ傾向があるのか

女性の3割が、大腸カメラの時に女性医師を希望する傾向があるのであれば、産婦人科受診のとき同様の傾向があるのか調べてみました。

(Tobler Kyle et al. Gender Preference of the Obstetrician Gynecologist Provider: A Systematic Review and Meta-Analysis Obstetrics & Gynecology: May 2016doi: 10.1097/01.AOG.0000483829.97196.8f)

産婦人科受診14,736人にアンケート調査したところ

50.2% 女性医師希望

8.3% 男性医師希望

41.3% 医師の性別はとくに気にしない

(Chandler PJ et al. Provider gender preference in obstetrics and gynecology: a military population. Mil Med. 2000 Dec;165(12):938-40.)

別の報告では 産婦人科を受診するとき

52% 担当医師の性別を気にする

44% 女性医師希望

4% 男性医師希望

44%男性/女性医師とくに気にしない

最初の報告とおぼ同じ結果です。半分ほどは女性医師希望あり、半分の人は医師の性別はとくに気にせずの結果でした。

産婦人科の領域では、大腸カメラよりはるかに、女性医師がこのまれる傾向にあるようですね。

この報告には続きがあり、医師が男性か女性であるかが、最も大切なファクターであると答えた人は10%程度でした。

医師の経験、医師の専門分野区などの方がはるかに大切なのは当然です。

医師の経験、専門知識がもっとも重要であるけれど、できれば同性医師がいいかな。というところでしょうか。

■40才過ぎたら大腸カメラ検診が大切。大腸カメラをうけることで大腸癌死亡リスクを下がることができる。

肺がんの予防には、禁煙。胃がんの予防にはピロリ菌検査、もしピロリ菌がいたら除菌です。

大腸の場合は、大腸カメラで検診、もし大腸ポリープがあれば内視鏡で切除。これで大腸癌リスクが下がります。ほとんどの場合、突然大腸癌になるわけでなく、大腸ポリープが大きくなって癌化します。癌化する前、ポリープの段階で切除しておくことで予防につながります。

40才過ぎたら、大腸カメラで検診が大切です。

参考記事
●大腸がん死亡率、大腸カメラをうけることで1/3にリスク低下|大腸カメラで大腸癌早期発見、大腸ポリープを切除することで大腸がんが予防できる

■西宮市中島クリニックでは大腸カメラ、男性医師/女性医師ともに検査担当しています

西宮市中島クリニックでは大腸カメラ担当、男性医師/女性医師ともに担当しています。

医師の立場からすると、内視鏡担当医師の性別は関係なく、経験を積んだ内視鏡医が大腸検査を担当することこそが大切であると強調したいのですが、お尻からカメラを入れて大腸を調べる検査、恥ずかしい気持ちがともなうのは当然なのも十分に理解できます。

女性医師、逆に男性医師、希望あれば診察のさいに遠慮なくご相談ください。

■まとめ
・3割の女性は大腸検査、女性医師を希望
・40才過ぎれば大腸カメラ検査
・中島クリニックでは女性医師による内視鏡検査も実施しています

逆流性食道炎に対するPPI(プロトンポンプ阻害薬)長期投与の影響|ビタミンB12、カルシウム、ビタミンDなどの 吸収障害はでるのか

■酸分泌を抑える薬開発の歴史

胃潰瘍、逆流性食道炎などの治療は胃酸を抑え、キズを治すことが治療の中心となります。その昔、昭和の時代は胃潰瘍、十二指腸の治療で手術をしていました。今では、H2ブロッカーやPPI(プロトンポンプ阻害薬)などの胃酸をしっかりと抑える薬が開発され、胃潰瘍、や十二指腸が治らず手術をすることは、まずありません。手術になるとすれば、潰瘍からの出血が止まらない、潰瘍が深くほれて穿孔(胃や十二指腸の壁に穴があく)などの緊急手術ぐらいです。

消化器、特に胃酸に関しての大きな転帰は1982年と1991年です。

H2ブロッカー(シメチジン)が開発されたのが1975年、本邦で薬として使えるようになったのが1982年です。この時代私はまだ学生で医者になっていませんので、シメチジン(タガメット)が使えるようになった時の感動を残念ながら知りません。胃潰瘍が手術する病気であったのが、薬で治る病気になったのです。

PPI(プロトンポンプ阻害薬)がH2ブロッカー登場から約10年後1991年に使えるようになりました。タガメット、ザンタック、ガスターなどのH2ブロッカーよりも、さらに強力にPPI(プロトンポンプ阻害薬)は酸を抑えてくれます。胃潰瘍、十二指腸潰瘍はもちろんのこと、胃酸分泌をしっかりと抑えるので逆流性食道炎にも非常によく効きます。

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎治療において、H2ブロッカー登場1982年とPPI(プロトンポンプ阻害薬)登場1991年が大きな転換点です。もうこれ以上の胃酸をしっかりと抑える薬の登場はないだろうと思われていたのですが2015年、P-CAB ボノプラザン (タケキャブ)が開発されました。タケプロン、ネキシウム、パリエット、オメプラールなどのPPIより、さらにしっかりと胃酸分泌を抑えるのがタケキャブの特徴です。

■胃酸を抑えることによる、ミネラルの吸収障害

H2ブロッカーやPPIにより胃酸分泌をしっかり抑えることができるようになり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎は薬で治る病気になりました。

そんなにしっかりと、胃酸を抑えて体に影響はないのでしょうか?

PPI服用で、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症がおきやすくなる、PPIを服用していると衛生状況の悪い国へ旅行した際に下痢をしやすくなるなどの報告があります。

栄養に関して、胃は微量金属の吸収に大事な臓器です。鉄やカルシウムは胃酸でイオン化修飾を受けることで小腸で吸収されます。胃酸を抑えることで、理論的には、鉄欠乏性貧血やビタミンD不足がおこりうります。

■ネキシム(エソメプラゾール)を5年間服用して、ビタミンB12、ビタミンDなどのミネラルは低下するのか

逆流性食道炎にネキシム(エソメプラゾール)がどれくらい有効かを検討したLOTUS研究で5年間PPIを長期服用した際のデータの報告があります。

Citation: Lundell L et al. Long-term effect on symptoms and quality of life of maintenance therapy with esomeprazole 20 mg daily: a post hoc analysis of the LOTUS trial. Curr Med Res Opin. 2015 Jan;31(1):65-73)

胃酸分泌をおさえることで、理論的には鉄吸収不足やビタミン吸収不足が起こりうるのですが、LOTUS研究の結果からは、PPIを5年間服用しても、鉄、ビタミンB12、ビタミンDの低下はありませんでした。

ビタミン、ミネラルの低下はないようですが、留意する必要があるのは、ヘモグロビン(貧血の指数)がPPI内服前、1年後、3年後までは大きな変化はないのですが、5年目で少し低下しています。

難治性の逆流性食道炎などで、PPIを長期間服用する時には、時々、ヘモグロビン値(貧血の数値)、鉄、フェリチン(鉄の蓄えの指数)、ビタミンB12などは時々チェックが必要です。

もし、鉄、フェリチンなどの低下があれば、PPI休薬、もしくはH2阻害薬への変更を考慮する必要があります。さらに、PPIによる胃酸を抑えることでの鉄吸収低下以外の原因精査も大切です。大腸ポリープや大腸腫瘍などからの出血がないか、大腸カメラで確認です。

■まとめ
・PPI(プロトンポンプ阻害薬)長期服用のときは、貧血値(ヘモグロビン)、鉄、ビタミンD、ビタミンB12を時々チェックする

こどものピロリ菌感染経路|小児の80%は家族内感染

■ピロリ菌と胃がんの関係

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃がんと関連ピロリ菌は関連があります。最近ではピロリ菌が直接の胃がんの原因ではなく、ピロリ菌が感染することにより胃内の細菌叢の多様性が低下、結果として胃がんになるとの研究報告もあります。

正常胃粘膜→ピロリ菌感染→慢性萎縮性胃炎→腸上皮化生→胃がん

上記経過を経て胃がんが発生するのですが、直接の原因はピロリ菌ではなく、胃内細菌叢の低下が原因との説です。

正常胃粘膜→ピロリ菌感染→胃内細菌叢多様性低下→胃がん

参考記事
ピロリ菌と胃内常在細菌叢|ピロリ菌最新研究の潮流、キーワードはDysbiosis細菌叢の多様性低下

ピロリ菌感染による胃がんの直接の原因は、・ピロリ菌が胃に感染することによる、慢性胃炎の「炎症」・ピロリ菌が胃に感染することによる「細菌叢の変化」など諸説ありますが、いずれにしてもピロリ菌感染と胃がんは密接な関係があります。

参考記事
●ピロリ菌除菌による胃がん予防効果|治療効果を数値で比較してみる

■こどものピロリ菌感染率

胃がんとの関連があるピロリ菌ですが、よろこばしい事に、若年者の感染率が激減してきています。

高齢者は80%以上の方がピロリ菌をもっていますが、40才代前後を境に急激に感染率が低下しています。

こどものピロリ菌感染率は20才以下で10%以下、さらに中学生以下では5%以下とさがってきています。

ピロリ菌の感染はこどもの頃に感染します。こどもの頃、特に小学校に入学する前ぐらいの年齢で感染します。

衛生状況が非常によくなり、こどもの感染率が低下しているのです。

参考記事
●中学生のピロリ菌感染率は5%以下|ボノプラザン(タケキャブ)、アモキシシリン(サワシリン、アモリン)、クラリスロマイシン(クラリス)の3剤併用療法で一次除菌率成功率は83%

 

■こどものピロリ菌感染経路

患者さんから、「どこからピロリ菌に感染したのでしょうか」よく相談をうけます。

高齢の方であれば、上下水が発達していない、衛生環境が整っていない時代背景による、経口糞便感染です。井戸水など汚染した水からの感染が主なルートでした。

一方、上下水が完備され、衛生環境が整っている現代、どこからピロリ菌は感染するのでしょうか。

現在の感染経路は、口から口の感染が主なルートとなっています。

小児で80%は家族内感染と推定されています。80%のうち70%はお母さんからこども、10%はお父さんからこどもです。

(Citation:今野武津子 et al. 日本ヘリコバクター学会雑誌.4.20-24.2003)

80%は家族内感染ですが、残り20%は家族外感染のルートです。保育園や施設内などでの感染との報告もあります。

家族内感染さらに詳しくみると、離乳食の段階での感染、同胞感染(兄弟姉妹の年齢が近ければ、こども同士の感染)のルートも疑われています。

■父母、祖父母の感染率を下げる環境づくり

お父さん、お母さん、場合によっては祖父母からの感染ルートが主な感染ルートである、こどもにおいて、2つの対策をとることができます。

・お父さん、お母さん、祖父母のピロリ菌感染率を低下させる。子育て世代のお父さんお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんのピロリ菌有無をチェック。陽性であればピロリ菌除菌です。

これで、祖父母、父母からこどもへの感染ルートを断つことができます。

・離乳食を、常識ではあるのですが、お父さんお母さんから赤ちゃんへ口移しを絶対にしないようにしましょう。口移しをすることで、虫歯菌のみならず、ピロリ菌も赤ちゃんへ移してしまいます。

若い世代のお父さん、お母さんには赤ちゃん口移しすることは少ないのですが、問題となるのはおじいさ、おばあさん世代でしょうか。

おじいさん、おばあさん世代より上は、赤ちゃんの離乳食を大人がいちど口のなかで噛んであげていた世代です。離乳食の口移しは昔話、今は口移しは「しない」のが正解です。

■ピロリ菌検査方法

ピロリ菌が胃にいるかどうかを調べる方法として、胃カメラで直接胃の粘膜の組織をとって培養する、培養方がもちろん正確な方法法です。

その他、血液(抗体検査)、便(便中ピロリ抗原)、呼気テスト(風船をふくらます検査)など、さまざまな方法があります。

当院では、胃カメラにて癌の検診を行い、ピロリ菌を培養法にて検査します。ピロリ菌除菌後の、効果判定は便(便抗原)検査で施行しております。

その他、患者さんの年齢、病状に応じて、培養法、血液検査、便検査、適切な検査を選択して施行しています。

どの方法が適した方法かは、患者さんの病状、年齢でかわります。具体的な方法は主治医の先生にご相談ください。

■まとめ
・こどものピロリ菌感染率は喜ばしいことに低下している
・こどものピロリ菌感染経路は家族内感染が多い

便秘で脳卒中、心筋梗塞が増える|ひどい便秘で心血管疾患リスクは1.4倍

たかが便秘されど便秘。便秘慢性の便秘で困っている方は人口の16%、6人に1人が便秘で悩まれています。

■便秘の治療

トイレでいきんでも出ない。便がででもすっきりしない。便秘は不快でOQL(生活の質)を著しく低下させます。

刺激性下剤(ラキソベロン)や緩下剤(酸化マグネシウム)などの便秘治療が中心でしたが、数年前から新しい作用機序の便秘治療薬が開発されています。

従来の便秘治療は大腸で効く薬が中心でしたが、新しいタイプの便秘治療薬は小腸ではたらいて効果がでます。

薬が効くところ、作用点が違うので、従来の下剤で効果ない時にも効果が期待できます。刺激性下剤(コーラック)は腸を無理矢理動かして便を出すので、腹痛やお腹のしぶりを伴うことが多いのですが、新しいタイプの下剤は腹痛やしぶりが少ないのが特徴です。

従来型の便秘薬に加え、アミティーザ、リンゼス、グーフィス錠など新しいタイプの便通を改善する薬、症状に応じて、自分にあう薬を選択できる時代になりました。

参考記事 ●グーフィス(胆汁酸トランスポーター阻害薬)新しい作用機序の便秘薬がもうすぐ処方できるようになります。

●便秘に悩む人必見!便秘解消には角度と時間が重要なワケ

■便秘と脳卒中、心筋梗塞との関係

不快で生活の質を落とす(QOL低下)する便秘ですが、不快なだけでなく便秘は脳卒中、心筋梗塞など血管が詰まる病気を増やすことがわかってきました。

(Citation: Honkura K et al. Defecation frequency and cardiovascular disease mortality in Japan: The Ohsaki cohort study. Atherosclerosis. 2016 Mar;246:251-6)

宮城県大崎地域に住む「大崎国保コホート研究」40才~79才の男女45,112人を対象に13.3年間の心血管系死亡との関連を解析した結果です。

排便回数で「1日1回以上」「2~3日に1回」「4日に1回以下」のに分けて調べています。

13.3年のフォロー期間中2,028人が心血管疾患で亡くなり、排便頻度との関連を解析しています。

毎日便がでている人とくらべ、「2~3日に1回」、「4日に1回以下」の心血管死亡リスクは1.21(95%CI:1.08-1.35)、1.39(95%CI:1.06-1.81)

排便頻度「2~3日に1回」 リスク1.21倍

排便頻度「4日に1回以下」 リスク1.39倍

4日に1回も便がでない方は、脳卒中や心筋梗塞など血管系の死亡危険度が1.4倍にもあがります。

一般的にトイレでいきむと40mmHgぐらいはあがります。

たかが便秘、されど便秘、あなどれません。

■まとめ
・便秘で脳卒中や心筋梗塞など血管系の死亡リスクがあがる
・たかが便秘されど便秘、生活習慣改善、薬で適切な治療