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C型肝炎ウイルスの感染経路(大人編)

C型肝炎ウイルスの感染経路についてです
 
C型肝炎ウイルスに感染している人の血液が、体の中に入ることで感染します。
C型肝炎が発見される前は輸血や血液製剤を介しての感染がほとんどでした。
抗体やNAT(核酸増幅検査)を用いた厳重な輸血や血液製剤の感染症チェックのおかげで、現在輸血による感染は激減しています。
 
輸血による感染経路がなくなった現在、
C型肝炎は激減、撲滅まで目前です。
しかし、C型肝炎の新規感染が少数ながらあるのが現状です。
その経路についてお話いたします。
 
参考記事
 
(引用:国立感染症研究所 IDWR 2011年 第21号速報
C型肝炎 1999年4月~2009年)
 
1999年から2009年の10年間に新規報告があった718例の感染報告のうち、
感染経路が270例で判明しています。
 
270例(男性151例、女性119例)の詳細は以下です。
 
・医療行為等に関連するもの(針刺し事故、透析、医療上の検査・処置、歯科治療、感染者検体、院内感染等)98例(35%)
 
・性的接触60例(21%)
 
・静脈薬物使用36例(13%)
 
・医療行為以外での針等の刺入(刺青、ピアス、カミソリ等)32例(11%)
 
・輸血/血液製剤30例(11%)
 
・鍼治療7例(3%)
 
・家族等感染者との接触5例(2%)
 
・母子感染3例(1%)
 
一番多いのは針刺し事故などの医療行為に関連するものなのです。
C型肝炎の患者さんに使った針や処置具を自身に誤って刺す、針刺し事故による医師や医療従事者の感染です。
使った注射針にキャップをしない(リキャップ)、感染性廃棄物の扱いなど病院の医療安全対策を再度確認する必要があります。
 
次に
性的接触
静脈薬物使用
刺青、ピアス、カミソリ等での針
と続きます。
 
知っておいていただきたいのは、ピアスや鍼灸治療でもC型肝炎ウイルス感染することです。
もちろんC型肝炎のみならず、より感染力の強いB型肝炎もピアスや鍼灸治療でも針を介して感染します。
 
当たり前です。
C型肝炎ウイルスは血液を介しての感染です。
人に一度使った針を、別の人に使うこと、あり得ないと思いますが、
もし、他人に使った針を次の人に使ったら感染源となります。
 
他人に使った針は、
紫外線殺菌や、
アルコールでの消毒をしても
ウイルスには無効です。
 
他人に使った針は、使わない
当然です。
 
まとめ
C型肝炎の感染経路
・輸血血液製剤の肝炎ウイルス抗体、NAT(核酸増幅検査)など入念なチェックにより、輸血による感染機会が激減しています。
・性的接触、静脈薬物使用、刺青、ピアス、カミソリ等での針などが主たる感染ルートです。

C型肝炎ウイルスの感染経路(子供編)

C型肝炎ウイルスの感染経路についてです。



C型肝炎は血液を介して感染します。

C型肝炎に感染している人の血液が、体の中に入ることで感染します。

インフルエンザやはしかのように飛沫感染や空気感染はしません。



その昔、C型肝炎が発見される前は輸血や血液製剤を介しての感染がほとんどでした。

現在、輸血や血液製剤は厳重にウイルスのチェックをおこなっています。

輸血を介してのC型肝炎はほとんとなくなりました。



その昔、といってもアメリカのカイロン社がC型肝炎ウイルスを発見したのが1989年です。

発見から、たったの30年ですが、医学の発達はめざましく、

輸血による肝炎はなくなり、C型肝炎ウイルスに直接効く飲み薬が開発されC型肝炎が治るようになりました。



診断、治療の進歩で、C型肝炎が根絶される日も間近です。
 
参考記事
 
 
 


輸血によるC型肝炎感染予防が確立、大人の新規C型肝炎患者は減っています。
一方、子供のC型肝炎が、数は少ないながらもあります。

子供のC型肝炎の感染経路を究明した報告を紹介します。



(Citation: Mizuochi T et al. Epidemiologic features of 348 children with hepatitis C virus infection over a 30-year period: a nationwide survey in Japan. J Gastroenterol. 2017 May 31. )




2012~2016年に日本全国の小児施設で登録されたC型肝炎抗体陽性348人の感染経路を検討しています。
 
・1986~1995年
・1996~2005年
・2006~2015年
出生年ごとに分けています。
 
・1986~1995年
母子感染61% 輸血35% 不明4%
・1996~2005年
母子感染92% 水平感染 1% 輸血0% 不明7%
・2006~2015年
母子感染99% 輸血0% 不明1%
1986~1995年生まれの35%が輸血による感染であったのが、2006年以降の出生では0となっています。
母子感染の割合が99%なっています。
 
母子感染が唯一の子供への感染経路となった現在、
妊娠前の女性C型肝炎ウイルス感染者への治療が大切になってきます。
 
まとめ
小児のC型肝炎ウイルス感染経路の99%が母子感染
妊娠前の女性C型肝炎ウイルス感染者への治療が大切

『タトゥー彫って海で遊泳、細菌感染で死亡』CNNのニュース。目を向けるべきは『肝疾患を患っていたこと』|ビブリオ・バルニフィカスによる敗血症

CNN.co.jpニュースに
『タトゥー彫って海で遊泳、細菌感染で死亡 米男性』
目を引くニュースがありました。

この手のキャッチーなタイトルは、大概「釣り目的」クリックさせるために、大袈裟なことが多いんだよね、
と思いながらも読んでしまいました。

(Citation: headlines.yahoo.co.jp/cnn-int)

タトゥー彫って、5日目、海で泳いだ。
海に入った、3日後、発熱、両足の痛みで入院。
皮膚科黒ずみ変色、水疱形成、敗血症ショック。
人工呼吸器を装着、強力な抗生剤投与。
最初の入院から2ヶ月後に永眠。

タトゥー彫って、生傷ある段階で海に入って細菌感染、それが命取りになった経過です。

タトゥー彫ったあとの傷のがどれぐらいで治るか、全く経験ないので知りませんが、
タトゥー彫った程度の傷口からばい菌が入って、致命傷になることあるのだろうか。
記事を読んでの最初の印象です。

タトゥーを彫った面積はわかりませんが、もしタトゥーを彫った程度の傷で致命傷になるのであれば、
少しでもけがをしていたら、怖くて海に入れないことになります。

起因菌は『ビブリオ・バルニフィカス』と書かれています。たとえ傷があっても健康な人がビブリオ・バルニフィカスによる敗血症を起こすのだろうか。
と思いながら記事をよくよむと、

「慢性的な肝疾患を患っていた」
とあります。

ニュース的には『タトゥーを彫って海に入って感染』がキャッチーではあるのですが、

目を向けるべきは『背景に肝疾患をもっていること』です。

肝硬変の患者さんに、塩分をひかえる事や、適切な蛋白質の量など、食事指導をおこないます。

さらに、私は肝硬変の患者さんには、生魚や生ガキなどをひかえるようにも伝えています。

これは、極めて発症頻度は低いのですが、ひとたび起きると極めて致死率の高い『ビブリオ・バルニフィカス』による感染症をさけるためです。
『ビブリオ・バルニフィカス』壊死性筋膜炎や敗血症をひき起こします。

『ビブリオ・バルニフィカス』は健康な人に問題になることはなく、肝硬変や免疫不全の時に感染を起こします。

肝硬変の方が、生ガキを食べて『ビブリオ・バルニフィカス』に感染という報告が多いのが特徴です。

なぜ、肝硬変の人が感染するかは、

『ビブリオ・バルニフィカス』は汚染食物と一緒に腸管から吸収、
門脈を通って体に入る、
健康な人なら肝臓でトラップされ解毒され問題ないが、肝硬変があると、シャントとよばれる肝臓を通り抜けてしまう経路があり、シャントを通して全身に広がってしまうのが原因と思われます。

このCNNニュースの、タトゥーを彫った方も慢性な肝疾患を患っていたようです。

CNN.co.jpには飲酒量の記載がないので、CNNのオリジナル記事を読むと、

“To make matters worse, the man had chronic liver disease from drinking six 12-ounce beers a day.”
(Citation: CNN health. Man dies after swimming with new tattoo
Updated 0315 GMT (1115 HKT) June 3, 2017)

と書かれています。

12オンスビールを1日6本

1オンスは約29.6cc
12-ounce beersはビール350mlに相当
缶ビール1日6本、
毎日ビールを2リットルほど飲んでいたようです。

この方、アルコール性肝障害がなければ、タトゥー彫って海で泳いでも、不幸な転帰にならなかったのではないでしょうか。

このBMJ誌ケースレポートからの教訓としては、

肝障害があれば『ビブリオ・バルニフィカス』は皮膚からでも感染する。

私は『ビブリオ・バルニフィカス』の主な感染は、生ガキなどを食べて、消化管を介する感染経路の認識でした。この症例報告を読んで皮膚からの感染経路もあり得ることを知り驚いております。

(Citation: Hendren N et al. Vibrio vulnificus septic shock due to a contaminated tattoo. BMJ Case Rep. 2017 May 27;2017)

とは言え、皮膚からの感染経路は非常に特殊なケースだと思われます。
肝硬変の患者さんには、引き続き、生魚、生ガキなどの食事を避けるように食事指導徹底いたします。

まとめ
『タトゥー彫って海で遊泳、細菌感染で死亡』CNNのニュース。
目を向けるべきは『肝疾患を患っていたこと』
です。

B型肝炎ウイルスル量(HBV DNA量)が国際単位IU/mLに変わります

2016年からB型肝炎ウイルス量単位がcopies/mLからIU/mLに変わります。

B型肝炎ウイルス量は、copies/mLの単位が使われていました。
世界では国際単位(IU)が使われており、日本ではコピー単位が用いられていましたが、日本肝臓学会の指針で、国際単位(IU)へ移行することが決まりました。

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(Roshe diagnostiscs資料)

Log表記で、従来の数値(copies/mL)からおおよそ0.76を引いた値が、国際単位(IU/mL)となります
しばらくは検査結果に、copies/mLとIU/mLが併記されますので、どちらの単位でのウイルス量か確認してください。

大切な数値
B型肝炎の特効薬である核酸アナログを導入するかどうかなどの基準に4と言う数値があります。4Log copies/mlをIUへ換算すると

 4 Log copies/ml = 2000IU/mL = 3.3 Log IU/mL
となります。

コピー単位から国際単位への移行、キロメートルとマイルの差ぐらい違和感ありますが、単位は慣れるしかないですね。

肝硬変とサルコペニアの関係|サルコペニアって何だ。筋肉量低下による生活の質が低下

兵庫肝疾患診療連携フォーラムに参加してきました。
肝疾患とサルコペニアがテーマでした。
「サルコペニア」聞き慣れない言葉ですが、sarco「筋肉」+penia「減少」を組み合わせた、「筋肉の減少」を意味することばです。1989年Irwin Rosenbergが加齢にともなう筋肉量の低下による生活の質の低下を提唱したのがはじまりです。

サルコペニアは、高齢者の骨折、転倒との関連、さらにはそれがきっかけで寝たきりになる、など、加齢現象と思われていますが、さまざまな病気でも進行します。

肝硬変でもサルコペニアが進行することが、最近の研究で明らかになってきました。

日本肝臓病学会でも、サルコペニア判定基準作成ワーキンググループが立ち上がり、サルコペニア判定基準(第1版)が今年発表されています。

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一般社団法人日本肝臓学会サルコペニア判定基準(第1版)
筋肉量の減少は1年に0.5~1%程度が健常時ですが、
肝硬変での骨格筋減少量は年率2.2%と倍以上です。

しかも、サルコペニアが肝硬変の方の予後(寿命)と関連する報告もあり、
高齢者が生活の質(Quality of Life: QOL)をよりよく保つために運動が大切であるのと同じように、肝硬変でもQOLを保つために適度な運動が大切です。

余談ですが、40才ぐらいから、運動しないと筋力はどんどん落ちてきます。
研究報告によると、その低下率は1年に0.5%程度です。
年0.5%程度とはいえ、運動をしている人と、何もしない人では、数十年後には、積もり積もって大きな差になります。

高齢者のみならず、40才過ぎたら運動。
肝疾患をわずらっていても、適度な運動。
です。

注意:
腹水がたまったり、黄疸がでたりする、非代償性肝硬変の場合、安静が療養上必要なことがありますので、運動をしてよいかどうかは、かかりつけの先生と相談してください。

中年必読。アルコールと脳梗塞の残念な関係

好評のアルコールシリーズ続編です。

 

アルコールは、百薬の長「ほどほどのお酒は、ストレス解消にも、体にもいい」と言われているがどうなのだろう。

 

僕も患者さんに聞かれ「タバコは1本吸ったら1本分害があるからダメ、アルコールは適量なら肝臓で十分に分解できるのでOKですよ」と言っていました。

でも、この後半部分を今後は改める必要あるかもしれません。

 

アルコールが百薬の長であればJカーブを呈することになる。

Jカーブとは、Jの形が示すように、

Jの左端すこし上がったところが「飲まない人」 「中」

Jの下の一番下がったUの部分が「適量のアルコールをのむ人」 「低」

Jの右I字型に上がる部分が「大酒する人」 「高」

 

もし、アルコールと健康の関係を調べて

「飲まない人」病気は少ない、

「適量飲む人」は「飲まない人」よりもさらに病気が減る

「大酒する人」は病気が増える

となれば、

少量のアルコールは寿命を延ばし、飲み過ぎると当然のことながら短くなる、Jカーブを形成することとなる。

 

運動と健康の関係はJカーブを描きます。

「全く運動しない」よりも、「適度な運動」は寿命を延ばします。しかし過ぎたるは及ばざるがごとしで「過剰な運動は」逆に病気のリスクを高めてしまいます。

 

お酒は飲み過ぎると、血圧を高くして、脳梗塞のリスクが高くなることが知られています。これは厳然とした事実ですが、もし適度なお酒が百薬の長とすれば、少量のお酒は脳梗塞を減らし、Jカーブを描くことになります。

これを調べた結果がStrokeという脳卒中専門医学誌に報告されています。

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45~64才、12,433人を平均22年間、脳梗塞の発症率とアルコール飲酒量の関係を調べています。

グラフの左端が「飲まない人」

真ん中が「適量のむ人」

右側が「大酒する人」

愛酒家の期待する結果は、真ん中「適量のむ人」のリスクが下がるJ字型のグラフなのですが、右上に直線的に上がっていく曲線を描いています。

 

少量のアルコールは百薬の長ではなく、飲まないのが一番体によいと、

身も蓋もない結果でした。

なぜ必要なのか。B型肝炎ワクチン、ユニバーサルワクチネーション

東南アジア、南アフリカなど世界では、B型肝炎キャリア率が10%を超す国が多数あります。

日本は0.8%まで現在下がってきており、キャリア率は低い方ですが、まだ撲滅には至っていません。

 

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どのようにしてB型肝炎が感染するのか、感染経路の話題を中心に、なぜユニバーサルワクチネーション(全員接種)が大切であるかお話いたします。

 

「ユニバーサルワクチネーション」って何と思った方はこの記事をどうぞ。

 

「予防接種、ユニバーサルかセレクティブか、それが問題だ」

「B型肝炎ワクチン、サクセスストーリー」

 

B型肝炎は、血液、精液などの体液を介して感染します。

 

母子感染、輸血(昔のB型肝炎をチェックしていなかった時代)、予防接種(昔の針を変えず接種していた時代)、針治療、入れ墨などです。あとは性感染です。

 

ボクが子供の頃はまだ、保健室に一列に並んで、同じ針で何人か続けて接種していました。30年ぐらいまえの話ですが。

今は注射の針、シリンジは使い捨てなので予防接種で感染することは絶対にありませんので、ご安心ください。

 

それぞれの感染経路を詳しく見ていきましょう。

 

母子感染→出生時にB型肝炎ワクチンとガンマグロブリンで予防できています。

予防接種→注射の針シリンジは使い捨てなので、この感染経路、今はありえません。

輸血→献血をB型肝炎抗原、抗体チェック、NATと言う精密な検査で調べているため、かぎりなくゼロに近い状況です。

性感染→大人になってからB型肝炎にかかっても、慢性化しません。例外の話は後ほど。

 

現在は、厳重に血液を介する、母子感染予防、輸血のチェックなどを行って、感染経路が断たれています。このように万全の対策をとっても、どこからもらったか不明のB型肝炎キャリアが約20-25%存在します。

これが、ワクチン接種の重要性を強調する1つめの理由です。

 

B型肝炎は大人になってからの感染では慢性化しませんので(例外の話は後ほど)、出来るだけ幼少期に全員がワクチン接種を済ませておくことが大切です。

 

B型肝炎は、大人になってからの感染は急性肝炎・劇症肝炎などを起こしますが、慢性化しないのが、すこし前までの常識でした。医学の教科書にもそう書いてありました。

しかし例外があることが明らかになってきました。

近年流行してきているジェノタイプA型とよばれるB型肝炎は、恐ろしいことに、大人になってからの感染でも慢性化することがあるのです。

これが、ワクチン接種の重要性を強調する2つめの理由です。

 

パートナーがB型肝炎キャリアであるかどうかは分からないものです。

ワクチンで抵抗力をつけておくことが大切です。

B型肝炎ワクチン、サクセスストーリー

待ちに待った、B型肝炎ワクチン「ユニバーサルワクチネーション」が2016年秋から日本でもスタートします。

 

「ユニバーサルワクチネーション」って何と思った方は前回ブログをどうぞ。

「予防接種、ユニバーサルかセレクティブか、それが問題だ」

 

 

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「ユニバーサルワクチネーション」を導入してB型肝炎を激減させることに成功した国があるので紹介いたします。

台湾です。

 

台湾は国民のB型肝炎キャリア率が約20%、5人に1人がB型肝炎の社会問題を抱えていました。

そこで1986年から「ユニバーサルワクチネーション」全員接種を開始しました。

「ユニバーサルワクチネーション」導入10年後に、なんと小学校1年生のB型肝炎キャリア率を10.5%から1.7%と激減させることに成功したのです。

 

まとめ

・B型肝炎をワクチンで予防する大切さが、台湾の取り組みから分かります。

・日本でもB型肝炎「ユニバーサルワクチネーション」秋から開始です。

予防接種、ユニバーサルかセレクティブか、それが問題だ

2016年秋から、B型肝炎ワクチンの「ユニバーサルワクチネーション」が西宮市でも始まります。

「ユニバーサル」についてのお話です。

 

病気を予防するために、ワクチンを接種します。

どのような人を対象に予防接種を行うか、大きくわけて2種類の治療戦略があります。

「ユニバーサルワクチネーション」

「セレクティブワクチネーション」です。

 

「ユニバーサル」はテーマパークUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のuniversalと同じ単語、英語を直訳すると「 普遍的な」です。

「セレクティブ」selective 選択的な

 「ワクチネーション」vaccination ワクチン接種

 

「ユニバーサルワクチネーション」は全員接種

「セレクティブワクチネーション」は病気にかかりやすい人などを対象とする、選択的接種です。

 

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風しんワクチンを例に「セレクティブ」「ユニバーサル」の説明します。

風疹は妊娠中に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群といわれる障がいを起こすことがあります。

先天性風疹症候群を予防するために、昭和50年代に、中学生女子を対象に風疹ワクチンを接種していた時代がありました。これが「セレクティブワクチネーション」です。中学生女子を選択的に接種です。

でも、女子だけの接種では残念ながら先天性風疹症候群完全に防ぐことができませんでした。

その後、導入されたのが集団全員を対象として接種する「ユニバーサルワクチネーション」です。男女問わず、接種して風疹の流行を社会全体で押さえ込む戦略です。現在は1才、小学校上がる前の年、2回接種が行われています。

予防接種を受けていない世代の大人がたくさんいるので(特に昭和57年生まれ以前の男性)、まだ風疹の流行は散発的にありますが、幼少児に2回接種している世代の子供たちが大きくなる頃には次第に減っていくはずです。

健康診断で肝機能異常を指摘されたら

健康情報テレホンサービスの原稿として「健康診断で肝機能異常を指摘されたら」をテーマに寄稿したものです。

健康診断で肝機能異常を指摘されたら
兵庫県西宮市 中島クリニック 中島敏雄
kanki

健康診断では肝機能を調べるために、英語の頭文字で表現するAST、ALT、γGTPという血液検査の数値を測ります。昔GOT、GPTと呼ばれていたものは、現在ではAST、ALTと呼ばれるようになっています。

ASTとALTの正常値はともに31(IU/L)未満、γGTPは51 (IU/L)未満です。

ASTとALTは、おもに肝臓に存在する酵素です。何らかの原因で肝臓の細胞が壊れると血中に漏れ出して、AST、ALTが高い数値となります。

γGTPは、肝臓や胆汁を流す管である胆管にあるタンパク質を分解・合成する酵素です。アルコールの過剰な摂取や肥満があると、酵素が過剰に作られるため、γGTPが高い数値となります。

肝機能値は、ウイルス性肝炎、脂肪肝、胆石症、薬剤、肝臓腫瘍などさまざまな原因で上昇します。さらにASTは肝臓のほか、心臓などにも多く存在しますので、心筋梗塞のように心臓の細胞が壊れるような病気でも上昇しますから、注意が必要です。

肝機能が上昇する原因で、特に重要なのはB型肝炎、C型肝炎などのウイルス性肝炎です。
これらのウイルスは何十年と体の中に居座り、慢性肝炎から肝硬変、さらには肝がんを引き起こすことがあります。これらのウイルスが体の中にいるかどうかは、B型肝炎抗原やC型肝炎抗体と呼ばれる血液検査で分かります。肝機能障害の原因がウイルスであれば、ウイルスを除去する治療にとりくむ必要があります。

さらに、脂肪肝という疾患は、食べ過ぎや運動不足などによって、過剰なカロリーが肝臓にたまるため、フォアグラのようになってしまっている状態のことです。現代は飽食の時代で、成人の4人に1人が脂肪肝ともいわれています。脂肪肝は、食べ過ぎ、運動不足、アルコールの飲み過ぎが原因ですから、まずは生活スタイルを改善することが大切です。

肝機能異常を指摘されたら、その原因をつきとめるために、内科や消化器内科の診察を受け相談されることをおすすめします。