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アルコールを愉しまれる方々へ残念なお知らせです。飲酒に適量はないとの報告|健康リスクはアルコール摂取量にしたがって上昇

百薬の長ともいわれるアルコール。一日の疲れを癒やすお酒。

私はお酒を毎日飲むわけではないですが、仕事が終わった後のアルコール最高ですね。

今までは、アルコールには安全域値(ここまでは飲んでもOKの量)があると言われていたのですが、最近の報告からはどうも安全域値はないようです。

■適度なアルコール量

1日1単位アルコールグラムにして10g、ビール1本、ワイン1杯程度なら肝臓で十分分解出来る量なので問題ない、むしろフレンチパラドッククスの言葉があるように、少量のアルコールは飲まないよりも健康によいとも言われていました。

しかし、Lancetの報告によると、少量のアルコールは百薬の長ではなく、飲んだ量に比例して健康に影響するようです。

アルコール好きの人へは、実に耳が痛い話です。

■ここまで飲んでもOKな、安全閾値とは

閾値という概念があります。これはこの量までは飲んでも大丈夫、それ以降は体に影響でますと線引きされる点のことです。

タバコをイメージしてみてください、タバコは安全域値がありません。

1本吸えば、1本分体に影響、20本吸えばさらに体に影響します。

アルコールは1合ぐらいまでなら適量、害はなし。2合3合となると体に影響するとの考えられてきました。表現をかえると、アルコールには閾値があると考えられていました。

しかし83報にもおよぶ前向き検討研究を解析したところ、どうもアルコールもタバコと同じく閾値が「ない」との報告です。

(Citation: Risk thresholds for alcohol consumption: combined analysis of individual-participant data for 599 912 current drinkers in 83 prospective studies. Lancet. 2018 Apr 14;391(10129):1513-1523.)

■少量のアルコールは心血管イベントを減らす、しかし

心筋梗塞のところで、グラフが直線的に右上がりになっているのではなく、V字型になっているのがわかります。

少量のアルコールは心血管イベント、特に心筋梗塞を減らすというのは事実のようです。

ところが、脳卒中はじめ、癌のリスク含め他の病気は、グラフが直線的に右上がりになっています。

飲めば飲むほど、リスクがあがることを示しています。いいかえると、少量飲んでも健康に影響するのです。

■長年アルコールを飲む影響

1-15年どれだけの年数アルコールを飲み続けているかで健康リスクを評価しています。

Lancet. 2018 Sep 22;392(10152):1015-1035. doi: 10.1016/S0140-6736(18)31310-2. Epub 2018 Aug 23. Alcohol use and burden for 195 countries and territories, 1990-2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. GBD 2016 Alcohol Collaborators.

飲む年齢に比例して右肩上がりに健康リスクあがってしまっています。

■アルコール飲酒が寿命を縮めるのか

週100gのアルコール量以下では、ほぼ寿命影響なさそうです。逆に200g(ビール2本、ワイングラス2杯)以上からは影響出始めます。

週350gアルコール以上のむ人(毎日ビール5本、ワイングラスにして5杯以上は目に見えて影響でますので、さすがに控える必要あります。

■まとめ

今までは、安全閾値があると考えられていたアルコールですが、最近の研究で安全閾値が「ない」とのことが分かってきました。

アルコール好きの方には耳の痛い話ですが、アルコールは飲んだ量に比例して健康リスクとなります。

朗報としては、週100g以下のアルコール量、毎日ビール1本やワイングラス1本程度では、ほぼ影響なさそうです。 しかし、200g(ビール2本、ワイングラス2杯)以上からは目に見えて影響でますので、飲むとすれば適量に、です。

腕立て伏せが40回以上できると心血管病気リスクが低い|腕立て伏せ回数が健康チェックの項目となりうるのか

だれもで簡便に何回できるか数えることができる腕立て伏せ。

こんな単純な評価が、心血管疾患と逆相関があったというお話。

男性消防士のみに限定の結果なので、一般論としてとらえるのは拙速すぎますのでご了解を。

何十年ぶりに腕立て伏せしてみました。思い返せば真剣に腕立て伏せしたのは学生時代の体育の授業以来です。

ちなみに17回、実に平凡な回数でした。10回未満群ではなくてよかった。

■病気リスクと健康診断指標

健康の指標としては、単純であればあるほど良いのは当然です。

体脂肪率と心血管系疾患との相関がありますが、では健康診断として体脂肪率を測定するにはどうすればよいか。腹部CTで体脂肪率を算出するのが精密かつ正確ですが、健康診断で腹部CTを撮影するかといえば、非現実的ですよね。

腹部CTによる体脂肪率測定の代わりになる、簡便でよい指標ないかと探した結果が腹囲測定だったりします。

そんな経緯で特定健診では腹囲測定しています。

腹囲に関しては体格でかなりばらつきがあるので、腹部CTによる体脂肪率測定の代わりになるかどうかは、議論が残るところではありますが。

本題にもどると、腕立て伏せの回数と疾患リスクが逆相関するとすれば、健康診断の良い指標になるのではないかということです。

(Citation: Yang J et al. Association Between Push-up Exercise Capacity and Future Cardiovascular Events Among Active Adult Men. JAMA Netw Open. 2019 Feb 1;2(2))

■腕立て伏せの回数と心血管疾患リスク

腕立て伏せの回数と心血管疾患リスクが逆相関するという報告です。

腕立て伏せの回数が少ない、特に10回未満は心血管疾患が多かった。

腕立て伏せの回数が多い、特に40回以上は心血管疾患が有意に少ない結果でした。

■腕立て伏せできる回数がトレーニングで増えれば心血管イベント抑制につながるのか

Male firefighters(男性消防士)に限定して検討しているので、母集団としては非常に特殊です。

前向き研究ではなく2000年から10年間、1562人を評価した後ろ向きの検討です。

特殊な母集団、後ろ向き検討ですので、腕立て伏せできる回数がトレーニングで増えれば心血管イベント抑制につながるのかそれに関しての答えはありません。

特殊な母集団(男性消防士)から導きだされた結果ですので、腕立て伏せの回数40回以上という、40回以上の数値そのものには一般性はありません。

何もトレーニングしていない男性で腕立て伏せ40回以上できる人、ほぼいないでしょうから。

しかし、簡便に誰でも数えることができる腕立て伏せの回数のような単純な数値が、心血管イベントの差につながったとうことは実に興味深い点です。

■生活指導の項目としての腕立て伏せの可能性

逆流性食道炎や糖尿病は肥満の改善が生活指導で欠かせません。その際に分かりやすい数値目標として体重を目標にします。

それと同じように、分かりやすい体力や健康維持の指標として、腕立て伏せやスクワットなど、簡便に数値を目標として示すことができるので活用してもよいかもしれませんね。

糖尿病HbA1cは季節変動する。一番血糖が上がるのは2月3月|寒い冬こそ健康のために家にこもらず出かけよう

病気には季節の影響をうけるものがあります。血圧値はその最たるものです。

暑い夏は、脱水傾向もあり血圧は冬に比べて低めになる傾向があります。一年中同じ量の薬を飲むわけでなく、夏に血圧の薬が減量出来る方もあります。

血圧値ほど知られていないのですが、糖尿病の治療指標であるHbA1cも季節により変動することが分かってきました。

■糖尿病の治療指標であるHbA1cには季節変動あり

東京女子医大病院からの報告が有名で2511人のHbA1cを月ごとに平均したら、非常にきれいなS字カーブを描いています。 (Sakura H et al. Seasonal fluctuations of glycated hemoglobin levels in Japanese diabetic patients. Diabetes Res Clin Pract. 2010 Apr;88(1):65-70)

1年の内でHbA1cが高くなるのは2月3月の寒い時期、良くなる(低下する)のは7月8月9月の暑い時期です。

HbA1cが高くなる冬と下がる夏を比べると、0.2%から0.3%程上下しています。

寒くなると、外出する機会が極端に減り糖尿病コントロールが悪くなる。如実に季節の影響を受けています。

お正月明け糖尿病が悪くなる方多く、

「いやあ今年はおもち食べ過ぎたので、血糖あがっちゃいました」という会話をすることが多いのですが、これよく考えてみると食事内容の影響だけではなさそうです。

普段と違う食生活の変化が糖尿病悪化の原因であれば、お正月明けだけでなく、お盆明けの8月9月の採血でもHbA1cが上がるはずです。お盆明けの8月9月は上がるどころか、逆に下がっています。

と考えると、夏と冬でことなるのは、寒さによる活動量の違いでしょうか。

■日本のみならず、海外でもHbA1cに季節変動あり

ポルトガルから糖尿病治療指標であるHbA1cの季節変動の報告がありました。

ポルトガル行ったことないのですが、いやポルトガルだけでなくヨーロッパ行ったことないので気候想像つかないのですが。

地球の歩き方によると、東京+5度ぐらいのイメージですね。

(Citation: https://www.arukikata.co.jp/weather/)

なんと季節変動は日本と同じ、2月が一番悪く(高く)、8月9月が良く(低く)なります。

(Citation: Pereira MT et al. Seasonal variation of haemoglobin A1c in a Portuguese adult population.Arch Endocrinol Metab. 2015 Jun;59(3):231-5.)

国、気候が異なっても気温の影響を非常にうけるということですね。

■まとめ

お正月明けに糖尿病の患者さんのHbA1cが上がるのは年末年始の食生活の変化が原因と思っておりましたが、季節変動のグラフをじっくりと眺めてみると食生活の変化よりも運動量の変化を受けている印象です。

寒くなる冬は外出がおっくうになり、家で過ごす時間が増えてしまいます。寒い時期こそ運動ですね。

C型肝炎インターフェロンフリー治療(DAA)で肝がん、死亡リスク低下|1万例コホートで全死亡リスクが52%低下

1989年にアメリカのカイロン社によって発見されたC型肝炎ウイルス、インターフェロンを中心に治療が行われてきました。

2015年以降、直接ウイルスに作用してウイルスを消す治療が(インターフェロンフリー治療DAA)が使えるようになり、劇的な治療効果が得られています。

・ハーボニー(ソフォスブビル、レディパスビル)

・ヴィキラックス(オムビタスビル、パリタプレビル、リ・トナビル)

・エレルサ/グラジナ(エルバスビル/グラゾプレビル)

・マヴィレット(グレカプレビル、ピブレンタスビル)

などの内服薬です。

参考記事 ●マヴィレット配合錠(グレカプレビル、ピブレンタスビル)は優等生タイプ|C型肝炎治療は12週間からさらに短縮され8週間治療時代へ

●2015年以降のC型肝炎治療はインターフェロンフリー治療(DAA)が主流

●いよいよ最終コーナーにさしかかったC型肝炎治療

■慢性肝炎の経過

C型肝炎治療をするのは、肝炎を治すためです。さらには慢性肝炎が続いた結果起きてくる肝がんの予防です。

正常肝臓→慢性C型肝炎→肝硬変→肝がん

慢性C型肝炎の段階でウイルスが消して、肝硬変、肝がんを予防するのがインターフェロン治療や現在主流のインターフェロンフリー治療(DAA)です。

インターフェロン治療は、肝硬変への進展、肝細胞癌発症の予防につながることがさまざまな研究から分かっています。

■インターフェロンフリー治療(DAA)が肝細胞癌を増やす?

インターフェロン治療は、肝硬変への進展、肝細胞癌発症の予防につながることがさまざまな研究から分かっています。

C型肝炎ウイルスを消し去るインターフェロンフリー治療(DAA)も肝硬変への進展、肝細胞癌発症の予防につながることが予想されます。

ところが、その予想に反する報告が2016年スペインのバルセロナの研究グループから報告されました。肝細胞癌を根治治療した後に、インターフェロンフリー治療(DAA)でウイルスを消すと、肝細胞癌再発率が増える可能性を示す報告でした。

この報告は母集団が特殊であることと、症例数が限られていることから、DAA治療で肝がんが増えることがあるのかどうか、その後の研究結果を待つ必要がありました。

しかし、その後の多数の報告でDAA治療群で、治療していない群よりも、肝がん再発が減ることが分かってきました。

当初のスペインからの報告は杞憂に終わったのです。

■C型肝炎インターフェロンフリー治療(DAA)で肝がん、死亡リスクが低下する

2012年から2015年にフランスの32施設で治療された10166例のコホート研究の結果がLancetに報告されました。

待望のコホートの結果です。

結果

全死亡リスクは52%低下 (adjusted HR 0.48, 95% CI 0.33-0.70)

肝細胞癌リスクは34%低下 (adjusted HR0.66, 95% CI0.46-0.93)

(Citation: Carrat F et al. Clinical outcomes in patients with chronic hepatitis C after direct-acting antiviral treatment: a prospective cohort study. Lancet. 2019 Feb 11. pii: S0140-6736(18)32111-1)

C型肝炎インターフェロンフリー治療(DAA)で肝がん、死亡リスクが下がることが明らかとなりました

■まとめ

インターフェロン治療に比べ、格段に副作用が少なく、治療効果の高いインターフェロンフリー治療(DAA)です。

当院で施行したDAA治療、全員がSVR(ウイルスが消失している状態)となっております。

当初のスペインからのDAAで肝がん再発が増えるかもしれないとい話は杞憂におわり、コホート研究でC型肝炎インターフェロンフリー治療(DAA)で肝がん、死亡リスクが下がることが明らかとなりました。

ノロウイルスについて。3分で読めるまとめ

咳発熱のいわゆる風邪とともに、お腹のかぜ(ウイルス性胃腸炎)も西宮市で流行しています。

インフルエンザ流行の季節も、胃腸炎が流行の季節も、手洗いによる予防励行です。

「お腹のかぜ、ウイルス性胃腸炎ですね」と診察室でお伝えすると、ほぼ100%の確率で聞かれるのが「ノロ」でしょうか?です。答えの一助となるようにノロウイルスについて、2-3分程度で読めるようにまとめてみました。

私の学生時代には「ノーウオークウイルス」と習った食中毒の原因となるウイルスが今は「ノロウイルス」です。

病原菌やウイルス名の呼び名変わること時々ありますね。

偽膜性腸炎の原因菌として有名なクロストリジウム・ディフィシ(Clostridium difficile)はクロストリディオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)に改名されています(2016年)。マニアックな話ですが。

■ノロウイルスとは

1968年アメリカのノーウオーク町の小学校で集団発生した胃腸炎の患者さんから発見されたウイルスです。地名を冠してノーウオークウイルスと呼ばれていました。その後ノーウオークウイルスに似た小型球形ウイルスが次々と発見され、ノーウオークウイルス、ノーウオーク類似ウイルスなど呼び名が混在しておりましたが、2002年国際ウイルス分類委員会で、ノロウイルス属と分類されることになりました。

■ロウイルスによる症状

吐き気、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な方は軽症で回復しますが、子どもや持病をもっている方は重症化することがあります。発熱は軽度で、これらの症状が1-2日続いたあと軽快します。 潜伏期間(感染してから症状がでるまでの時間)は24-48時間と比較的短いのが特徴です。

■ノロウイルスはどこから感染するのですか

ノロウイルスは手に付着したウイルスや汚染した食品などから感染します。口から入ることで感染しますので、手洗いによる予防が大切です。 ノロウイルスに感染した方の嘔吐物、便には大量のウイルスが排出されますので扱いに留意する必要があります。 ノロウイルスは熱に比較的強く85℃以上で少なくとも1分以上加熱する必要があります。

■ノロウイルスが流行するのはいつですか

A年中発生するのですが、冬場に増える傾向があります。特に12月から1月が発生のピークです。毎年5000人以上のノロウイルスによる食中毒が発生しています。

■診断のためにどんな検査をするのですか

A臨床症状や周囲の感染状況などから総合的に判断してノロウイルスが原因と推定する臨床診断が中心となります。

便から検査をする「ノロウイルス抗原検査」は3歳未満、65歳以上の方、悪性腫瘍の診断が確定している方等を対象に健康保険が適用されています。医師が医学的に必要と認めた場合に行われ、診断の補助に用いられます。「ノロウイルス抗原検査」は15分程度で結果が分かる迅速キットもあります。結果が早くでるメリットがありますが、ノロウイルスに感染していても陽性にならない場合もあり、ノロウイルスに感染していないことを確かめることはできません。「ノロウイルス抗原検査」は診断補助の位置づけです。

食中毒や集団発生の原因究明のためにRT-PCR法、リアルタイムRT-PCR法などのウイルス遺伝子の有無を直接調べる検査は行政機関等で行われることがありますが、これらの遺伝子検査は保険診療では行えません。

■ノロウイルスの治療方法

ノロウイルスに効く抗ウイルス薬はありません。ノロウイルス胃腸炎の治療は対症療法となります。下痢、嘔吐にともなう脱水症状の改善のため、水分摂取、脱水がひどい場合には点滴治療が必要となることがあります。

アメリカ医師、ライフスタイルと幸福度調査2019年|アルコール、運動、アメリカの医師に人気の車

前回ブログの続きです。

・アメリカ医師、ライフスタイルと幸福度調査2019年|幸福度、自尊心

・アメリカ医師、ライフスタイルと幸福度調査2019年|結婚生活、インターネット使用時間

医療情報専門サイトMedscape.comが毎年医師のライフスタイルついて調査をしています。 、 29の専門分野の医師15,000人からの調査です。 アルコール、運動、人気の車などについてです。

Medscape Physician Lifestyle & Happiness Report 2019 (Citaion: https://www.medscape.com/slideshow/2019-lifestyle-happiness-6011057)

■アメリカ医師が乗っている車ランキング

1位 トヨタ 2位 ホンダ 3位 BMW 4位 フォード 5位 レクサス 6位 ベンツ 7位 スバル

なんとトヨタをトップに、ホンダ、レクサス、スバルと7位以内に日本車メーカーが並んでいます。

アメリカでは日本車人気あるようですね。

リンカーン、キャデラック、ドッジなどのアメ車に乗っている人は少ないようです。

15年以上前になりますが、フロリダで行われた肝疾患カンファレンスに招待されて、C型肝炎治療のインターフェロンの分割投与について発表したことがあります。当時はインターフェロン治療全盛期でした。

カンファレンスの主催者がDr. Schiffでした。

Dr. Schiffは肝炎治療の研究分野で、世界的に有名な研究者で、自分の名前の付いた肝臓研究施設(Schiff Center for Liver Diseases at the University of Miami)を持っています。

肝臓病の教科書であるSchiff’s Diseases of the Liverの著者でもあります。ミーハーですが、Dr. Schiff直筆サイン本をいただきました。

ディスカッション後の親睦会で、何かの話題から、Dr. Schiffが日本の高級車に乗っているとの話になりました。

肝臓研究で世界の頂点に立つ成功者であるDr. Schiffは 「Lexus」に乗っていると

「Lexus」って何のことだろう思いながら親睦会が終わりました。

Dr. Schiffが乗って帰る車をみたら、なんとトヨタのスポーツカー「スープラ」でした。

当時日本にまだレクサスがなかった時なので、トヨタが作った高級車ブランドがレクサスとは知りませんでした。

■調査参加医師の専門分野

家庭医13%、小児科10%と非常に多いのが日本と異なるところです。私が専門とする消化器科は2%ほどです。循環器科も2%と少ないですね。

日本では消化器科、循環器科は最も多い専門科ですが、アメリカでは多くないようです。

■1週間にアルコールどれぐらいのむか

全く飲まない 21% 週1杯未満 26% 1-2杯 18% 3-4杯 15% 7杯以上 8%

これは本当に以外な結果です。 一番多いのがほとんど飲まない人(週1杯未満) 26%で、その次が全く飲まない人です。

週1杯程度のほとんど飲まない人、全く飲まない人が47%がほぼ半数。

毎日飲んでいる人が、たったの8%。12人に1人ほどです。

以前ヘリコバクターピロリ除菌に関する論文を書いた時に、患者さんの飲酒歴を調べたことがあります。

半数の人が毎日アルコールのんでいる結果でした。

■医師はどれくらい運動しているか

運動しない 11% 週1回未満 20% 週2-3回 34% 週4-5回 24% 毎日 11%

これは日本と同じですね。全く運動しない医師が11%もいます。全く運動しない人、ほとんどしない人を足すと31%にもなります。3人に1人運動ほとんどしていないですね。

医者の不養生は、日本、アメリカ似ている印象です。

■まとめ

アメリカの医師は余りアルコールのまないようですね。毎日飲む人がたったの8%でした。

アメリカで日本車が人気というのはイメージ通りですね。

 

アメリカ医師、ライフスタイルと幸福度調査2019年|結婚生活、インターネット使用時間

前回ブログの続きです。

・アメリカ医師、ライフスタイルと幸福度調査2019年|幸福度、自尊心

医療情報専門サイトMedscape.comが毎年医師のライフスタイルついて調査をしています。 、 29の専門分野の医師15,000人からの調査です。 調査結果はアメリカでの結果です。

幸福度、結婚生活、仕事でのネット使用時間についてです。

Medscape Physician Lifestyle & Happiness Report 2019 (Citaion: https://www.medscape.com/slideshow/2019-lifestyle-happiness-6011057)

■仕事以外でインターネットどれぐらい使うか

週、1-10時間が70%と圧倒的に多いのが特徴です。

11-20時間 23%

21-30時間 4%

31-40時間 1%

40時間以上 1% 

40時間以上はゲームでもしているのでしょうか。 私は仕事以外では週20時間ぐらいでしょうか。

■仕事でインターネットどれぐらい使うか

週、1-10時間が76%と圧倒的に多いですね。

11-20時間 14%

21-30時間 4%

31-40時間 2%

40時間以上 2% 

仕事で週10時間以下の医師が圧倒的に多いようです。

私はPubmedで検索含めインターネットを結構な時間使っています。40時間は使わないですが、30時間ぐらいは使っているのではないでしょうか。

この結果は意外でした。それほど、仕事でインターネット使っていないようです。

■結婚について

結婚している 81%

独身 7%

パートナーと暮らしている 4%

離婚している 6%

アメリカと言えば離婚訴訟、離婚というステレオタイプなイメージをもっているのですが、Divorcedは6%だけでした。

■結婚生活はハッピーか

非常によい 52% よい 32% まずまず 12% まずい 2% 非常にまずい 1%

よい、非常によいを足すと、84%とアメリカの医師の結婚生活はハッピーなようです。

■何科の医師が結婚生活ハッピーか

何科の医師が結婚生活ハッピーか、ランキングされています。

1位 耳鼻咽喉科 2位 形成外科 3位 泌尿器科

Self-esteem自尊心などの項目でも上位を占めた科と同じです。

形成外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科が上位独占しています。

そして私の専門とする消化器科は、29科中の22位。下から数えた方がはやいです。

最下位は精神科、その次に循環器科、麻酔科と続きます。

どうも日本と状況がことなるようです。

■まとめ

さすがアメリカ何でもデータ化してしまいますね。 結婚結婚生活までデータ化しています。

私の専門科、消化器科がハッピーな結婚生活科ランキングで、下のほうでした。

もっとも、この話はアメリカのはなしです。

アメリカ医師、ライフスタイルと幸福度調査2019年|幸福度、自尊心

医療情報専門サイトMedscape.comが毎年医師のライフスタイルついて調査をしています。 、 29の専門分野の医師15,000人からの調査です。 調査結果はアメリカでの結果です。

専門科別の幸福度、自尊心など結果がグラフ化されています。

www.medscape.comでデータを直接みることができます。

Medscape Physician Lifestyle & Happiness Report 2019 (Citaion: https://www.medscape.com/slideshow/2019-lifestyle-happiness-6011057)

■医者は仕事以外の生活はハッピーか

アンハッピーが17%

ハッピーが77%

どちらでもないが5%

一般人口との比較で、アメリカ医師のうつ、自殺が多いことが社会問題となっていますが、おおむねハッピーなようです。

■仕事以外でハッピーなのは何科の医師

1位リウマチ専門医師 2位耳鼻咽喉科医師 3位糖尿病専門医師

私の専門とする消化器専門医師は20位 29科中20位と下から数える方が早いですね。 あくまでもアメリカでのデータですが。

■医師は自身のことをどう評価しているか

Sefl-esteem、日本語にすると自己評価、自信、自尊心のことです。

男女で特に大きな差はなく

非常に高い 20%弱

高い 40%前後

普通 30-40%

低い 6-8%

非常に低い 1%

■自尊心が高いのは何科

1位形成外科 2位泌尿器科

そして私が専門とする消化器科は、堂々8位です。 手術、手技などがある科が上位に上がっている印象です。

■まとめ

さすがアメリカ何でもデータ化してしまいますね。 消化器専門医の仕事以外での幸福度がやや低いのが気になるところです。オンコールや緊急処置手術など時間が不規則なことに起因するのでしょうか。

この調査、医師の結婚生活、アルコール量、インターネット使用時間などの項目もありましたので、次回ブログで紹介いたします。

三重県津市での麻しん|空気感染する麻疹ウイルス基本再生産数(R0)18の感染力

三重県ホームページに昨年末に三重県津市の民間団体の施設で開催された研修会の参加者49人から26人の麻しん患者さんが集団発生していることが報告されています。

(三重県津市ホームページ追加報告あり、感染20人から22人へ記事リライト2019.1.16)

(三重県津市ホームページ追加報告あり感染22人から24人、20人がワクチン接種歴なしへ記事リライト2019.1.17)

(三重県津市ホームページ追加報告あり感染24人および2次感染の2人へ記事リライト2019.1.18)

海外からの麻しん持ち込み感染などの二次感染広がりは麻疹の定期ワクチンがなかった世代である30代が中心でした。今回は10代、20代の若い方が二次感染の中心となっていることが特徴的です。

ニュースによると重症化している方がいないとのことで何よりであります。今後の三次感染、四次感染と拡大しないことを願うばかりです。願うと言うよりも、麻しん風しんのワクチンを皆が2回接種して、十分な抗体を持っていることが感染拡大を防ぐために大切です。

(Citation: 三重県ホームページhttp://www.pref.mie.lg.jp)

■はしか(麻しん)の感染力、基本再生産数

病気の広がる力を数値化したものに基本再生産数(R0)という指標があります。

1人の患者さんが免疫をもっていない人何人に感染させうるかの指標です。

季節性インフルエンザのR0は2前後です。毎年流行するインフルエンザといえでも、たかだか2程度の数値です。

おたふくかぜ(ムンプス)は4-7 三日ばしか(風しん)6-7 水ぼうそう(水痘)は7-9とかなり強力です。

そして麻しんはR0は12-18と桁違いです。 一人の患者さんが12人から18人にも感染させる力をもっています。

なぜか、麻しんは空気感染しますので。飛沫感染するインフルエンザなどはとは広がり方が違います。

参考までに水ぼうそうも空気感染します。R0かなりの数値です。

■三重県津市での二次感染、ワクチン接種歴

患者さん26人のワクチン接種歴がホームページに記載されています。

研修会に参加した10代から30代49人のうち、24人が麻しん集団感染しています。

20人がワクチン接種歴なしです。4人が1回のみワクチン接種です。

麻しん基本再生産数の12-18をはるかに越えて、津市での事例では1人の麻しん持ち込みが、24人にも感染しています。

さらに研修会ではしかに感染した方と接触した、2人が新たにはしか感染しています(2次感染)。

ワクチン未接種で麻しん抗体をもっていなければ、容易感染してしまうこと、さらに1回だけのワクチン接種では不十分なことが津市の報告から読み取れます。

麻しん風しんの定期接種は2回接種です。1回目の接種率が95%前後、2回接種率が90%が日本の現況です。

麻しん予防にはワクチン接種率を高めて備えておくことが肝要です。

■なぜ麻しん予防にワクチンなのか その1 疾病リスク

麻しんが、軽い病気であれば罹って免疫をつけるのが一番。という考え方もありでしょう。しかし、麻しんは重症化リスクが高い、場合によっては麻しん脳炎、死亡に至ることもある病気です。

罹って免疫をつける発想はリスキー過ぎます。

今ほど栄養状態や衛生状態がよくなかった江戸時代はかなり死亡率が高く、麻しんは命定めともいわれていました。

栄養状態、衛生状態がよい現代でさえ

500人に1人麻しん脳炎 1000に1人死亡リスクがあります。

ワクチンによる予防がゴールデンスタンダードです。

■なぜ麻しん予防にワクチンなのか その2 二次三次感染リスク

高熱、発疹が出たらどうされますでしょうか?

病院行きますよね。

経験したことのない重症感を伴う発疹をともなう高熱がでれば、医師の診察を受けるために病院に行くかと思います。

病院にはステロイド内服、免疫抑制剤内服、持病をもった高齢者などが通われています。

基本再生産数(R0)18の空気感染する麻しんとの接触は、避けるべきことです。

麻しん流行が拡大すると、麻しん患者さんと持病をもっている患者さんとの接触機会がどうしても避けられないものとなってしまいます。

社会全体がワクチン接種による麻しん抗体を保持することで集団免疫(Herd Immunity)をもってして、流行しないようにすることが、大切なのです。

■はしか(麻しん)に関する参考ブログ記事

海外からの持ち込みはしか。沖縄、埼玉、各地で起きています。2016年には中島クリニックのある西宮市でもインドネシアからの持ち込み麻しんが発生しています。

麻しんに関する参考ブログ記事です。

●はしか(麻疹)輸出国から輸入国になった日本のとるべき行動|はしか(麻疹)ワクチン2回接種率の向上

●はしか(麻疹)が流行ると受ける相談、はしかの抗体調べたほうがいいでしょうか?|麻疹FAQ

●埼玉県たて続けに4人がはしか発症|麻疹(はしか)はワクチンによる感染予防が基本

●「はしか」に関する誤解を解いておくよ|麻疹感染拡大の注意喚起も必要だが、ワクチンによる予防が基本中の基本

まとめ

麻しん感染予防のためにはワクチン接種が唯一の方法です。

ワクチン接種1回では十分に抗体価が得られなかったり、抗体が低かったりして予防効果が不十分なことがあります。

麻しん予防には、ワクチン2回接種が必要です。

ひと動物の距離感|カプノサイトファーガ感染症、人と動物共通感染症ズーノーシス

妊婦さんが特に注意する必要があるネコからのトキソプラズマ症、カメや爬虫類からのサルモネラ感染症など、人と動物の距離感が近くなったことによる感染症が増えてきています。

ペットを飼っている人の原因不明の高熱を診たときに、頭の片隅に鑑別診断としてあげておくべきカプノサイトファーガ感染症についてです。頻度はごくごく低いので、万が一の可能性に一つとしてです。

■カプノサイトファーガ感染症

動物から人へ感染する病気は結構あります。犬にかまれて感染する狂犬病。ネコからのトキソプラズマによる妊婦さんのTORCH症候群なども動物から人への感染症です。

カプノサイトファーガと言うばい菌がネコやイヌの口のなかにいることが近年わかってきました。イヌやネコにかまれることで、人に感染します。

ペッとしてイヌやネコを飼っているだけで、簡単に感染するものではありませんので、安心してください。

■カプノサイトファーガ感染症の症状

イヌやネコにかまれることで、人にカプノサイトファーガが感染します。潜伏期間(噛まれたり、引っかかれててから症状が出るまでの期間)は平均1.8日程度です。非常に潜伏期間が短いのが特徴です。

発熱、頭痛、吐き気などで、カプノサイトファーガに特徴的な症状はありません。

重症化したときには敗血症や髄膜炎に至ることもあります。

なかなか症状からだけでは診断は難しそうです。一般的な感染症以外に、問診からペットとの濃厚接触を糸口として、人獣共通感染症(ズーノーシス)を疑うことでしょうか。

■問診でペットとの濃厚接触を確認

原因不明の高熱を診た時には、診察と同時に採血などで早期診断、早期治療にむけて精密検査をすることになります。

発熱の原因に、感染症、自己免疫疾患、さらにはがんなどの重篤な疾患から引き起こされた感染症のこともあります。

海外渡航歴などを確認するのと同時に、原因不明の高熱を診た時には、問診でペットを飼っているかどうかも要確認事項ですね。

■まとめ

人と動物の距離感が近くなったことによる動物から人への感染症が増えてきています。

原因不明の高熱を診たら、問診でペットとの濃厚接触有の確認もわすれずに。ペットを飼う人が増えた昨今、頻度は極々低いですが、カプノサイトファーガ感染症も頭の片隅で鑑別診断にあげる必要がありそうです。