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亜鉛欠乏による味覚障害、食欲不振|亜鉛欠乏症の診断と治療

消化器内科を専門としておりますので、外来に食欲不振でこられる患者さんが多くいらっしゃいます。

胃カメラで食道や胃に原因がみつかる事も多々ありますが、これといった原因が見つからないこともしばしばあります。

原因不明の食欲不振、留意しておく必要があるのが「甲状腺機能」と「亜鉛」です。

甲状腺はよく知られていることなので、あまり話題になることのない「亜鉛」についてのお話を中心にしていきます。

参考までに、甲状腺ホルモンはFT4とTSHを採血でチェックすることで確認できます

「亜鉛欠乏の症状」
亜鉛は全身さまざまな臓器に関わっています。
亜鉛が欠けると、味覚障害、皮膚炎がおきるのはよく知られていますが、その他、口内炎、脱毛、食欲低下、不妊症などにも関わっています。

「亜鉛欠乏の要因」
亜鉛欠乏の要因はさまざまです。
成長期の子供であれば接種不足。
成人では摂取不足、糖尿病、慢性肝炎、慢性腎臓病、関節リウマチ、クローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾が要因となります。

「亜鉛はどうやって調べるの」
亜鉛は採血で測定することができます。
60μg/dL未満を亜鉛欠乏症と診断します。
60~80μg/dL未満を潜在性亜鉛欠乏症と診断します。

通常の食事が摂れている方で亜鉛が60μg/dLの事は少ないですが、味覚障害や食欲不振で困られている高齢者の方で60~80μg/dLの軽度低下の浅在性亜鉛欠乏症、結構あります。

「亜鉛欠乏症や潜在性亜鉛欠乏症の治療」
亜鉛を補える薬は、プロマックとノベルジンの2種類だけです。

プロマックは胃薬なのですが、成分に亜鉛が含まれています。プロマック2錠で約32~34mgの亜鉛を補えます。

もうひとつはノベルジンです。こちらは酢酸亜鉛水和物で、亜鉛そのものです。
ノベルジンには25mg、50mg錠/カプセルがあり、ノベルジン50mg錠を2錠で亜鉛100mgが補えます。

「まとめ」
原因不明の味覚障害、食欲不振は「亜鉛」をいちどチェック。
あと「甲状腺ホルモン」確認も大切。

兵庫県西宮市 中島クリニック
内科・消化器内科
胃カメラ・大腸カメラ

胸焼け、逆流性食道炎の話

健康情報テレホンサービスに、胸焼け、逆流性食道炎の話を寄稿しましたので紹介いたします。
読むのと違い、耳からの話なので、一文一文を短く区切り、医学用語を避け平易な言葉を使うようにいたしました。
0120-979-451
で聞いていただくことができます。
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今日は、「胸焼け(逆流性食道炎)の話」をお送りします。

食べ過ぎたり、飲み過ぎたりした時などに「胸焼け」を感じた事があるでしょうか。
「胸焼け」の主な原因が逆流性食道炎です。胃酸が食道に逆流する事による症状です。

逆流性食道炎の症状は「胸焼け」の他に、「げっぷがよく出る」「苦い水のこみ上げ感」「おなかのはり感」として感じることがあります。さらに「胸の痛み」「のどの痛み「「のどのひりひり感」の原因となることもあります。

このように、逆流性食道炎はさまざまな症状が出る病気ですが、自己判断で逆流性食道炎と断定するのは禁物です。

食道や胃にポリープやがんが出来ると、食べ物の流れが悪くなり、逆流性食道炎と似たような症状が出ることがあります。症状が続く時は、かかりつけ医療機関に相談して、必要な時には消化器専門の医療機関を紹介してもらい、胃カメラ検査を受けるようにしましょう。

胃酸は、塩酸のような強い酸(pH1-2)でできています。食道と胃のつなぎ目は、胃酸や食べ物が上にこみ上げないように、逆流を防止する弁になっています。この場所を締め付ける筋肉が緩くなったり、弁がずれたりすると、逆流性食道炎を起こします。

食道は、胃と違って酸に強くありません。食道への胃酸の逆流が続くと、食道の表面がただれたり、ひどい場合は潰瘍という深い傷をつくってしまいます。

逆流性食道炎の治療はいくつかあります。
治療の中心となるのが、「プロトンポンプ阻害薬」と呼ばれる、胃酸を押さえる薬です。1日1回飲むだけで、かなり症状が改善されます。

また薬だけでなく、食事療法も効果があります。夜遅く食事を摂ることや、脂肪分をひかえるようにしましょう。アルコールやカフェインは、食道と胃のつなぎ目の逆流を防止する弁を緩める働きがありますので、控える事が大切です。さらに、肥満も逆流性食道炎の原因となりますので、体重にもご注意ください。

ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に対する除菌治療

保険でピロリ菌の治療が受けることができるのは、今まで、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者さんだけでした。正確には、聞き慣れない病名ですが、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後の患者さんなども保険診療の対象でした。

平成25年2月21日厚生労働省保険局医療課長から通達があり、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に対するピロリ菌除菌療法を健康保険診療で行うことができるようになりました。

テレビ、新聞などでも話題になり「胃炎」でも保険でピロリ菌を検査してピロリ菌治療ができるようになったことはご存じの通りです。

メディアで「胃炎」の部分が強調され過ぎたためか、誰もがピロリ菌検査及び治療を保険で簡単に受けられる誤解を招いているようですので、少し補足しておきます。

先ほどの厚生労働省保険局医療課長からの通達に
「内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者」
の文言が入っています。

分かりにくい表現です。
胃カメラを受けて胃炎と診断されたら、ピロリ菌検査ができる、ピロリ菌陽性なら除菌治療を保険でできると言うことです。

いや、まだ分かりにくいですね。
意訳すると、
保険でピロリ菌検査及び治療するためには、胃カメラ検査を受ける必要があると言うことです。

「胃炎」でピロリ菌除菌を行うのは胃癌予防のためです。除菌の前に胃癌がないことをきちんと確認しておくことは極めて大切な事であり、胃カメラ検査が要件に入ったと思われます。

「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」に対するピロリ菌除菌が保険適応となりましたが、内視鏡によるチェックが必要であることに留意ください。

内視鏡検査は、病院で受ける検査だけでなく、ドックなどで受けた内視鏡も含まれます。

・ドックで胃カメラを受けて胃炎と診断受けた、ピロリ菌いるかどうか調べて欲しい
・ドックで胃カメラを受けて胃炎と診断受けた、同時に行った血液検査でピロリ菌陽性と言われたので、除菌したい。

上記の場合は保険でピロリ菌検査、ピロリ菌除菌治療を受けることができます。

【よくわかるピロリ菌と胃がんのはなし】上梓いたしました

このたび、松柏社出版さんのご厚情にて【よくわかるピロリ菌と胃がんのはなし】を執筆、先週木曜日に 売することができました。%e3%83%94%e3%83%ad%e3%83%aa%e8%8f%8c%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e8%a1%a8%e7%b4%99%e3%82%b9%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%b3
http://www.nakajima-clinic.com/media/index.html

「ピロリ菌持っているといわれたのですがどうしたらよいでしょうか」
「私、ピロリ菌持っているか調べた方がよいでしょうか」
といった質問は、ほとんど毎日といってよいほど、聞かれる質問です。
インターネットが発達し情報が溢れている中で不思議に思っておりましたが、情報過多のために、逆にどうするべきかわからなくなっている事に気づきました。

クリアカットで、読みやすい、ピロリ菌本を作りたい、そんな熱い思いで企画書を書きプレゼンを経て、松柏社出版さんから自費出版ではなく、企画出版としてOKが出たのが2年前です。

執筆に際して1000人にアンケートをご協力いただき、ピロリ菌について知りたいことを45のQ&Aにまとめました。

思いは非常に熱いのですが、文章は暑苦しくならないよう、専門用語や説教じみた話を全て排除、シンプルな内容に何度も構成しなおしました。

一昨日、八十代の女性から「分かりやすかったです」とのお言葉をいただきました。
半分以上社交辞令として差し引いたとしても、「分かりやすい」との言葉をいただけ、当初のクリアカットで分かりやすい本を作りたいという思いが、なんとか達成できたようで、ホッとしております。

本書が、ピロリ菌、胃の病気に対する理解の一助となれば幸いです。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4775401874/

まってました、高精細画質経鼻胃カメラ(鼻からの胃カメラ)

待望の高精細画質経鼻胃カメラが遂に開発されました。

より検査精度を高めるため、当院は、オリンパス内視鏡システム最上位機種EVIS LUCERA ELITE、高精細画質経鼻胃カメラGIF-XP290Nを導入いたしました。

最新内視鏡システムの導入は、当院が、兵庫県下の病院クリニックを含め導入2番目、西宮市内では初の施設となります。

今日は、数年前から広まってきている経鼻胃カメラ(鼻から通す胃カメラ)についてのお話です。

経鼻胃カメラの最大の特徴は、鼻から通すので、舌根(下の奥)を押さないために、えづきがほとんど出ず、患者さんが非常に楽検査をうけられる事です。

ざっくりとした数字ですが、経口(口からのむ通常胃カメラ)の直径が10mmだったのが直径5mmの半分となり、胃カメラが細くなり鼻から通すことが可能となりました。

太さを半分にするために、胃カメラの先端についている精密機器が半分の大きさになればよいと言うことではありません。

断面積はπr2、半径x半径x3.14です。
半分の太さと言うことは半径も半分になります。
1/2 x 1/2で1/4。カメラの太さが半分になったと言うことは、断面積が1/4にまで小さくなのです。

カメラの太さを1/2にするために、先端の機器は1/4まで縮小する必要があるのです。

カメラの太さを縮小するためには、何かを妥協する必要がりました。(その昔の話です)

左右への動作ダイヤル
胃カメラを自在に動かすため、上下、左右をそれぞれ操作するダイヤルがあります。当初出たタイプの経鼻胃カメラは、上下動作のダイヤルのみの仕様でした。左右ダイヤルがありませんでした。左右への操作は、上下動作のダイヤルとカメラの左右ひねりを合わせればできます。検査をする医者が工夫をすればなんとか解決する問題ですが、左右へ微調節が出来るよう、左右へのダイヤルある方が良いにきまっています。
その後に開発された経鼻カメラからは、上下、左右、ダイヤルが付くようになりました。(解決済み)

ライトガイド
先端に付いた明るいキセノンランプで真っ暗な胃の中を照らしながら検査をすすめます。真っ暗な洞窟を探検する隊員の頭につけるライトのイメージです。
通常のカメラはこのライトが2本付いています。
経鼻カメラは当初このライトガイドが1本でした。1本でも十分明るいのですが、組織をとる時などに影が出ることがあり、やはり1本より2本が良いわけです。
これもその後のモデルで2本となりました。(解決済み)

視野角
最後まで解決されていなかったのが、視野角の問題です。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、一度に見える視野角の範囲を角度で表します。通常の胃カメラの視野角が140度です。経鼻カメラは視野角120度です。人間の肉眼視野角が110度前後と考えると120度でも十分すぎるのですが、胃の中をくまなく検査するためには視野角は多い方が良いのは当然です。
経鼻胃カメラGIF-XP290Nには視野角140度の高性能CCDカメラが搭載されています。

上下、左右ダイヤル
ライトガイド2本
視野角140度 高精細画質CCD

細径にするために妥協していた点全てが解決され、機は熟したと判断、即導入いたしました。

補足
口からの胃カメラ、鼻からの胃カメラどちらが良い、と言うのはよく比較され、議論される点です。
口からの胃カメラ、鼻からの胃カメラによる胃がんの発見率を比較、研究した論文はすでに多数でておりますが、いずれも口から、鼻から、優劣をつけるものではない結果です。

どちらが良いという話ではなく、いずれのカメラでも丁寧に術者が検査を行う事が一番大切だと考えています。

ピロリ菌の三次除菌療法

2000年にピロリ菌除菌の保険適用は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍に対して認められました。プロトンポンプ阻害薬と抗生物質2剤(アモキシシリン+クラリスロマイシン)を組み合わせた治療です。これはピロリ菌一次除菌療法と呼ばれます。この治療で約7割の方が除菌に成功します。

2007年になりピロリ菌一次除菌療法で消えなかった方に対する、二次治療が保険適応となりました。二次治療は抗生物質をクラリスロマイシンからメロトニダゾールへ変更します。プロトンポンプ阻害薬と抗生物質2剤(アモキシシリン+メトロニダゾール)を内服します。この治療で9割以上の方が除菌に成功します。当院のデータでは二次除菌療法は93%の方が成功しています。

100人の人が除菌治療をすると一次除菌で70人が除菌に成功。消えなかった30人が2次治療に取り組めば、30×0.93=27.9 約28人が除菌に成功。70+28=98。この二つの治療方法が確立された事により100人中98人までが除菌されるのです。喜ばしいことです。

しかし問題は1つだけ残されています。消えなかった2%の人に対する治療です。(三次除菌治療以降は保険診療の適応にはならず、ここからの話は自費での治療の話になるのでご留意ください)

この抗生物質の組み合わせを変えても消えないピロリ菌に対する治療法は主に2つ考えられます。

1.抗生剤の組み合わせを変える。プロトンポンプ阻害薬と抗生物質2剤(アモキシシリン+ニューキノロン)
2.既存の治療を倍量投与、倍期間投与。プロトンポンプ阻害薬と抗生物質1剤(アモキシシリン)もしくは2剤(アモキシシリン+メトロニダゾール)

抗生物質の投与量、期間を延ばすと消化器症状等の副反応が強くなるので、当院では1のニューキノロン併用治療を三次治療として、ピロリ菌除菌に取り組んでいます。

げっぷから考えられる病気

内科・消化器を専門としていますので「胃の痛み」「お腹の痛み」で相談に来られる方が多いのですが、胃腸の「痛み」以外に、意外と多くの方が悩まされている症状に「げっぷ」があります。
今年3月に健康情報テレホンサービスに「げっぷから考えられる病気」をテーマに書きましたのでブログにアップします。

げっぷとは
げっぷは胃の中にたまった空気が上にあがり食道を通って口から出る現象です。正常な状態でも食べ物と一緒に飲み込まれた空気が胃の中には少量あります。胃酸の上への逆流を防止する食道と胃のつなぎ目にある筋肉の働きがゆるんだり、空気が胃の中に多量にたまると、げっぷとして上に上がってきます。そのためにげっぷは、健康な時にでも起きます。
げっぷが出ることは異常ではありませんが、げっぷが頻回起きるような時には色々な病気が隠れている事がありますので注意する必要があります。

げっぷの原因としては
逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニアなどの、食道と胃のつなぎ目にある逆流防止弁の働きが不十分なため、胃酸が食道へ逆流してしまう病気があります。胃酸が上に込みあがってくるため、げっぷの他に、胸焼け、胸の熱さなどの症状を伴うこともあります。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍も、げっぷの原因となります。潰瘍の場合はげっぷの他に、食後のみぞおちの痛み、お腹が空いた時の痛み、食欲不振などを伴うこともあります。
精神的な原因でもげっぷの原因となることもあります。空気を無意識に飲み込んでしまっている呑気症(どんきしょう)です。精神的な不安や、ストレス、緊張から頻回につばを飲み込む時に空気も飲み込んでしまいます。
その他、慢性胃炎、胃がん、食道がん、胆のう、膵臓の病気などでもげっぷが出ることもあります。

げっぶの原因として、ストレス、不安など精神的な要因がある一方、食道がん、胃がんなど悪性の病気が隠れており、げっぷをきっかけに病気が発見されることがあります。たかがげっぷ、されどげっぷです。

胃がん血液検査(ペプシノーゲン検査)

「今は血液で胃がんが分かる時代なのですねぇ」と患者さんが非常に感心した様子で話されます。「いや、胃癌は血液検査では分からないのですよ、やはり胃カメラで直接胃を調べる必要がありますが」と伝えながら、話をよく聞くと「ペプシノーゲン検査」の事を何かの記事で読まれたそうです。今回は「ペプシノーゲン検査」についてのお話です。
ドックなどでは胃癌血検査と書かれている事もあります。残念ながら胃癌が直接分かる血液検査ではないのですが、胃ガンになるリスクが高いかどうか(胃ガンになりやすいかどうか)を的確に判断することができます。
胃ガンに成りやすい成りにくい体質は何の差でしょうか?胃はピロリ菌(胃潰瘍、胃ガンの原因菌)感染や加齢によって、胃の粘膜が薄くなる萎縮(いしゅく)を起こします。胃ガンは、胃は萎縮の無い健康な胃よりも遙かに萎縮した胃に出来やすい事が分かっています。胃ガンに成りやすい成りにくいの差は、萎縮の有無なのです。この萎縮が有るか無いかを調べるのがこの「ペプシノーゲン検査」です。
「ペプシノーゲン検査」はペプシノーゲンIの値とI/IIの比率で判定、ペプシノーゲンIが70以下かつペプシノーゲンI/II比が3以下を陽性と判断します。ペプシノーゲン検査陽性者からの胃がんの発見率は1%前後と言われています。特にペプシノーゲンI/II比が大切で、I/IIの比が低くなればなるほど(萎縮が進行すればするほど)発癌率があがります、1以下になると胃がんの発見率が3%前後になるとの報告もあります。
ペプシノーゲン検査陽性が胃がんで有ることを示すわけではないので過度に心配する必要はありませんが、結果が陽性であればさらに詳しく胃カメラ(胃内視鏡検査)などの精密検査を受けて胃がんの早期発見に努めることが大切なのです。
逆にペプシノーゲン検査陰性の方は(萎縮が無いか、殆ど無い)、毎年の胃カメラやバリウムでの健診回数を3-5年に1回に減らせるのではないのかと言う試みも一部の健診機関で行われています。いくら医学が発達して胃カメラが細くなり、鼻からの胃カメラも登場、検査が楽になったとはいえ出来れば検査は避けたいと言うのがホンネでしょうから。
胃がんのリスクを判断できるペプシノーゲン検査はドックや健康診断と同じで健康保険外の自費ですが、血液(採血)で簡便に調べられるので非常に有用な検査ですね。

ピロリ菌を持っているかどうかを調べる方法について

胃かいよう、十二指腸かいようの原因である「ピロリ菌」の治療法は以前ブログで少しお話をしました。では、そもそもピロリ菌を持っているかどうかはどうやって分かるのでしょうか?
一番正確な方法は、ピロリ菌がすみついている場所「胃」を直接調べる方法です。胃カメラで「胃」の組織を極微量採取して、1週間ほど培養、有無を判定します。「ピロリ菌培養検査」これが標準的かつ最も正確な検査です。
しかしこの方法にはどうしても避けられない点があります。胃カメラ検査が必要なのです。そこで、胃を直接調べず(胃カメラが必要なく)ピロリ菌の有無が分からないかと言う事で開発された検査方法がいくつかあります。息を調べる方法「尿素呼気テスト」、血液を調べる方法「血清ピロリ抗体価」、便を調べる方法「便中ピロリ抗原検査」があります。培養法に比べ簡便に出来るのが特徴です。
当院ではそれぞれの検査の特徴を生かし組み合わせ、次のような 順で行うことをすすめております。
胃カメラ検査施行時に、胃潰瘍、十二指腸潰瘍が見つかった場合に潰瘍の原因であるピロリ菌有無を調べます。ピロリ菌を直接調べる「ピロリ菌培養検査」にて有無を判定します。除菌治療を行い、消えたかどうかの判定は、便を調べる方法「便中ピロリ抗原検査」で行います。
その他、以前他の病院にてピロリ菌治療を受けたものの、最終的に消えたかどうかを確認しないままになっているので調べたいとの希望がある場合には、胃カメラを必要としない、便を調べる方法「便中ピロリ抗原検査」や血液を調べる方法「血清ピロリ抗体価」などを行うこともあります。
それぞれの検査方法には長所短所があります、適切な方法を説明いたします。診察時にご相談ください。

当院治療成績:ピロリ菌除菌成功率91.3%

新しい治療法での当院治療成績:ピロリ菌除菌成功率91.3%

「ピロリ菌」が胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因であることは有名ですね。潰瘍を根本から治療するためにピロリ菌を消す治療を「除菌治療」と言います。除菌治療として3種類の薬(プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン、クラリスロマイシン)を1週間内服します。この方法で約80%方からピロリ菌が消えます。

しかし、最近になり抗生物質が効かないピロリ菌が増えてきており除菌成功率が約70%程に低下していることが問題になっています。そこで、当院では4年前の開業当初から従来法にてピロリ菌が消えなかった方に対し、フラジール(メトロニダゾール)を用いた除菌法に積極的に取り組んできました。

当院での治療成績は、この方法に取り組んだ23人中21人が除菌に成功。除菌成功率はなんと91.3%です。従来法で消えなかった方に、もう一度同じ薬で除菌を行っても成功率は30%ほどである事と比べると、この治療法がいかに有効な方法であるかがおわかりいただけるのではないでしょうか。従来法でピロリ菌が消えなかった方に朗報です。

当時この治療法は自費で行っておりましたが、この新しい治療方法は昨年秋から有効性が認められ健康保険にて行えるようになりました。