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三重県津市での麻しん|空気感染する麻疹ウイルス基本再生産数(R0)18の感染力

三重県ホームページに昨年末に三重県津市の民間団体の施設で開催された研修会の参加者49人から26人の麻しん患者さんが集団発生していることが報告されています。

(三重県津市ホームページ追加報告あり、感染20人から22人へ記事リライト2019.1.16)

(三重県津市ホームページ追加報告あり感染22人から24人、20人がワクチン接種歴なしへ記事リライト2019.1.17)

(三重県津市ホームページ追加報告あり感染24人および2次感染の2人へ記事リライト2019.1.18)

海外からの麻しん持ち込み感染などの二次感染広がりは麻疹の定期ワクチンがなかった世代である30代が中心でした。今回は10代、20代の若い方が二次感染の中心となっていることが特徴的です。

ニュースによると重症化している方がいないとのことで何よりであります。今後の三次感染、四次感染と拡大しないことを願うばかりです。願うと言うよりも、麻しん風しんのワクチンを皆が2回接種して、十分な抗体を持っていることが感染拡大を防ぐために大切です。

(Citation: 三重県ホームページhttp://www.pref.mie.lg.jp)

■はしか(麻しん)の感染力、基本再生産数

病気の広がる力を数値化したものに基本再生産数(R0)という指標があります。

1人の患者さんが免疫をもっていない人何人に感染させうるかの指標です。

季節性インフルエンザのR0は2前後です。毎年流行するインフルエンザといえでも、たかだか2程度の数値です。

おたふくかぜ(ムンプス)は4-7 三日ばしか(風しん)6-7 水ぼうそう(水痘)は7-9とかなり強力です。

そして麻しんはR0は12-18と桁違いです。 一人の患者さんが12人から18人にも感染させる力をもっています。

なぜか、麻しんは空気感染しますので。飛沫感染するインフルエンザなどはとは広がり方が違います。

参考までに水ぼうそうも空気感染します。R0かなりの数値です。

■三重県津市での二次感染、ワクチン接種歴

患者さん26人のワクチン接種歴がホームページに記載されています。

研修会に参加した10代から30代49人のうち、24人が麻しん集団感染しています。

20人がワクチン接種歴なしです。4人が1回のみワクチン接種です。

麻しん基本再生産数の12-18をはるかに越えて、津市での事例では1人の麻しん持ち込みが、24人にも感染しています。

さらに研修会ではしかに感染した方と接触した、2人が新たにはしか感染しています(2次感染)。

ワクチン未接種で麻しん抗体をもっていなければ、容易感染してしまうこと、さらに1回だけのワクチン接種では不十分なことが津市の報告から読み取れます。

麻しん風しんの定期接種は2回接種です。1回目の接種率が95%前後、2回接種率が90%が日本の現況です。

麻しん予防にはワクチン接種率を高めて備えておくことが肝要です。

■なぜ麻しん予防にワクチンなのか その1 疾病リスク

麻しんが、軽い病気であれば罹って免疫をつけるのが一番。という考え方もありでしょう。しかし、麻しんは重症化リスクが高い、場合によっては麻しん脳炎、死亡に至ることもある病気です。

罹って免疫をつける発想はリスキー過ぎます。

今ほど栄養状態や衛生状態がよくなかった江戸時代はかなり死亡率が高く、麻しんは命定めともいわれていました。

栄養状態、衛生状態がよい現代でさえ

500人に1人麻しん脳炎 1000に1人死亡リスクがあります。

ワクチンによる予防がゴールデンスタンダードです。

■なぜ麻しん予防にワクチンなのか その2 二次三次感染リスク

高熱、発疹が出たらどうされますでしょうか?

病院行きますよね。

経験したことのない重症感を伴う発疹をともなう高熱がでれば、医師の診察を受けるために病院に行くかと思います。

病院にはステロイド内服、免疫抑制剤内服、持病をもった高齢者などが通われています。

基本再生産数(R0)18の空気感染する麻しんとの接触は、避けるべきことです。

麻しん流行が拡大すると、麻しん患者さんと持病をもっている患者さんとの接触機会がどうしても避けられないものとなってしまいます。

社会全体がワクチン接種による麻しん抗体を保持することで集団免疫(Herd Immunity)をもってして、流行しないようにすることが、大切なのです。

■はしか(麻しん)に関する参考ブログ記事

海外からの持ち込みはしか。沖縄、埼玉、各地で起きています。2016年には中島クリニックのある西宮市でもインドネシアからの持ち込み麻しんが発生しています。

麻しんに関する参考ブログ記事です。

●はしか(麻疹)輸出国から輸入国になった日本のとるべき行動|はしか(麻疹)ワクチン2回接種率の向上

●はしか(麻疹)が流行ると受ける相談、はしかの抗体調べたほうがいいでしょうか?|麻疹FAQ

●埼玉県たて続けに4人がはしか発症|麻疹(はしか)はワクチンによる感染予防が基本

●「はしか」に関する誤解を解いておくよ|麻疹感染拡大の注意喚起も必要だが、ワクチンによる予防が基本中の基本

まとめ

麻しん感染予防のためにはワクチン接種が唯一の方法です。

ワクチン接種1回では十分に抗体価が得られなかったり、抗体が低かったりして予防効果が不十分なことがあります。

麻しん予防には、ワクチン2回接種が必要です。

心不全患者さんは毎年のインフルエンザワクチン接種が効果的|死亡率を改善する効果あり

■インフルエンザワクチンには重症化予防効果がある

天然痘が天然痘ワクチンにより地球上から撲滅できたように、ワクチンによる予防は感染症に絶大な効果があります。

麻疹(はしか)風しん(三日ばしか)もワクチン接種で、予防できます。日本で風しんが散発的に発生していますが、ワクチンを受けていない30代が感染の中心です。

麻しん風しん混合ワクチンを2回接種して、十分な抗体をもっている人が感染することはありません。

毎年冬になると流行するインフルエンザ、流行が予想されるタイプに合わせたインフルエンザワクチンがあります。

インフルエンザワクチンは「接種すればインフルエンザにかからない」というものではありませんが、重症化予防の効果があります。

インフルエンザワクチンは病気に罹らなくするワクチンではなく、万が一罹っても、軽くすんだり、肺炎などこじらせてしまうことの予防です。

■心不全患者さんはインフルエンザワクチン接種が効果的

心不全の治療方法を検討したPARADIGM-HF (Prospective Comparison of ARNI with ACEI to Determine Impact on Global Mortality and Morbidity in Heart Failure) にエントリーした患者さんのインフルエンザ予防接種と死亡率を検討した結果が2016年発表されました。

8,099人がPARADIGM-HF検討に参加、そのうち2割がインフルエンザワクチンを受けていました。1,769人 (21%)。

(Citation: Vardeny O et al. Influenza Vaccination in Patients With Chronic Heart Failure: The PARADIGM-HF Trial. ACC Heart Fail. 2016 Feb;4(2):152-158)

インフルエンザワクチンを受けている患者さん受けていない患者さん比較したとき、ハザード比で0.81( 95% confidence interval: 0.67 to 0.97)とワクチンを受けている方が遙かに死亡率が低い結果でした。

若くて普段健康であれば、インフルエンザしんどい病気ですが、発熱、咳などの症状で回復します。しかし、心不全状態であれば、インフルエンザに罹ることで心不全の悪化、さらには命に関わる事態になるのです。

■心不全患者さんはインフルエンザワクチンを毎年接種することで心不全による死亡率をさげることができる

先日、デンマークから13万人(n=134,048)の心不全患者さんにおける、インフルエンザワクチンの効果を検討した結果がCirculation誌に報告されました。

(Citation: Modin D et al. Influenza Vaccine in Heart Failure: Cumulative Number of Vaccinations, Frequency, Timing, and Survival: A Danish Nationwide Cohort Study. published10 Dec 2018 Circulation)

上記PARADIGM-HFの結果と同じく、インフルエンザワクチンを受けることで死亡率が格段に下がっています。

死亡の原因を細かく分けて見てみると、心不全による死亡もインフルエンザワクチンを受けることで減っています。

さらに注目するべきは、インフルエンザワクチンを時々受けている患者さんより、毎年受けている患者さんの方が、遙かに死亡リスクが低くなっています。

心不全患者さんは、毎年のインフルエンザワクチン接種が効果的です。

■西宮市中島クリニックのインフルエンザ予防接種対象者の方針

中島クリニックでは、持病をもっている方を中心に予防接種をするかどうか診察の時に相談しています。若い元気な人はワクチン接種不要というわけではなく、優先的に接種するべきは、持病を持っている方や65歳以上の高齢者と考えております。

具体的には、重症化や肺炎などの合併症を引き起こす可能性の高い方として

• 65歳以上の高齢者

• 肺の病気をもっている方(肺気腫、気管支喘息、非定型抗酸菌症)

• 心臓の病気をもっている方(心筋梗塞、狭心症、うっ血性心不全など)

• 腎臓の病気をもっている方(慢性腎不全、透析中の方)

• 代謝疾患をもっている方(糖尿病)

■まとめ

心臓の病気を持っているかた(特に心不全の患者さん)はインフルエンザ予防接種が効果的です。毎年のインフルエンザワクチン接種をおすすめします。

厚生労働省から2018/19シーズンのインフルエンザワクチンの供給について発表|インフルエンザワクチン供給見込みは2650万本と昨シーズンと同量

厚生労働省から2018/19シーズンのインフルエンザワクチンの供給見込みが発表されました。

昨シーズンはインフルエンザ供給本数が減り、さらに供給が遅れ(例年よりワクチン株決定に時間がかかり、ワクチン製造開始が遅れたため)、大混乱でした。

昨シーズンのインフルエンザワクチン供給状況の参考記事

●インフルエンザワクチン厚生労働からの通知|平成29年度インフルエンザワクチン (2017/2018シーズン)

■厚生労働省から2018/19シーズンのインフルエンザワクチンの供給見込み

平成25年 3388万本
平成26年 3346万本
平成27年 2973万本
平成28年 2784万本
平成29年 2643万本
平成30年(今年)2560万本見込み

(Citation: https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000352296.pdf)

5年前の3388万本製造をピークに、年々減少してきています。

今シーズンのワクチン供給量見込みは2560万本で、昨シーズンの製造本数が2643万本でしたので、昨年とほぼ同数です。

ワクチン本数に関しては、昨年と同様の本数が製造されるので例年通りインフルエンザワクチンを受けていただくことができそうです。

西宮市中島クリニックでは、今年も、喘息、糖尿病などの持病をかかえられている方を優先的にワクチン接種予定しております。

■2018/19シーズンのインフルエンザワクチン時期別供給予定

ワクチン本数に関しては、昨年同様の本数製造されます。ワクチン本数不足に関する混乱は避けられそうですが、留意するべきは「供給時期」です。

65才以上の高齢者を対象とした西宮市インフルエンザワクチン助成接種は10月15日から開始します。

毎年インフルエンザ接種されている方は10月下旬から11月中順に予定されている方が多いのではないでしょうか。

10月当初の供給量として2560万本製造が完了するのではなく、10月当初は約1千万本製造されます。10月当初に製造さえるの量は25%です。

グラフによると11月2週目で2560万本全ての製造が完了するのではなく、約2000万本、80%程度の製造完了見込みです。

ワクチン流通に関しては、昨年同様、遅れることが予想されます。毎年早い時期に接種されている方は今シーズンは、すこしゆっくりめの接種を視野にいれていただいた方がよさそうです。

■ 今シーズンのウイルス株選定の経緯について

厚生科学審議会、季節性インフルエンザワクチンの製造株を検討する小委員会で株が選定されます。

2018/2019冬シーズン
●A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
●A/Singapore(シンガポール)/INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)(H3N2)
●B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
●B/Maryland(メリーランド)/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統)

A型H3N2がSingapore(シンガポール)/INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)、B型株1種ビクトリア系がメリーランド/15/2016(NYMC BX-69A)に昨年からの変更となっています。

■まとめ
・2018/19シーズンのインフルエンザワクチンの供給供給見込みは2650万本、昨シーズンとほぼ同数
・10月当初25%製造、12月に満量が流通見込み

ドバイ発ニューヨーク着エミレーツ機、11人が病院へ搬送、100人以上が体調不良

一昨日の台風21号関西直撃による災害、中島クリニックのある西宮市も各地で停電、信号も消え大混乱でした。インターネット回線が今もつながらず、このブログスマホで書いています。 そして、今朝北海道での震度7の地震 日本中、台風と地震で大混乱、日本ではほとんど報道されていませんが海外ではこんな、奇妙な事件がおきています。

ドバイ発ニューヨーク着エミレーツ機、11人が病院へ搬送、100人以上が体調不良

■ドバイ発ニューヨーク着エミレーツ機、11人が病院へ搬送、概要

ドバイ発ニューヨーク着エミレーツ機、機内で発熱、咳の患者が多数発生、ニューヨークJFケネディ国際空港には救急車がかけつけて大混乱しています。

ガーディアン誌、news.com.auなどの記事から情報を抜粋すると

アラブ首長国連邦ドバイ発、エミレーツ機
ドバイからニューヨークの飛行時間は14時間
発熱咳の患者発生 エアバス社製A380、2階建て世界最大の旅客機
521人の乗客 19人が何らかの病気と確認
11人が病院へ搬送された、現時点では入院を要したかどうかは不明
106人が体調不良を訴えた

偶然乗り合わせたラッパーのVanilla Iceさんがtwitterに多数の救急車(now there is like tons of ambulances)が空港に集まっている様子を動画投稿しています。

■咳、発熱、潜伏期間

ドバイ発飛行機内で521人の乗客、106人が体調不良、11人が病院へ搬送 この情報からは、機内で何か謎の感染症が発症している印象を受けるかもしれませんが、個人的には機内での「感染ではない」のではないかと感じています。

ニュースによると症状は咳、発熱です。インフルエンザの症状でも合います。ただ、1点機内での感染とすると矛盾するのが潜伏期間です。飛行機搭乗時間は14時間です。この短時間で感染して発症するとは考えにくい時間の短さです。 インフルエンザ、SARSやMERSなどのコロナウイルス系の感染症でも、感染から症状がでるまで2日はかかりそうなものです。

100人以上人が体調不良を訴え、11人が病院搬送されたとなると、一元的(一つの原因に特定)に物事を考えたいところです。機内で何か原因がと疑ってしまいますが、発熱、咳の症状の人と、100人以上の体調不良の原因は別かもしれません。

咳、発熱の症状の人は、飛行機に乗る前にインフルエンザなど何らかの感染症にかかっていたのかもしれません。

乗客の何人かは、イスラム教の「ハッジ」の聖地巡礼に参加していました。今回の発熱とは症状が合致せず、話少しそれますが、渡航医学の世界では聖地巡礼前には、髄膜炎菌髄膜炎ワクチン接種が常識です。「ハッジ」の聖地巡礼で多数の一堂に会することで、髄膜炎菌髄膜炎の流行が過去に何度もおきています。

■機内は密室なのか

飛行機の中、みんなが思っているよりはるかに空気はきれいです。飛行機という閉鎖空間なので、誰かが病気を持ち込んだらまん延しそうなものですが、そうはなりません。

機内の空気は座席の上から下へ循環しています。1時間に20回ほど、3分に1回新鮮な空気に入れ替わるように循環しています。潅流させる空気は細菌やウイルスを除去するHEPAフィルター(High Efficiency Particular Air Filter)を通しています。

過去に麻しん患者さんが機内に乗り込んだケース、結核患者さんが機内に乗り込んだケース(もちろん麻しんや結核を持ち込んだ人は自分が感染しているとは知らずにです)など検討されておりますが、ほとんど感染報告がないのが現状です。過去累積100人ほどの麻しん患者さんが機内に同乗、延べ10000人ほどの同乗者と接触、感染が確認されたのは数人程度でした。

飛行機の機内は、空気を座席の上から下へ循環、HEPAフィルターを通しており、密室ではあるが、機内換気システムのおかげで、清潔な環境が保たれています。感染症に関して、安心して飛行機のってよいでしょう。

多数の乗客が体調不良を訴え、一部の乗客が発熱しているこの奇妙な現象、今後のCDC(米国疾病対策センタ)の精査結果がまたれるところです。

■まとめ
・飛行機の機内は、空気を座席の上から下へ循環、HEPAフィルターを通しており、密室ではあるが、機内換気システムのおかげで、清潔な環境が保たれている

2018/2019冬シーズンのインフルエンザワクチン株|A型株H3N2、B型株ビクトリア系が昨年からの変更

65才以上高齢者を対象とする西宮市高齢者インフルエンザ定期予防接種は例年どおり10月15日から始まります。一般の方の対象のインフルエンザワクチン予防接種も10月下旬から始まります。

■WHO推奨、北半球インフルエンザワクチン株

日本の予防接種はWHO推奨株を参考にして定められます。2月に発表となった推奨株は以下です。

●A/Michigan/45/2015 (H1N1)pdm09-like virus
●A/Singapore/INFIMH-16-0019/2016 (H3N2)-like virus
●B/Colorado/06/2017-like virus (B/Victoria/2/87 lineage)
●B/Phuket/3073/2013-like virus (B/Yamagata/16/88 lineage)

(Citatation: WHO recommendations on the composition of influenza virus vaccines)

■2018/2019冬シーズンのインフルエンザワクチン

A型インフルエンザ株 2種 B型インフルエンザ株 2種 計4種類の4価ワクチンです。

4年前までは、 A型インフルエンザ株 2種 B型インフルエンザ株 1種 計3種類の3価ワクチンでしたが、現在は4価ワクチンに移行しています。

厚生科学審議会、季節性インフルエンザワクチンの製造株を検討する小委員会で株を選定します。

2018/2019冬シーズン
●A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
●A/Singapore(シンガポール)/INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)(H3N2)
●B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
●B/Maryland(メリーランド)/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統)

(Citation: 国立感染症研究所ホームページ)

となっています。A型H3N2がSingapore(シンガポール)/INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)、B型株1種ビクトリア系がメリーランド/15/2016(NYMC BX-69A)に昨年からの変更となっています。

■2018/2019年度ワクチン予約状況

毎年ワクチン供給不足が話題となってしまうインフルエンザワクチンです。

西宮市中島クリニックでは例年通り、電話でのンフルエンザワクチン予約は行わず、診察の時に一人一人健康状態を診て接種するかどうか相談、ワクチン予約いたします。

■まとめ
・2018/2019冬シーズンのインフルエンザワクチン株A型株H3N2、B型株ビクトリア系が昨年からの変更となっています。

オトナのVPD(ワクチンで防げる病気)

NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会 が提唱していることば「オトナのVPD」、つい最近はじめて耳にしたことばです。
(Citation: http://otona.know-vpd.jp) オトナのVPD

VPD、こどもの病気につかうことばと思っていました。

おとなのVPDと言われ思いつく病気としては、肺炎球菌、インフルエンザ、帯状疱疹予防の水痘ワクチンでしょうか。高齢者を対象とするワクチンが真っ先に思いつきます。

オトナのVPDは世代で必要なワクチンが変わる

「オトナのVPD」ホームページをみてみると、10代、20代、30代・・・世代毎に推奨するワクチン一覧があります。

おとなに必要なワクチンと言われると、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンなど高齢者を対象とするワクチンが話題になるのですが、なるほど世代によって必要なワクチンはかわります。

オトナのVPD、ホームページをみてみると
・思春期・青年期子育て世代
・現役ミドル世代
・シニア世代
と世代ごとに推奨のワクチン一覧があります。

海外からの沖縄への麻しん持ち込みは記憶に新しいところです。麻しん風しんの抗体価が低い30代(子育て世代)に必要なVPDとなると、麻しん風しんです。

B型肝炎ワクチンは10代から60代まで全年代に推奨されています。B型肝炎は血液、精液を介して感染しますが、B型肝炎ワクチン3回の接種で予防できます。

60代から上(シニア世代)となると、帯状疱疹予防の水痘(みずぼうそう)ワクチン、肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンが中心となります。

『オトナのVPD』という発想、ことばは定着するかどうかは分かりませんが、VPDは子供だけの話ではなく、大人もワクチンで予防できる病気がありますよ、とのメッセージの提案すばらしい活動だと思います。

まとめ
・オトナのVPD、思春期青年期子育て世代、現役ミドル世代
、シニア世代、世代により接種推奨ワクチンがかわる

「日本テレビ世界一受けたい授業」の電話取材を受けました|はしか流行について、2年前インドネシアから日本へ麻しん持ち込み感染

■日本テレビ「世界一受けたい授業」制作者から電話

(Citation: https://ja.wikipedia.org/wiki/)

中島クリニックに日本テレビ世界一受けたい授業制作者から電話がありました。
麻しんについて教えてもらいたいことがあります。との事です。

(Citation: 世界一受けたい授業http://www.ntv.co.jp/sekaju/)

電話があったのが、診察中で時間がとれないので折り返し電話で制作者の方とお話しました。

折り返し電話するまでは怪しい電話かと思いましたが、テレビ番組を語る詐欺電話でなく、ホンモノでした。

「日本テレビ世界一受けたい授業」は2004年から放送されている教育バラエティ番組のようです。
しかも19.3%の最高視聴率を記録したこともある人気番組のようです。

のようです、と語尾が伝聞なのは、
ボクほとんどテレビのチャンネル付けることない生活を過ごしています。5年ぐらい前からでしょうか。
「日本テレビ世界一受けたい授業」もちろん知っていますが、
実はほとんどテレビ見ないので、テレビ番組に疎いのです。

■麻しんの感染ルートについて

6/23(土曜日)放送の日本テレビ世界一受けたい授業テーマは「感染症」関連。

その中ではしかについても取り上げるようで、麻しんの感染ルートについて教えてくださいとの依頼です。
放送の内容裏取り作業の電話です。

過去に健康番組を見た患者さんから、とんでもな内容の相談を受けることが多々あり、健康関連のテレビ番組は眉唾な印象をもっていました。

今回「日本テレビ世界一受けたい授業」制作者から電話いただいてお話をして、放送内容に間違いがないか、きちんと確認していることを知りました。
失礼ながら、きちんと番組作りをしていることに驚きました。

■2年前に西宮市で確認された麻しん感染が、関空での感染か海外からの持ち込み感染かどうかの確認

制作者からの主な確認事項は、
以前西宮市で確認された麻しん感染が、
関空での感染か海外からの持ち込み感染かどうかでした。

2年前にインドネシアバリ島旅行から帰国した19才の方がはしかを発症したことがありました。その感染経路が、海外からの持ち込みなのか、関西国際空港での接触(日本)での感染かです。

参考記事 ●「はしか」に関する誤解を解いておくよ|麻疹感染拡大の注意喚起も必要だが、ワクチンによる予防が基本中の基本

質問:2016年西宮市で確認された麻しんが、関空での接触感染かインドネシア旅行中に感染したか?

答えとして:インドネシアで感染、日本に持ち込みと感染と考えると伝えました。
理由として、
麻しんには発症まで潜伏期間がある。
麻しんの潜伏期間は約10日~14日である。
このケースは発症の10日以内にインドネシアバリ島を訪れていた経緯があある。
発症時期から判断すると、インドネシアから帰国した際の関空での接触感染ではなく、インドネシアで感染、持ち込みである。
と根拠を説明しました。

今月6/23(土曜日)放送の「テレビ世界一受けたい授業」どのようなストーリーになっているか楽しみです。

■まとめ 健康関連テレビ番組は放送内容に間違いがないか裏取りをしている

肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)は皮下注射と筋肉注射どちらがよいのか

■ワクチンの投与方法

ワクチンの投与方法にはさまざまななルートがあります。
ほとんどのワクチンは注射です。

注射は(麻しん風しんワクチン、肺炎球菌ワクチンなど多くのワクチン)
その他、口から飲むもの(ポリオ生ワクチン)
鼻から吸入(新しいタイプのインフルエンザワクチン)するワクチンなどもあります。

注射するワクチンは
・皮下注射
・筋肉注射
・どちらの投与でもよいものがあります

■皮下注射と筋肉注射の違い

皮下注射するか筋肉注射するかは、ワクチンごとに決まっています。

海外では筋肉注射が主流で、
日本では皮下注射で投与されることが多いのが現状です。

ワクチンの効果としては、
皮下注射、筋肉注射で単純に比較はできないのですが、
筋肉注射>皮下注射の傾向があります。

日本で筋肉注射されることが少ないのには、理由があります。

その昔、昭和40年代前後、
解熱剤や抗生剤を筋肉注射することで、
時として起きる大腿四頭筋拘縮が社会問題となったことがありました。
私もこどもの頃、風邪で病院に行ったらお尻に注射された思い出があります。
当時子供だったので何を注射されたのか分かりませんが、
抗生物質の注射だったのだろうかと想像します。

解熱剤や抗生物質の筋肉注射による大腿四頭筋拘縮のネガティブなイメージをいまも引きずっており、筋肉注射は避けられる傾向があります。

強調しておきますが、大腿四頭筋拘縮はワクチンの筋肉注射で起きた副反応ではありません。

■肺炎球菌ワクチンは皮下注射、筋肉注射どちらか効果が高いのか

65才以上の方を対象に公費助成で接種されている肺炎球菌ワクチン。
肺炎を起こす原因の1/3から1/4を占めるのが「肺炎球菌」とよばれるばい菌です。
この肺炎球菌感染を予防するのが「肺炎球菌ワクチン」です。

「肺炎球菌ワクチン」ニューモバックスは、皮下注射、筋肉注射療法が認可されています。

肺炎球菌ワクチンを皮下注射、筋肉注射どちらが効果が高いかを比較した報告がありあす。

肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)は
皮下注射、筋肉注射効果を比較した結果、
効果は同等です。

副反応の割合も皮下注射と筋肉注射で同じでした。

ただ注射したところの発赤、腫脹(腫れ)に関しては皮下注射の方が筋肉注射より多い傾向があります。

(Cook IF et al. Comparative reactogenicity and immunogenicity of 23 valent pneumococcal vaccine administered by intramuscular or subcutaneous injection in elderly adults. Vaccine. 2007 Jun 15;25(25):4767-74)

■西宮市中島クリニックでは、肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)皮下注射、筋肉注射どちらで接種しているか

中島クリニックでは、肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)を主に皮下注射しています。

理由は以下です。

局所の発赤、腫脹が少ないのは筋肉注射です。では筋肉注射がよいのかといえば、そう単純なことでもありません。
針を立てて注射(筋肉注射)することに抵抗感をもっている患者さん
かなりの割合でいらっしゃいます。

肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)は皮下注射、筋肉注射で効果は同じです。効果が同じであるので、患者さんに無用な精神的負担がかからないよう配慮、皮下注射としています。

接種部の腫脹や発赤など局所反応が皮下注するとやや多いのは確かですが自然に消失します。

参考記事

■まとめ
・ワクチンの種類により投与方法(皮下注射、筋肉注射)が決まっている
・肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)は皮下注射、筋肉注射療法できる

兵庫県でも麻しん患者。海外からの麻しん輸入感染はどこでもおきる|とるべき行動2選

■麻しんの輸入感染はどこでもおきうる

台湾から沖縄県への持ち込みの麻しん感染、
神奈川県、愛知県、東京にも飛び火しています。

沖縄県での騒動以前にも、愛知県でも、
海外からの持ち込み麻しん感染が報告されています。
一宮市からの報告はタイからのはしか持ち込みです。

(citation: http://www.pref.aichi.jp)

ついに、兵庫県でも5月9日麻しん発生の報告がありました。
兵庫県の報告もタイからのはしか持ち込み感染です
タイ赴任中で、加古川市内に帰省中にはしかと診断されています。

(citation: https://www.kobe-np.co.jp/)

飛行機で6時間でタイから日本。
飛行機で7時間でインドネシアから日本。
インドネシアでは年間1万人以上麻しん報告されています。
飛行機で簡単に移動できる時代、
麻しんの持ち込み感染はどこでも発生します。

■麻しん持ち込み感染、とるべき行動、その1

麻しん、飛行機で簡単に国内へ持ち込みがおきます。
麻しんのように潜伏期間のある病気の持ち込みを防ぐのは無理です。とるべき行動は、ワクチン接種にて備えることのみです。

■年齢により対策がかわる

ワクチンでの感染予防が必要ですが、年齢により対策がかわります。

28才以下
MR(麻しん風しん混合ワクチン)の2回接種が制度化された世代(28才以下)は母子手帳でワクチン接種しているか確認。2回接種終了していれば、これいじょう何も備える必要ありません。

28才から40才
麻しんワクチンを1回接種している世代。MR(麻しん風しん混合ワクチン)の1回接種追加が理想です。

40才以上
ワクチン接種をしていない可能性が高い世代です。この世代もMR(麻しん風しん混合ワクチン)の1回接種は必要です。
50才以上の人は、麻しんが大流行していた時代に幼少期をすごしており、すでに感染している可能性あります。50才以上の人はワクチンの前に、抗体価をチェックして、抗体がなければワクチン接種でもよい世代です。

■麻しん持ち込み感染、とるべき行動、その2

タイやインドネシアなど海外からの持ち込みはしか、どこで接触するか予測不能です。

もし「発熱」「発疹」など麻しんが疑わしいときにどうするべきか。

すぐに病院に行くのではなく、病院に電話を入れて病状を伝え、どのようにして受診するか病院から指示を仰いでください。

病院にいかないようにいっている訳ではありません。事前連絡なく受診して、待合室で感染を拡大させないように、病院の指示にしたがって受診してください。

参考記事●「発熱」「発疹」が出たときするべき、たった一つの大切なこと

■まとめ・麻しん対策はワクチン接種・ワクチン1回接種もしくは未接種世代は追加追加。

こんな記事を書いています

●麻しん(はしか)ブログまとめ

●よくある質問:麻しんが流行しているので、沖縄旅行キャンセルするほうが良いでしょうか。答え:沖縄を避けることより、ワクチンによる予防を優先

●埼玉県たて続けに4人がはしか発症|麻疹(はしか)はワクチンによる感染予防が基本

●イタリアで麻疹患者数増加、他山の石以て玉を攻むべし|麻しんワクチン接種率95%以上が目標

よくある質問:麻しんが流行しています。ワクチンをまだ受けていない赤ちゃんはどうしたらいいでしょうか?

■麻しん予防の基本はワクチン接種

麻しんが流行しているので、沖縄旅行キャンセルしたほうがいいでしょうか? この相談多いのですが、沖縄をさけるより、麻しんワクチン接種が最優先事項です。

詳しくは以下のブログ

●よくある質問:麻しんが流行しているので、沖縄旅行キャンセルするほうが良いでしょうか。答え:沖縄を避けることより、ワクチンによる予防を優先

■赤ちゃん、1歳未満の乳児は麻しんワクチン接種できるのか

麻しんワクチン接種が最優先事項ですが、麻しんワクチンの定期接種が始まるのは満1才からです。

麻しんが流行しても定期接種では満1才からしか接種できません。 自費での接種となりますが、WHO(世界保健機関)は麻しん流行期や必要時には6ヶ月からの接種をすすめています。

1才未満での接種は母親由来の抗体と干渉して、ワクチンの抗体価があがりにくいこともあるとの報告あります。この点ご留意ください。

■赤ちゃん(乳児)の母親由来麻しん抗体、いつまであるのか

生まれたての赤ちゃんは、お母さんから授かった 免疫に守られています。 麻しん抗体も、お母さんからもらいます。

母親由来の麻しん抗体 6ヶ月までは保たれていますが、 それ以降急激に消失します。 高知県の0歳児でのデータも6ヶ月以降、 抗体消失しています。

(citation: 千屋誠造 et al. 高知県の0歳児における移行抗体保有状況について (麻疹・風疹). 高知衛研報53. 29-36. )

6ヶ月間は、お母さんから授かった麻しん抗体で 守られています。

生後6ヶ月から定期接種が始まる満1才までの間 麻しんに対する抵抗力 不十分な時期です。

この時期は、大勢の人と接触する 空港、イベント会場、麻しんの流行地など mass gathering events を避けたほうがいいでしょう。

■まとめ
・大人は行動制限不要、それより麻しんワクチン接種 ・1才未満の乳児は、大勢の人との接触をさける行動制限を考慮