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マヌカハニー(はちみつ)は逆流性食道炎に効くのか

逆流性食道炎とはどんな病気

逆流性食道炎とは、文字通り胃酸が逆流して食道に上がってきて食道をあらす病気です。
症状は胃酸が食道に逆流してくることによる「むねやけ」「酸があがってくる感じ(どん酸)」です。

症状には個人差があり「むねやけ」「どん酸」のほかに

食道つかえ感
腹部膨満感
咽喉頭違和感
嗄声
胸痛
慢性咳嗽

なども引き起こすことがあります。

意外な逆流性食道炎の発見性

のどのつまり感があり、耳鼻咽喉科受診
のどはきれいで、ポリープや腫瘍などのないと言われる
それでも、のどのつまり感が続くため内科受診
逆流性食道炎の薬をのんだら、うそのように楽になった

胃酸が食道、さらに上まであがってきて、のどの症状まで引き起こしてしまうことがあるのです。

当地域では、耳鼻咽喉科の先生と内科の連携が良好です。
のどのつまり感で受診された患者さん、
耳鼻咽喉科の先生がのどにポリープや腫瘍がないことを確認、
逆流性食道炎を疑って内科へ紹介いただくことあります。

典型的な症状は胸やけと食道への逆流感(呑酸)の2つですが、それ以外にも多彩な症状をひきおこす病気が逆流性食道炎です。

逆流性食道炎はさまざまな病気と関連します

中耳炎、肺炎、歯牙酸食、睡眠時無呼吸症候群との関係。

逆流性食道炎は胃酸が食道へ逆流することにより食道の炎症や食道が傷つく食道の病気以外に、肺炎などの肺の病気や中耳炎を引き起こすことがあります。

肺炎、中耳炎その他に睡眠時無呼吸症候群、歯牙酸食(歯のエナメル質がとけること)なども関連するといわれています。

胃から酸が食道、さらには咽頭(のど)まで上がってくることが中耳炎、歯牙酸食(歯のエナメル質がとけること)を直接ひきおこす要因になっています。

逆流性食道炎をもっている方に睡眠時無呼吸症候群が多い傾向があります。酸は関係なく、肥満があると逆流性食道炎や睡眠時無呼吸症候群が増える。体格が関連しています。

逆流性食道炎をもっている方は肺炎リスクが高いという報告があります。逆流性食道炎のある人、ない人で比べると、逆流性食道炎のある人が1.26倍、肺炎が多かったという研究報告があります。
なぜ逆流性食道炎をもっていると肺炎リスクがあがるのか直接の原因はわかりませんが、のどまで上がってきた酸が肺のほうへ誤嚥している可能性が推定されています。

中耳炎、肺炎、歯牙酸食と逆流性食道炎の関係
想像以上に胃酸は上にまであがってきているものです。

逆流性食道炎 はちみつ マヌカハニーが効くのか

殺菌作用をもつといわれ、たびたび登場する「マヌカハニー」です。
人気が出過ぎてオーストラリアかニュージーランド、どちらが本家「マヌカハニー」論争までおきているようです。

はちみつである「マヌカハニー」人気の理由は、殺菌作用をもつといわれており、食中毒の予防にもなる、さらには「ピロリ菌」にも効く、「逆流性食道炎」にも効くともいわれているようです。

結論言っておきますが、はちみつである「マヌカハニー」で食中毒の予防はできません。

食品の適切な取り扱い、手洗い、加熱(これは細菌の種類によりますが)による予防ありきです。

ピロリ菌に関しても結論言っておきますが「マヌカハニーで除菌できません」。
ピロリ菌がマヌカハニーで実際に消えるかどうかの研究したオーストラリアの先生が論文にされています。

ピロリ菌除菌は、胃酸分泌を抑える薬(タケキャブなど)と2種類の抗生物質服用による3剤を併用する除菌治療です。

何にでも効くと噂されるマヌカハニーですが、逆流性食道炎にも効くとの説があるようです。

ではほんとに効くのか、それを検討した事実はあるのか論文を検索してみました。

PubMed
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

マヌカハニーと逆流性食道炎の関係の論文。

ないですね。

マヌカハニー確かにおいしいはちみつです。
効果過大に期待せず、食品として活用するのがいいでしょう。

逆流性食道炎の診断と治療

逆流性食道炎の診断は2段階からなります
問診と胃カメラ(内視鏡)です。

むねやけ、酸のこみ上げ感、食道つかえ感、腹部膨満感、咽喉頭違和感、嗄声、胸痛、慢性咳嗽等の症状を確認します。

どの時間帯に症状が出るか、食事で症状が増悪するか、時間帯、食事との関連を確認することも大切です。

夜中、食後は逆流性食道炎が起きやすい時間帯です。

そして胃カメラ(内視鏡)で食道を直接確認です。
食道と胃の接合部(EJジャンクション)を確認します。
食道と胃のつなぎめは、傷がないと写真のような状態です。

 

逆流性食道炎があると縦に傷がでてきます。

内視鏡で直接食道を確認することで、逆流性食道炎の程度が判断できます。

胃カメラで食道の状態の判断ですが、もっとも大切なことは食道がんや食道カンジダその他の病気が隠れて「いない」ことの確認です。

自覚症状、起きる時間などから逆流性食道炎を疑うことはできます。
しかし、食道つまり感、酸のこみ上げ感が食道がんやカンジダ食道炎などの他の病気から引き起こして「いない」確認は胃カメラでしかできないのです。

逆流性食道炎 まとめ

逆流性食道炎の典型的な症状はむねやけ、酸のこみ上げ感ですが、食道つかえ感、腹部膨満感、咽喉頭違和感、嗄声、胸痛、慢性咳嗽など症状は多彩です。

胃酸の逆流性食道炎は、食後、夜中に起こりやすいので、食事との関連、おきやすい時間帯は診断の補助となります。

逆流性食道炎にマヌカハニーが効くなど俗説がありますが効果のほどは疑問です。それよりも食事生活習慣の改善、適切な薬が有効です。

大腸カメラ検査の下剤だけもらえる?~事前診察の重要性

患者さん「大腸カメラ検査用の下剤だけください。診察行く必要ありますか?」
医師「はい、あります。とても検査前の診察は大切です」
このようなやりとりが時々あります。

大腸カメラ検査の準備だけを、ものすごくおおざっぱに説明すると

1.検査前に洗腸液を2リットル程服用
2.何度も便が出て水のようにきれいになったら指定された時間に病院に行く

この2つとなります。

繰り返し書きますが実際には違いますが、ものすごく検査準備を簡略化すれば、洗腸液を飲む、便がきれいに水のようになったら病院へ向かいます。という手順です。

大腸検査を過去に受けたことがある方や、ネットで検索して検査のことがある程度理解できている方は、検査に対する精神的な壁が低く、事前の診察をとばして大腸カメラ検査だけを受けたい気持ちよ~くわかります。

でも、事前に診察して大腸検査の説明をさせて頂いているのには理由があります。
事前の診察で何を診ているかについて書いていきます。

大腸カメラ検査、比較的最近の昔話

大腸カメラは少し前までは入院して受けていた検査でした。なぜならば、準備、大腸カメラ検査含め、手術に準じるような大変な準備検査だったからです。

腸をきれいにする前処置方法の開発、大腸カメラ検査をはじめとした医療技術の進歩によって、通院で検査を受けられる時代になっています。

今でも高齢の方、心臓、腎臓などのリスクが高い方は入院して検査することもあります。

その昔は事前に入院して大腸カメラ検査用の食事を食べて過ごします。
検査前日から下剤服用含め準備を開始、検査当日便がでて検査できる状態になったら検査室に移動です。

今は内視鏡検査室で検査しますが、少し前までは透視室で検査をしていました。
X線で大腸カメラの場所をときおり確認して、大腸の奥までカメラを挿入していました。

胃バリウム検査をする部屋が透視室です。

あの部屋に内視鏡を移動させて、透視台の上で大腸カメラ検査をしていました。

患者さんも大変ですが、検査を施行する医師も鉛のプロテクターを着て検査をしているので汗だくになりながらの処置でした。

20年ぐらい前の話になるでしょうか。

大腸カメラ検査、今の話

入院そして透視台の上で、X線でカメラの場所を確認しながら施行していたのが大腸カメラです。
黎明期を過ぎて、ものすごい勢いで検査準備、検査機器、検査技術が発達しました。

入院して行っていた大腸検査食も、検査食をパッケージにした持ち帰れる食事が開発されました。

検査機器もファイバースコープから電子スコープにかわり、画質、解像度ともに格段にアップしました。何よりも大腸カメラの操作法そのものが昔とかわり、透視台の上でX線で場所を確認しながら検査する必要がなくなりました。

当院で
前日、検査食(低残渣食)を昼、夜と食べていただきます。

検査食はパックになっていますので、外出先で食べることができます。前日仕事をやすむ必要なく普通通りの生活ができます。

当日、午前中自宅で洗腸腋を服用していただきます。(年齢、全身状態によってはクリニックで服用していただくこともあります)
トイレに10回近く行き、便が水のように透明になったら準備完了です。
予約の時間に来院いただき、大腸検査となります。

大腸検査の流れ

 

大腸カメラ前の診察が大切なのか

このように検査準備、検査法全てが医療の進歩とともに発達してきたのが大腸カメラ検査です。仕事で忙しいので、検査食食べて、下剤飲んで、検査だけ受けたいというお気持ちよくわかります。

ではなぜ大腸カメラ前の診察が大切なのか

患者さんに安心してそして安全に大腸カメラ検査を受けていただけるように、持病、内服薬、全身状態を把握するために診察しています。

患者さんの全身状態を把握したうえで、検査前の下剤から鎮静剤の量まですべて調節しています。

持病、内服薬はとくに大切

内服薬特に、心臓や脳の病気でいわゆる「血をさらさらにする薬」を飲んでいるかたは注意が必要です。

具体的にはバイアスピリン、プラビックス、プレタール、ワーファリン、プラザキサ、リクシアナ、イグザレルト、エリキュースなどです。

これらの薬を服用していると、大腸ポリープを切除したときに出血のリスクがあります。
服用中の方はポリープを切除せず、検査まで(生検)までにとどめておくかどうかの判断が必要です。

病状が安定していれば、これらの薬を短期休薬できる場合がありますので、主治医の先生に手紙を書いて休薬可否を確認することもあります。

その他にも重要な薬は多数ありますが、糖尿病の薬を服用中の方は検査当日の薬服用をどうするか、インスリン注射中であれば当日の注射をどうするか判断が必要です。

内服薬の確認は必須です。その一助となるのが「お薬手帳」です。
お薬手帳は事前の診察時に必ずご持参ください。

大腸カメラを受けられる体調かどうか

検診で便に血か混ざっているといわれた
などさまざまな理由で大腸カメラにて精密検査を施行します。

大腸カメラを受けることができる体調であるかどうかの判断も必要です。

お腹が痛いので大腸カメラによる精密検査を希望され受診された方がサブイレウス(腸閉塞の一歩手前)であったり、お腹がはるので大腸カメラによる精査希望で触診したら腹水がたまっていた、とうことも経験しています。

お会いして診察、全身状態の確認大切です。

検査前の下剤服用方法、簡単なようで意外と複雑

正確な大腸検査のためには、腸の中をきれいに、残便なくきれいな状態にする必要があります。
そのために、中島クリニックでは大腸検査前の説明に力をいれています。

検査前の説明を省いて、検査前の下剤だけを受け取って早く帰りたい簡便にすませたい気持ちはわかりますが、入念に診察と検査前の説明させていただきますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

まとめ

大腸カメラ検査前の診察では、持病、薬、全身状態を確認します。飲んでいる薬の確認重要です。「お薬手帳」を忘れずご持参ください。

忙しい日々で、検査前の説明を省いて下剤だけを受け取って早く帰りたいと気持ちよくわかります。全身状態を把握して大腸カメラの前処置、検査をどのような方法で行うか判断し
ています。

事前診察時に、検査前の説明を入念にさせていただきますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

検査日までに事前の診察は必要ですが、検査日の予約はネットから申し込めます。

大腸カメラ検査は月曜日~金曜日にて受け付けています。お気軽にご相談ください。

緑内障と診断されたら「開放」か「閉塞」を聞くワケ

緑内障とは眼圧(眼の中の圧)が高くなることで眼の奥にある視神経が傷んで視野が狭くなる病気です。

緑内障は早期に発見して、早期の予防が大切な病気です。

40歳以上の20人に1人、5%が緑内障を患っているとの報告もあります。

決してまれな病気ではありません。

 

さらには、眼圧が正常でも視神経が傷んで視野が狭くなる緑内障をおこす「正常圧緑内障」ということもあります。

眼圧が高くなるのが緑内障だったのですが、眼圧が高くなくても緑内障なのです。ちょっと分かりづらいですが。

 

薬のなかには「緑内障」があると緑内障発作をおこすことがあるので、併用できない薬があります。

緑内障全てに注意する必要があるわけではなく、緑内障でも「閉塞隅角緑内障」があると併用できないのです。

 

緑内障と診断されたら、自分の緑内障がどのタイプであるのかを主治医の先生に確認しておきましょう。

 

緑内障にはタイプがある

緑内障には大きくわけて「閉塞隅角緑内障」と「開放隅角緑内障」があります。

 

緑内障と診断されたら、眼科主治医の先生に、どのタイプの緑内障か必ず聞いて知っておきましょう。

閉塞隅角は「へいそくぐうかく」と読みます。

 

眼球の前のところには、房水(ぼうすい)とよばれる液体が潅流しています。
この循環している液体は隅角とよばれるとことで吸収されています。

 

房水(ぼうすい)の出口である隅角が狭くて緑内障発作をおこすことがあるタイプが「閉塞隅角緑内障」、発作のリスクがほぼないのが「開放隅角緑内障」です。

 

緑内障発作は、抗コリン作用をもつ薬が発作の引きがねとなることがあるため、「閉塞隅角緑内障」をもっている方には禁忌薬(使ってはいけない薬)です。

 

一方、同じ緑内障でも開放隅角であれば、抗コリン作用をもつ薬の併用は全く問題ありません。

 

なぜ自分の緑内障タイプを知っておく必要があるのか

 

胃カメラ検査や大腸カメラ検査の前には必ずドックなどで「緑内障」をもっているかの問診があります。

ドックでおこなう胃バリウム検査(胃透視検査)の時にも「緑内障」の有無を確認します。

 

胃や腸の動きを少なくして、精密な検査を行うために「ブスコパン」という薬を注射します。
胃や腸の蠕動運動をおさえる「ブスコパン」が緑内障の方には使えないのです。

正確には緑内障全てではなく、緑内障の中でも閉塞隅角緑内障です。

 

ブスコパンには「抗コリン作用」があり緑内障発作を起こすことがあるために、禁忌とされております。禁忌とは使えない、ということです。

 

緑内障の方に使えない薬としてはブスコパンの他に、抗ヒスタミン剤入の風邪薬、リン酸コデインなどが入っているかぜ薬(市販のかぜ薬の多くに入っている成分です)、ベンゾジアゼピン系の薬(睡眠薬、安定剤)、抗アレルギー薬その他多数あります。

 

では、緑内障があればかぜ薬や花粉症の薬(抗アレルギー薬)も飲めないのでしょうか。

 

上に書いたように、緑内障全てが服用できないわけではありません。

 

緑内障には大きく分けて2種類あり

 

 

・開放隅角緑内障(かいほうぐうかく)

・閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかく)

 

 

どちらであるかが、他の薬を併用するときに大切です。

 

・開放隅角緑内障

・閉塞隅角緑内障(緑内障発作を起こしうるタイプ)

 

開放隅角緑内障であれば、薬の併用気にする必要はありません。

 

実際問題として緑内障の多くは(90%)開放隅角緑内障(緑内障発作を起こさないタイプ)なので併用薬を気にしすぎる必要はありません。
しかし、医療の現場では「緑内障」であれば、多分大丈夫だろうという判断で抗コリン作用薬は処方しません。万が一のリスクを考えて抗コリン作用薬を避けます。

結果、治療薬の選択枝が狭まることとなってしまいます。

 

開放隅角緑内障であることが確認できれば、胃カメラ、大腸カメラ検査のときに「ブスコパン」を使うことができます。

 

開放」「閉塞」どちらかを患者さん自身が知っておくことは大切です。

 

緑内障でも抗コリン薬が使えるとき

 

抗アレルギー薬、睡眠薬、その他市販の風邪薬など実に多くの薬の注意書きをみると

「緑内障」禁忌(服用禁止)や最新の薬剤添付文書であれば「閉塞隅角緑内障」禁忌と書かれています。

 

緑内障発作の心配がまずないのは以下の場合です

 

 

・眼科主治医の先生に「開放隅角緑内障」(かいほうぐうかく)であり閉塞隅角緑内障で『ない』と診断されているとき

・閉塞隅角緑内障でも、レーザー虹彩切開術を受けているとき

・白内障の手術を受けているとき

 

 

レーザー虹彩切開術や白内障の手術を受けていると、抗コリン薬を併用しても緑内障発作を起こすことはまずないと判断できます。

 

緑内障で「開放」か「閉塞」がを主治医に聞くワケ

緑内障があると、抗アレルギー薬、睡眠薬、胃カメラや大腸カメラの時に使う薬(ブスコパン)が使えないことがあります。

これらの抗コリン作用をもつ薬は緑内障があると使えないわけでなく、緑内障のなかでも緑内障発作をおこす閉塞隅角緑内障だけが併用できません。

 

しかし、「緑内障」治療中とだけの情報しかなければ、発作のリスクを避けるために抗コリン作用をもつ薬が使えなくなります。結果、治療の選択枝が狭まることになります。

自分の緑内障が「開放」か「閉塞」どちから眼科主治医の先生に是非ご確認ください。

 

胃カメラ検査、大腸カメラ検査を予定されている方で緑内障治療中の方は、事前に眼科主治医の先生に「開放」「閉塞」どちら?と確認しましょう。

 

 

便秘の治療薬 ざっくりと2つに分けて理解を深めよう

毎朝の快便から始まる一日、理想ですね。
こどもの頃は当たり前のように出ていた便、あるときから便秘になったり、便がでても残便感があるなど便にかかわる悩みがでてきます。

ストレス、食事、生活リズムの変化などが便通に大きく影響します。

日本人の7人に1人が抱えている悩みが便秘です。

朝10分早く起きてトイレに座る時間を作る
足台を使って排便時の姿勢を工夫する

便秘は理想の姿勢で解消?これでスッキリ快便 のコツ

ちょっとした排便習慣の改善の積み重ね効果あります。
でも、便が出ないときには薬の力をかりる必要がありますね。

便秘の治療薬 ざっくりと2つに分類して理解を深める

便秘の治療薬には、プルゼニド、ヨーデル、ラキソベロン、マグミット、リンゼス、グーフィスなどさまざまながあります。

作用機序毎に細かく分類されています。

大腸刺激性下剤、浸透圧性下剤、直腸刺激性下剤、粘膜上皮機能変容薬
なんだか漢字ばかりが並んでいて、分かりづらいですね。

理解しやすくするために、大胆に2つに分けちゃいます。

・腸を刺激して出す薬(大腸刺激性下剤)と
・その他

こんな単純でいいのかと思われるかもしれません。
もちろん医師は細かい分類作用機序、薬の特性を理解して患者さんの症状に応じて処方していますのでご安心ください。

腸を刺激して出す薬は速効性があります。
効果が自覚しやすく満足度が高いのが特徴です。
反面、体がだんだんと薬に慣れてきて効果がうすれてくるのが課題です。

腸を刺激して出す薬(大腸刺激性下剤)

古くからつかわれてきた薬に腸を刺激して出す便秘薬があります。
プルゼニド、アローゼン、ヨーデル、ラキソベロンなどです。
これらの薬は大腸刺激性下剤に分類され、文字通り「大腸」を「刺激」して便を出します。
腸を刺激するので速効性があります。

寝る前に1錠飲むと、翌朝には便がスッキリでる。
効果が分かりやすいのが特徴です。
時には、すこしお腹が痛くなったり渋りながらも便がでると、あとスッキリします。

速効性があるので便秘薬としてよく使われます。
市販のスルーラック、コーラックなどもこの類いの薬です。

飲んですぐ効く、便がちゃんとでる
理想の便秘薬に思えますが、刺激性下剤には大きな課題が1つあります。

それは「慣れ」です。

大腸粘膜を下剤が刺激して動いていたのが、飲んでいるうちに刺激に慣れてきます。
1錠で効いていたのが、2錠、3錠飲まないとだんだんと同じ効果がえられなくなってきます。

毎日お酒を飲むと、だんだん体がお酒に強くなり同じ量では酔えなくなり、お酒の量が増える。
こんな下剤をアルコールに例えるとこんな感じです。

生活習慣の改善などで、出来るだけ刺激性便秘薬に頼らずに便秘を改善するのが理想です。
刺激性便秘薬は速効性があり非常に有効な治療なので使わないというわけでなく、量を増やさず、使うとしても頓用(必要時)の形をめざします。

その他の便秘薬

大腸刺激性下剤以外の便秘薬である浸透圧性下剤、直腸刺激性下剤、粘膜上皮機能変容薬などをひとくくりで「その他の便秘薬」としています。

「大腸刺激性下剤」が比較的速効性があり、その反面「慣れ」からだんんだん効きが悪くなる傾向があります。

それに対して「その他の便秘薬」は効果は比較的ゆっくり、そのかわりだんだん効きがわるくなることは少ない特徴があります。

その他の便秘薬で多く使われているのは「浸透圧性下剤」で酸化マグネシウムやカマグに代表される下剤です。便の中に水分を引き込んで便を軟らかくして出やすくします。

腸を直接刺激する下剤に比べ効果は穏やかなので、お腹が痛くならないのが特徴です。

その他、モビコール、モニラック、ラグノスNF経口ゼリーなども「浸透圧性下剤」です。

胆汁酸再吸収抑制薬であるグーフィス、や粘膜上皮機能変容薬であるアミティーザ、リンゼスなども穏やかで、スムーズな便通効果があります。

グーフィス(胆汁酸トランスポーター阻害薬)新しい作用機序の便秘薬がもうすぐ処方できるようになります。※2018年4月から処方できるようになりました。

便秘に効く漢方薬

古くから漢方薬も便秘の治療に用いられています。
大黄甘草湯、潤腸湯、麻子仁丸等などが便秘に有効です。
防風通聖散、大建中湯は腸の蠕動をよくする働きがあり便秘薬としても効果的です。
大黄甘草湯と麻子仁丸は腸管を刺激する作用をもつ大黄を多く含んでいます。

副反応が少ないと思われがちな漢方薬ですが、大黄甘草湯、防風通聖散、潤腸湯はグリチルリチン(甘草)が含まれているので、低カリウム血症の副反応に留意してください。
時々採血でナトリウムとカリウム値をチェックしましょう。

大腸カメラで大腸のチェック

国民の7人に1人が悩んでいる便秘。
朝便がスッキリでると、快適な一日のスタートなります。

食事や生活習慣の改善による便秘の緩和からはじめて、どうしても頑固な便秘には薬の力をかりての治療となります。

その前に1点、大腸にがんや甲状腺機能低下などの病気がかくれていないことを確認しましょう。

ホルモン異常からも便秘になることがあります。
甲状腺ホルモンが低下すると何となく体がだるく、便秘になります。
甲状腺ホルモンは血液検査でチェックすることができます。

大腸がんで腸が細くなり便が通過できなくなることからの便秘は根本的な治療が必要となります。便秘なので薬と安易にのまずに、まず大腸の病気が隠れていないかの確認です。

血液検査で大腸がんが判定できるとよいのですが、残念ながら採血ではわかりません。
大腸カメラで、大腸の中を直接見るのが最も正確な検査です。

初めての大腸カメラ検査は痛くない(中島クリニックの大腸検査)

今まで便通がよかったのに、最近急に便秘になった
最近便が細くなった

など便の性状に変化があるときは安易に下剤にたよらず、まず原因を大腸カメラや血液検査で確認しましょう。

便秘薬で大切なこと

下剤には、大腸刺激性下剤、浸透圧性下剤、直腸刺激性下剤、粘膜上皮機能変容薬など多くの種類の薬があります。

大腸刺激性下剤は速効性があるためによく使われる下剤ですが、長く使い続けると体が慣れてきて薬の量が増える傾向にあります。
大腸刺激性下剤は常用せず、必要時頓服で使う程度が理想です。

いままで便通がよかったのに急になった便秘、便が細くなった、などの時は大腸がんやホルモン異常など病気が隠れていないか血液検査、大腸カメラなどによるチェックも大切です。

胃カメラ いまさら聞けない疑問7選

胃カメラは今からさかのぼること60年前に日本で実用化に成功しました。
当初は小型のカメラにフィルムを付け豆電球をフラッシュさせて撮影するような古典的なものでした。

画像、操作性ともに飛躍的に進歩して、現在は高精細化、胃カメラの径は細径化されています。

高精細画質で鼻から通す、えづかない楽な胃カメラ検査が普及してきています。

食道がん、胃がんの早期発見、内視鏡にての治療ができる時代になっています。

胃カメラ いまさら聞けない疑問を集めました。

1.胃カメラの費用

胃カメラの費用はこれぐらいの費用となります。

胃内視鏡検査

検査種類 1割負担 3割負担
胃内視鏡(観察のみ) ¥1,500 ¥4,500
胃内視鏡(顕微鏡検査を含む) ¥3,000 ¥9,000
胃内視鏡(顕微鏡検査・ピロリ菌検査等を含む) ¥4,000 ¥12,000

 

2.胃カメラとバリウム どちらの方がよいですか

胃カメラの方がバリウム検査(胃透視検査)にくらべて精密な検査となります。
胃カメラにての精密検査をおすすめします。

胃カメラは、カメラを操作してフルカラーの画像で胃の中をくまなく調べる検査です。
一方、バリウム検査(胃透視検査)はバリウムで胃の形、表面を映し出し、白黒の画像で判断する検査です。

胃カメラとバリウム検査はどちらがよいか比較するものではなく、目的が違います。
胃カメラは精密検査
バリウム検査はスクリーニング検査です。

バリウム検査はスクリーニング検査に用いられます。

スクリーニング検査とは健康診断をイメージしてください。健康診断を受けた方の中から、精密検査を受けた方がよい方を選びだすのがスクリーニング検査です。

検診は
多くの場合バリウム検査→胃カメラの順です。
バリウム検査をまず受けて異常があれば胃カメラで精密検査を行います。
最近は、最初から精密検査である胃カメラでの検診ができるドックも増えてきています。

3.経鼻内視鏡か経口内視鏡

胃カメラ検査、口からと鼻から胃カメラ、どちらがよいか?

 

答えは、どちらの検査も「よい」です。

えずきが少なくて検査が楽なのは鼻からの胃カメラです。
そのために検診は「鼻からの胃カメラ」が主流となってきています。

口からの胃カメラ、鼻から通す胃カメラ、それぞれメリットデメリットがあります。

鼻から通す胃カメラが開発されたのは15年以上前になります。
カメラを細くすることにより、画質が口からの胃カメラに比べて劣る時代がしばらくありました。いくら鼻からの胃カメラが楽でも、検査の精度に課題があれば使うわけにいきません。
中島クリニックも当時は口からの胃カメラで精密検査をしておりました。

技術の進歩は著しく高精細画質経鼻胃カメラが開発されました。
以降中島クリニックでも経鼻胃カメラを導入しています。

口からと鼻からの胃カメラ、画質に関しては今は遜色なし
口からと鼻からの胃カメラ、検査が楽なのは鼻から

中島クリニックでは、楽で精緻な鼻から通す胃カメラをおこなっています。

4.胃カメラの鎮静剤とは

鼻から胃カメラを通すことで、口からに比べ格段にえずかない楽な検査となります。
とはいえ、どうしても肩に緊張から力が入ってしまいます。
緊張を和らげスムーズに検査を受けていただけるように、鎮静剤を併用して検査いたします。

中島クリニックでは意識下鎮静という方法で検査を施行しております。

少量の鎮静剤を注射、不安を取り除き楽に胃カメラ検査をうけていただけるようにしています。

昼寝をしているような状態で、ぼんやりとして半分ねているけれど、必要な受け答えはできる状態です。完全に意識がなくなる麻酔とはことなり、意識下鎮静と呼ばれる状態です。

5.胃カメラ 全身麻酔

胃カメラ検査の時に、緊張が強いので「全身麻酔」で検査をしたいと希望される方があります。当院で胃カメラのときに併用するのは「全身麻酔」ではなく「意識感鎮静」です。

「全身麻酔」はお腹の手術をイメージしてください。手術室で麻酔ガスを吸入して導入する、完全に寝てしまっている状態となる麻酔です。

睡眠薬をイメージしてください。うとうとと眠い感じではあるけれど、呼ばれると起きるぐらいの状態です。

少量の鎮静剤を注射、不安を取り除き楽に胃カメラ検査をうけていただけるようにしています。

緊張せず検査を受けていただくことができます。

6.胃カメラ検査の前日

胃カメラ先日の生活制限はありません。通常通り家事、仕事ができます。
胃の中に食物残渣が残らないように、先日の晩ご飯を早めの時間に済ませてください。

 

前日夜8時ぐらいまでに済ませてください。
それ以降食事は取れませんが、水分は取っても大丈夫です。

夕食以降は「絶飲食」と思われていることがありますが、水分は取っても検査の支障となりません。脱水予防のために、逆に十分な水分摂取をしてください。

7.胃カメラ検査後の食事

検査後、のどの麻酔がとれたら食事をとることができます。
午前中の胃カメラ検査であれば、お昼から食事をとることができます。
のどの麻酔は30分から1時間ほどで取れます。

食事開始時間は、検査後説明の時にお伝えします。

食事をとる前に、麻酔が取れている確認のために少量の水分をのんでみてください。むせることがなければ(誤嚥しなければ)麻酔がとれています。

胃カメラ検査観察のみの場合は、食事内容に制限はありません。
胃カメラ検査時に、胃の細胞を採取する生検をした場合は、出血予防のために検査当日のアルコール飲酒は控えてください。

胃カメラ検査の時間

胃カメラの時間は5分から10分程度です。

中島クリニック最寄りの阪急甲東園駅から西宮北口駅までが10分弱でしょうか。
これくらいの短い時間です。

鼻から胃カメラを通し、喉頭部(のどの奥)、食道、胃、十二指腸をくまなく観察します。

精密検査が必要な部位があれば、生検鉗子というクリップ状の道具で胃の粘膜を採取して顕微鏡検査にだします。

まとめ

胃がんの早期発見に胃カメラは欠かせない検査です。
のどの反射が強くえづきやすい方でも、経鼻胃カメラ(鼻から通す胃カメラ)をもちいると、えづくことはほとんどなく楽に受けることができます。
40歳を過ぎたら、胃カメラによる検診、ピロリ菌のチェックをおすすめいたします。

大腸カメラ 知りたかった疑問7選

食事の欧米化(高カロリー高脂肪食)にともない近年増えている病気が大腸がんです。
女性では、がん死亡原因の1位が大腸がんとなっております。
大腸カメラによる早期発見、早期治療が大切であるのは当然のことながら、大腸ポリープを大腸カメラで切除することが大腸がんの予防につながることも明らかになっています。

40歳を過ぎたら、大腸がんの早期発見、大腸がん予防のために、重要な大腸カメラ検査です。

しかし、
お尻からカメラを入れる検査
検査の準備が大変
大腸カメラ検査は痛い
などと聞くと敷居が高く躊躇してしまう方もあるかと思います。

大腸カメラ知りたかった疑問7選を紹介いたします。

1.大腸カメラの痛み

大腸カメラ痛いのですか?
お産より痛いとネットに書いてありました?

答えはNOです。安心してください。
大腸カメラは痛い検査ではありません。
痛みを感じるのは、大腸カメラで腸が過伸展された時、空気が入りすぎた時などです。
逆にスムーズに過剰にたわむことなく大腸カメラが腸を通れば全く痛くありません。

前日の検査食、当日の下剤で腸の中で十分観察できる良好な状態にして、経験ある内視鏡医が丁寧に大腸カメラを過伸展しないように挿入すれば、しんどくない検査です。

過去に婦人科系疾患で手術、腹膜炎をおこしたことがある方は腸に癒着があるために大腸カメラの挿入が難しいことがあります。細い径の軟らかいタイプの大腸カメラで検査をおこうなうことで、過剰な痛みなく検査をすることができます。

2.大腸カメラの費用

大腸カメラの費用はこれぐらいの費用となります。

大腸内視鏡検査

検査種類 1割負担 3割負担
大腸検査(観察のみ) ¥2,500 ¥7,500
大腸内視鏡ポリープ手術(1ヶ所) ¥7,000 ¥21,000
大腸内視鏡ポリープ手術(2ヶ所) ¥8,000 ¥24,000
大腸内視鏡ポリープ手術(3ヶ所以上) ¥9,000 ¥27,000

3.大腸カメラ検査の流れ

大腸カメラ検査の流れ

検査当日 午前

朝から家で約2リットルの下剤を飲んで頂き、午後からクリニックに来ていただきます。

検査当日 午後

クリニックへ来院後、更衣室へ案内、検査着に着替えていただきます。
血圧、酸素飽和度等全身状態(バイタル)を確認後大腸カメラ検査を施行いたします。
約30分程度で大腸カメラ検査は終了します。
時ポリープ等病変があれば切除します。

検査後

検査後30分~1時間程度休憩をして頂きます。


診察室で、内視鏡写真を見ながら検査の結果をお伝えします。組織検査等があった場合は後病理結果をご説明いたします。

4.大腸カメラの麻酔 意識下鎮静とは

緊張を和らげスムーズに検査を受けていただけるように、鎮静剤を併用して検査いたします。
中島クリニックでは意識下鎮静という方法で検査を施行しております。

少量の鎮静剤を注射、不安を取り除き楽に大腸検査をうけていただけるようにしています。

 

昼寝をしているような状態です。ぼんやりとして半分ねているけれど、必要な受け答えはできる状態です。完全に意識がなくなる麻酔とはことなり、意識下鎮静と呼ばれる状態です。

5.大腸カメラの前処置 下剤について

前処置として、下剤(洗腸液)を約2リットル服用します。
検査のために腸内の便を下剤で出して、中をからっぽにするためです。

下剤(洗腸液)を服用して1時間ほど経過すると何度もトイレに行きたくなります。

多い方であれば10回以上便がでます。途中から水のような便となります。
便が混ざらなくなり、黄色から透明な液状となれば検査の準備完了です。

 

ニフレック、マグコロールP、モビプレップなど、さまざまな種類の下剤(洗腸液)があります。
病院での説明通りに服用してください。

6.大腸カメラ検査の前日の生活について

大腸カメラ前日は、通常通りの生活ができます。
仕事を休む必要はありません。
食事の制限や前日夜に服用する下剤など大腸検査準備があります。

病院の指示通りの食事、下剤服用をしてください。
検査準備は前日から始まりますが、仕事、家事など平常通りで大丈夫です。

7.大腸カメラ検査の翌日の生活

大腸カメラ検査翌日以降の生活は、大腸カメラ検査の時、大腸ポリープを切除した時でかわります。

大腸カメラ検査のみの時

翌日の食事、生活の制限は全くありません。飲酒も翌日からOKです。
平常通りの仕事、家事できます。

大腸ポリープを切除した(大腸内視鏡ポリープ切除手術)の時

1週間の運動、アルコールなど制限があります。
ポリープを切ったところからの出血予防のために、食事、運動の制限が必要です。
食事は翌日、翌々日は、香辛料など刺激物をさけた、炭水化物を中心としたお腹に負担のかからない食事に制限してください。

家事、通勤、デスクワークなどの日常生活は制限ありませんが、スポーツジム、ゴルフ、テニスなど腹圧がかかるスポーツは1週間避けてください。アルコールは1週間避けてください。

まとめ

高カロリー高脂肪食の飽食の時代に増えているがんが大腸がんです。
大腸カメラで早期発見、早期治療することで予後(治療経過)が劇的によくなるのが大腸がんです。
早期発見のため40歳を過ぎたら大腸カメラによるチェックをお勧めいたします。

バレット食道とは|バレット食道は食道がんのリスクになるのか?

バレット食道という言葉を聞かれたことがありますでしょうか?
食道がんの一因であるバレット食道についてです。

ピロリ菌の感染率の低下、高脂肪高カロリーの食事の欧米化にともなって、増えている病気があります。

胃酸が食道に逆流してくる「逆流性食道炎」です。

胃酸が食道に逆流してくると、食道の粘膜にキズをつくります。
酸にさらされた食道にできたびらんや潰瘍などが修復して治っていきます。
キズができては治り、キズができては治りを繰り返しているうちに、食道にある本来の扁平上皮が、別の上皮に置き換わってしまった状態がバレット食道です。

バレット食道から(発生母地として)食道がんになる可能性があります。
バレット食道がある方は、慎重に胃カメラで経過観察していく必要があります。

バレット食道とは

バレット食道とは、本来あるべき食道の表面を覆っている正常細胞(扁平上皮)が少し型の変わった細胞(円柱上皮)に置き換わっている状態のことです。

胃酸が食道に逆流して上がってくる逆流性食道炎になると、食道と胃のつなぎ目がキズつきます。びらんや潰瘍などのこのキズは自然に治癒します。

逆流性食道炎で食道にキズができては治癒、キズができては治癒を繰り返しているうちに、少し形の変わった細胞におきかわってきます。これがバレット食道です。

円柱上皮は正常な食道の粘膜(扁平上皮)に比べると細胞分裂がやや活発であり、そのために食道がんがバレット食道のところからしばしば発生します。

バレット食道の症状

バレット食道には自覚症状がありません。ドックや検診で胃カメラで食道と胃のつなぎ目を観察して、バレット食道が見つかります。
自覚症状からはバレット食道をもっているかどうかは分かりません。

バレット食道の原因は逆流性食道炎です。
そのため逆流性食道炎の症状がある方はバレット食道をもっている確率が高いともいえます。

逆流性食道炎の症状としては、文字通り胃酸の逆流による胸焼けや酸がのどや口まで上がってくる症状です。食後のげっぷや膨満感も逆流性食道炎からおきます。

バレット食道は、短いタイプ(ショートセグメント)と長いタイプ(ロングセグメント)に分けて考えることが大切

バレット食道は大きくわけて2つに分類されます。
ショートセグメントバレット食道(short segment Barrett esophagus)とロングセグメントバレット食道(long segment Barrett esophagus)です。

略して短い方をSSBE、長い方をLSBEと呼びます。

胃と食道のつなぎめにバレット食道ができますが、長さが3センチ未満をSSBE、3センチ以上をLSBEと定義しています。

なぜ、長さで分けることが重要か?

食道がんの発生リスクが、長いタイプと短いタイプでことなるからです。

食道癌のリスクは
長いタイプ(ロングセグメントバレット食道)>短いタイプ(ショートセグメントバレット食道)です。

バレット食道からの食道がんリスク

実は、日本時でのバレット食道がんからの発癌リスクの大規模なデータはまだありません。発癌リスクの検討は現在進行中の研究です。

海外からの報告があります。

バレット食道からの発癌リスクは年率で0.33~0.56%のメタ解析結果があります。年率0.4%位です。バレット食道をもっている方は10年間で食道がん発生リスクが0.4×10年で4%となります。慎重に経過観察するべき状態と言えます。

ここで注意する必要があるのが、そのデータは長いタイプのバレット食道の発癌リスクです。

一方短いタイプのバレット食道からの発がんリスクは、年率0.19%のメタ解析の結果でした。

長いタイプのバレット食道と比べて、短いタイプは発癌リスクは低く半分です。

北アイルランドでの検討では、ロングセグメントのバレット食道の発がんリスクは健康な人の約2.31、ショートセグメントのバレット食道は1.0でした。

ショートセグメントのバレットの食道がんリスクが1.0は、健康なバレット食道を持っていない人と同じということです。

まとめると、

バレット食道は2つに分類される
短いものと長いもの

長いもの(LSBE)は食道がんのリスク高い
短いものは(SSBE)は食道がんのリスク低い

バレット食道の検査

バレット食道の検査は、内視鏡(胃カメラ)です。色調の違いで正常食道粘膜か円柱上皮かを判断、バレット食道の診断をします。バリウムの検査ではバレット食道はわかりません。

胸焼け呑酸などの逆流性食道炎の症状があるかたは、バレット食道をもっていないかどうかのチェックのためには内視鏡(胃カメラ)検査をお勧めいたします。

バレット食道の発がんリスクを判断するために、生検(粘膜を小さな鉗子で採取)することがあります。細胞を顕微鏡で調べて、細胞の増殖の度合いや形のゆがみ(異型度)を判断します。

米国消化器病学会の指針ではバレット食道を認めたときに、シアトルプロトコールとよばれる方法でランダムバイオプシー(バレット食道の粘膜からランダムに生検)します。

その顕微鏡の結果で、
・異形性(形のゆがみ)がなければ3年毎の内視鏡(胃カメラ)フォロー
・軽度の異形を認めた場合は、6ヶ月おきの内視鏡と生検
・高度の異形(がんではないけれど、がんに近い形の変化)があれば内視鏡で切除もしくは3ヶ月ごとに内視鏡と整形を

生検結果で3段階に危険度を分けて判断しています。

バレット食道が見つかったらどうするべきか

定期的な内視鏡による経過観察、必要に応じてバレット食道からの生検です。

逆流性食道炎がバレット食道の原因であり、プロトンポンプ阻害薬(PPIやP-CAB)などの胃酸を抑える薬を服用しながら、経過観察が一般的です。

バレット食道がんが見つかっても早期であれば、内視鏡で切除することができます。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)という内視鏡で粘膜をくりぬいて切除する方法があります。

まとめ

バレット食道は食道がんの発生母地(がんが発生しやすい粘膜)です。バレット食道がある方は定期的に胃カメラによる経過観察をお勧めいたします。

バレット食道は2つに大きく分類されます、短いタイプ(ショートセグメントバレット食道SSBE)と長いタイプ(ロングセグメントバレット食道LSBE)です。
短いタイプSSBEと長いタイプLSBEで発がんリスクが全く異なります。発がんリスクが高いのは長いタイプLSBEです。

長いタイプ(LSBE)や生検で異形性がある細胞結果の時は、半年毎など詰めて慎重にフォローが必要です。一方短いタイプ(SSBE)は発がんリスクを過剰に心配せず、定期的な胃カメラによるフォローでよいでしょう。

下剤ソムリエ企画 第3弾『ラグノスNF経口ゼリー』浸透圧性下剤

下剤ソムリエ企画 第3弾
今回は2018年9月に慢性便秘症の適応が追加され、便秘薬として使えるようになった『ラグノスNF経口ゼリー』です。

高アンモニア血症の薬としては古くから使われている薬ですが、成人の便秘薬としては新しく処方できるようになった薬です。

下剤ソムリエ第1弾、第2第は

下剤ソムリエ第1弾、大腸内視鏡検査前、下剤(腸管洗浄液)味比べ|マグコロール、モビプレップ、ニフレック
https://www.nakajima-clinic.com/2013/06/193/

下剤ソムリエ第2弾、新しいタイプの下剤『モビコール』をテイスティング|効果は良好だが、味はまあまあ
https://www.nakajima-clinic.com/2018/12/2798/

大腸下剤の種類

大腸の下剤には多くの種類があります。
代表的な薬剤としては
・大腸刺激性下剤
・浸透圧性下剤
・上皮機能変容薬
があります。便秘は患者さんの病態を診ながら合う薬を選択していきます。

大腸刺激性下剤にはプルゼニド、ヨーデルS、アローゼン、ラキソベロンがあります。
文字通り、大腸粘膜を刺激することで便意を促す薬です。内服してから5-6時間ほどしてから効果がでてきます。
朝の便を期待して、前日夜、眠前に服用します。
このタイプの下剤の課題は、長期服用していると体がなれてきて、だんだんと効果がうすれてくることです。

浸透圧性下剤には酸化マグネシウムや、今回ティスティングしたラグノスNF経口ゼリーがあります。
浸透圧性下剤は、腸で吸収されにくいため、服用した薬がそのまま腸に移行して腸内の浸透圧をあげます。
腸内の浸透圧を上げることで水分を吸引して、便を軟らかくして排便を促します。
便秘が強い方には大腸刺激性下剤に比べて効果がマイルドに感じることがありますが、浸透圧性下剤は習慣性がなく長期間服用することができるのが特徴です。

上皮機能変容薬にはアミティーザ、リンゼス、グーフィスがあります。

小腸上皮のClC-2クロライドチャネルを活性化して小腸での水分分泌をうながし便通をよくしたり、回腸末端部の胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害して大腸内の水分分泌と運動促進して便通をよくしたりと、古くからある大腸刺激性下剤や浸透圧性下剤と下剤としての作用点が全くことなるのが特徴です。

ラグノスNF経口ゼリーの特徴

ラグノスNF経口ゼリーの成分は結晶ラクツロースです。
ラクツロースは体が吸収できない糖分です。
ラクツロースは甘い糖分なのですが、吸収しません。

みなさんが普段甘いお菓子を食べたときに入っている、糖分は「ショ糖」です。
ショ糖はブドウ糖と果糖からなり、分解されて体に吸収します。

一方、ラグノスの成分ラクツロースは、ガラクトースとフラクトースからなる人工糖分で体には吸収されません。
吸収できないため、腸内にそのまま移行して腸内の浸透圧を高めます。浸透圧で水分を腸内に引き込み、便秘を改善します。

古くからあるラグノス分包(成分ラクツロース)やモニラック(成分ラクツロース)は、高アンモニア血症、産婦人科術後の排ガス・排便の促進に使われていました。
便秘の適応がないため保険診療で、便秘にこれらの薬を処方することができませんでした。

ラグノスNF経口ゼリーは2018年に既存のラクツロース製剤の効能に慢性便秘症の適応追加されました。
便秘薬としては、産婦人科術後便秘にしか使えなかったモニラック製剤が、成人の便秘に処方できるようになりました。

下剤ソムリエ『ラグノスNF経口ゼリー』をテイスティング

『ラグノスNF経口ゼリー』内容はその名の通り「ゼリー」
そして味はずばり、おいしい!

薬をおいしいと言うのもおかしい話ではありますが、ラグノスの成分であるラクツロースはガラクトースとフラクトースからなる人工糖分です。
薬というよりは成分そのものが人工糖分なので、甘くて美味しいのです。

さらに細かいレポートをすると、古くからあるモニラックやラグノス分包、そしてラグノスNF経口ゼリー(今回話題にしている下剤)ともにラクツロースですが微妙な違いがあります。
古くからあるラグノス分包とモニラックの成分はラクツロースです、ラグノスNF経口ゼリー(今回話題にしている下剤)は結晶ラクツロースです。
ラクツロースを結晶化することで、ガラクトースと乳糖の含有量がへり甘みをおさえています。

モニラックやラグノス分包が強い甘みを感じるのに対して、ラグノスNF経口ゼリーは甘過ぎない適度な甘みに仕上がっています。

便秘薬は頓服として服用、便秘がつよい方は毎日のむ薬です。その薬が飲みやすい味であるのはありがたいことです。

ラグノスNF経口ゼリー、良薬は口に甘しです。

まとめ

ラグノスNF経口ゼリー、成人の慢性便秘症の適応が通りました。
浸透圧性下剤であるラグノスは習慣性がなく長期間服用することができるのが特徴です。

味はほのかな甘みがあり良好です。

※便秘薬は、大腸刺激性下剤、浸透圧性下剤、上皮機能変容薬など非常に多くの種類があります。かかりつけの先生に相談して病状にあった治療法を判断してもらってください。

便秘は理想の姿勢で解消?これでスッキリ快便 のコツ

日本人の7人に1人が便秘の悩みをかかえています。
朝スッキリと便がでると、快適に一日すごせますね。

 

便秘のみならず、便がでるまでに時間がかかる、出ても残便感があるなど、便にかかわる悩みはつきることがありません。

排便の悩み解決の一助となる、排便時の姿勢についてお話いたします。

 

ポリープやがんが原因の便秘ではなことの確認

 

7人に1人が悩んでいる便秘。
下痢でトイレに何度も走るのも辛いですが、血圧が上がるほど一生懸命イキんでようやく便がでる便秘も辛いものです。

 

便秘の薬は薬局で何種類も売られているので簡単に手に入ります。
大腸を刺激して便を出すビサコジルを主成分とする薬剤や便を軟らかくする酸化マグネシウムが主成分の下剤などが中心となります。

 

水分や繊維質不足などからの便秘であれば、薬でなんとか出すのもよいのですが、注意する必要があるのは腸がポリープやがんで詰まって出なくなっている便秘です。

 

大腸ポリープやがんで腸が詰まっている便秘は、放っておくと腸閉塞となり命にかかわることになりかねません。

便秘薬よりも、ポリープや大腸がんなどの根本的な治療が必要となります。

 

便秘だからと安易に薬をのまずに、まず大腸ポリープや大腸がんが原因でないことの確認です。

 

ポリープや大腸がんが分かる血液検査があるとよいのですが、残念ながらありません。

 

大腸カメラで、大腸の中を見るのが最も正確な検査です。
大腸カメラで重篤な病気が隠れていないことを確認してください。

初めての大腸カメラ検査は痛くない(中島クリニックの大腸検査)

 

理想の排便姿勢

みなさまはどんな姿勢でトイレされてますでしょうか?

便座に座って姿勢を正してでしょうか、それとも前かがみになってでしょうか。

便秘でない方は、便座に座ればスルッと出る。
姿勢を意識することはないでしょう。姿勢を正していても簡単にでます。

でも、便秘の時は前かがみの姿勢で、きばるのではないでしょうか。

そうです、この前かがみの姿勢こそが排便の時に大切なのです。

 

その前屈みの姿勢が、理想の排便姿勢なのです。肛門と直腸(おしりから入ってすぐの腸)は真っ直ぐ姿勢を正していると、肛門と直腸が鋭角に折れ曲がっています。

 

なので、まっすぐな姿勢ではいきんでもなかなか便は出ません。この角度が前かがみの姿勢になると緩んで出やすくなるのです。

 

洋式の便器よりも、和式の方が理想の排便姿勢に近づきます。和式は足疲れますけどね。

 

姿勢を例えるとすれば、ロダンの考える人です。

 

 

赤のV字を写真に書き込んでいます。この折れ曲がった鋭角が理想の排便姿勢です。

 

DPMD(足台)を活用した便秘改善

 

DPMDはじめて聞くことばだと思います。

私もはじめて聞くことばです。

 

と言うのはさすがにウソですが、ほとんど使うことのないことばです。

 

DPMD(Defecation Posture Modification Device) と言うことば、こうやってコラムに使うのもはじめてですし、日常診療で使うことありません。

 

便秘のときに姿勢を変えて排便をしやすくする足台のことを
医学論文でかっこつけて書くときの言葉がDPMDです。

DPMD、ただ単に足台のことです。

足台の効果を、研究した報告を紹介します。

(Citation: Modi RM, et al : Implementation of a Defecation Posture Modification Device: Impact on Bowel Movement Patterns in Healthy Subjects. J Clin Gastroenterol. 2018 Oct 22.)

 

最初2週間は足台なし、後半2週間は足台ありで過ごします。
便がでるまでの時間、回数など詳細に検討しています。

 

便がすっきり出た感、排便にかかる時間、ともに足台をつかった方が良好な結果でした。

 

15cm程の足台が、こんなにも効くとはおどろきです。

 

まとめ

便秘のときに足台を使って、かがむ姿勢を深くする。実に簡単なことですが非常に効果あります。トイレでいきむ時間が短くなり、残便感もへります。

 

便秘と自己判断する前に、便秘の原因がポリープや大腸がんなどで腸がつまっていることがあります。

今まで便通がよかった方が、急になった便秘、便が細い時は、主治医の先生にまずご相談ください。

 

 

便秘に悩む人必見!便秘解消には角度と時間が重要なワケ

 

今さら聞けないピロリ菌の話 10選

胃がん予防のためには
胃カメラによる検診による胃がんの早期発見早期治療が大切です。
そして、もしピロリ菌がいたらピロリ菌除菌が胃がん予防につながります。

胃がん予防には
胃カメラによる定期検診とピロリ菌治療の2つです。

ピロリ菌名前は知っているけれど、どんな菌か詳しくは知らない。

お勧めの、今さら聞けないピロリ菌の話 10選です。

患者さんからよく受ける相談10選をQ&A形式でまとめてみました。

1.ピロリ菌はどうやってうつるのですか

ピロリ菌は子供の頃、口から入って感染します。
昔は井戸水からの感染が多かったのですが、今は衛生環境の改善にともなって井戸水からの感染はほどんとありません。

主な感染経路は、家族内感染です。
お母さんから子供、お父さんから子供などです。
お母さんやお父さんから赤ちゃんへの口移しの食事は、感染の原因となります。

2.親がピロリ菌に感染していると遺伝しますか

ピロリ菌は遺伝疾患ではないので遺伝しませんのでご安心ください。

親がピロリ菌をもっていることと、子供がピロリ菌がもっているかどうかは関係ありません。
正確にはほとんど関係ありません。

ピロリ菌は家族内感染があるので、親がピロリ菌をもっていると子供ももっている確率が高いという研究報告はあります。
心配な方はかかりつけの先生にご相談ください。

3.ピロリ菌はキスをしてうつりますか

ピロリ菌はキスをしてうつりません。
ピロリ菌は大人になってからの感染がほとんどないのが特徴です。

ピロリ菌は幼少の頃、小学校に入る前の年齢ぐらいでの接触で感染します。
ピロリ菌と接触しても大人の胃にはほとんど感染しません。

4. ピロリ菌がいるかどうかどうやって調べるのですか

ピロリ菌を調べる方法には、血液で調べる方法、便で調べる方法、息で調べる方法、胃カメラを使って調べる方法、何種類もあります。

 

中島クリニックではピロリ菌がいるかどうかの検査は胃カメラ検査の時に、胃粘膜の組織を一部採って培養検査で判断しています。
培養による検査が正確です。

その他に便を使って調べる検査、血液(採血)で調べる検査も行っております。

どのような時にどの方法で検査をするかを患者さんの病状で判断して、適切な方法を選択しています。

5.ピロリ菌の検査はこどもにできますか

こどももピロリ菌検査をすることができます。

6.ピロリ菌がいるかどうか調べたいのですが、どこの病院に行ったらいいですか

消化器科、消化器内科を標榜している(専門としている)病院やクリニックでピロリ菌がいるかどうかを調べることができます。

7.ピロリ菌の治療、ながくかかるのでしょうか

ピロリ菌は1週間の飲み薬で治療できます。

2種類の抗生物質と胃薬を1週間服用します。

タケキャブ(胃薬)、アモキシシリン(抗生物質)、クラリス(抗生物質)の3種類を朝夕、1日2回の服用です。

中島クリニックでは1回の治療で93%の患者さんがピロリ菌除菌に成功しています。

8.ピロリ菌一度治療したらもう出てこないのですか

はい、ほとんどの方は一度消えたら、出てきません。

100人ピロリ菌除菌をして、翌年しらべてピロリ菌が陽性になる人は2人程度です。
98人は消えたままです。

ピロリ菌が消えることで胃がんリスクは下がりますが、ゼロになるわけではありませんので、除菌後は定期的な胃カメラによる検診をお勧めいたします。

9.ピロリ菌を除菌すれば胃がんになりませんか

胃がんになるリスク(危険度)は除菌で下がりますが、ゼロではありませんので定期的な胃カメラによる検診をおすすめします。

ピロリ菌除菌と胃がん予防の関係は、禁煙と肺がん予防の関係と同じと思ってください。

タバコをやめると肺がんのリスクが下がりますが、ゼロではありません。
高齢になってからタバコを止めるより、若い時にタバコを止める方が効果的です。

ピロリ菌と胃がんの関係も同じで、ピロリ菌除菌で胃がんリスクは低下しますが、ゼロではありません。除菌も高齢になってからするよりも若い時に除菌する方が効果的です。

10.ペニシリンアレルギーがあるのですがピロリ菌治療できますか

ペニシリン系の抗生剤を使わない治療方法があるので治療できます。
保険診療ではできない特殊な治療となりますので自費で行うことになります。

ピロリ菌は、抗生物質2種類と胃酸をおさえる胃薬、合わせて3種類の薬で治療します。

ペニシリン系の抗生物質、エリスロマイシン系の抗生物質を用います。これらの薬を飲んで今までじんましんが出た、息が苦しくなったなどのアレルギー反応がでたことがある方は治療することができません。

ペニシリン系、エリスロマイシン系以外にも、ピロリ菌に効く抗生物質が分かっています。
それらの抗生物質を組み合わせることで治療できます。