投稿者「中島 敏雄」のアーカイブ

西宮市市立中央病院感染対策室主催研修会にて「ワクチンと新たな医療分野である渡航医学について~究極の予防医学~」講演いたします

2020.6.25(木) 
西宮市市立中央病院感染対策室主催の研修会で中島クリニック院長が講演します。

講演テーマ:ワクチンと新たな医療分野である渡航医学について~究極の予防医学~

新型コロナウイルス感染症含め輸入感染症とワクチンの話題を中心にスライドを準備しました。

中島クリニック院長が医者が選ぶ専門医Best Doctors in Japanに選出されました

■中島クリニック院長が、医者が選ぶ専門医Best Doctors in Japan2020-2021に選出されました。

米国ベストドクターズ社(Best Doctors, Inc.:本社・ボストン)からBest Doctors in Japan(TM) として中島クリニック院長が選出されました。

■ベストドクターズとは


ベストドクターズ社は1989年にハーバード大学医学部所属の医師2名によって設立され、世界各国で病状に応じた適切な治療やセカンドオピニオン取得のための名医紹介を行っている会社です。

ベストドクターズ社の名医選出方法は、膨大な数の医師に対して「もし、あなたやあなたの家族が、あなたの専門分野の病気にかかった場合、あなな以外のどの医師に治療をお願いしますか?」 とアンケートを行い、その中で治療能力、研究結果,最新医療情報への精通度などを考慮した上で、ある一定以上の評価を得た医師(それぞれの国での医師全体の上位1%程度)を名医(Best Doctors)と認定するというものです。

名医データベースは常に医療の最前線で活躍している、経験豊富な医師のみが対象となっています。

潰瘍性大腸炎診断基準・治療方針(難治性炎症性腸管障害に関する調査研究2020年1月改定)が発表

大腸粘膜に炎症を生じ、びらんや潰瘍をつくる原因不明の病気が潰瘍性大腸炎です。日本でも急増しており約17万人が罹患しています。1000人に1人強の患者さんがいる計算となります。

■難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(鈴木班)令和元年度分担研究報告書

潰瘍性大腸炎の治療法は日々進歩しており、最新の治療成績を取り入れた、難治性炎症性腸管障害に関する調査研究(鈴木班)令和元年度分担研究報告書が発表されました。診断に関しては大きくかわっていませんが、大きく変わっているのは難治例の治療方針です。トファシチニブ(ゼルヤンツ)の特性と臨床成績です。

■令和元年度潰瘍性大腸炎治療指針

(出典:難治性炎症性腸管障害に関する調査研究2020年1月改定)

ステロイド依存例、ステロイド抵抗例についてのところが主にアップデートされています。

■潰瘍性大腸炎フローチャート

(出典:難治性炎症性腸管障害に関する調査研究2020年1月改定)

従来と同じく寛解導入、寛解維持にわかれたフローチャートです。フローチャートも難治例の治療は別途本文に記載となっています。

■まとめ

難治性炎症性腸管障害に関する調査研究令和元年度分担研究報告書がリリースされました。大きな軸としての治療方針の変化はありませんが、難治例にたいする治療方針がアップデートされています。
トファシチニブ(ゼルヤンツ)、ベドリズマズ(エンタイビオ)の特性と臨床成績について詳細に報告されています。

【重要】新型コロナウイルス感染症の検査・治療について

■新型コロナウイルス感染症のPCR検査・治療は当院ではできません。

発熱、咳などの症状があるかたは、直接来院されず、必ず受診される前にお電話にてご連絡お願いいたします。

直接来院された場合、帰宅していただく可能性がありますのでご理解、ご了承のほどよろしくお願いいたします。

ご来院の際には必ずマスクを着用、院内ではマスクを外さないようにお願いいたします。
診察の時もマスクを着用してください。

■新型コロナウイルス感染症が疑われる方や症状に不安がある方
「西宮市帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。

西宮市帰国者・接触者相談センター

電話番号:0798-26-2240
受付時間:8時45分~21時00分(平日・土曜・日曜・祝日)
FAX番号:0798-33-1174

帰国者・接触者相談センターに相談いただく目安

次の症状のある方は、帰国者・接触者相談センターに御相談ください。

・風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く方(解熱剤を飲み続けなければならない方も同様です。)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方

なお、次のような方は重症化しやすいため、この状態が2日程度続く場合には、帰国者・接触者相談センターに御相談ください。

・高齢者・糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)の基礎疾患がある方や透析を受けている方免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方

■院内の換気

密閉空間を避けるために、入口自動ドア、窓を開放して診察しております。
エアコンを調節しておりますが、窓際や通路はどうしても気温が下がってしまいます。
厚着で防寒対策をしてご来院ください。

ご不便をおかけします。
感染予防にご理解いただきありがとうございます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の危険因子|年齢、基礎疾患、性別

中国武漢で報告された新型コロナウイルス感染症は東南アジアに年年明けから広がっていましたが、ヨーロッパにも広がってしまっています。

世界保健機関WHOのテドロス事務局長は3月11日、新型コロナウイルス感染拡大について「パンデミックと呼べる状態」とアナウンスするに至っています。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は非常に感染力がつよく、予防接種や確立した治療法がない現在、日々の生活スタイルの見直し(手洗いの励行、閉鎖空間を極力さける)が重要な状況です。

とは言え、生活のために全く家からでないわけにもいかないわけです。買い物や仕事((可能な範囲でテレワーク化しながら)仕事はを続けていく必要があります。

新型コロナウイルスを怖がるわけでなく、危険因子(年齢、基礎疾患)を知りリスクファクターに準じた行動制限が現実的です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の危険因子を推定できる論文が中国から報告されています。

■武漢での1万例以上の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の報告

The epidemiological characteristics of an outbreak of 2019 novel coronavirus diseases (COVID-19) in China
Novel Coronavirus Pneumonia Emergency Response Epidemiology Team.
Zhonghua Liu Xing Bing Xue Za Zhi. 2020 Feb 17;41(2):145-151. doi: 10.3760/cma.j.issn.0254-6450.2020.02.003. [Epub ahead of print] Chinese.

論文が以下のサイトにアップされています。
http://rs.yiigle.com/yufabiao/1181998.htm
中国語ですが漢字の雰囲気から内容は推察できます。

英語版がないかと探したところCDCにありました。
リンク先から英語版を読むことができます。

英語版
http://weekly.chinacdc.cn/en/article/id/e53946e2-c6c4-41e9-9a9b-fea8db1a8f51

■危険因子:年齢

年齢 死亡率
10-19才 0.2%
20-29才 0.2%
30-39才 0.2%
40-49才 0.4%
50-59才 1.3%
60-69才 3.6%
70-79才 8.0%
80才- 14.8%

50才以下の死亡率が1.0%未満と低いのに対して50代で1%台となり60才以上から急激に上昇します。年齢がリスクファクターであるのは新型コロナウイルス感染症(COVID-19) に限ったことではなくインフルエンザでも同じですが、60代以上はリスクファクターが高まると認識してよいでしょう。

(Citation: The epidemiological characteristics of an outbreak of 2019 novel coronavirus diseases (COVID-19) in China.Novel Coronavirus Pneumonia Emergency Response Epidemiology Team.2020 Feb 17;41(2):145-151.)

■危険因子:基礎疾患(持病)

基礎疾患(持病) 死亡率
高血圧 6.0%
糖尿病 7.3%
冠動脈疾患(心血管疾患) 10.5%
慢性呼吸器疾患 6.3%
がん 5.6%
基礎疾患なし 0.9%

糖尿病、呼吸器疾患の基礎疾患があると感染症のリスクが高くなるのはインフルエンザ等他の疾患と同じですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) に特徴てきなのは高血圧での死亡率が6.0%と高いことです。

■危険因子:性別

性別 死亡率
男性 2.8%
女性 1.7%

男性が女性に比べて倍近い死亡率でありデータをみる限り男性であることがリスクファクターのようです。

しかし、単純に男性がリスクファクターと解釈してよいとも言い切れません。中国の男性喫煙率が極めて高く、女性の喫煙率が極めて低い特徴があります。

男性の喫煙率が50%を超える52.9%、女性の喫煙率は限りなくゼロに近く2.4%ともいわれています。新型コロナウイルス感染症のリスクファクターが「喫煙」ということも分かってきています。

男性の喫煙率が高く、その結果死亡率た高い数値となった可能性があります。
単純に性別がリスクファクターと解釈できないのではないかと私は考えています。

■まとめ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクファクターは年齢、基礎疾患(持病)で大きくことなることが中国からの報告で分かってきました。

リスクファクター
・年齢(60才以上)
・高血圧
・糖尿病
・冠動脈疾患
・慢性呼吸器疾患
・がん

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は非常に感染力がつよく、予防接種や確立した治療法がない現在、リスクファクターを考慮して(高い人はより厳重な留意)して日々の生活スタイルの見直し(手洗いの励行、閉鎖空間を極力さける)が大切です。

ダイヤモンド・プリンセス号乗客のCOVID-19症例の経過

ダイヤモンド・プリンセス号乗客のCOVID-19症例が豊島病院から報告されています。
日本でのCOVID-19治療の経過を知ることができます。

PDFリンク
酸素投与が必要となったCoronavirus Disease 2019(COVID-19) 4症例の経過報告
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19casereport_200225.pdf

■酸素投与開始時期

酸素投与開始時期がday7-day11となっております。
酸素投与開始時期の報告から、発症後1週間前後の慎重な経過観察の大切さが伝わります。

(Citaton: 日本感染症学会 http://www.kansensho.or.jp/)

■無症状SARS-CoV-2 PCR陽性の経過

症例2は無症状でPCR陽性、入院観察です。
day1 入院 全身状態良好
day3 38度発熱
day8 酸素投与
day9 カレトラ投与開始
day12 挿管、人工呼吸器管理 メチルプレドニゾロン投与開始
day13 呼吸器設定安定、加療中

発症から1週間前後に呼吸状態が急変、早期対応が重要なことがわかります。

 

(Citaton: 日本感染症学会 http://www.kansensho.or.jp/)

■まとめ

ダイヤモンド・プリンセス号乗客のCOVID-19症例報告から重症例は1週間前後に急激に呼吸状態が変化することがわかります。発症後1-2週間の経過観察がきわめて重要なことがわかります。

新型コロナウイルス(COVID-19)肺炎のCT像

中国武漢市で多数の肺炎患者を発生させている新型コロナウイルス、日本でも渡航歴ない方、濃厚接触歴のない方の発症が報告されています。

飛行機、新幹線など交通手段が高度に発達した現在、感染拡大予防の困難さが顕性化しています。

■新型コロナウイルス(COVID-19)肺炎のCT像

学会誌Radiologyに新型コロナウイルス(COVID-19)の症例報告がアップされています。特徴的なCT像を呈しております。

(Citation: Radiology. 2020 Feb ahead of print
Time Course of Lung Changes On Chest CT During Recovery From 2019 Novel Coronavirus (COVID-19) Pneumonia.)

(Citation: Radiology. Jan 31 2020 CT Imaging of the 2019 Novel Coronavirus (2019-nCoV) Pneumonia)

■胸膜直下から始まるすりガラス陰影

CT像は細菌性肺炎のように、片方の肺の区域が真っ白になる像とは異なります。

初期は胸膜直下から始まるすりガラス陰影を呈するのが特徴のようです。

CT showed multiple peripheral ground-glass opacities in both lungs (Figure, A) that did not spare the subpleural regions.

■まとめ

新型コロナウイルス(COVID-19)肺炎のCT像

・両側(とは限らないが)

・胸膜直下から広がる像

・すりガラス陰影(ground-glass opacities; GGO)

日本でも接触歴、渡航歴のない方から新型コロナウイルス(COVID-19)陽性者がでています。

上記をCTにて認めたときには、新型コロナウイルス(COVID-19)を鑑別疾患に入れるフェーズに入ったと考えておく必要がありそうです。

ラーメン店が多い地域ほど脳卒中が多かった。フレンチ、イタリアン、そば、うどん店、ファーストフードは相関なかった。

食習慣と寿命そして病気の関係は昔から検討されています。
これらを調べるためには個人個人の病気寿命を見ていては検討することができません。
そこで用いられるのは疫学調査と言って何百人何千人何万人という集団を見て病気や寿命と関係があるかどうかを調べます。

マクドナルドのお店との距離に比例して糖尿病だったか肥満の方が多いといった論文を昔アメリカから報告されたのを見たことがあります。

しかしこのような疫学調査は日本ではほとんど行われていないのが現状です。

ラーメンと脳卒中の関係を疫学的に調査した非常に興味深い論文がありました。

■なかなか興味深い疫学調査です

あくまでもイメージですが

ラーメン店が多い

ラーメンを食べる機会が多い

塩分摂取量が多い

高血圧が多い

結果、血管が詰まる病気、出血する病気などの病気が増える

こんな風が吹けば桶屋が的な話を想像するのですが、 実際にこれを検討するのは容易なことではありません。人間の体はこんな単純ではありませんし様々な要因が関わってきます。

人口に対するラーメン店イタリアンフレンチお蕎麦の数を集計してそれと重ね合わせることで地域ごとの脳卒中が多いか少ないかを検討しています。

(Citation: Matsuzono K et al. Ramen restaurant prevalence is associated with stroke mortality in Japan: an ecological study. Nutr J. 2019 Sep 4;18(1):53)

■クリニックのある西宮市、全国的にみるとラーメン店多くなかった

クリニックのある西宮市は、東西に走る国道2号線があります西宮市から神戸に向かう2号線沿線には両脇にラーメン店が鈴なりになっているエリアがあります。

ラーメンストリートとも言われています。

西宮市はラーメン店多いのかと思っていたのですが人口対比率を全国で見てみると、決しておおくなかったのですね。

■ラーメン店、フレンチ、イタリアン、そば、うどん店、ファーストフードと脳卒中の関係

グラフは横軸に人口当たりのラーメン屋フレンチイタリアンレストランなどの数をプロットしています。

縦軸には脳卒中などの人口当たりの疾病割合をプロットしています。

結果お店の数と疾病の数が創刊した言い換えるとグラフが右上上がりの線になったのは、ラーメン店の数だけでした。

フレンチ、 イタリアン、そばう、どん店、ファーストフードと病気の関連は見られませんでした。

ファーストフード店の数と脳卒中の数は関係ないものなんですね。まあ、あくまでも統計的な話なのですが。

■交絡因子

ただこの結果ラーメン店が多いと脳卒中が増えるという単純なものではありません。何らかの相関があった、言い換えると関係があったを示しているだけです。因果関係とは違うところに注意してください。

ラーメン店が多い、ラーメンを食べる機会が多い食生活を有する人は、「直接の原因は分からないが」、食生活の傾向や生活スタイルが脳卒中につながる傾向をもっているというということは言えそうです。

■まとめ

フレンチ、 イタリアン、そばう、どん店、ファーストフードの数と病気の関係を疫学的に示した非常に興味深い報告です。塩分の量なのか、油の摂りすぎなのか、それとも夜中にラーメンを食べる食習慣なのか直接の原因はわかりませんけれども 、食習慣が思っている以上に病気とかかわりがあることは言えそうです。

2019-2020年 中島クリニック年末年始診療案内|年末28日(土)まで通常診療、年始4日(土)から通常診療です

2019-2020年 中島クリニック年末年始の診療は下記となります

12月28日(土)通常通り診療(診療、胃カメラ検査施行)
12月29日(日)休診
12月30日(月)休診
12月31日(火)休診
1月1日(水)休診
1月2日(木)休診
1月3日(金)休診
1月4日(土)通常通り診療(診療、胃カメラ施行)

コーラ飲料で骨がとけるという都市伝説は本当か

コーラ骨粗しょう症

こどもの頃にコーラーを飲むと骨がとけると親に言われた方いるのではないでしょうか。コーラーの見た目、茶色い色、きつめの炭酸がそのような印象を与えているだけではないかと、こども心に思っていました。

単にコラーをこどもに飲ませないための方便と、コーラのませてもらえず思っていました。

この都市伝説めいたコーラと骨の関係を調べた論文があったので紹介いたします。

■骨粗しょう症(骨粗鬆症)とは

骨粗しょう症とは、骨量が減ってしまい骨折しやすくなる病気のことです。
年齢にともない誰もが骨量が減ってきます。ちょっとしりもちをついただけで高齢者が、圧迫骨折するのも骨粗しょう症が主な原因です。

骨密度の検査としては、CTを用いる方法、超音波検査を用いる方法、レントゲンを用いる方法などがあります。

当院ではレントゲンを用いる方法(手の骨をレントゲン撮影)で骨密度を測定しています。

若い頃の骨密度(若年性靱平均値)と比較

70%以上80%未満は骨粗しょう症疑いあり
70%未満を骨粗しょう症と診断します。

喫煙、アルコール過剰摂取、運動不足などが骨粗しょう症のリスクファクターです。閉経期以降女性ホルモンが減ると骨密度低下します。

禁煙、アルコールをひかえる、日々の運動が予防につながります。

■コーラと骨密度の関係

2500人余の生活習慣を詳細に検討したフラミンガム骨粗しょう症研究の結果が2006年に報告されました。
(Ciation: Tucker KL et al. Colas, but not other carbonated beverages, are associated with low bone mineral density in older women: The Framingham Osteoporosis Study. Am J Clin Nutr. 2006 Oct;84(4):936-42.)

男性1125人、女性1413人

炭酸飲料を男性は週4.3本、女性は2.0本
コーラ男性週2.5本、女性0.9本

炭酸飲料、コーラ、ノンカフェイン

炭酸飲料以外の影響を除外するために、身長、年齢、摂取カロリー、喫煙、アルコール、カルシウム、ビタミンDなどはマッチングさせてあります。

結果、男性はコーラと骨密度の関係ほぼなかったのですが、女性では摂取量に比例して骨密度が低下していました。

女性骨粗しょう症

カフェインは骨密度に影響するといわれていますが、カフェイン入りのコーラとカフェインレスのコーラと比べてその差はありませんでした。

週に3回以上コーラを飲む女性で有意に骨密度低下しています。

フラミンガム骨粗しょう症研究での女性平均年齢が58.2 ± 9.4 であったことを併せて判断すると、更年期以降においては、コーラを多く飲む生活習慣と骨密度低下の関係があるといえます。

疫学調査なのでコーラが骨密度低下の原因であると単純に結論づけることはできませんコーラをよく飲む生活習慣は骨粗しょう症のリスクになりうるということです。

■まとめ

年齢とともに低下する骨密度ですが、それらを悪化させる要因には、喫煙、アルコール過剰摂取、運動不足などがあります。閉経期以降女性ホルモンが減ることも骨密度低下を加速させます。

禁煙、アルコールをひかえる、カルシウム摂食をこころがける、日々の運動が予防につながります。

フラミンガム骨粗鬆研究の結果からは、これに更年期以降の女性に関してはコーラを週3回以上のむことがリスクファクターに加わります。

骨粗鬆予防には運動、バランスの取れた食事ですね。

胸部レントゲンのAI診断は人をついに越えるのか

人工知能(AI)は人越せないだろうと言われていた囲碁の世界で、人工知能のアルファーゴがプロ棋士を負かしたが2015年でした。わずか3年前の話です。

その後さらに人工知能は発達、医療の分野でも人工知能が実用化されつつあります。

特に人工知能が本領を発揮するのは画像診断の分野です。

多数の画像を読み込み、そこからのパターン認識です。

■2018年にはアメリカでAI(人工知能)による糖尿病性網膜症診断機器が実用化

2018年には眼底写真のAIによる診断機器がアメリカFDAにより認可されました。

参考記事

●骨折のAI診断|アメリカでは医療現場へのAI導入が加速

●アメリカでAI(人工知能)による糖尿病性網膜症診断機器が実用化|FDAが人工知能検査機器「IDx-DR」認可

糖尿病を患っていると、全身の血管がもろくなり出血することがあります。

特に出血が問題となるのは眼の血管です。眼の血管からの出血が続くと失明の原因ともなります。

早期発見早期治療が必要です。

当院でも糖尿病治療中の方は、眼科クリニックへ定期的に紹介受診していただき、眼底をチェックしてもらっています。

AI(人工知能)による糖尿病性網膜症診断機器がアメリカでは実用化されています。

日本に輸入され認可されるのも時間の問題です。

■胸部レントゲンの人工知能診断

胸のレントゲン、これを人工知能AI診断できないだろうか。

この分野の研究ものすごい勢いで進んでいます。

2018年11月に論文報告された結果があります。

(Citation: Rajpurkar P et al. Deep learning for chest radiograph diagnosis: A retrospective comparison of the CheXNeXt algorithm to practicing radiologists. PLoS Med. 2018 Nov 20;15(11))

画像診断を専門とする放射線科医師 vs 人工知能

ガチンコ勝負の結果は、14項目のうち11項目が引き分けでした。

2項目で放射線科医師が優位。その項目はヘルニアと心拡大の判断。

1項目は人工知能が優位。その項目は無気肺の判断です。

2018年の報告では、人と人工知能互角、やや人が優位のところまで人工知能追いついてきています。

そして2019年のJAMAに報告された論文では、人工知能が人を上回ってきている結果です。

(Citation: Hwang J et al. Development and Validation of a Deep Learning-Based Automated Detection Algorithm for Major Thoracic Diseases on Chest Radiographs. JAMA Netw Open. 2019 Mar 1;2(3))

ついに胸部レントゲンの診断において、人工知能は追いつきそして追い越すところまで来ています。

■人工知能と人の判断を相補しあえばよい

人工知能による胸部レントゲン読影は、人と遜色のないレベルにまで到達しています。

しかし、2018年の報告をみてわかるように、人がやや判断苦手な部分を人工知能が得意であったり、逆に人の判断の方が正確である部分もあります。

心電図計には人工知能ではありませんが、機械がリズム、形を読み取る機械診断が付いています。

ただ機械診断が常に正しい判断をするとは限らず、医師は必ず自分の目で判断を下します。

将来的には胸部レントゲンの読影は人工知能に取ってかわられるものではなく、人の診断を人工知能でダブルチェックする形になっていくのではないでしょうか。

■まとめ

胸部レントゲンの読影、人工知能は人に追いつき、追い越すところまで発達しています。

今後心電図の機械診断のように、胸部レントゲンにも機械診断がついてくる時代になりそうです。しかも、比較的近未来の話です。

中島クリニック院長 慢性腎臓病(CKD)UpDate in 西宮にて開会の挨拶、西宮市慢性腎臓病(CKD)予防連携事業実施2年間の状況について講演いたします

2019年10月31日(木) 慢性腎臓病(CKD)UpDate in 西宮
西宮市医師会内科医会

西宮市医師会公衆衛生委員会と西宮市と連携してスタートした西宮市慢性腎臓病(CKD)予防連携事業がスタpとして2年が経過しました。

西宮市医師会公衆衛生委員会元委員長の中島クリニック院長がオープニングリマークスおよび「西宮市慢性腎臓病(CKD)予防連携事業実施2年間の状況に」ついて講演いたします。

腎機能障害 専門医紹介のタイミング

腎臓の病気を患っている方の数は年々に増加傾向にあります。

現在33万人が透析治療中、さらに毎年4万人が新規透析導入となっています。

透析導入予防のために、腎機能障害の早期発見、生活改善および治療が重要です。

中島クリニックのある西宮市でも、特定健診で腎機能障害を早期に発見、生活改善をするために「西宮市国民健康保険 慢性腎臓病(CKD)予防連携事業」がスタートしています。

■腎臓専門医のみならず、一般内科医も患者さんの腎機能を慎重にフォローする必要がある

腎障害進行予防のため、腎臓専門医のみならず、一般内科医、さらには消化器内科医、循環器内科医など各科に専門特化している医師もみな、腎機能に留意していく必要があります。

日本腎臓学会と日本糖尿病学会専門医間の紹介基準を作成した基準があります。糖尿病でフォロー中の患者さんが腎障害を併発したときにどのタイミングで腎臓専門医にコンサルトするかの基準です。

糖尿病専門医から腎臓専門医への紹介基準は、糖尿病専門医だけでなく一般内科医の日々の診療でも意識しておく必要があります。

■日本腎臓学会と日本糖尿病学会が作成した紹介基準

日本腎臓学会と日本糖尿病学会は両学会の専門医間の紹介基準を作成し、学会のホームページに内容をアップしています。

内容は以下のリンクからPDFで提供されています。

日本糖尿病学会と日本腎臓学会 専門医間の紹介基準について

(Citation: 日本腎臓学会ホームページ https://www.jsn.or.jp/topics/notice/_3537.php)

■糖尿病専門医から腎臓専門医への紹介基準  コンサルトのタイミング

紹介基準に具体的な数値が記載されていますが ・尿タンパク量 ・eGFR

を慎重にフォローしていくことがポイントです。

0.5 g/gCr 以上の尿蛋白 入院中の患者さんでは1日蓄尿が可能ですが、日常診療で1日蓄尿で蛋白量の確認は困難です。 随時尿のクレアチニン補正(UPCR)で1日尿蛋白量を推定できます。

eGFRは年齢で基準がかわります。

40歳未満は60ml/min/1.73m2 未満 40歳以上75 歳未満は45 ml/min/1.73m2 未満 75歳以上は45 ml/min/1.73m2 未満 となります。

糖尿病専門医から腎臓専門医への紹介基準 (紹介後は診断結果に応じて併診あるいは糖尿病専門医での糖尿病治療の継続)

1.糖尿病網膜症を伴わない 0.5 g/gCr 以上の尿蛋白

2.集学的治療後も遷延する 0.5 g/gCr 以上の尿蛋白

3.円柱もしくは糸球体型赤血球を伴う顕微鏡的血尿かつ 0.5 g/gCr 以上の尿蛋白

4.顕性蛋白尿を伴わない腎機能低下(年齢別) 40歳未満:eGFR 60ml/min/1.73m2 未満 40歳以上75 歳未満::eGFR 45 ml/min/1.73m2 未満 75歳以上:eGFR 45 ml/min/1.73m2 未満で腎機能低下が進行する場合

5.3 か月以内にeGFR が30%以上低下する急速な腎機能低下

■糖尿病専門医から腎臓専門医への紹介基準  治療管理依頼のタイミング

腎機能が悪化して、腎臓専門の継続治療管理が必要となる基準です。 ネフローゼや重度の腎機能障害(eGFR 30ml/min/1.73m2 未満)の状態です。

主に腎臓専門医による継続管理を目的とした紹介基準 (紹介後は腎臓専門医での継続管理あるいは糖尿病専門医との併診加療)

1.保存期腎不全(eGFR 30ml/min/1.73m2 未満)

2.ネフローゼ症候群(血清アルブミン値3.0g/dL 以下かつ尿蛋白3.5g/gCr 以上)

3.eGFR 10 ml/min/1.73m2/年以上の腎機能低下

4.薬物療法が必要な電解質異常 (高カリウム血症、高リン血症、低カルシウム血症)や代謝性アシドーシス

5.薬物療法が必要な腎性貧血あるいは ESA 低反応性貧血 (複数回の検査で Hb 値11g/dL 未満)

6.治療抵抗性の体液貯留(心不全・浮腫)や高血圧

■かかりつけ医から腎臓専門医・専門医療機関への紹介基準

かかりつけ医から腎臓専門医・専門医療機関への紹介基準が日本腎臓学会と日本糖尿病学会ホームページにアップされています。

内容は以下のリンクからPDFで提供されています。 かかりつけ医から専門医・専門医療機関への紹介基準

■まとめ

腎臓の病気を患っている方の数は年々に増加傾向にあり、腎臓専門医のみならず、一般内科医も患者さんの腎機能を慎重にフォローする必要がある時代です。

糖尿病専門医から腎臓専門医への紹介基準が学会から提唱されています。紹介基準に具体的な数値が記載されています。

・尿タンパク量

・eGFR

を慎重にフォローしていくことが大切です。

中島クリニック院長 第26回 西宮消化器病フォーラムにて開会の挨拶、特別講演の座長をいたします

2019年10月10日(木)第26回 西宮消化器病フォーラム
西宮市医師会内科医会 共催

中島クリニック、原外科胃腸科クリニック、亀田クリニック、西宮市立中央病院、県立西宮病院で立ち上げた西宮消化器病フォーラムも26回目となりました。


第26回 西宮消化器病フォーラムにて中島クリニック院長、開会の挨拶、特別講演の座長をいたします。

座りっぱなし生活はがん、心筋梗塞をはじめとした病気のリスクを高める|仕事で座りっぱなしの人は仕事の合間に30分の軽い運動を取り入れよう


■長時間の座りっぱなし生活は、心臓や脳血管疾患のみならず、がんのリスクも高める

長時間の座りっぱなし生活は、さまざまな病気のリスクを高めることが知られています。

座りっぱなし生活でカロリーをあまり消費しない生活は、糖尿病、高血圧、高脂血症などのメタボリック症候群、昔でいうところの成人病になりやすいことは容易に想像できます。

糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満などから、血管が詰まりやすくなったり逆に出血しやすくなることから、心臓や脳の血管の病気が増えます。狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血など血管の病気です。

さらに、座りっぱなし生活ががんのリスクおよび死亡率を高めることも研究から分かってきています。特に、乳がん、大腸がんは生活習慣の影響を受けます。

●運動で大腸がん予防|運動と大腸がんの関係

■座りっぱなし生活の対策

仕事で座りっぱなしの人は、仕事の間に少しでも運動を取り入れるのが対策です。

医者の生活、特に開業医の生活は座りっぱなしの時間が多く不健康なライフスタイルの代表といえるかもしれません。終日外来をするとのべ6-7時間はすわりっぱなしです。

興味深いコホート研究の報告があるので紹介します。

(Citation: Diaz A et al. Potential Effects on Mortality of Replacing Sedentary Time With Short Sedentary Bouts or Physical Activity: A National Cohort Study. Am J Epidemiol. 2019 Mar 1;188(3):537-544.)

45歳以上の7,999人の仕事、仕事中の運動量(体を動かしている)量を測定、それと死亡率の関係を集計しています。

・座っている時間の30分を軽活動(LIPA light-intensity physical activity)にすると死亡リスクが17%減少

・座っている時間の30分を中から強度の活動(MVPA moderate to vigorous physical activity)にすると35%死亡リスクが減少

座りっぱなしの時間を何らかの運動に置き換えるのが理想です。細切れの数分体を動かすことでも効果があります。

デスクワークで座りっぱなしの人は、1時間に数分でも体を動かす時間を取り入れるのが理想ですね。

立ってパソコンに向かう作業を取り入れるのも方法です。私はこのブログ立ってPCに向かって書いています。クリニックの受付テーブルがちょうどよい高さなで、そこにPC置いてブログ書いています。

最近はこんな感じの高さをかえられるオフィス用の机取り入れる企業多いようです。

(www.askul.co.jp)

■デスクワーク中心の座りっぱなしの人ができる健康対策

出来る対策としては通勤です。通勤を車から電車、さらに可能であれば電車から自転車にかえるのは効果てきです。

●長生きしたければ運動|週1回でも効果あり

●自転車通勤は死亡率を下げる

■まとめ

座りっぱなしのデスクワークは死亡リスクを高めます。細切れの数分でも仕事の合間に体を動かすことでリスク軽減できます。

WEB順番予約の案内

診察の順番予約がインターネットからできるようになりました。ご活用ください。

インターネットから受付時間は、午前診は9:30~11:00、夜診は16:30~19:00となります。

■インターネットから予約方法

WEB順番予約の方法

https://nakajima-clinic.com/naika/howto

■スマホをご利用の方は以下のQRコードからも入力できます

 

2019/2020年度(令和元年/令和2年)冬シーズンのイフルエンザワクチン株|A型株が昨年からの変更あり、B型株は変更なし

2019/2020年度(令和元年/令和2年)のイフルエンザワクチンの情報です。 毎年4月に施行される、長い長い名前の委員会で検討されワクチン株が決定します。 60文字の長い長い委員会の名前は「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会・季節性インフルエンザワクチンの製造株について検討する小委員会」です。

例年通り、今シーズンのインフルエンザワクチンも、A型株2種類、B型株2種類、合わせて4種類のワクチン株からなります。

A型株はH1N1とH3N2の組み合わせですが、ワクチン株が変更となっています。 B型株は昨年同様です。

2019/2020年度(令和元年/令和2年)冬シーズンのイフルエンザワクチン株

A型 ・ブリスベン(H1N1) 02/2018(IVR-190)pdm09 ・カンザス(H3N2) 14/2017(X-327) B型 ・プーケット(山形系統) 3073/2013 ・メリーランド(ビクトリア系統) 15/2016(NYMC BX-69A)

■ワクチン株の決定過程

南半球のインフルエンザ流行動態、昨年の流行動態をふまえWHO推奨株が発表されます。推奨株は毎年2月頃にWHOから発表されます。参考にしながら4月に施行される委員会(厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会・季節性インフルエンザワクチンの製造株について検討する小委員会)を経て今シーズンのワクチン株が決定します。

■2019/2020年度(令和元年/令和2年)冬シーズンのイフルエンザワクチン株

2019/2020年度(令和元年/令和2年)冬シーズンのイフルエンザワクチン株 は以下のA型2種類、B型2種類、合計4種類からなる4価ワクチンです。

A型 ・ブリスベン(H1N1) 02/2018(IVR-190)pdm09 ・カンザス(H3N2) 14/2017(X-327) B型 ・プーケット(山形系統) 3073/2013 ・メリーランド(ビクトリア系統) 15/2016(NYMC BX-69A)

■昨年とのワクチン株変更点

A型 A型はH1N1型とH3N2型の2種類からなります。「型」の変更はりませんが使用「株」の変更があります。 今シーズンは H1N1はブリスベン02/2018(IVR-190)株 H3N2はカンザス 14/2017(X-327)株 となっています。

H1N1型に関して 最近の流行株である 183P 置換を持つ株への効果を高めるために、183Pを持つ流行株であるブリスベン株を選定しています。

H3N2に関して 欧米では3C、3aに属するインフルエンザウイルスの報告が増えています。日本では3C.3aに属するウイルスはまったく検出されていないものの、今後流行の可能性がありこれらに対する免疫が低いため3C、3a に属する流行株から選定、カンザスとなっています。

■まとめ

2019/2020年度イフルエンザワクチンはA型2種、B型2種からなる4価混合ワクチンとなっています。インフルエンザの流行動態をふまえ、A型株が変更となっています。B型株は昨年から変更なしです。

大腸憩室炎に抗菌薬を「投与しない」という選択枝はあるのか

大腸にポケット状に飛び出る憩室。

このポケット状にへっこんだところに細菌が付いて炎症を起こすのが大腸憩室炎です。

バイ菌が原因ですので、抗菌薬で治療するのが一般的です。

■憩室炎は繰り返す

憩室炎は抗生物質で治っても、たびたび繰り返すため、そのたびに抗生物質を投与することとなります。

一度憩室炎を起こした人の2割から4割がまた起こすともいわれています。

たびたび抗生物質を使っていると耐性菌が出現する懸念もあります。だからと言って、原因が細菌なので抗生物質を投与せざるをえないのがジレンマではあります。

■憩室炎に抗菌薬を投与しないとのきの予後

憩室炎を抗菌薬「投与」と抗生物質「投与しない」ランダムに振り分けた比較がオランダから報告されたので紹介いたします。

van Dijk ST et al. Long-Term Effects of Omitting Antibiotics in Uncomplicated Acute Diverticulitis. Am J Gastroenterol. 2018 Jul;113(7):1045-1052

対象は528例の、初発の憩室炎です。

CTで確定診断して、左側結腸の症例のみに限定しています。

治療後2年間フォローしています。

再発率は抗菌薬投与で14.9%、非投与で15.4%と有意差なし

合併症は抗菌薬投与で3.3%、非投与で4.8%と有意差なし

S状結腸切除が必要となったのは抗菌薬投与で5.0%、非投与で9.0%と有意差なし

統計データ上は、初発の憩室炎の2年間フォローでは、抗菌薬「投与」と抗菌薬「投与しない」治療で差がありませんでした。

■憩室炎に抗菌薬を投与しない選択枝はあるのか

統計学上は抗菌薬投与と非投与で合併症やS状結腸切除率に差はないと出ているのですが、

合併症は抗菌薬投与で3.3%、非投与で4.8%

S状結腸切除が必要となったのは抗菌薬投与で5.0%、非投与で9.0%

統計学的に有意差はないものの抗菌薬投与でいずれも低い率で、この報告をもって、抗菌薬投与不要とは言いがたい印象です。

現状では抗菌薬投与が妥当な治療でしょうか。

大腸がん予防|大腸腺腫検出率(ADR)が高い医師の特徴

大腸癌の予防に、大腸カメラを受けポリープがあれば切除することが効果的です。

参考ブログ

●主治医は40歳未満の若手医師がいいのか。担当医師の年齢が入院死亡率に影響|高齢医師より若手医師の方が入院死亡率が低い

●入院患者さんの予後(死亡率、再入院率)が担当医師の性別で差|女性医師の方が男性医師よりも入院患者さんの予後がよい

■大腸癌予防には大腸ポリープ(腺腫)の切除

大腸は「腺腫」とよばれるポリープの状態を経て、大腸癌となります。

この前癌状態である「ポリープ(腺腫)」を内視鏡で切除することが、大腸癌予防につながります。

大腸腺腫を徹底的に切除してポリープがない状態(クリーンコロン)にすることが大腸カメラを受ける意義です。

■大腸腺腫検出率(ADR)が高いほどよい

大腸ポリープを的確に発見する内視鏡医の力量が高ければ高いほど、ポリープを徹底的に摘除してポリープがない状態(クリーンコロン)にすることができるのは自明の事実です。

中島クリニックでも大腸ポリープ(腺腫)を徹底的に摘除してポリープがない状態(クリーンコロン)を治療のゴールとしています。

■どのような医師が大腸腺腫検出率(ADR)が高いのか

どのような医師が大腸腺腫検出率(ADR)が高いのかを調べた報告を紹介いたします。

(Citation: Mehrotra A et al. Physician characteristics associated with higher adenoma detection rate. Gastrointest Endosc. 2018 Mar;87(3):778-786)

レトロスペクティブコホート研究です。 201人の検査医師による104,618 症例で検討しています。

平均の大腸腺腫検出率(ADR)は33.2%でした。

ADRが高かったのは、女性医師、消化器専門医でした。 女性医師は男性医師に比べて4.2%高く、消化器専門医はそれ以外の医師より9.4%高い結果でした。

ちょっと意外だったのは、レジデント終了9年以内の医師は、27年から51年の医師よりもADRが6%も高いことでした。

消化器専門医が、それ以外の医師よりADRが約10%も高い結果は、スクリーニング検査では、トレーニングと経験がともに必要であることをこの報告が実証しています。

年齢の影響をスポーツと同じように扱ってよいのかどうかは異論あるところですが、内視鏡など経験と手技ともに要する検査では、ある年齢からは(この報告ではレジデント終了27年から51年の医師)パフォーマンスが落ちるという結果がでています。

■まとめ

大腸癌予防には、大腸腺腫を大腸カメラで切除することが大切です。

大腸腺腫検出率(ADR)が高い医師の特徴検討した結果は、消化器専門医がその他の医師より10%もADRが高いという歴然とした差があることがわかりました。

大腸カメラ検査は、内視鏡専門施設でうけるのがおすすめです。

アルコールを愉しまれる方々へ残念なお知らせです。飲酒に適量はないとの報告|健康リスクはアルコール摂取量にしたがって上昇

百薬の長ともいわれるアルコール。一日の疲れを癒やすお酒。

私はお酒を毎日飲むわけではないですが、仕事が終わった後のアルコール最高ですね。

今までは、アルコールには安全域値(ここまでは飲んでもOKの量)があると言われていたのですが、最近の報告からはどうも安全域値はないようです。

■適度なアルコール量

1日1単位アルコールグラムにして10g、ビール1本、ワイン1杯程度なら肝臓で十分分解出来る量なので問題ない、むしろフレンチパラドッククスの言葉があるように、少量のアルコールは飲まないよりも健康によいとも言われていました。

しかし、Lancetの報告によると、少量のアルコールは百薬の長ではなく、飲んだ量に比例して健康に影響するようです。

アルコール好きの人へは、実に耳が痛い話です。

■ここまで飲んでもOKな、安全閾値とは

閾値という概念があります。これはこの量までは飲んでも大丈夫、それ以降は体に影響でますと線引きされる点のことです。

タバコをイメージしてみてください、タバコは安全域値がありません。

1本吸えば、1本分体に影響、20本吸えばさらに体に影響します。

アルコールは1合ぐらいまでなら適量、害はなし。2合3合となると体に影響するとの考えられてきました。表現をかえると、アルコールには閾値があると考えられていました。

しかし83報にもおよぶ前向き検討研究を解析したところ、どうもアルコールもタバコと同じく閾値が「ない」との報告です。

(Citation: Risk thresholds for alcohol consumption: combined analysis of individual-participant data for 599 912 current drinkers in 83 prospective studies. Lancet. 2018 Apr 14;391(10129):1513-1523.)

■少量のアルコールは心血管イベントを減らす、しかし

心筋梗塞のところで、グラフが直線的に右上がりになっているのではなく、V字型になっているのがわかります。

少量のアルコールは心血管イベント、特に心筋梗塞を減らすというのは事実のようです。

ところが、脳卒中はじめ、癌のリスク含め他の病気は、グラフが直線的に右上がりになっています。

飲めば飲むほど、リスクがあがることを示しています。いいかえると、少量飲んでも健康に影響するのです。

■長年アルコールを飲む影響

1-15年どれだけの年数アルコールを飲み続けているかで健康リスクを評価しています。

Lancet. 2018 Sep 22;392(10152):1015-1035. doi: 10.1016/S0140-6736(18)31310-2. Epub 2018 Aug 23. Alcohol use and burden for 195 countries and territories, 1990-2016: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2016. GBD 2016 Alcohol Collaborators.

飲む年齢に比例して右肩上がりに健康リスクあがってしまっています。

■アルコール飲酒が寿命を縮めるのか

週100gのアルコール量以下では、ほぼ寿命影響なさそうです。逆に200g(ビール2本、ワイングラス2杯)以上からは影響出始めます。

週350gアルコール以上のむ人(毎日ビール5本、ワイングラスにして5杯以上は目に見えて影響でますので、さすがに控える必要あります。

■まとめ

今までは、安全閾値があると考えられていたアルコールですが、最近の研究で安全閾値が「ない」とのことが分かってきました。

アルコール好きの方には耳の痛い話ですが、アルコールは飲んだ量に比例して健康リスクとなります。

朗報としては、週100g以下のアルコール量、毎日ビール1本やワイングラス1本程度では、ほぼ影響なさそうです。 しかし、200g(ビール2本、ワイングラス2杯)以上からは目に見えて影響でますので、飲むとすれば適量に、です。