ピロリ菌とは
胃粘膜の中に住んでいる菌で、正式名はヘリコバクター・ピロリですが、略して「ピロリ菌」もしくは「ピロリ」と呼ばれています。十二指腸潰瘍や胃潰瘍のほとんどは、ピロリ菌が胃にはいりこんできて起こる病気です。一度潰瘍になった人が潰瘍を何回も繰り返すのは、ピロリ菌が、一度胃の中に入り込むとそのままずっと胃の中で生き続けるためです。“かいよう”の再発予防のためにピロリ菌の除菌が積極的に実施されています。

ピロリ菌と胃がんの関係
ピロリ菌は、胃の粘膜に居座り続けることで、慢性的に胃炎(胃があれる状態)を起こします。胃炎が続くと、胃の粘膜が腸の粘膜のような状態になってしまいます。この状態は腸上皮化生とよばれ、胃がんが起きやすい状態です。ピロリ菌が「慢性的に」ずっと胃の粘膜を刺激つづけて荒らすことが、胃がんの原因となるのです。
正常の胃
ピロリ菌感染
慢性胃炎
腸上皮化生
胃がん
ピロリ菌感染による10年間の胃がん発がん率
ピロリ菌をもっている方、全員が胃がんになるわけではありません。研究から、ピロリ菌をもっていない人に比べ、ピロリ菌をもっていると何倍も胃がんになりやすいことが分かっています。数字にすると、ピロリ菌をもっているときの、発がん率は1年間で0.5%です。0.5%と聞くと少ない印象をもたれるかもしれませんが、0.5%は1年間の数字です。
10年で計算すると
0.5%x10年=5%
10年で5%の発癌率となります。ピロリ菌感染者10年の間に20人に1人、胃癌がおきることになります。かなり高い数値です。胃がんの原因となるピロリ菌ですが、薬でピロリ菌除去することで、胃がんを予防することができます。正確にはリスクはゼロにはなりませんが、胃がんになるリスクが30%も低下します。
ピロリ菌を発見する方法

ピロリ菌はこどもの頃に体の中に入り、胃のなかに何十年もの間居座り続けます。ピロリ菌は胃粘膜の中に潜り込むよう、気配を消して隠れているので、ピロリ菌がいるかどうか、胃の痛みや胃違和感などの自覚症状からは分かりません。
でも安心してください。下手な子供のかくれんぼみたいなものです。頭隠して尻隠さず、ピロリ菌がかくれていれば、なんらかの痕跡を残します。痕跡を調べることで、ピロリ菌がいるかどうかを判定できます。血液、便、胃粘膜など、さまざまな場所をチェックすることでピロリ菌がいるかどうか分かります。
ピロリ菌の検査方法には主に2種類あります。
(1)胃カメラ(内視鏡)を用い直接胃を調べる方法
(2)胃カメラを使わず、血液、息、便から間接的にピロリ菌の有無を調べる方法
