胃ポリープとは
胃のポリープは病理学的に大きく胃底腺ポリープと過形成性ポリープという2種類に分けることが出来ます。胃底腺ポリープがあった場合は、確認目的に一部をつまんで顕微鏡でみてもらう(生検)をすることはあっても切除をすることはまずありません。胃底腺ポリープは、(議論の余地はあるものの)胃の分泌腺の細胞が異常増殖してできる隆起です。胃カメラでは、半球形で表面がつるんとしたφ5mm前後のものが多く見られます。多発することも多く、何十個とできることもたまにあります。滅多にない、よりは多いです。たまに、おられます。

このポリープはピロリ菌の感染していない胃粘膜にできる事がわかっていて、昔は私の上司は「幸せのポリープ」なんて呼んでいました。今ほど、健診でピロリ菌を調べたり、慢性胃炎だとしても保険でピロリ菌が調べられる時代でもありませんでしたので、このポリープがあればピロリ菌はまずいないから安心、だったわけですね。ピロリ菌感染が胃癌を引き起こすリスクをあげることは昨今、テレビなどでもよく取り上げられていますが、それはまた別コラムに譲るとして、要は、このポリープは癌とは関係ないので「幸せのポリープ」なんて呼ばれていたのです。厳密には症例報告レベルで癌化はあり得るのですが、基本的に癌化しないと考えていただいて結構です。

一方、過形成性ポリープ。こちらは、ピロリ菌感染に伴い生じてくるポリープです。胃カメラでは、赤みのあるブロッコリーのようにブツブツ・もりもりっとした隆起が特徴です。こちらは胃底腺ポリープよりは癌化率が高いのですが、それでも2cm以下のポリープではほぼ心配がありません。また、不思議なことに、ピロリ菌の除菌に成功すると過形成性ポリープはだんだんと小さくなり消えてしまうことが多いため、ポリープがあっても切除せずにまず除菌をすることが多いです。ただし、2-3cmの大きなポリープで癌化を疑う時や、胃に入った食べ物でこすれて慢性的な出血を起こし、貧血の原因となっている場合は胃カメラから道具を用いて切除を行います。 ピロリ菌除菌の広まってきた最近では切除する必要のあるポリープに出会うことは稀です。
胃ポリープの症状
胃ポリープ自体は一般に無症状であることがほとんどです。胃ポリープができると同時に慢性胃炎を発症することがあるため、胃に不快な症状がみられる方は、胃炎による症状であるといえます。胃の不快感(痛み・胃もたれ・膨満感)、みぞおち辺りの痛みをはじめ、食欲不振などの影響が出ることも多いです。また、胃過形成性ポリープの場合は、出血によって貧血の症状を引き起こす方もいらっしゃいます。


