ノロウィルス

ノロウィルスは予防できるのか

食中毒や胃腸炎をおこす原因には、大きくわけて細菌性、ウイルス性があります。食中毒の原因として報告人数が多いのがノロウイルスです。
カンピロバクター、サルモネラ菌、ウエルシュ菌と続きます。ノロウイルスは1968年アメリカのノーウオーク町の小学校で集団発生した胃腸炎の原因として発見されたウイルスです。
潜伏期間は1~2日と短く、吐き気、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。持病のない方は軽症で回復しますが、子どもや高齢者、持病をもっている方は重症化することがあります。

ノロウィルスとは

1968年アメリカのノーウオーク町の小学校で発生した集団胃腸炎の患者さんから発見されたウイルスです。地名からノーウオークウイルスと呼ばれていました。貝が原因の食中毒のウイルスとしても知られています。その後ノーウオークウイルスに似た小型球形ウイルスが次々と発見され、ノーウオークウイルス、ノーウオーク類似ウイルスなど呼び名が混在していました。2002年国際ウイルス分類委員会でノロウイルス属へ分類され、現在のノロウイルスと呼ばれるようになりました。

ノロウイルスの症状

ノロウイルスの症状吐き気、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。普段健康な方は軽症で自然に回復しますが、子どもや高齢者、持病をもっている方は重症化することがあります。インフルエンザのような高熱が続くことはなく、発熱は軽度です。1-2日続いたあと軽快します。潜伏期間(感染してから症状がでるまでの時間)は1~2日と比較的短いのが特徴です。ノロウイルス胃腸炎で子供が発症、世話をしている家人が翌日同様胃腸炎を発症するような時間差で広がることがしばしばあります。

ノロウイルスの感染経路

ノロウイルスはウイルスが口から入ることで感染します。ノロウイルスは手に付着したウイルスや汚染した食品などから感染します。口から入ることで感染するので、手洗いによる予防が大切です。

ノロウイルスは嘔吐物にも多量のウイルスがはいっています。ウイルスは空気中に長いあいだ浮遊するエアロゾル化(小さな粒子)して広がります。エアロゾル化したノロウイルスが口から入っても感染します。十分な部屋の換気が有効です。手洗いとともに部屋の換気が大切です。

ノロウイルスに感染した方の嘔吐物、便には大量のウイルスが排出されますのであつかいに留意する必要があります。ノロウイルスは他の食中毒の原因となる細菌に比べ熱に比較的強く、85℃以上で少なくとも1分以上加熱する必要があります。

ノロウイルスの感染経路

ノロウイルスの流行時期

ノロウイルスによる食中毒は一年中発生します。冬場に増える傾向があり、年末年始の12月から1月が発生のピーク時期となります。
報告されているだけで毎年5000人以上のノロウイルスによる食中毒が発生しています。実際に起きているノロウイルスによる食中毒の数は遙かに多いと考えられます。

ノロウイルスの検査

患者さんの症状や経過、診察、周囲の感染状況などから総合的に判断してノロウイルスが原因と推定する臨床診断が中心となります。
便から検査行う簡便検査である「ノロウイルス抗原検査」は3歳未満、65歳以上の方、がんの診断を受けている方を対象に健康保険が適用されています。「ノロウイルス抗原検査」は15分程度で結果が分かる簡便検査です。結果が早くでるのがメリットですが、検査の感度が高くなく(ノロウイルスに感染していても陽性にならない場合もあり)「ノロウイルス抗原検査」は診断補助の位置づけです。
ノロウイルスの精密検査は、RT-PCR法、リアルタイムRT-PCR法でウイルス遺伝子を調べます。この精密検査は食中毒の原因を特定するために行政機関等で行われることがありますが、これらの遺伝子検査は保険診療では行えません。

西宮市の中島クリニックではノロウイルスの診断は患者さんの症状や経過、診察、周囲の感染状況などから総合的に臨床診断しております。ノロウィルスの検査が必要な場合は関連の病院を紹介させて頂きます。

ノロウイルスの治療

ノロウイルスの治療ノロウイルスに効く抗ウイルス薬はなく、ノロウイルス胃腸炎の治療は対症療法となります。
下痢、嘔吐にともなう脱水症状の改善のため、水分摂取、脱水がひどい場合には点滴治療が必要となることがあります。

強い下痢止めは効きすぎて便秘になったり、病気の回復を遅らせることがあり処方しておりませんが、フェロベリン、タンニン酸アルブミンなどの緩やかに効く下痢止めは症状に応じて処方しております。

大切なこと

西宮市の中島クリニックではノロウイルスの簡易検査はおこなっておりません。理由があります。検査結果で治療方針が変わるときには検査が必要ですが、ノロウイルスの場合は検査結果が陽性でも陰性でも治療方針に変更はありません。患者さんの全身状態から判断して脱水予防を中心とする適切な対症療法となります。

逆にウイルスではなく細菌性胃腸炎が疑われる時には便培養検査、血液検査をおこなっております。特に火の通っていない鶏肉や牛肉を食べたあとの急性胃腸炎のように細菌(ばい菌)による食中毒が疑われる時は、原因菌を特定するために便培養検査、血液検査をおこなっています。培養結果で投与する抗菌薬の種類がかわります。場合によっては抗菌薬を投与しない方がよい場合もあり、その判断に便培養が必要です。全身状態がよければサルモネラ腸炎は抗菌薬投与せず対症療法の方が、抗菌薬を投与するより経過がよいことがあります。
胃腸炎の原因がウイルスか細菌(ばい菌)であるか、抗菌薬(抗生物質)が必要か不要かは大切な判断です。

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