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  • ダイエットは最初の1ヶ月がポイント|一気に体重を落とすべきか、ゆっくりと体重を落とすべきか

    糖尿病や高血圧、食事や運動による体重コントロールが効果的です。 病気の治療でなく、少しでもやせて、きれいになりたい、かっこよくなりたい、今年こそは夏に向けてダイエットすると心に決めたかたも多いでしょう。 ダイエットに関する、興味深い報告を紹介します。 ダイエットゆっくり体重を落とすのと、一気に体重を落とすのか、どちらが効果的か。 ■ゆるやかなダイエットと一気に体重を落とすダイエット比較 ダイエット、ゆっくり体重を落とす、一気に落とす、どちらが効果的でしょうか? ゆっくりと体重を落とした方が、リバウンドしづらくダイエットに成功する。 一気に体重を落とすと、リバウンドして、すぐにもとの体重にもどってします。 上記が私もふくめ、みんながもっているダイエットに対するイメージではないでしょうか。 診察の時も食事療法を頑張ります!と宣言する患者さんに、頑張り過ぎず、半年で体重3kgほど落とすのを目標に続けましょう、などと伝えていました。 この常識というかイメージを180度ひっくり返す報告があります。 一気に体重を落とした方が、ゆるやかに落とすより、ダイエットの効果が高いのです。 (Citation: Nackers LM et al. The association between rate of initial weight loss and long-term success in obesity treatment: does slow and steady win the race? Int J Behav Med. 2010 Sep;17(3):161-7) ■ゆっくりダイエット、中ぐらいダイエット、一気にダイエット比較 肥満女性(平均59.3才、BMI36.8)250人を減量スピードで、ゆっくり、中ぐらい、一気にの3群に分けて比較しています ・ゆっくりは0.23kg/週以下、月0.92kg以下・中ぐらい0.23~0.68kg/週・はやくは0.68kg/週以上、月2.72kg以上 最初の1ヶ月間の体重減で3グループに分けています。 最初の6ヶ月間、食事を中心にダイエット指導、その後12ヶ月間はケアプログラムのみで様子見。 はやくダイエットした人は、よういにリバウンドして体重は元の木阿弥。ゆっくりダイエットした人は、リバウンドせず、体重減維持。の結果とおもいきや。 結果は全く逆でした。 最初の1ヶ月にはやいペースで体重落としたグループが、6ヶ月後に一番体重減っていて、さらに1年半後もほとんどリバウンドせず体重が一番へっていました。 ゆっくり体重を落とした方が、リバウンドせずダイエットに成功するわけでもないようです。 最初の1ヶ月にグッと体重が落ちると、ダイエット頑張った効果が体感でき、その後の生活スタイルがよい方向にかわるのがダイエット成功のひけつなのでしょうか。 この報告で注目するべきは、6ヶ月のダイエット後の過ごし方です。面談、電話、手紙など何らかの方法で月2回、ダイエットをした方に連絡をとり続けています(ケアプログラム)。月2回の連絡が、ほとんどリバウンドせずにすごせた影の立役者だと思われます。 ごくごくシンプルにまとめるとすると、 ダイエットは最初1ヶ月とくに頑張る、 目に見えて体重減、 とにかく6ヶ月間ダイエット続ける、 その後は誰からでもでもいいので時々励まされながら、リバウンドしないように意識して生活ですね。 ■まとめ・ダイエットは最初に1ヶ月がポイント・最初の一ヶ月はやいペースで体重を落としたほうが、ダイエットに成功する

  • がん検診で陽性でも癌でない場合がある?|がんのホントの話。検査の感度、特異度、陽性的中率

    がん検診で陽性でも、がんでないことがあるこの現象を理屈っぽく説明してみる キーワードは感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率 先日のニュースで 「血液1滴から2時間で“がん13種を99%検出”できる検出技術」 マイクロRNA検出技術によるリキッドバイオプシーすごいです! 近い将来、診療、ドックなどで広く活用されることになりそうです 一つ留意しておきたいのは「がん検診で陽性でも、がんでないことがある」こんな不思議なことがおこりうることです。 これを理解するためには 感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率 これに加えて有病率の5つの関係を知っておく必要があります。 がん検診で陽性でも、がんでないことがあるこの現象を理屈っぽく説明してみることにします。 感度、特異度、という単語が出てくるだけで、退屈な学生時代の授業がフラッシュバックしてきそうですが、検査結果を正確に理解するたに役立つ知識です。もうすこしお付き合いください。 感度とは 感度、特異度ということがあります。 言葉のイメージ通りで、感度が高い。感度ということばはカメラのフイルムなどでも使われていいた言葉です。デジタル化がすすんで、もう写真をとるのにフィルムはつかわないですが。 フィルムの感度が高いというのは、光に対する反応がよく、暗いところでも写すことができるフィルムです。 これと同じように検査でいう感度は、病気に対する反応がよく(病気を見つける力が強い)ということです。 インフルエンザ検査で例えるとすれば発熱して病院に行くインフルエンザの検査をするときに感度が低いA検査キットでは、検査結果(-)でも、感度が高いBキットでは検査結果(+)になることがあります。 当然検査キットは感度が高い方がよいのです。 感度は、病気を病気とする力のことです。 感度90%の検査は、病気の人が100人いるときに検査をすると100x0.90(90%)=90人が陽性となります 感度99%の検査は、病気の人が100人いるときに検査をすると100x0.99(99%)=99人が陽性となります 感度90%の検査より99%の検査の方がよい結果です。 感度は高い方がよい指標感度が高いと、病気の「見落とし」が少ないということになります。 特異度とは 感度はなんとなく普段使う言葉のイメージ通りです。特異度は日常で使うことばではなく、イメージがつかめないと思います。 感度が、病気を病気と判定する力です。 その逆が特異度です。 正常を正常と判定する力です。 特異度が高いということは、正常なのに陽性と判断される「偽陽性」が少ないことをあらわします。 当然検査としては、特異度が高いほうがよい検査です。 よい検査方法とは 病気の見落としが少ない→感度が高い偽陽性が少ない→特異度が高い よい検査方法とは 感度が高くて、特異度が高い検査ということになります。 感度99%特異度99%の素晴らしい検査法を、陽性的中率、陰性的中率をキーワードに紐解いていく 先に大切なことを書いておきます。感度、特異度は有病率(検診を受けた集団がある病気をもっている割合)の影響をうけません。一方、陽性的中率、陰性的中率は有病率の影響を大きくうけます。 特に有病率の低い健康な人を対象とした検診の場合は、陽性的中率が下がりますがん検診で陽性でも、がんでないことがあるのです。 言葉にするとわかりづらいので表で説明していきます。 ある病気がすごく流行していて2人に1人が病気にかかっている。10000人中5000人が病気をもっていると仮定したとき。 スクリーニング検査感度99%特異度99%のすばらしい検査法とします 有病率50%のとき陽性的中率 病気あり 病気なし 合計 検査陽性 4950 50 5000 検査陰性 50 4950 5000 合計 5000 5000 10000 検査陽性と判断される人の数が5000人、そのうち4950人が本当に病気をもっていますので 陽性的中率4950/5000=99%となります。 一方、病気をもっていない5000人のうち、検査結果陰性が4950人 陰性的中率4950/5000=99%となります。 陽性的中率99%、陰性的中率99%と非常に良好な結果です。 有病率10%のとき陽性的中率 次に、病気をもっているのが10人に1人のとき 病気あり 病気なし 合計 検査陽性 990 90 1080 検査陰性 10 8910 8920 合計 1000 9000 10000 陽性的中率990/1080=92%陰性的中率8910/8920=99% 陽性的中率92%と少し下がります。 有病率1%のとき陽性的中率 さらに100人に1人しか病気をもっている方がいないとき 病気あり 病気なし 合計 検査陽性 99 99 198 検査陰性 1 9801 9802 合計 100 9900 10000 陽性的中率99/198=50%陰性的中率9801/9802=99% 陽性的中率が50%と急激にさがります。 この現象が「がん検診で陽性でも、がんでないことがある」起きる理由です。 あるスクリーニング検査で陽性と判断されたときに、それだけで判断せずより精密検査での判定が必要となります。 逆に陰性的中率(検査結果が陰性だったときに、病気がない確率)は有病率が高くても低くても99%以上と常に良好です。検査陰性なら、少し安心と理解していいでしょう。もちろん100%ではないので絶対ではありませんが。 同じ検査でスクリーニングしても、検査結果がどれぐらい当てになるか(陽性的中率)が大きく変化するのです。 図に書いて数値化すると、理解できると思いますが、直観的には理解しづらいことですよね。 まとめ 「感度99%特異度99%のすいご検査です」と聞くと99%の確率でがんが見つかり、しかも結果は絶対的に正しい印象をもつのではないでしょうか。この印象は半分正しく、半分ちがいます。 同じ検査をしても、スクリーニング検査を受ける集団の「有病率(病気をもっている割合が高いか低いか」により結果の判断がかわってくるという、不思議な現象がおきます。 検査結果がどれぐらい当てになるか(陽性的中率)は変化するのです。 羊水検査、がん検診、インフルエンザ検査などどんな検査でも、検査結果の解釈のしかたが重要です。なじみのない言葉ですが、感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率という言葉を知っておくと検査に対する理解を深めることができます。

  • 喘息でもあきらめる必要ありません、海外旅行|喘息治療吸入薬は機内に手荷物としてもちこむ

    喘息と海外旅行 喘息治療中の方から 飛行機に乗る時、喘息治療の吸入ポンプは機内に持ち込んでいいのでしょうか? 喘息を持っていますが飛行機乗っても大丈夫でしょうか? このような相談をうけることがあります。その疑問にお答えします。 Dr.中島のトラベルクリニック連載 「喘息でもあきらめる必要ありません」 発作が起きると、咳がでてゼーゼーする息苦しさを繰り返す喘息。日本では20人に1人、世界に3億人もいます。なかには、 もしもの時を考えて旅行をあきらめている人もいるのでは?喘息の人の不安にお答えします。 Q 喘息療養中です。飛行機に乗れますか? A 搭乗の可否を判断する目安は意外と緩やか。酸素吸入なしで50mを息切れせずに歩けて、症状もよくコントロールされていれば、搭乗可能です。 搭乗前に薬を増量する必要はありません。通常量で。 Q 長時間のフライト。機内に吸入薬を持ち込めますか? A 喘息吸入治療薬にはガスがつかわれていますけれど、機内持ち込みOKです。むしろ預けた荷物が紛失したり、到着地の空港へ手に持つが届かないこと(ロストバゲージ)も海外では多いので、必ず機内手荷物として持ち込んで下さい。透明なビニールパウチに入れるなど、航空会社どとに持ち込み方法は確認してください。 Q スイスの高山やマチュピチュの空中都市など、標高の高い場所に行っても大丈夫? A 私の診ている患者さんで、南米アンデス山脈の標高3000メートルを超すクスコを無事旅行してきた人もいます。コントロール状態がよければ、問題ありません。 体調を崩したとき、ほこり、環境変化で発作を起こした時の対処法を心得ておくのが大切です。 コントローラー(長期管理薬)と リリーバー(発作治療薬)を 正しく使い分けること、 発作時の内服薬(ステロイドホルモン)を準備しておくこと、 我慢せず医療機関にアクセスすることなどです。 Q 万一に備えて、持参した方がいいものは? A 服用薬の英語名と商品名の記録です。 商品名メプチン=Procaterol、 サルタノール=Salbutanol、 商品名シムビコート=Budesonide/Formoterol fumarate dihydrateなどです。 簡易呼吸機能検査ができるピークフローメーターも持参を。息を吹き込み、その速さを測る器具です。旅行前から基礎体温表をつえるようにピークフロー日誌をつけると、現地での変化に早く気づけます。現地医療機関での診療の手がかりになります。

  • 大腸ポリープ、胃ポリープ、胆嚢ポリープ。良性だけど取ったほうがいいのはどれ?

    「ポリープがあるって言われたのよ。」 我々、中年以降の友人や同僚同士の会話で、健康よもやま話の一つとして結構聞いたり言ったりするセリフですよね。 じゃあ、ポリープって何でしょう? 医学的にはざっくりと言えば 「粘膜から異常な細胞が増生してできる隆起」 と定義されます。 ただし、出来る臓器によってそのポリープの顔つき(細胞の種類)はだいぶ違うのです。 子宮頚管ポリープ、鼻茸(鼻にできるポリープ)、声帯ポリープ・・・身体の至る所にポリープはできますが、ここでは、消化器由来のポリープ、大腸・胃・胆嚢ポリープについて紹介します。 大腸ポリープ、カメラで取ってもらったよ、という方は周りにも結構いらっしゃると思いますが、胃のポリープ(生検ではなくて)取ったよ、とか胆嚢ポリープ取ったよという方には滅多に出会わないと思います。 なぜでしょう? 発生率の差、ももちろんあるでしょうがこの3つのポリープには大きな違いがあるのです。 胃のポリープ・胆嚢のポリープが癌化することは滅多とありません。 (無いわけではないのですが) しかし、大腸のポリープは切除することで癌化を阻止する重要な役割があります。 胆嚢ポリープとは ほとんどがコレステロールポリープというポリープに分類されます。 ポリープという名前は付いていますが、どろどろっとした胆汁が胆嚢壁にこびりつき、マクロファージという細胞がこれを掃除してできた、いわばコレステロールのカスがたまってできたゴミ山のようなものです。 なので、他のポリープのように細胞が増生してできたポリープとは厳密には異なります。 このタイプのポリープはきれいな球形で数ミリ程度、胆嚢壁に数個あることが多いです。 これらを放置しても癌化することはありませんのでポリープに対する治療は必要ありません。 もちろん、定期的に経過をみることや 脂肪分の多い食事の是正・高コレステロール血症 があればその治療などは必要に応じて行います。 また、少数ながら他のタイプのポリープや胆嚢癌の初期像の可能性はありますので、上記のような典型的なコレステロールポリープの画像でない、10mm以上と大きい場合は注意が必要です。 胃のポリープとは これも、よく胃のポリープがあったとは聞くものの、切除した、という方はあまり聞かないのではと思います。 胃のポリープは病理学的に大きく 胃底腺ポリープと過形成性ポリープ という2種類に分けることが出来ます。 胃底腺ポリープがあった場合は、確認目的に一部をつまんで顕微鏡でみてもらう(生検)をすることはあっても 切除をすることはまずありません。 胃底腺ポリープは、(議論の余地はあるものの)胃の分泌腺の細胞が異常増殖してできる隆起です。 胃カメラでは、半球形で表面がつるんとしたφ5mm前後のものが多く見られます。 多発することも多く、何十個とできることもたまにあります。 滅多にない、よりは多いです。たまに、おられます。 このポリープはピロリ菌の感染していない胃粘膜にできる事がわかっていて、昔は私の上司は 「幸せのポリープ」 なんて呼んでました。 今ほど、健診でピロリ菌を調べたり、慢性胃炎があるだけで保険でピロリ菌が調べられる時代でもありませんでしたので、このポリープがあればピロリ菌はまずいないから安心、だったわけですね。 ピロリ菌感染が胃癌を引き起こすリスクをあげることは昨今、テレビなどでもよく取り上げられていますが、それはまた別コラムに譲るとして、 要は、このポリープは癌とは関係ないので「幸せのポリープ」なんて呼ばれていたのです。 厳密には症例報告レベルで癌化はあり得るのですが、基本的に癌化しないと考えていただいて結構です。 一方、過形成性ポリープ。 こちらは、ピロリ菌感染に伴い生じてくるポリープです。 胃カメラでは、赤みのあるブロッコリーのようにブツブツ・もりもりっとした隆起が特徴です。 こちらは胃底腺ポリープよりは癌化率が高いのですが、それでも2cm以下のポリープではほぼ心配がありません。 また、不思議なことに、ピロリ菌の除菌に成功すると過形成性ポリープはだんだんと小さくなり消えてしまうことが多いため、ポリープがあっても切除せずにまず除菌をすることが多いです。 ただし、2-3cmの大きなポリープで癌化を疑う時や、胃に入った食べ物でこすれて慢性的な出血を起こし、貧血の原因となっている場合は胃カメラから道具を用いて切除を行います。 ピロリ菌除菌の広まってきた最近では切除する必要のあるポリープに出会うことは稀です。 大腸ポリープとは これは小さくても要注意です。 なぜなら胃や胆嚢のポリープと違って、今は良性のポリープであっても将来的に癌化する可能性があるからです。 大腸ポリープの癌化については、別コラムで詳細をお話する予定です。 ここでは、消化器内視鏡学会のガイドラインを軽く引用するにとどめます。 ガイドライン上は、径6mmを超えるものは将来の癌化、もしくは既に顕微鏡レベルで一部癌の成分のある可能性があるため切除が望ましいとなっています。 といっても、実際は径10mm以下のポリープで癌化しているものに出会うことは非常に稀ですのでむやみに不安になる必要はありません。 5mm以下のポリープをどうするのか(切除するのか、数年後に様子をみるのか)は、施設によって対応が違うと思いますので、こちらも別コラムで述べさせていただきますね。 当院では基本的に切除を行っております。 また、大腸ポリープは数個同時にできたり、数年後にまた別の場所にできたり・・・ということがよくありますので定期的な大腸カメラ検査が欠かせません。 今回のポイント 胃・胆嚢ポリープがあると言われてもそこまで心配することはない。大腸ポリープは、今は良性であっても定期的に検査もしくは大きさによっては切除をしてもらったほうがよい。 ポリープと一言にいっても、色々です。

  • 自分で大腸カメラを操作、自分自身に大腸内視鏡検査を施行、座った姿勢が一番痛くないことを発見|これこそまさにイグ・ノーベル賞受賞にふさわしい研究だよ

    2018年のイグ・ノーベル賞が発表され、昭和伊南総合病院、堀内朗先生が受賞されたニュースの報道がありました。内視鏡を専門とする私には、衝撃的なニュースです。自分で自分に大腸カメラをするという発想への畏敬の念です。 ■イグ・ノーベル賞とは イグ・ノーベル賞ご存じでしょうか 人を笑わせ、考えさせる研究に贈られる賞です。文字通りノーベル賞のパロディーです。 「イグ」は英語のignobleから取っています。 ignobleはnoble(気高い、崇高な)の反対の意味をもつ形容詞です。考え・行為などが恥ずべき、不名誉なをあらわす言葉がignobleです。 過去にも多数の研究で日本人が受賞しています。犬の言葉を翻訳するおもちゃ「バウリンガル」の開発、わさびのにおいを使った火災報知器の開発などです。昨年は天橋立のまたのぞきの研究でした。 まさに、人を笑わせ、考えさせる研究に贈られる賞がイグ・ノーベル賞です。 ■自分で大腸カメラを操作、自分自身の大腸内視鏡検査は可能なのか そういえば、バナナを踏んでつるっと滑り人がこけそうになる、抵抗を測定した研究の受賞もありました。人を笑わせ、考えさせる研究に贈られる賞がイグ・ノーベル賞です。 今年のイグ・ノーベル賞はほんとスゴイです。内視鏡を専門とする私からするとイグ・ノーベル賞でなくノーベル賞の間違い?ではないかと感じるぐらいのインパクトです。 朝日新聞デジタルの見出し 座って大腸検査「苦痛少ない」自ら試しイグ・ノーベル賞 (citaton: https://www.asahi.com) 内視鏡をする医師たちの間でたびたび話題になるのが、胃カメラは自分で自分にできるのだろうか、大腸カメラは自分で自分にできるのだろうか、です。 胃カメラを自分で操作して、自分自身の検査をすることはそんなに難しいことではありません。 一方大腸カメラは、操作が複雑で自分自身の検査を行うのは無理だろうというのが、内視鏡をする医師のほぼ共通見解です。 自分自身のお尻からカメラを挿入して、左手で左右上下の内視鏡操作を行い、同時に右手で内視鏡を左右にトルクをかけて前進させる、とても出来そうにない動作です。 **内視鏡センターの**先生は大腸カメラを自身にしたらしい、などいううわさは聞いたりしたことはありましたが。都市伝説レベルのうわさ話でした。 ■自分で大腸カメラを操作、自分自身の大腸内視鏡検査を施行することは可能 大腸カメラ検査を自身で行うことは、ほぼ無理だろうと専門家のあいだで考えられていたのですが、この常識を覆すニュースが飛び込んできました。、 朝日新聞デジタルにイグ・ノーベル賞受賞ニュースの詳細にこのように書かれています。 『米消化器内視鏡学会誌に体験談を発表。腸内をきれいにする前処置をした上で、右手で内視鏡の端をつまんで肛門に挿入しながら、左手でカメラを動かすつまみを操作。モニターに映し出された自分の腸内を見つめる姿をイラスト付きで紹介した』 衝撃的なニュースです。大腸カメラ自身に施行することは可能だったのです。しかも体験談を学会誌に発表するスゴさ。 人を笑わせ、考えさせらえるイグ・ノーベル賞にふさわし過ぎる研究です。 内視鏡を専門とする医師の永遠の命題?、自身に大腸内視鏡検査ができるかどうかに終止符が打たれました。どうやら自身で大腸内視鏡検査できるようです。

  • 過敏性腸症候群IBSと便中カルプロテクチン値の関係

    昨年末から(2017年12月)日本でも、 便中カルプロテクチンが測定できるようになりました。 潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の状態を便をしらべることでチェックできます。 カルプロテクチンの特徴 カルプロテクチンは、 便を採って測定する簡便な検査です。 好中球から分泌されるカルシウム結合タンパク質でです。 好中球の腸管への移行に比例してカルプロテクチン値が上昇します、 腸に炎症があると上昇します。 腸管の炎症鋭敏な数値で、 潰瘍性大腸炎など腸にキズが出来る病気が 落ち着いていれば低下 炎症が強ければ上昇 さらに、 潰瘍性大腸炎が悪化する前にも、値が高くなる特徴があります。 落ち着いていたカルプロテクチンの値が急に上がったときには、 食事内容など生活を改善して潰瘍性大腸炎が悪化することを予防したり 薬を増量して再燃を未然に防ぐなど、 治療に有用です。 カルプロテクチンの値は240μg/g未満が、基準値です 過敏性腸疾患と炎症性腸疾患の区別、カルプロテクチン値の関係 保険診療の適応は「慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病等)の診断補助又は潰瘍性大腸炎の病態把握」です。 潰瘍性大腸炎やクローン病等以外には、保険診療でカルプロテクチンを測定できません。 過敏性腸疾患(IBS)とカルプロテクチンの話は、研究レベルの話です。過敏性腸疾患(IBS)に対して保険診療でカルプロテクチン測定は出来ませんのでご留意ください。 海外では、 潰瘍性大腸炎と過敏性腸症候群を鑑別(どちかの病気か判断)するのに カルプロテクチンが活用できないか 研究されています。 (参考記事)カルプロテクチンによる、大腸カメラを極力しない試み|潰瘍性大腸炎と過敏性腸症候群の鑑別 潰瘍性大腸炎か過敏性腸症候群判断つかない時 便カルプロテクチン測定して ・カルプロテクチン 150μg/g以上 大腸内視鏡(大腸カメラ)で精密検査 という診断アルゴリズム(診断手順)を提唱している方もあります。 内視鏡技術が発達していない国、 医療費が高すぎて大腸カメラを容易に受けられない国 ではカルプロテクチンをまず測定するのも 診断手順として、あり、かもしれません。 潰瘍性大腸炎か過敏性腸症候群の区別は、 大腸カメラで腸を直接調べれば分かることですので、 わざわざカルプロテクチンの値で判断する必要は 日本においてはありません。 大腸カメラで確認でよいでしょう。 過敏性腸症候群でもカルプロテクチンは軽度上昇 過敏性腸症候群は 便秘や下痢を繰り返す、 腸の動きが過敏になりすぎる病気です。 腸の粘膜にキズ(潰瘍)ができる、潰瘍性大腸炎やクローン病とちがい、粘膜は正常です。 粘膜が正常である、 腸の動き(蠕動)に異常がある 過敏性腸症候群では、 カルプロテクチンは正常だと思っておりました。 この報告をみるかぎりは、そうでもなさそうです。 (CitationMelchior C et al. Does calprotectin level identify a subgroup among patients suffering from irritable bowel syndrome? Results of a prospective study. United European Gastroenterol J. 2017 Mar;5(2):261-269.) 正常な方がカルプロテクチン値 20μg/g前後過敏性腸症候群では 50μg/g前後 基準値が240μg/g以下ですので、基準範囲内ではありますが、過敏性腸症候群でやや高めの数値を呈しています。 ときどき、過敏性腸炎の方で、明らかな病気はないものの、ちょっとだけあれているところ(非特異的な発赤)が散在していることがあります。 このようなごく軽度の炎症が、カルプロテクチンが少し高めの数値を呈している原因でしょう。 まとめ ・便中カルプロテクチンは炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の病状把握に有用・過敏性腸疾患では、カルプロテクチンの値が基準範囲ないであるが、やや高めを呈する

  • 経口骨粗鬆症薬で食道がんリスクが高くなる|ビスホスホネート製剤を長期服用している人は、胃カメラで食道チェック

    食道がんのリスクとして、悪名高いのは、お酒とタバコです。とくにアルコール度数が高いお酒。 ウオッカなどは直接食道粘膜を刺激、障害して食道がんの要因となります。要注意です。 お酒をのんで顔が赤くなる「フラッシャー」は食道がんハイリスク お酒を飲んだら顔が赤くなる人は要注意です。アルコールを飲むと脱水素酵素により、体内にアセトアルデヒドが蓄積します。アセトアルデヒドを分解する酵素であるアルデヒド脱水素酵素が強い弱いでお酒に強い弱いがきまります。アルデヒド脱水素酵素が弱い人は、アセトアルデヒドを分解する力が弱く、お酒をのむと動悸がしたり、顔があかくなったりします。 お酒を飲んで顔があかくなる人、「フラッシャー」は食道がんのリスクが高いことがわかっています。 ビスホスホネート系薬剤とは ビスホスホネート系薬剤は、骨を破壊する細胞(破骨細胞)の働きをおさえる薬です。骨は再生と破骨を繰り返してバランスをとっています、破骨を抑えて、骨をつよくする、骨粗鬆薬です。 骨粗鬆症の治療薬として有用な薬剤で、多くのかたが服用されています。毎日飲む製剤、週に1回の製剤、4週に1回の製剤などがあります。 ビスホスホネート系薬剤は服用方法が、他の薬と違い特徴的です。朝起きた時に(食事の前に)服用。コップ1杯ほど(約180ml)の多めの水で服用。薬が食道にのこらないように、薬を飲んだ後30分は横になないようにするひつようがあります。 服用方法が特殊であるため、十分な効果を得るためまた、副作用をおさえるために、正しい飲み方がひつようです。 経口ビスホスホネートには、ボナロン、ホサマック、ダイドロネル、ボノテオ、リカルボン、アクトネル、ベネット 特許が切れてジェネリック(後発品)としては、アレドロンサン錠(フォサマック、ボナロンのジェネリック)、リセドロン酸Na錠(アクトネル、ベネットのジェネリック)などがあります。 経口骨粗鬆症薬と食道がんの関係 骨粗鬆症薬と食道がん、全く関係なさそうなのですが、関連があることがわかってきています。 (Citation:Green J et al. Oral bisphosphonates and risk of cancer of oesophagus, stomach, and colorectum: case-control analysis within a UK primary care cohort.BMJ. 2010 Sep 1;341:c4444. doi: 10.1136/bmj.c4444.) 2010年にBMJに報告されたケースコントロール研究で大規模な症例数からの最初の報告です。 経口ビスホスホネート製剤を服用している人は、服用していない人と比べ1.30倍食道癌が多かったのです。(95%CI 1.02~1.66)。 食道、胃、大腸それぞれの癌と経口ビスホスホネート製剤の関連を調べても、食道癌だけが相対危険度増多、胃がん、大腸がんは駅強ありませんでした。 BMJに掲載された論文はカルテからデータを抽出しており、処方箋枚数での、食道がんリスクも調べています。 処方箋枚数 1-9枚 相対危険度 0.93 10枚以上 相対危険度 1.93 1処方箋あたりの処方期間はまちまちですが、1処方箋約1ヶ月とするとビスホスホネート系薬剤を1年以上服用で食道がんリスクが高まることになります。 さらに、経口ビスホスホネート製剤の服用している期間にも比例して相対リスクは高まっています。 1年未満の服用 相対危険度0.98 1年から3年 相対危険度1.12 3年以上 相対危険度2.24 経口骨粗鬆症薬(ビスホスホネート製剤)でなぜ食道癌が増えるのかメカニズムは不明ですが、同じ消化管である胃がん大腸がんは増えないことから考えると、食道へのビスホスホネートの直接刺が食道がんのリスクファクターとなっているようです。 ビスホスホネート製剤服用は、服用後30分の起座(横にならない)指導を遵守していくことが大切です。服用方法遵守とともに必要なことは、1年以上長期間経口ビスホスホネート服用中の方は胃カメラによる食道の定期的な検診です。 まとめ ・経口骨粗鬆症薬(ビスホスホネート製剤)食道がんのリスク高まる ・正しい服用、服用後少なくとも30分は横にならずに過ごすことの厳守 ・胃カメラでの定期的な検診(食道がんスクリーニング)

  • 苦しくない大腸検査 負担の少ない前処置方法の模索

    ライフスタイルの変化によって、大腸がんが近年急増してきています。男性では肺がん、胃がんに次いで、がん死因の第3位、女性では大腸がんは1位となっています。 早期発見のために大腸内視鏡検査を受けることが大切ではあるのですが、辛い検査の代表のように思われている風潮もあり、受けることへの精神的な敷居がやや高い検査であるもの事実かもしれません 大腸検査について検索したら、やはりありました、こんなコメント 「大腸の内視鏡検査はお産よりつらいって本当ですか?」 ネット上の質問に対して、こんなコメントも 「辛いのは、検査前に腸の中を出し切らないといけない事ぐらいかなぁ」 「2リットルの下剤を飲むのはちょっと大変でしたが(味がいまひとつ)、検査そのものはあっさりと終わりました」」 そうなんです。検査がお産よりつらいことはあり得ないですし、複雑な癒着などがある場合を除いて痛い検査でもないんです。これに関しては大腸カメラ挿入手技、術者などに依存する要素がやや大きいのですが。 いずれにしても、大腸内視鏡は、世間で言われている100倍ぐらい楽な検査です。 1点だけ避けられない、ややしんどい準備過程があります。 大腸検査前に腸をからっぽにするために飲む下剤です。 この避けられない準備過程を少しでも楽にするために、中島クリニックでは、さまざまな方法で検査準備をしてきました。 ニフレック 最初はニフレック2リットル服用でした。当時はこれが標準的な大腸検査前の準備方法でした。味がまずいのが最大の難点でしょうか。便秘が強い人などでは、ニフレックだけでは前処置が不十分な時がありました。 ニフレック+前日眠前ラキソベロン ニフレックだけだと前処置不十分なときがあり、改善するために検査前日にラキソベロン(下剤)併用しました。 ラキソベロン追加のおかけげ、前処置良好なのが特徴です。しかし、検査前日にラキソベロン(下剤)の影響で夜中何度もトイレ通いすることがあるのが難点でした。 ビジクリア(錠剤) 味がまずいニフレックの代わりに錠剤であるビジクリアへ前処置法に変えた時期があります。錠剤なので味はなく飲みやすいのが最大のメリットでした。 大腸に結晶セルロース残が多く、視野を確保するためにセルロースを内視鏡で吸引して取り除く必要があるのが難点でした(今は製品が改良され水溶性セルロースとなり、前処置良好です)。 若い方からは錠剤は好評だったのですが、高齢の方からは錠剤が飲みにくいとの声があったのが難点でしょうか。ちなみに検査準備のために服用する錠剤は「50錠」です。 マグコロールP +前日眠前ラキソベロン ニフレックにかわって前処置に使ったのがマグコロールPです。マグコロールPはスポーツドリンクのような爽やかな味で飲みやすいのが最大の特徴です。飲みやすい上に、前処置も良好です。眠前ラキソベロンの影響で夜中に何度もトイレ通いすることがあるのが唯一の難点です。 マグコロールP +前日眠前ラキソベロン、は飲みやすい上に、前処置効果も十分であり、この方法を標準的に使ってきました。 マグコロールP +前日眠前ラキソベロンは素晴らしい前処置方法なのですが、唯一の難点が、前日眠前に服用するラキソベロン(下剤)です。眠前にのむ下剤の影響で、夜中何度もトイレに行くため睡眠不足になってしまうのです。 少しでも患者さんの負担を減らせるよう、「眠前ラキソベロンなし」で、良好な前処置が得られる方法を確立したいと思い取り組んできました。 その思いを形にしたのが、日本大腸検査学会誌に受理掲載された論文「クエン酸マグネシウム等張液(マグコロールP)とポリエチレングリコール高張液(モビプレップ配合内用剤)の大腸内視鏡検査前処置効果のランダム化比較および各薬剤の特性検討」です。

  • 便がスムーズにでる姿勢「ロダンの考える人」

    おはようございます。中島クリニック院長 中島敏雄です。 【質問】 便秘で困っています。何かよい方法ありますでしょうか? 【答え】 便がスムーズにでる姿勢を紹介します。キーワードは『足台』と『ロダンの考える人の姿勢』です。膝をまげて、少し前かがみの姿勢。足台に足を置いて膝を深く曲げる。これがスムーズにするっと便が出やすくなる理想の姿勢です。前屈みの姿勢が理想の排便姿勢なのです。おしりと直腸(おしりから入ってすぐの腸)は真っ直ぐ姿勢を正していると、おしりと直腸が鋭角に折れ曲がっています。まっすぐな姿勢ではいきんでもなかなか便は出ません。前かがみの姿勢になると緩んで出やすくなるのです。さらにこの角度を緩めるために足台をつかうと効果的です。ロダンの考える人のように少し前屈みの姿勢。そして足台を使ってかがむ姿勢を深くする。ちょっとした工夫。効果あります。トイレでいきむ時間が短くなり残便感も減ります。ロダンの考える人の姿勢 ↓↓↓ 写真と詳しい説明をリンク先に書きました。よろしければどうぞ。 https://www.nakajima-clinic.com/column/3073/ 今日もスッキリ快便。今日も素敵な一日でありますように。 中島クリニック(内科、消化器内科、胃カメラ、大腸カメラ) https://www.nakajima-clinic.com/

  • 【質問】毎日決まった時間に寝られません。10時に寝たり深夜1時過ぎに寝たり、私の寝る時間はバラバラです。

    おはようございます。中島クリニック院長の中島敏雄です。 【質問】 毎日決まった時間に寝られません。10時に寝たり深夜1時過ぎに寝たり、私の寝る時間はバラバラです。 【ワンポイントアドバイス】 寝る時間を気にしなくても大丈夫です。大切なのは、起きる時間を一定に保つことです。毎朝同じ時間に起きることを心がけると、自然と寝る時間も安定してきます。 週末も例外ではありません。週末に寝坊しないようにすることが重要です。週末だからといって長く寝ると、体内時計が狂い、平日のリズムも崩れてしまいます。週末にかためて寝る。寝だめはリズムを崩し逆効果です。週末も平日と同じ時間に起きるようにしましょう。「起きる時間を一定にする」シンプルですが効果的です。 私はスマホの目覚まし時計で毎朝起きています。そして、日曜日も同じ時間にセットしています。週末も寝坊せず、10年以上平日と同じ時間に起きるようにしています。この生活習慣のおかげで深い睡眠がとれて、毎朝さわやかなめざめを体感できています。ぜひ試してみてください。 今日も素敵な一日でありますように。中島クリニック(内科、消化器内科、胃カメラ、大腸カメラ) https://www.nakajima-clinic.com/

  • 超加工食品とは。日常でとりくめる食事の工夫。

    おはようございます。中島クリニック院長 中島敏雄です。超加工食品という言葉を聞いたことがありますでしょうか。超+加工+食品。なんどなくイメージがわくような、わかないような言葉ですね。 【質問】 超加工食品とは何ですか? 【答え】 超加工食品とは、糖分、塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品のことです。 具体的には清涼飲料や炭酸飲料、ポテトチップスなどのスナック菓子、菓子パン、インスタント食品、ケーキ、クッキー、ドーナツ、ミートボール、チキンナゲットなどです。美味しいものばかりですね。 これらの食品は、硬化油、添加糖、香味料、乳化剤、保存料などの添加物を付与して、工業的な過程で製造され、常温でも保存できる特徴があります。美味しくて便利な一方で、糖分や塩分が多く含まれています。食べ過ぎないように注意する必要があります。 日常生活でできる工夫としておやつをケーキやクッキーをヨーグルトや果物にかえてみる。お腹すいたときに食べる菓子パンやカップ麺などをおにぎりにする。食べるものや食べる量を少し変えるだけで、生活習慣病のリスクを軽減することができます。一度見直してみてはいかがでしょうか。 今日も素敵な一日でありますように。中島クリニック(内科、消化器内科、胃カメラ、大腸カメラ) https://www.nakajima-clinic.com/

  • 鼻からの胃カメラと口からの胃カメラの違い

    胃カメラを受ける際に、口から入れる方法と鼻から入れる方法のどちらが楽なのか悩んだことはありませんか?口から入れると気持ち悪くて吐き気を感じることが多い一方で、鼻から入れると痛みが心配ですよね。胃カメラにはこの2つの方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。 この記事では、鼻から入れる胃カメラと口から入れる胃カメラの違いについて詳しく解説します。胃カメラを受ける予定がある方や医師から鼻から入れる方法を提案された方は、ぜひ参考にしてください。 胃カメラとは 胃カメラ、正式には上部消化管内視鏡検査は、食道、胃、十二指腸を観察するための検査です。口や鼻から細いカメラを挿入し、内部の状態を直接見られます。この検査は、胸焼けや腹痛、食欲不振、貧血などの原因を調べるために行われます。 検査の準備として、前日の夕食後から絶食しないといけません。水分摂取は水のみ可能です。検査当日は、のどや鼻の麻酔を行い、必要に応じて鎮静剤を使用します。検査は通常5〜10分程度で終了します。 検査後は、飲食の再開や運動について医師の指示に従ってください。組織を採取した場合は、激しい運動や刺激の強い食事を避けましょう。検査の結果は後日説明がありますが、異常が見つかった場合は、さらに詳しい検査や治療が行われることがあります。 鼻からの胃カメラとは 上部消化管内視鏡検査は、通常、口から内視鏡を挿入して行います。この方法では、内視鏡が舌の付け根を通るため、吐き気を感じることがあります。しかし、技術の進歩により、内視鏡が細くなり、鼻から挿入する方法も可能になりました。この方法では、内視鏡が舌の付け根を通らないため、吐き気を感じにくく、検査時の負担が軽減できます。 しかし、全ての人に適しているわけではありません。たとえば、鼻づまりがひどい方や、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の方は、この検査が難しい場合があります。鼻の粘膜が腫れていると、内視鏡が通りにくくなります。 また、鼻の構造がもともと曲がっている方も注意が必要です。鼻中隔湾曲症という状態で、鼻の中が狭くなっているため、内視鏡が通りにくく、痛みを感じることがあります。これは、内視鏡が鼻の中で動く際に、強く接触してしまうことが原因です。 鼻からの胃カメラの強み 検査による不快が少ない 検査中も会話ができる 心肺機能への負担が少ない 鎮静剤なしでも検査ができる 鼻からの胃カメラ検査は、吐き気が少なく、呼吸がしやすく、コミュニケーションも取りやすいというメリットがあります。直径が細いため画像は口からの胃カメラに劣ります。ただし、最近の経鼻内視鏡は画質や解像度が大幅に向上しており、口からの胃カメラと同等の画像が得られるようになりました。 検査による不快が少ない この方法の大きな利点は、検査中の不快感が少ないことです。内視鏡が細いため、喉の奥に触れることが少なく、吐き気や不快感が軽減されます。 検査中も会話ができる 鼻からの方法だとマウスピースの使用も必要がなく口が自由に使えるため、医師や看護師と会話しながら検査を進められます。もし痛みや不快感を感じた場合も、すぐに伝えられるため安心です。 心肺機能への負担が少ない 鼻から入れた場合、口で呼吸ができるため、検査中でも深呼吸ができリラックスできます。口から入れる場合は鼻でしか呼吸できないため、息苦しさを感じることがあるかもしれません。また、心拍数や血圧の変動が少ないため、心肺機能への負担も軽減できます。 鎮静剤なしでも検査ができる 鼻からの胃カメラは、鎮静剤で眠るのが怖い方に向いています。口からの胃カメラでは、吐き気などの不快感を軽減するために鎮静剤や麻酔を使用することがあります。それに対して鼻からの胃カメラは痛みや反射が少ないため、検査前に鼻腔に十分な麻酔を行うことで鎮静剤を使用せずに検査を行うことも可能です。 鎮静剤を使用しない場合には副作用の心配がなく、検査後にふらつきや注意力の低下といった影響もありません。鎮静剤を使用する場合、検査当日は自動車やバイクの運転が禁止になりますが、その必要がなく、検査後すぐに説明を受けて帰宅できる点も大きな強みです。ただし、鼻からの胃カメラでも鎮静剤の使用はできます。希望される場合はご相談ください。 口から胃カメラの強み 観察性能が高い 様々な処置が可能 短時間で終わる 経口内視鏡検査は直径が大きい分、操作性の良さ、高い観察性能と処置するための機能が備わっているため、病変の早期発見や治療に有効です。 観察性能が高い 通常より太めのスコープを使用するためカメラの性能が高く、鮮明な画質で内部を観察できます。病変をしっかりと捉えられ、より正確な診断が可能です。また、拡大機能がついているため、病変を拡大して観察ができ、良性か悪性かの判断がしやすくなります。 様々な処置が可能 口からの胃カメラでは、さまざまな処置が行えるのが特徴です。吸引口が大きいため、水などを効率よく吸い取れます。また、生検時に使用する道具を通す部分も広く、送水機能がついている機種もあります。これにより、病変の組織を採取する生検や、ポリープや早期胃がんの切除、出血があった場合の止血処置などが可能です。 短時間で終わる 検査を行う側にとって、器具の取り扱いが簡単で状態の観察がしやすいため、処置がスムーズに進みます。鼻から胃カメラをする場合より、検査が短時間で完了することがほとんどです。ただし、鎮静剤を使った場合には、検査後に一定の休息時間が必要になります。 鼻からの胃カメラと口からの胃カメラの違いのまとめ カメラの太さ 口からの胃カメラ 鼻からの胃カメラ 直径 8~9mm 5~6mm 検査にかかる時間 口からの胃カメラ 鼻からの胃カメラ 5~10分 10分~15分 会話 口からの胃カメラ 鼻からの胃カメラ 会話は出来ない 会話ができる 検査による苦痛 口からの胃カメラ 鼻からの胃カメラ 吐き気や痛み、息苦しさを感じる可能性がある 吐き気や痛みが少ない 注意点 口からの胃カメラ 鼻からの胃カメラ 鼻で呼吸する必要がある 鼻腔が狭いと通らない(女性は注意) 観察しやすい場所 口からの胃カメラ 鼻からの胃カメラ 上咽頭が観察できる 咽頭・喉頭が観察しやすい 上咽頭が観察できない 操作性 口からの胃カメラ 鼻からの胃カメラ 操作性がよい 口からのカメラに劣る 画像 口からの胃カメラ 鼻からの胃カメラ カメラの性能が良く画質がきれい 拡大観察機能がある 口からのカメラに劣る (技術の進歩により同等のものが出てきた) 処置 口からの胃カメラ 鼻からの胃カメラ 生検、ポリープや早期胃がんの切除、 止血処置などが可能 止血処置などが可能生検は可能 ポリープやがんの切除などはできない 検査による合併症 口からの胃カメラ 鼻からの胃カメラ 生検、ポリープや早期胃がんの切除、止血処置などが可能 止血処置などが可能生検は可能ポリープやがんの切除などはできない 鼻からの胃カメラの検査時間 口からの胃カメラ検査 口からの胃カメラ検査は、通常5分程度で終わります。口からの検査は、カメラが太くて幅広いため短時間で詳細な検査が可能です。ただし、苦痛を伴うことが多いと言われています。 鼻からの胃カメラ検査 一方、鼻からの胃カメラ検査は、通常10分から15分程度かかります。これは、カメラが細くて柔らかいため、操作が難しく時間がかかることが理由です。また、鼻からのカメラは吸水口が小さいため、胃を洗浄する際の効率が低く、さらに時間がかかることがあります。 検査中に異常が見つかった場合、組織の一部を取って病理検査を行ったり、内視鏡で止血や切除などの治療を行うことがあります。これらの処置が必要な場合、鼻からの胃カメラ検査は検査時間がさらにかかるかもしれません。 前処置にかかる時間にも違いがあり、口からの内視鏡検査では、のどの麻酔が約2分で完了します。一方、鼻からの内視鏡検査では、鼻腔を広げる薬も使用するため、約5分必要です。 当院の胃カメラについて 口からのカメラに比べて経鼻かめらはカメラが細く えづきが少ないために圧倒的に楽です。 15年前に経鼻カメラが開発された当初はカメラが細いために口からのカメラに比べて画質が低いデメリットがありました。 しかし、その後技術の劇的な進歩により、経鼻カメラもハイビジョンの画質となり、現在では画質的に経鼻と経口同じレベルになりました。 最新の経鼻カメラは細くてえづきづらい、そして解像度が高い精密な検査ができるようになりました。当院で導入している経鼻カメラは大学病院や癌センターでも導入されているハイエンドの機械です。口からのカメラに比べえづきづらい、楽に検査を受けることができる経鼻カメラですが、検査に対する不安感は多かれ少なかれあるものです。 そこで当院では「意識下鎮静法」という方法をで検査を行っております。 鎮静剤を併用して検査することで、うとうとと昼寝をしているような状態で恐怖心をもつことなく検査をうけていただくことができます。鎮静剤の効果は個人差がありますので、昼寝のように寝てしまうかたから、少し眠気を感じる程度の型まであります。鎮静剤をもちいることで、検査に対する恐怖心がなくなり、楽に検査をうけていただけます。 当院では「経鼻カメラ」「意識下鎮静法」の両方を組み合わせることで、えづきや反射などの少なく楽な、そして検査に対する不安感もなく受けていただけるようにしています。 経験豊富な内視鏡専門医が施行する、楽で精密な検査をこころがけております。 胃カメラ関連動画

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