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お腹がポコポコ鳴るのは病気の前触れ?消化器の専門医が語る原因と対策

  • たかの
  • 9月16日
  • 読了時間: 6分

更新日:9月19日

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お腹から鳴る音が気になる人が増えている理由


日常生活の中でふと気になる「お腹がポコポコ鳴る音」。空腹時に限らず、会議中や通勤中などの静かな場面で突然鳴り響くと、恥ずかしさや不安を感じる方も多いのではないでしょうか。実際に、当院を受診される患者さまの中にも「お腹の音が気になって生活に支障が出ている」とご相談いただくケースが増えています。このような音は、一見すると些細な現象ですが、背景には腸の動きやガスの発生といった生理的なプロセスが関係しており、場合によっては消化器疾患の兆候であることもあります。



なぜ腸がポコポコ音を立てるのか?生理的な仕組みを解説


お腹の中で鳴る「ポコポコ」という音は、医学的には腸管運動(ぜん動運動)によるものとされています。食べ物や飲み物が胃から小腸、大腸へと運ばれる際、腸が収縮して内容物を移動させます。この動きが腸内にある空気や液体と相互作用することで、音が発生します。また、食物が腸内細菌によって発酵・分解される過程でもガスが発生し、それが腸内を移動する際にも音が生じることがあります。これは生理的な現象であり、健康な人でも日常的に起こることです。


お腹が張って苦しい!ガスが溜まるのはなぜ?


「お腹が張って苦しい」「ガスが抜けにくい」と感じる方は多く、これは腸内にガスが過剰に溜まっている状態です。通常、腸内のガスは自然と排出されますが、何らかの要因でそのバランスが崩れると、ガスの溜まりやすさが増し、ポコポコという音や腹部膨満感を引き起こします。



お腹にガスが溜まる主な2つの原因


腸内でのガスの過剰発生

食事の内容や腸内環境の乱れによって、腸内でガスが通常以上に発生することがあります。特に炭水化物や食物繊維の多い食品、人工甘味料などは腸内細菌によって発酵されやすく、大量のガスを発生させる原因となります。


腸内のガスの排出量の低下

排便習慣の乱れや便秘、ストレスによる腸の動きの低下などにより、腸内に溜まったガスがスムーズに排出されないことがあります。腸の運動が鈍くなると、ガスが停滞しやすくなり、腸管内で音を発する原因にもなります。




お腹がポコポコ鳴るのもガスのせい?


腸内のガスは腸の動きに伴って移動するため、その過程で空気や液体がぶつかり合い、「ポコポコ」「ゴロゴロ」といった音が発生します。特に、ガスが多くなっている状態や腸の動きが過剰・不安定になっている状態では、音が目立ちやすくなります。




お腹にガスが溜まっている場合に考えられる病気


ガスの溜まりやすさや腸の音が目立つ場合、以下のような消化器疾患が関連していることがあります。


過敏性腸症候群(IBS)

ストレスなどが原因で腸の動きが過敏になる病気で、ガスの滞留や腹部膨満、下痢・便秘を伴うことがあります。症状に応じて、整腸剤、下痢止め、便秘薬、抗不安薬などが処方されます。過敏性腸症候群は治療法が確立している病気なので、個々の症状や体質に合わせて合った薬を見つけていくことが重要です。


大腸がん

初期症状が少ないことが多い大腸がんですが、腸の狭窄によってガスが停滞し、腹部の違和感や音として現れることもあります。


潰瘍性大腸炎・クローン病

いずれも炎症性腸疾患に分類され、腸の炎症によってガスの排出に影響が出ることがあります。


慢性胃炎

胃から腸への移動が遅延し、腸内での発酵が進みやすくなるため、ガスが溜まりやすくなります。

機能性ディスペプシア

胃腸に器質的異常がないにもかかわらず不快感が続く病気で、ガスの溜まりやすさやお腹の音にも影響します。


腸閉塞

腸のどこかで通過障害が起きていると、腸内容物やガスが行き場を失い、お腹の音や張り、吐き気などを伴うことがあります。


小腸内細菌増殖症(SIBO)

本来あまり細菌のいない小腸で細菌が異常増殖し、ガスを大量に発生させます。


呑気症

空気を無意識に多く飲み込むクセ(呑気)があると、腸内に空気が溜まりやすくなり、ガスだまりと音の原因になります。



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腸の音を改善するためにできること


まず、生活習慣の見直しが重要です。早食いを避けてゆっくり噛む、ガスの出やすい食材を控える、水分を適度に摂取するなどの工夫を日常に取り入れましょう。また、腸内環境を整えるためにヨーグルトや発酵食品、食物繊維を意識的に取り入れることも有効です。




お腹のガスを抜くにはどうしたらいいの?


食習慣の改善

食事はゆっくりとよく噛んで食べることが基本です。ガスを発生させやすい食品を避け、自分の体質に合った食材を見極めることも大切です。乳糖不耐症や小麦に過敏な方は、特定の食品を除去することで改善する場合もあります。


適度な運動

軽い運動や散歩は、腸のぜん動運動を促進し、ガスの排出を助けます。特に食後のウォーキングは効果的です。


ストレスの解消

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、ストレスの影響を強く受けます。リラックスする時間を意識的に持つことで、腸の動きが安定し、ガスの滞留を防げます。


規則正しい生活・十分な睡眠

生活リズムの乱れは腸の活動にも影響します。睡眠不足や不規則な食事を避け、毎日決まった時間に食事と睡眠をとることが大切です。




消化器専門クリニックでの検査・治療の重要性


生活改善を試みても症状が改善しない場合は、医療機関での検査を受けることが大切です。胃や小腸・大腸の動きに異常がある場合や、腸内フローラのバランスが乱れている場合には、それを可視化し治療に繋げる必要があります。

内視鏡検査は、腸内の状態を直接確認するための非常に有効な手段であり、ポリープや炎症性疾患などの器質的異常を見つけることができます。特に症状が慢性的で生活に支障をきたす場合には、早期に専門医の診断を受けることが推奨されます。



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当院で行う検査と治療のご案内


当院(中島クリニック)では、消化器内科・内視鏡検査を専門に行っており、最新の内視鏡システムを導入しています。胃カメラや大腸カメラの検査においては、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査が可能で、安心して受診いただけます。

また、過敏性腸症候群や機能性ディスペプシアなどの機能性疾患にも対応しており、必要に応じて食事指導や薬物治療、生活習慣改善のアドバイスを含めた包括的な診療を行っております。お腹の音が気になる方もお気軽にご相談ください。




当院について


中島クリニックは、兵庫県西宮市にある内視鏡・消化器内科専門クリニックです。地域に根ざした診療を大切にしながら、高精度な内視鏡検査を中心とした専門性の高い医療を提供しています。

患者さまの不安や疑問に丁寧に寄り添いながら、安心して検査・治療を受けていただけるよう、スタッフ一同努めております。WEB予約や当日検査体制など利便性にも配慮し、忙しい方でも受診しやすい環境を整えております。


お腹の音が気になっている方へ――その音は、体からのメッセージかもしれません。早めの対応で、腸の健康を守っていきましょう。

 
 

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