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内視鏡検査とは?歴史・仕組み・検査の流れから種類まで徹底解説

  • 執筆者の写真: HEIWA SOTOMURA
    HEIWA SOTOMURA
  • 9月19日
  • 読了時間: 22分

更新日:9月19日

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内視鏡検査は、体内を直接観察しながら診断や治療を行う先進的な医療技術です。本記事では、内視鏡検査の歴史や基本構造、各種検査の特徴を分かりやすく解説していきます。

また、内視鏡検査を安全に受けるためのポイントや準備方法、治療費や保険適用の概要、さらに検査後の注意点についても詳しくご紹介します。これから内視鏡検査を受けようか考えている方は、ぜひ参考にしてください。



内視鏡の歴史と開発


内視鏡検査の基礎を理解するためには、まずその歴史的経緯を知ることが欠かせません。

内視鏡とは、細長い管状の機器を用いて体内を直接観察する医療技術のことです。誕生当初は、硬い金属製の管を使ったシンプルな形状でしたが、医療の進歩とともに素材や構造の改良が進み、より安全かつ精密な検査が可能となりました。特に、食道や胃、大腸などの消化管内部を詳しく調べる上で、大きな役割を果たしています。

歴史を振り返ると、19世紀に最も初期の内視鏡が登場したとされています。しかし当時は、光源が十分でないことや構造が不完全な面があり、患者が受ける負担もかなり大きい状況でした。医師たちは、患者の苦痛を軽減しながらより高精度で安全な検査を実現するために、多方面で改良を繰り返してきました。

現在の内視鏡検査では、NBI(狭帯域光観察)やAIを活用した診断支援機能など、先端技術が導入されています。こうした技術の進化により、病変の見落としを低減するだけでなく、検査や治療の効率を高めることにも成功しています。


内視鏡の起源と最初の応用

内視鏡の起源は、19世紀初頭にまで遡ります。当時は、金属製の硬い内視鏡を体内に挿入して患部を目視で確認する手法が模索されていました。初期の段階では照明装置が不十分だったため、診断精度や患者の安全性という面で課題が多く、限られた範囲での利用に留まっていました。

とはいえ、体内を直接観察するというアイデア自体は革命的で、外科手術に頼らず病変を発見する手段として期待が寄せられていました。少しずつ改良が行われ、光源の改良やレンズ技術の進歩が重なって、より鮮明な映像が得られるようになりました。

これらの技術開発は、医学界だけでなく光学技術の進化とも密接に結びついています。医療用機器メーカーや研究者たちが協力し合い、患者への負担を減らす目的と、より高精度な診断を実現するという大きな目的を同時に追求し続けてきました。


ファイバー内視鏡から電子内視鏡へ

20世紀中頃に登場したファイバー内視鏡は、光ファイバーを用いて体内の映像を外部に伝送する仕組みを可能にしました。これにより、柔軟なチューブを使って食道や胃の内部を観察できるようになり、検査時の患者負担が大きく軽減されました。

その後、さらに進化を遂げたのが電子内視鏡です。カメラが先端部に搭載され、直接デジタル画像を取得することで、より高解像度の映像を得ることができます。ファイバー内視鏡に比べて鮮明度や操作性が向上し、病変のより正確な診断など、多くのメリットをもたらしました。

近年では、画像強調技術によって粘膜の血管模様をはっきりと捉えることが可能になり、微小な変化でも早期に見つけやすくなっています。こうした技術革新が、早期発見・早期治療の実現に大きく貢献しているのです。



内視鏡の基本構造と仕組み


内視鏡がどのようにして映像を確認し、処置を行えるのか、その構造と機能を解説します。

内視鏡は、内部に光を届けるための光源と、観察のためのカメラシステムを備えています。外部にはモニターが用意され、これらの機器を総合的に連携させることで、体内の様子をリアルタイムに映し出す仕組みになっています。検査中、医師は映し出された画像を確認しながら必要な処置を施すため、精密な診断だけでなく治療まで同時に行うことが可能です。

また、操作する部位により、スコープの太さや長さ、曲がりやすさなどが変わってきます。例えば、上部消化管用は比較的細いタイプが使われ、経鼻挿入も可能な柔らかいモデルも存在します。一方、大腸用は複雑な腸の曲線に合わせて先端の硬さを調節できるものが登場しており、挿入時の負担を減らす工夫が進んでいます。

内視鏡の先端部分には、水や空気を送るチャンネルや吸引チャンネルなどが付いており、組織の洗浄やバイオプシー(組織採取)などをスムーズに行うことができます。こうした機能によって、検査から治療までをトータルに行える点が内視鏡の大きな強みと言えます。


光源・カメラ・モニターの連携

まず、光源装置から内視鏡の先端部に光が送られ、体内の組織を照らします。そこに内蔵されたカメラが映像を捉え、電子信号へと変換。さらに、その情報がモニターに出力されることで、医師はリアルタイムの映像を確認する仕組みです。

光源は、従来の白色光に加えてさまざまな波長の光を利用できるようになり、粘膜表面や血管の観察に特化したモードを切り替えることが可能です。この機能が微小病変の早期発見につながっています。

カメラもハイビジョン化が進んでおり、患部のごく細かな変化も見逃しにくくなっています。こうした映像技術の進歩は、診断の精度を高め、不要な検査の繰り返しを減らす効果をもたらしています。


手術用内視鏡と検査用内視鏡

内視鏡には、検査を主とする機種と、治療や手術に特化した機種があります。検査用内視鏡は細径で取り回しが良く、観察の正確性を高めるための高精細カメラを備えています。これにより、検査の負担を抑えながら精度の高い診断が行えます。

一方で、手術用内視鏡は外科手術にも用いられる場合があります。例えば、腹腔鏡手術のようにお腹を大きく切開せずに体内を観察しながら治療を行う際には、より操作性を重視した内視鏡が使われます。先端に治療器具を装着できるポートがあり、出血を止めたり、病変組織を切除したりといったアクションを短時間で行うことができます。

このように用途によって装置が大きく変わるため、患者の症状や目的に合わせて適切な機材が選択されます。内視鏡技術の発展と多様化は、速やかな治療と患者への負担軽減の両立を可能にしているのです。



内視鏡検査と胃カメラの違い


一般的に“胃カメラ”とも呼ばれる検査は内視鏡検査の一部ですが、その定義や情報量の違いを見ていきましょう。

一般的に「胃カメラ」は、口または鼻から挿入して食道、胃、十二指腸を観察する上部消化管内視鏡検査のことを指します。医療現場では、ほかにも大腸や気管支などを観察する内視鏡があるため、一括して「内視鏡検査」と呼ぶのが正確です。

しかしながら、多くの方にとって内視鏡検査といえば胃カメラをイメージすることが多いのも事実です。胃カメラだけでも、経口タイプと経鼻タイプがあり、患者の希望や体調によって選択されることがあります。経鼻タイプは嘔吐反射が起きにくい一方で、画質がやや劣る場合もあります。

このように、一口に「内視鏡検査」といっても、観察する部位や使用するスコープによって特徴や目的が大きく異なります。病変を早期に見つけるためにも、自分がどの部位の検査を受けるのか、その検査の目的は何かを正しく理解することが大切です。


胃カメラ」と「内視鏡」の定義

胃カメラ」は、主に上部消化管(食道、胃、十二指腸)の検査に使われる内視鏡を指す一般的な呼び名です。正式には「上部消化管内視鏡検査」と呼ばれ、口や鼻から挿入して食道や胃壁の状態を観察します。

一方、「内視鏡」はより広い領域を包含する総称で、大腸内視鏡や気管支鏡、腹腔鏡なども含まれます。どの種類の内視鏡を用いるかは、病変が疑われる部位や症状によって異なります。

このように、胃カメラは内視鏡検査の一部であるものの、多くの方が最も身近に感じる検査のため、一般には内視鏡検査自体を「胃カメラ」と呼んでしまうケースも少なくありません。


上部消化管内視鏡検査で得られる情報

上部消化管内視鏡検査では、主に食道、胃、十二指腸内部の粘膜を直接観察できます。逆流性食道炎、胃潰瘍、ピロリ菌感染による胃炎など、多彩な疾患の有無を確認でき、早期段階で治療方針を決められることが大きなメリットです。

さらに、がんの早期発見にも役立ちます。小さな病変や初期の粘膜変化を拡大観察や色素散布を用いて詳細にチェックすることで、見逃しを最小限に抑えられます。治療が必要と判断されれば、内視鏡的切除術などにスムーズに移行できる可能性があります。

胃カメラは、腹痛や胸やけなどの症状がある場合の診断にも重宝されます。問診やレントゲン検査だけでは特定しきれない原因を、内視鏡で直接観察することで正確に突き止めることができるのです。



内視鏡の種類


内視鏡は観察する部位や目的によって多様な種類に分かれています。

内視鏡の種類は、主に消化管内視鏡とそれ以外に大別されます。消化管内視鏡には上部消化管内視鏡と大腸内視鏡があり、それぞれ観察する臓器に合わせた形状や機能を備えています。一方、呼吸器系を観察する気管支鏡や、患者のお腹を小さく切開して内臓を直接見る腹腔鏡も、内視鏡技術の一種に含まれます。

検査内容や症状に応じて、最適な内視鏡の種類が選ばれます。一つの内視鏡で観察が難しい場合は、カプセル内視鏡など別の選択肢が採用されることもあります。目的に応じて多種多様な内視鏡が存在することは、内視鏡検査の適用範囲が広い理由の一つといえるでしょう。

近年では、内視鏡の細径化や高精細化が進んでおり、より快適かつ正確な検査が可能となっています。患者の負担を軽減しながら、より微細な病変にも対応できる技術革新が進行中です。


上部消化管内視鏡では、口または鼻から内視鏡を挿入して、食道、胃、十二指腸までを観察します。患者の苦痛を抑えるために細径のスコープや鎮静剤を使用することが一般的で、検査にかかる時間は数分から十数分程度です。

検査中に潰瘍やポリープなどの異常が見つかった場合、必要に応じてその場で組織を採取(生検)して病理検査を行うこともできます。これにより、短期間で病変の性質を判断し、早期に治療を開始するきっかけとなります。

上部消化管内視鏡は、胃の痛みや胸やけ、吐き気などの症状を詳細に調べる上で非常に有用です。特に胃がんのリスクがある場合やピロリ菌感染が疑われる場合、定期的に受けることで早期発見につなげることができます。


大腸内視鏡

大腸内視鏡では、肛門からスコープを挿入し、大腸全体から回腸の一部までを観察します。大腸ポリープやがんの早期発見に有効で、出血やポリープが見つかれば、その場で処置を行うことも可能です。

大腸は曲がりくねった構造をしているため、挿入時に苦痛を感じることが少なくありません。そこで、近年開発された硬さ調節機能や湾曲追従機能がある内視鏡を使うことで、患者の苦痛を和らげる工夫がなされています。

便潜血検査で陽性となった場合や、便通異常などの症状が続く場合には、大腸内視鏡検査が推奨されます。早期に病変を見つけることで、治療の選択肢も広がり、予後にも良い影響を与えます。


気管支鏡・腹腔鏡などその他

気管支鏡は、肺や気管支内部の観察・治療に用いられます。咳が長期間続く場合や、レントゲン検査で異常陰影が見つかった場合に適用されることが多く、肺がんの診断や組織採取にも活躍します。

一方、腹腔鏡はお腹の中にカメラを挿入し、肝臓や胆のう、膵臓などを観察する手術要素の強い内視鏡です。開腹手術と比べて傷口が小さく、患者の回復が早いメリットがあります。その分、操作の難易度は高く、熟練した技術が求められます。

これらの特殊な内視鏡を活用することで、呼吸器系や消化器系、さらにはその他の臓器を広くカバーし、正確な診断と迅速な治療を両立することが可能です。



内視鏡検査を受ける目的とメリット

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なぜ内視鏡検査を受ける必要があるのか、その目的とメリットを確認しましょう。

内視鏡検査は、病気の早期発見だけでなく、検査中に治療まで行える点が大きな特徴です。大きく切開する手術に比べて患者の負担も軽く、回復も早い傾向にあります。身体に感じる負担を抑えながら、確実な診断と適切な治療を提供できることが、内視鏡の最大のメリットと言えます。

また、内視鏡検査はがんに限らず、潰瘍や炎症、ポリープなどのさまざまな疾患に対しても有効です。症状が軽度のうちに診断を受けることで、より簡単な処置で症状を改善できる可能性が高まります。定期検査をルーティン化することで、健康管理の一環としても役立ちます。

内視鏡 とは、こうした予防医療や早期介入を強化するための重要な検査手段ともいえます。以前は苦痛が大きいイメージもありましたが、麻酔や鎮静剤の進歩により、現在では比較的快適に検査を受けられるようになりました。


早期発見・早期治療の重要性

病気は早期段階で発見し、適切に治療するほど改善しやすくなります。特に胃がんや大腸がんの場合は、初期症状がほとんど現れないケースも多いため、定期的な内視鏡検査の重要性はますます高まっています。

症状が出てから受診するのでは、既に病状が進んでいる可能性も否定できません。内視鏡検査を受けることで、無症状の段階でも病変の有無を直接確認し、必要な治療をスタートできるのが大きな利点です。

早期発見できれば内視鏡的切除や低侵襲の治療だけで完結するケースもあり、患者の生活の質が大きく損なわれることなく治療が可能となります。


検査中に治療に移行可能

内視鏡検査では、病変箇所が見つかった際にそのまま治療へ移行することができます。例えば、胃や大腸で小さなポリープが発見された場合、同時に切除することが可能です。これにより、別途手術の予約や入院をしないで済むケースも多く、患者にとって非常に大きなメリットとなります。

また、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など、胃や大腸の早期がんを切除する先端技術が導入されています。こうした治療技術によって、従来なら開腹手術が必要だった症例でも早期かつ低侵襲な治療が可能になりました。

検査と治療をワンストップで行える利点は患者の負担軽減だけでなく、病状の進行を防ぐためにも役立ちます。発見時点で即座に処置できるのは内視鏡検査ならではの強みです。


がん以外の疾患にも有効

内視鏡検査といえばがんをイメージしがちですが、食道炎や胃潰瘍、大腸炎などの診断にも広く活用されています。粘膜の状態を直接視認できるため、炎症の有無や程度を正確に把握できるのです。

例えば、ピロリ菌による胃の炎症や逆流性食道炎などは、症状を軽く捉えられがちですが、放置すると慢性化し、重篤な合併症へ繋がる可能性も否定できません。内視鏡検査を行うことで、改善策や再発防止策を早期に講じられます。

がん以外の疾患でも、痛みや胸やけ、下痢などの症状が長く続く場合には内視鏡検査が推奨されます。より正確に病変を確認できることで、最適な治療方法を早期に検討することができます。



内視鏡検査の流れと準備


内視鏡検査を円滑に受けるためには、事前に知っておきたいポイントがあります。

内視鏡検査当日は、検査部位によって前日の食事制限や下剤の使用が求められます。特に大腸内視鏡検査では、検査前日にお腹の中をきれいにする必要があるため、下剤を飲んで腸を空にしなければなりません。

また、服用中の薬がある場合は、医師と相談して検査に影響がないか事前に確認が必要です。血液をサラサラにする抗凝固薬などを服用している場合、検査中の処置や出血リスクとの兼ね合いを考慮することになります。

麻酔や鎮静剤を使うプランもあるため、検査後にはしばらく休憩したり、車の運転を控える必要が生じることもあります。こうした準備と検査後のルールを守ることで、安心して内視鏡検査を受けることができます。


検査前の注意点

検査を受ける数日前から消化に悪い食事は避け、前日は早めの夕食をとるなど、医療機関の指示に従うことが基本です。大腸内視鏡を受ける場合は特に、食物繊維が豊富な食品を控えて腸内を清潔に保つ必要があります。

また、検査当日はほとんどのケースで、喫煙やアルコールの摂取は控えるよう指示が出されます。これらの制限を守らないと、検査結果が不正確になったり、検査自体が中止になることもあるので注意が必要です。

さらに、持病のある方や妊娠中の方、あるいは基礎疾患の治療中で特別な配慮が必要な場合は、事前相談をして検査の安全性を確保しましょう。


麻酔や鎮静剤の使用

内視鏡検査では、鎮静剤や局所麻酔を使用できるケースが多くなっています。特に胃カメラで嘔吐反射が強い方や、大腸内視鏡で苦痛を感じやすい方には、鎮静剤が選択されることが一般的です。

鎮静剤を使う場合、検査後に眠気やボーっとした状態がしばらく続くことがあります。そのため、検査後の予定を考慮して、車の運転を避けるなど安全面に配慮する必要があります。

麻酔や鎮静方法は医療機関ごとに異なり、患者の体調や希望に合わせて決定されます。検査の前に医師と十分に相談し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。



内視鏡で行う治療(内視鏡手術)


内視鏡を用いた治療は、患者の負担を軽減しながら高度な医療を受けることができます。

内視鏡は単なる検査機器ではなく、治療器具を装着することで、さまざまな治療にも利用できます。とりわけ、胃や大腸などの消化管における早期がんやポリープの切除に大きな効果を発揮しています。手術と比べて切開範囲が限定されるため、回復期間が短い傾向にあります。

病変が粘膜の深い層に進行していない場合は、内視鏡手術で十分に切除可能なケースが多く、体への負担や合併症のリスクも低減されます。最近では、出血などのトラブルにも対応できる技術が進歩し、より安全性が高まっています。

内視鏡治療は、日本国内でも広く普及しており、多くの病院や専門クリニックで行われています。早期発見された病変に対しては効果的な治療手段であると同時に、検査から治療へシームレスに移行できる点が患者にとって大きな魅力です。


内視鏡的切除術

内視鏡的粘膜切除術(EMR)は、がんやポリープが比較的浅い層に留まっている場合に用いられる方法です。専用の器具で病変部を切除し、出血を止める処置を同時に行うことで、拡大手術を回避することができます。

より大きな病変や粘膜下層に近い病変には、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われる場合があります。ESDでは、粘膜を少しずつ剥離して病変部を取り除くため、切除範囲を最小限に抑えながら精密な治療が可能となります。

EMRやESDは、症例によっては高度な技術を要するため、専門医の経験や医療機関の設備が重要な要素となります。患者としては、内視鏡的切除術の適応や実施体制を事前に確認することが大切です。


ポリープ切除

大腸や胃にできるポリープは、がん化のリスクが考えられるため、早期に発見・切除されることが望ましいです。内視鏡によるポリープ切除は、検査時に発見されたポリープをその場で除去できる利点があります。

切除方法は、ポリープの大きさや形状、位置によって異なります。スネアと呼ばれるループ状の器具で根元を締め切り取ったり、電気メスを使って焼き切ったりすることもあります。いずれにしても、入院が不要な場合も多く、広範な手術に比べて患者の負担が軽いのが特徴です。

ポリープ切除後は、一定期間の経過観察が重要です。再発や新たなポリープの発生をチェックするため、定期的な内視鏡検査を受けることが推奨されます。



内視鏡検査の費用と保険適用


内視鏡検査にかかる費用と保険適用の範囲は、あらかじめ確認しておくことで安心して検査を受けられます。

内視鏡検査は、一般的に保険適用になるケースが多いですが、症状や医師の判断によって異なる場合もあります。検査そのものだけでなく、患部の切除や組織検査など追加の処置が行われると費用が変わることがあります。

病院やクリニックによっては、麻酔や鎮静剤を使用した場合の費用や、先進医療が適用される特殊な検査オプションが存在することもあるため、事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。

また、全額自費診療となるケースもあり、自費検査は検査技術や患者の要望に合わせたオプションで行われる場合が多いです。検査の種類や手術の内容によっても変動するので、医療機関で詳しく相談することが大切です。


保険診療と自費診療

保険適用で内視鏡検査を行う場合、症状がある程度明確であることや医師の判断が条件となります。例えば、胃の痛みや便潜血などの症状が認められる場合には、基本的に保険診療として扱われます。

一方で、健康診断や人間ドックの一環で受ける場合は、自費診療となるケースが少なくありません。また、特別な医療機器を使用して受ける先進的な検査の場合も、自費となることがあります。

どちらにしても、検査にかかる費用や保険適用の可否は、医師の判断と医療機関の規定によって異なるため、検査を受ける前に必ず確認するようにしましょう。


費用相場

保険診療の範囲内で内視鏡検査を受ける場合、自己負担額は数千円から1万円程度になることが多いです。これは検査のみの場合の目安であり、生検やポリープ切除など追加処置が行われると費用は上乗せされます。

自費診療や人間ドックで内視鏡検査を受ける際の費用相場は、施設や内容にもよりますが、1万円台後半から3万円程度になることがあります。また、オプション検査や鎮静剤を使用する場合にはさらに加算されることがあるでしょう。

費用相場はあくまで目安であり、医療機関によって設定が異なるため、事前に詳細な見積もりを確認することが賢明です。検査や治療に関する費用と保険適用範囲を十分に理解しておけば、安心して検査を受けることができます。



内視鏡検査を安全に受けるためのポイント


検査によるリスクを最小限に抑え、安全に受けるための要点を押さえましょう。

内視鏡検査は比較的安全な医療行為ですが、まれに穿孔や出血などのリスクが発生することがあります。これらのリスクを最小化するには、信頼できる病院や医師を選び、医師の指示に従って適切に準備を行うことが重要です。

また、検査前後の生活習慣や体調管理も大切です。アルコールや激しい運動、重労働は検査の影響が残っている間は控えた方が無難です。万が一異常が感じられた場合には、速やかに医療機関に連絡しましょう。

検査後も体調の変化に注意を払い、出血や痛みなどの症状が続く場合は、軽視せず担当医に相談することが安全に受けるためのポイントとなります。


身体的リスクと対処法

内視鏡検査で考えられる代表的な合併症には、穿孔や出血があります。穿孔は、内視鏡が消化管の壁を傷つけて穴を開けてしまう状態で、症状として腹痛や発熱を伴うことが多いです。早急な治療が必要になるケースもあります。

出血は、バイオプシーやポリープ切除時に血管が傷ついて起こりますが、通常は検査中に止血が行われます。検査後に出血が持続する場合や症状が悪化する場合には、すぐに受診が必要です。

こうしたリスクは非常に低いものの、ゼロではありません。医療機関が講じる安全対策や医師の技術、患者自身の準備・申告(アレルギーや服用薬など)の正確さによってリスクを下げることが可能です。


医療機関の選び方

まずは、内視鏡検査の実績が豊富な医療機関を選ぶことが基本です。症例数が多いところは医師やスタッフが熟練しているため、検査時のトラブル対応や、安全対策がしっかりしている可能性が高いです。

また、最新の装置を導入しているかどうかも、安全に検査を受ける上で重要な指標となります。細径スコープやAI診断支援システムなど、患者の負担を減らし、診断精度を向上させる技術を積極的に取り入れている施設は信頼できるでしょう。

患者への説明が丁寧か、リラックスできる環境が整っているかも重要です。自分の症状や疑問点をしっかりと伝えられる医療機関を選ぶことで、安心感を得ながら検査に臨めます。


検査前日の注意点

検査前日は、消化に良い食事を摂るようにし、夕食は早めに軽めに済ませることが推奨されます。大腸内視鏡の場合、検査前日に下剤を飲んで腸内をきれいにするため、早めに帰宅し準備を整えるとスムーズです。

脱水を防ぐため、十分な水分を摂取することも忘れないようにしましょう。ただし、糖分やカフェイン量が多い飲み物は避けるなど、適度な水分補給を意識する必要があります。

前日に体調不良や発熱などがあれば、無理をせず医療機関に連絡して指示を仰ぐことが大切です。中途半端なコンディションで検査を受けると、結果の正確性にも影響が出る場合があります。


検査当日の注意点

検査当日は、原則として飲食が制限されます。指示された時間まで水やスポーツドリンクなどで水分補給を行い、それ以降は何も口にしないようにしましょう。受付を済ませたら、医師や看護師から再度説明を受けることが多いです。

また、検査後は鎮静剤の影響などで意識がぼんやりすることがあります。付き添いの家族や友人がいると、安心して医療機関を後にできるでしょう。車の運転は避け、公共交通機関または送迎を利用することをおすすめします。

服装は、楽に脱ぎ着できるものを選ぶとよいでしょう。また、検査中の姿勢によってはお腹が締め付けられることがあるため、ウエストのゴムが緩めのズボンなどを身につけると快適に過ごせます。


検査後の注意点

内視鏡検査後は、多少の腹部膨満感や咽頭の違和感を感じることがありますが、多くの場合は数時間で改善します。鎮静剤を使用した場合は、回復室で十分に安静を保ち、看護師の指示を仰ぎましょう。

検査後の飲食再開は医師の指示に従い、徐々に開始してください。消化の良い食事から始め、アルコールや脂っこいものなど胃腸に負担がかかるものは控えると安心です。

また、出血や強い痛みなど以上の症状があれば、放置せずにすぐに担当医へ連絡することが大切です。検査後のフォローアップをきちんと受け、次回検査の日程や注意事項も確認しておきましょう。



まとめ・総括


内視鏡検査の歴史や仕組み、検査方法から安全に受けるポイントまでを振り返ります。

内視鏡検査は、体内を直接見るという革新的なアプローチから始まり、時代とともに技術革新を重ねてきました。現在では、機器の細径化や高解像度化、さらにはAIによる診断支援など、多岐にわたる進歩が見られます。

検査そのものは病変の確定診断にとどまらず、同時に治療まで行えるという特徴があります。大腸ポリープや早期がんなど、発見した問題をその場で処置できる点が患者にとって大きなメリットです。また、がん以外の胃炎や潰瘍などのチェックにも有効であり、さまざまな疾患の早期発見と治療をサポートします。

一方で、適切な準備や信頼できる医療機関の選択、検査後のフォローアップは欠かせません。費用や検査方法に関する正しい知識を持ち、医療スタッフとの連携を図ることで、内視鏡検査を安全かつ有意義に受けることができます。定期的な検査を習慣づけることは、健康維持の上でも重要な選択肢となるでしょう。


 
 

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