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逆流性食道炎は自力で治せる?薬に頼りすぎない改善法と治療薬を医師が解説

  • 2 日前
  • 読了時間: 8分

「胸が焼けるように熱い」「ゲップが増えた」「酸っぱいものが上がってくる」。こうした不快な症状が続くと、逆流性食道炎かもしれません。


逆流性食道炎は薬がよく効く病気ですが、薬だけに頼るのではなく、生活習慣の改善をセットで行うことが改善への近道です。実際、寝る姿勢や夕食の取り方、喫煙習慣などを見直すだけでも、症状の出方が変わることがあります。

この記事では、逆流性食道炎の原因、症状、自分でできる対策、治療薬、検査についてわかりやすくまとめます。



逆流性食道炎とは?体の中で何が起きているのか


逆流性食道炎は、胃の中の胃酸が食道へ逆流し、食道の粘膜に炎症を起こす病気です。


胃酸が食道を傷つけてしまう

本来、胃と食道のつなぎ目には、逆流を防ぐための筋肉があります。これがしっかり働いていれば、食べ物は胃に入っても、胃酸が上に戻ることは起こりにくくなります。

しかし、夜間にこの部分が緩みやすくなったり、お腹の圧が高くなったりすると、胃酸が食道へ上がってきます。胃は酸に耐えられるようにできていますが、食道の粘膜はとてもデリケートです。そのため、逆流した胃酸により胸焼けや痛み、不快感が起こります。


放置すると食道の傷が深くなることもある

逆流性食道炎は「不快だけど我慢できる病気」と思われがちですが、放置はおすすめできません。炎症が続くと、食道の粘膜が傷ついた状態が長引き、場合によってはバレット食道のような状態につながることもあります。

また、胸焼けだと思っていても、実は別の病気が隠れている場合もあるため、症状が続くときは一度きちんと確認することが大切です。



逆流性食道炎の症状は胸焼けだけではない


逆流性食道炎というと胸焼けのイメージが強いですが、実際の症状はもっと幅広く出ます。


典型的な症状は胸焼け・ゲップ・呑酸

よくあるのは、胸のあたりが焼けるように熱く感じる胸焼けです。ほかにも、ゲップが増える、酸っぱいものが上がってくるといった症状がみられます。

こうした症状が食後や夜間、横になったときに強くなる場合は、逆流性食道炎の可能性があります。


喉の違和感や咳が原因のこともある

逆流性食道炎は、胸焼けがはっきりしないケースも少なくありません。たとえば、次のような症状が続くことがあります。


喉のつかえ感・イガイガ感

喉に何か引っかかる感じや、ずっとイガイガする感じが続くことがあります。


しつこい咳

風邪でもないのに咳が長引く場合、肺ではなく胃酸の逆流が原因になっていることがあります。夜中に咳き込んで目が覚める方もいます。


口の中の苦みや不快感

胃酸が喉の近くまで上がってくることで、口の中の苦みや違和感につながることもあります。

「喉の病気だと思っていたら、実は逆流性食道炎だった」というケースもあるため、胸焼けがなくても油断はできません。



逆流性食道炎になりやすい人の特徴


逆流性食道炎は、なりやすい生活習慣や体の特徴があります。原因がわかると、対策も立てやすくなります。


食生活に偏りがある人

脂っこいもの、甘いもの、お酒、コーヒーをよく摂る方は注意が必要です。こうしたものは胃酸を増やしたり、胃と食道のつなぎ目を緩めたりして、逆流を起こしやすくすることがあります。

夜遅い食事や、食べ過ぎの習慣も大きな要因です。特に、寝る直前の食事は逆流を起こしやすくします。


体型や姿勢の影響を受けやすい人

肥満傾向がある方は、お腹の脂肪によって腹圧が高くなり、胃の内容物が上に押し上げられやすくなります。

また、前かがみの姿勢が多い方、デスクワーク中心の方、重い荷物を持つ仕事の方、きついベルトでお腹を締めつける習慣がある方も、逆流のリスクが高くなります。高齢の方では、背中が丸くなることでお腹が圧迫され、逆流しやすくなることもあります。


食後すぐ横になる人

食後すぐにソファで横になる、ベッドに入るといった習慣も逆流を悪化させます。胃の中がいっぱいの状態で横になると、重力の助けがなくなり、胃酸が上がりやすくなるからです。



逆流性食道炎を自分で改善する方法


「できれば薬をクセで飲みたくない」という方は多いと思います。そんな方にこそ取り入れてほしいのが、毎日の生活の中でできる対策です。


寝るときは上半身を少し高くする

逆流は夜に起こりやすいため、寝る姿勢はとても重要です。おすすめは、頭だけではなく、背中からゆるやかに傾斜をつけて上半身を高くして寝ることです。

クッションや寝具を工夫して、胃酸が上がりにくい角度を作ると、夜間の逆流予防に役立ちます。


左を下にして寝る

寝る向きもポイントです。左側を下にして寝ると、胃の位置関係の影響で胃酸が逆流しにくくなるとされています。夜中の胸焼けや咳が気になる方は、一度試してみる価値があります。


夕食は軽めにして、寝る3時間前までに済ませる

逆流性食道炎は、夜間に悪化しやすい病気です。そのため、1日の食事量を朝昼晩で均等にするより、昼をしっかり、夜は腹6〜7分目に抑える意識が大切です。

夕食は少なくとも寝る3時間前までに済ませましょう。晩ごはんを完全に抜く必要はありませんが、夜遅くにたくさん食べる習慣は見直したいところです。


禁煙する

喫煙は逆流性食道炎を悪化させる代表的な要因です。タバコは胃と食道のつなぎ目の筋肉を緩め、逆流を起こしやすくします。

症状を改善したいなら、禁煙は大きな一歩です。



逆流性食道炎の薬にはどんな種類がある?


逆流性食道炎の治療の基本は、胃酸の分泌を抑える薬です。症状の強さや体質、生活スタイルに合わせて使い分けます。


P-CAB:すばやく強く胃酸を抑える薬

現在の治療で主流になりつつあるのが、P-CABです。代表的な薬としてはタケキャブがあります。

P-CABは、飲んでから比較的早く効果が出やすく、胃酸をしっかり抑えてくれるのが特徴です。効果の持続も期待でき、食事の影響も受けにくいため、日々の生活に合わせやすい薬です。


PPI:長く使われてきた実績のある薬

もうひとつの代表的な薬がPPI(プロトンポンプ阻害薬)です。例として、タケプロン、パリエット、ネキシウムなどがあります。

PPIは長年使われてきた治療薬で、使用経験が豊富であることが安心材料です。逆流性食道炎の治療では今も重要な選択肢です。


補助的に使う薬もある

必要に応じて、胃の動きを助ける薬や、粘膜を保護する薬、漢方薬を組み合わせることもあります。たとえば、ガスモチン、アルロイドG、六君子湯などが補助的に使われることがあります。

ただし、どの薬が合うかは人によって異なります。自己判断ではなく、医師の判断のもとで選ぶことが大切です。



一度薬を飲み始めたら一生続けるの?


逆流性食道炎の薬について、「一度飲み始めたら一生やめられないのでは」と不安になる方は少なくありません。

結論からいうと、全員が一生飲み続けるわけではありません。


まずは一定期間しっかり治療する

一般的には、PPIやP-CABなどの胃酸を抑える薬を一定期間続けて、食道の炎症をしっかり治すことを目指します。動画内では、ひとつの目安として8週間ほど治療する流れが紹介されています。

傷が治って症状が落ち着けば、その後は薬を減らしたり、やめたり、症状が出たときだけ飲む方法へ切り替えたりすることもあります。


継続が必要な人もいる

一方で、薬をやめると症状がぶり返す方もいます。その場合は、量を調整しながら続けることがあります。

大切なのは、「ずっと飲み続けるか、ゼロにするか」の二択ではないということです。症状の強さや再発のしやすさに応じて、ちょうどよい治療の形を探していきます。自己判断で急に中止せず、医師と相談しながら調整するのが安心です。



逆流性食道炎で病院ではどんな検査をする?


逆流性食道炎が疑われるとき、まず行うのは問診です。そして、必要に応じて胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を行います。



胃カメラで確認する2つのポイント

胃カメラには大きく2つの目的があります。

1つ目は、食道の粘膜がどの程度傷ついているかを直接確認し、正確に診断することです。2つ目は、胸焼けの原因が本当に逆流性食道炎なのかを見極めることです。

胸焼けや違和感の裏に、胃がんや食道がんなど別の病気が隠れていることもあるため、一度は確認を検討したい検査です。


今の胃カメラは以前より受けやすい

胃カメラに「苦しい」「怖い」というイメージを持つ方は多いですが、最近は機器が細くなり、以前よりかなり受けやすくなっています。

さらに、鎮静剤を使うことで、うとうとしている間に検査を受けられる場合もあります。つらい検査を無理に我慢する時代ではなくなってきていますので、不安がある方は事前に相談してみるとよいでしょう。



まとめ|逆流性食道炎は薬と生活習慣の改善をセットで考える


逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流して起こる病気で、胸焼けだけでなく、喉の違和感や咳などさまざまな症状の原因になります。

改善のポイントは、薬と生活習慣の見直しをセットで行うことです。上半身を高くして寝る、左を下にして寝る、夕食を軽めにする、寝る3時間前までに食事を終える、禁煙するといった対策は、今日からでも始められます。

一方で、症状が続く場合や、喉の違和感・長引く咳がある場合は、自己判断で済ませず、医療機関で相談することが大切です。必要に応じて胃カメラを受けることで、正確な診断と適切な治療につながります。

逆流性食道炎は、正しく向き合えば改善が期待できる病気です。つらい不快感を我慢し続けず、早めに対策を始めていきましょう。

 
 

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