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逆流性食道炎に本当に効く薬とは?市販薬から専門治療薬まで徹底解説|素人判断のリスクと医師の推奨を解説

  • たかの
  • 8月28日
  • 読了時間: 5分
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逆流性食道炎とはどんな病気か


逆流性食道炎とは、胃の内容物が食道に逆流することで、胸やけや喉の違和感、咳、呑酸(酸っぱい液が上がってくる感覚)などの症状を引き起こす疾患です。正式には胃食道逆流症(GERD)と呼ばれ、びらん性と非びらん性に分けられます。胸焼けなどの自覚症状があっても、内視鏡で明確な異常が見つからないケースも多く、自己判断の難しさがあるのが特徴です。



自覚症状だけでは診断できない?素人判断の落とし穴


「胸やけがあるから逆流性食道炎だろう」「喉がイガイガするのは胃酸が逆流してるせい」と思い込む方が多いですが、実際には胃潰瘍、機能性ディスペプシア、食道裂孔ヘルニア、心疾患など他の疾患が関与していることもあります。特に、薬を飲んで一時的に症状が和らぐことで自己判断してしまい、重大な病気の見逃しに繋がることがあるため注意が必要です。



逆流性食道炎に使われる薬の種類


逆流性食道炎の治療では、胃酸の分泌を抑える薬が中心となります。主に以下の3つの薬剤群があります。


  • 制酸薬:胃酸を中和する。市販の胃薬の多くが該当。

  • H2ブロッカー:胃酸の分泌を抑える(例:ガスター10)。

  • プロトンポンプ阻害薬(PPI)・PCABなどのカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(PCABI):強力に胃酸の分泌を抑える。


この中で最も効果が高く、現在の第一選択とされるのがBPIです。



市販薬で使われるH2ブロッカーとは?


H2ブロッカーは、胃壁にあるH2受容体をブロックすることで胃酸分泌を抑える薬です。ガスター10(famotidine)が代表的で、ドラッグストアなどで購入できる市販薬として知られています。

ガスター10は「飲んだら効いた」という実感が得られやすいため、自己判断で使用されることが多い薬です。しかし、実はこの“効いた”という事実が示すのは「胃酸過多による病態がある」という可能性であり、むしろ消化器疾患の兆候であることもあります。反対に、ガスター10を飲んでも全く効かない場合は、逆流性食道炎以外の疾患の可能性も考慮すべきです。



現代の主流治療薬:PCAB(ボノプラザン)とは


逆流性食道炎の治療における現在の主役は、BPI(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)であるボノプラザンです。PCABIはプロトンポンプ阻害薬(PPI)と同様に胃酸分泌を強力に抑える作用がありますが、PPIに比べて作用の発現が早く、安定した効果が得られやすいのが特徴です。

ボノプラザンは2015年に登場した比較的新しい薬で、PPIでは効果が十分でなかった患者さんにも効果を発揮することがあります。保険適応があるため、症状が続く場合には専門医に相談し、必要に応じて処方を受けるのが理想的です。



「胃薬」は本当に効いているのか?市販薬の現実


市販の胃薬、たとえばパンシロン、太田胃散、大正漢方胃腸薬などは、多くが制酸薬や健胃生薬を含んでおり、胃の不快感や消化不良を和らげることを目的としています。これらは「毒にも薬にもならない」と評されることもあり、気休めとして使われるケースも少なくありません。

一方で、これらの薬で効果がない、あるいは一時的な改善しか得られない場合には、自己判断での服薬を続けることは避け、専門的な診断が必要になります。



痛み止め(NSAIDs)との併用リスクにも注意


「頭痛がひどいからロキソニンを飲んで、胃が荒れないように胃薬も飲んだ」というケースは非常に多いですが、胃薬があるからといってNSAIDsの胃腸へのダメージを完全に防げるわけではありません。むしろ、逆流性食道炎を悪化させる原因となることもあります。

一時的な痛みの軽減を優先しすぎて、胃酸分泌が増え、結果として食道や胃粘膜に炎症を生じさせてしまうことがあります。鎮痛剤を服用する場合は、使用量・頻度・胃腸の状態を医師と相談のうえで決めることが大切です。



ストレスと逆流性食道炎の深い関係


近年注目されているのが、ストレスと逆流性食道炎の関連性です。ストレスは自律神経を介して胃酸分泌を増加させたり、胃の運動を不安定にさせたりすることで、症状の悪化につながることが知られています。

特に非びらん性逆流性食道炎(NERD)では、内視鏡では異常がないにもかかわらず症状が強く現れるため、心理的要因の影響が大きいと考えられています。生活リズムの改善、睡眠確保、適度な運動なども治療の一部として考える必要があります。



内視鏡検査の重要性とタイミング


症状が続く場合や薬が効かない場合は、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を受けて原因を明確にすることが重要です。特に以下のようなケースでは、早期に内視鏡検査を受けることが推奨されます。


  • 胸やけが3週間以上続いている

  • 食事の際に飲み込みづらさがある

  • 市販薬で症状が改善しない

  • 黒色便や出血の疑いがある


検査によってびらん性食道炎、胃潰瘍、がんなどの重大な疾患を早期に見つけることができます。



当院で行う逆流性食道炎の検査と治療(中島クリニック)


当院では、逆流性食道炎の診断にあたって胃カメラ検査を推奨しております。鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査により、びらんの有無や食道・胃の状態を詳しく確認することが可能です。

検査結果を踏まえて、患者さまの症状と生活習慣に合わせた治療方針を提案し、BPIやPPIなどの薬剤による治療や、食生活改善・ストレスマネジメントの指導を組み合わせた総合的な対応を行っています。



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当院について


中島クリニックは、兵庫県西宮市にある内視鏡検査専門のクリニックです。苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラを提供し、逆流性食道炎をはじめとする消化器疾患の早期発見と適切な治療に力を入れております。

WEB予約対応・当日検査体制・女性医師による診療など、患者さまの安心と利便性を追求した診療環境をご用意しております。胸やけや胃の不快感が続く方は、ぜひ当院へご相談ください。


逆流性食道炎は、身近なようで奥が深い病気です。「とりあえず胃薬を飲む」「市販薬で様子を見る」ではなく、症状が続くなら専門医による診断と治療が重要です。正しい薬を、正しく使うために、まずは自分の状態を正確に知ることから始めましょう。

 
 

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