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「心配いらない血便」とは?見極めのポイントと内視鏡専門医が解説する注意すべきケース

  • たかの
  • 9月10日
  • 読了時間: 6分

更新日:9月16日

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血便に気づいたとき、まずどうするべきか


排便時にふと気づいた赤い血に、不安を覚えるのは当然のことです。「もしかして大腸がん?」「すぐに病院に行くべき?」といった思いが頭をよぎる方も多いでしょう。しかし、血便のすべてが深刻な疾患のサインとは限りません。血の色や量、頻度、その他の症状を総合的に見ることで、ある程度の判断が可能です。とはいえ、自己判断は危険ですので、適切な医療機関での診断を受けることが安心につながります。



「心配いらない血便」とはどんな状態?


医師の視点から見て、「心配いらない血便」とは、原因が明らかであり、命に関わる重大な疾患が除外できている状態を指します。具体的には、痔による出血や、一時的な切れ痔などが挙げられます。こうした出血は、鮮やかな赤色で少量であることが多く、排便後の拭き取りや便器内に血が混じる形で現れます。

また、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を数ヶ月以内に受けており、その結果で異常がなかった場合も、出血源が痔や粘膜損傷など軽度なものである可能性が高く、心配は少ないと判断できます。



大腸カメラを最近受けた方は心配しなくてもいい


直近で大腸内視鏡検査を受けており、その際にポリープやがん、炎症性腸疾患などの病気が否定されている方であれば、たとえ血便が出たとしても基本的には大きな心配は不要です。内視鏡検査では、粘膜のごく小さな病変も確認できるため、一定期間は「検査済み=安心材料」となります。

また、検査後にポリープを切除した方は、しばらくの間、粘膜の治癒過程で軽い出血がみられることがあります。これも想定内の反応であり、特に出血が少量であれば経過観察で問題ありません。



大腸カメラを受けていない人はどう判断するのか?


一方で、数ヶ月以上大腸カメラを受けていない方は、血便を見過ごしてはいけません。特に以下のような場合は注意が必要です。出血が繰り返し起こる、便に血が混じっている、排便時以外にも血が出る、腹痛や下痢、体重減少などの症状が併発しているときは、何らかの疾患が背景にある可能性があります。

また、便潜血検査で陽性となった場合は、自覚症状の有無にかかわらず大腸カメラでの精密検査が必要です。便潜血反応は微細な出血でも反応します。これは大腸がんやポリープの初期サインである可能性があるため、見逃してはいけません。



血便とストレスの意外な関係


血便の原因のひとつとして、実はストレスも大きく関わっていることがあります。ストレスが腸の動きや血流に影響を与えることで、腸内環境が乱れ、過敏性腸症候群(IBS)などの機能性疾患を引き起こす要因になります。IBSの中には粘液や少量の血が便に混じるタイプもあり、これが「血便」と認識されることがあります。

また、強いストレス状態にあると自律神経のバランスが崩れ、肛門括約筋が緊張しやすくなります。その結果として裂肛(切れ痔)が生じ、排便時に出血することがあります。ストレスは心理的なものだけでなく、睡眠不足や過労、運動不足などの生活リズムの乱れからも生じますので、総合的な生活習慣の見直しも重要です。



血便の原因として考えられる主な疾患


血便の背景にある疾患は多岐にわたります。最も頻度が高いのは痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)で、これらは肛門に近い部位からの出血であり、明るい鮮血が見られます。

一方で、便に血が混じる・混濁しているような場合には、腸内のより奥からの出血を疑います。大腸ポリープや大腸がん、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、虚血性腸炎、感染性腸炎、さらにはSIBO(小腸内細菌増殖症)や放射線性腸炎といった原因も挙げられます。

これらの疾患の中には、出血が初期症状であることもあり、症状が軽いうちに適切な検査を受けることで早期発見・治療が可能になります。




医師がすすめる「血便チェックリスト」


血便に気づいた際には、以下の点を冷静に観察しましょう。いつから出血があるのか?血の色は鮮やかな赤か、それとも暗褐色か?出血の量は多いか少ないか?排便時に痛みはあるか?血以外に下痢や腹痛、体重減少などの症状はあるか?そして、直近で大腸カメラを受けているかどうかも大きな判断材料になります。

こうした情報は医師が診察する上で非常に重要です。問診の段階でこれらの情報が整理されていると、診断や必要な検査の判断がスムーズになります。



血便を放置するとどうなるか


「そのうち治るかも」と血便を放置してしまうと、重篤な疾患の進行を見逃すことになりかねません。たとえば、大腸がんは早期発見であれば内視鏡での治療が可能な場合もありますが、進行すると外科手術や化学療法が必要になります。

また、慢性的な出血が続くと、貧血や栄養障害を引き起こす可能性もあります。特に高齢の方や女性では、鉄欠乏性貧血のリスクが高く、倦怠感やめまいなど日常生活に支障を来すこともあるため注意が必要です。



「心配いらない血便」の条件をまとめると


医師が判断する「心配いらない血便」とは、まず命に関わるような重大な疾患のリスクが否定されていることが前提となります。肛門の傷や切れ痔、内痔核からの一時的な出血など、明確な原因がある場合や、直近で大腸カメラを受けて異常がなかった場合は、経過観察でよいこともあります。

ただし、それでも不安が残る場合や症状が続くようであれば、再検査を受けることも視野に入れてください。医学は絶対ではないため、本人の体調変化や感覚も大切な情報です。



どの診療科を受診するべきか迷ったら


血便がある場合、まずは消化器内科を受診することをおすすめします。肛門周辺のトラブルが主な原因と考えられる場合は、肛門外科が適していることもありますが、根本的な判断には消化器の評価が不可欠です。

最近では「血便外来」や「大腸がん検診専門外来」などを設置しているクリニックも増えており、こうした専門性の高い外来を活用するのも一つの方法です。



当院での検査と治療について(中島クリニックの場合)


中島クリニックでは、大腸カメラ・胃カメラの専門クリニックとして、最新鋭の内視鏡機器を用いた精密検査を行っています。鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査を提供しており、便潜血陽性の方や血便のある方にも安心して受診いただける体制を整えています。

また、検査から診断、治療、フォローアップまで一貫して行い、患者さまの不安を解消することを最優先としています。必要に応じて血液検査や超音波検査も組み合わせ、原因を多角的に評価します。


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当院について


当院は兵庫県西宮市にある中島クリニックです。地域の皆さまに寄り添いながら、高度な医療を提供することをモットーに、内視鏡専門医による検査体制を整えています。WEB予約や当日検査にも対応しており、忙しい方でも安心してご利用いただけるクリニックです。

また、女性医師による診察やプライバシーに配慮した診療空間にも力を入れており、「相談しやすい」「説明が丁寧」と多くの患者さまからご好評をいただいております。血便に不安を感じた際は、どうぞお気軽にご相談ください。



血便は、体からのサインです。そのサインが「心配いらないもの」なのか、それとも「精密検査が必要なもの」なのかを見極めるには、専門的な視点が不可欠です。数ヶ月以内に大腸カメラを受けていて異常がなければ一旦安心ですが、そうでなければ、早めの受診がご自身の健康を守ることにつながります。


 
 

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