大腸がん予防に役立つ世界で証明された健康食「地中海食」とは
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更新日:4 時間前

大腸がん予防のために知っておきたい「地中海食」
「大腸がんを予防するためには、どんな食事をすればいいの?」
という疑問に対して、注目されている食事パターンのひとつが「地中海食」です。
地中海食は、特定の食品だけを取り入れるのではなく、野菜や魚、豆類、全粒穀物などを組み合わせ、赤身肉や加工肉などを摂りすぎないようにするなど、食生活全体を考えることが特徴です。
では、実際にどのような考え方で地中海食を取り入れればよいのでしょうか。まずは、中島院長による解説動画をご覧ください。
中島院長による「地中海食」解説動画はこちら
地中海食とはどんな食事?
地中海食とは、イタリア、ギリシャ、スペインなど、地中海沿岸の地域で昔から食べられてきた食生活をもとにした食事パターンです。
「地中海食」と聞くと、特別な料理や海外の食材を毎日食べるイメージがあるかもしれません。
しかし、難しいものではありません。
地中海食の基本は、野菜や魚、豆類、全粒穀物などを中心にした、バランスのよい食生活です。
地中海食で積極的に食べたい食品
地中海食では、次のような食品を積極的に取り入れます。
野菜
果物
豆類
ナッツ類
玄米などの全粒穀物
魚・魚介類
オリーブオイル
一方で、赤身肉や加工肉などは控えめにします。
つまり、地中海食のポイントは、「何か特別なものを食べる」よりも、普段の食事の組み合わせを変えることにあります。
地中海食はダイエット方法ではない
地中海食は、単純な「痩せるためのダイエット方法」ではありません。
地中海沿岸で伝統的に続けられてきた食生活の特徴をもとにした、食事パターンです。
そのため、カロリーだけを減らすのではなく、野菜や魚、豆類などを増やし、赤身肉や加工肉などを摂りすぎない食生活を目指します。
地中海食は大腸がん予防に役立つ?
地中海食と大腸がんとの関係については、これまでに数多くの研究が行われています。
地中海食の実践度は9つの項目で評価される
研究では、地中海食をどのくらい実践しているかを「スコア」として評価する方法が使われています。
代表的な評価項目は、次の9つです。
野菜をしっかり食べているか
豆類を食べているか
果物やナッツを食べているか
全粒穀物などの穀物を取り入れているか
魚や魚介類を食べているか
オリーブオイルを中心に使っているか
赤身肉や加工肉を控えているか
乳製品を摂りすぎていないか
お酒を摂りすぎていないか
これらの項目について、地中海食の特徴に沿った食生活ができているほど点数が高くなり、その合計点が地中海食の実践度を示す目安になります。
つまり、「スコアが高い」ということは、野菜や豆類、魚、全粒穀物などを取り入れ、赤身肉や加工肉などを控える食生活を、より実践できているということです。
2026年に発表された大規模な解析では、126件の研究、800万人以上を対象に、地中海食とがんのリスクとの関係が調べられました。その解析では、地中海食の実践度を示すスコアが1段階上がるごとに、大腸がんのリスクがおよそ5%ずつ低下することが報告されています。
また、別の26件の研究、約221万人を対象とした解析では、地中海食をしっかり実践している人は、そうでない人と比べて、大腸がんのリスクがおよそ16%低いという結果も報告されています。
地中海食を実践するほど大腸がんのリスクが低い傾向
地中海食について興味深いのは、「食べる・食べない」という単純な話ではなく、実践度が高いほど大腸がんのリスクが低い傾向がみられていることです。
2020年に発表された解析でも、地中海食を最もしっかり実践しているグループは、最も実践していないグループと比べて、大腸がんの発症リスクがおよそ10%低いという結果が報告されています。
こうした研究結果からも、すべてを完璧に実践するのではなく、普段の食生活を少しずつ地中海食に近づけていくことがポイントといえるでしょう。
大腸がをん予防考えるなら何を食べればいい?
ここからは、地中海食の特徴を食品ごとに見ていきましょう。
野菜をしっかり食べる
地中海食の中心となる食品のひとつが野菜です。
トマト、ブロッコリー、にんじん、葉物野菜など、できるだけさまざまな種類の野菜を取り入れましょう。サラダだけでなく、蒸し野菜や煮物、スープ、味噌汁などでも構いません。
「毎食、何かひとつ野菜を加える」と考えると、無理なく続けやすくなります。
豆類を積極的に取り入れる
豆類も地中海食の大切な食品です。
レンズ豆やひよこ豆だけでなく、日本では大豆を使った食品が豊富にあります。
納豆
豆腐
味噌
大豆
豆乳
など、普段の食事に取り入れやすいものから始めてみましょう。
玄米や全粒穀物を取り入れる
地中海食では、白米などの精製された穀物だけでなく、全粒穀物も取り入れます。
日本の食卓なら、玄米や雑穀米などが取り入れやすいでしょう。
毎食すべてを玄米に変える必要はありません。
まずは、白米の一部を玄米や雑穀米に変えるところから始める方法もあります。
魚を食べる機会を増やす
地中海食では魚介類も重要な食品です。
日本では、サバ、イワシ、サンマ、鮭など、身近な魚を利用できます。
そのため、「地中海食だから洋食にする」のではなく、普段の焼き魚を増やすだけでも、地中海食の考え方を取り入れられます。
オリーブオイルを料理に取り入れる
地中海食では、油としてオリーブオイルを中心に使うことも特徴です。
サラダにかけたり、温野菜にかけたり、魚料理の仕上げに使ったりするなど、普段の料理に少しずつ取り入れられます。
ただし、オリーブオイルだけを食べれば大腸がんを予防できるという意味ではありません。
大切なのは、野菜、魚、豆類、全粒穀物などを含めた食生活全体です。
大腸がん予防のために控えたい食品とは?
地中海食では、「何を食べるか」だけでなく、何を控えるかも重要です。
赤身肉や加工肉を摂りすぎない
地中海食では、赤身肉や加工肉を控えめにします。
加工肉には、ハム、ソーセージ、ベーコンなどがあります。
肉を完全に食べなくする必要はありません。
肉料理に偏るのではなく、魚や豆類、野菜などを主役にする食事を意識することがポイントです。
乳製品は摂りすぎない
地中海食では、乳製品も摂りすぎないことがポイントのひとつです。
乳製品を完全に避ける必要はありませんが、特定の食品に偏らず、野菜や豆類、魚、全粒穀物などをバランスよく取り入れることを意識しましょう。
甘いお菓子や砂糖入り飲料を控える
甘いお菓子や砂糖入りの飲み物も、摂りすぎないようにしましょう。
「毎日のおやつをナッツや果物に変える」といった小さな工夫から始めるのもおすすめです。
地中海食は日本の和食にも取り入れられる
「地中海食を始めるには、食生活を全部変えなければいけない」と考える必要はありません。
むしろ日本では、和食に地中海食の考え方を取り入れるのが実践しやすい方法です。
日本の食卓には、もともと魚、大豆製品、野菜、海藻など、地中海食と相性のよい食品がたくさんあります。
朝食は「玄米・納豆・魚」でもOK
例えば朝食なら、
玄米ご飯
納豆
焼き魚
野菜や海藻の入った味噌汁
という組み合わせがあります。
洋食なら、
全粒粉パン
トマト
ゆで卵
果物
などでもよいでしょう。
昼食は野菜と豆をプラスする
昼食なら、玄米や雑穀米に野菜たっぷりのサラダ、豆類を使ったスープなどを組み合わせる方法があります。
忙しくてコンビニを利用する場合も、雑穀米のおにぎり、野菜サラダ、魚や豆類を使ったおかずなどを選ぶことで、食事全体を調整できます。
夕食は魚と野菜を中心にする
夕食には、
焼きサバ
鮭
温野菜
豆腐
納豆
玄米や雑穀米
などを組み合わせるのがおすすめです。
温野菜にオリーブオイルをかけたり、魚料理の仕上げに使ったりするのも簡単な方法です。
間食はナッツや果物に変えてみる
お菓子を毎日食べている方は、間食の一部をアーモンドやクルミなどのナッツ類、季節の果物に変える方法もあります。
すべてを一度に変える必要はありません。
まずは「できるところから少しずつ」が基本です。
大腸がん予防のために今日からできること
地中海食を完璧に再現する必要はありません。
まずは、普段の食事に取り入れやすいことから、少しずつ始めてみましょう。
1.野菜を一品増やす
サラダ、野菜スープ、温野菜など、食べやすい方法で構いません。
2.魚を食べる回数を増やす
サバ、鮭、イワシなど、普段から食べている魚を、週2~3回程度を目安に取り入れてみましょう。
3.豆類を取り入れる
納豆、豆腐、味噌など、日本の食卓にある食品を積極的に利用しましょう。
4.全粒穀物を取り入れる
玄米や雑穀米、全粒粉パンなどを、無理のない範囲で取り入れましょう。
5.加工肉を摂りすぎない
ハム、ソーセージ、ベーコンなどを毎日のように食べている場合は、頻度を少し減らしてみましょう。
なぜ地中海食が健康に良いと考えられているの?
地中海食が健康に良い理由としては、ひとつの食品だけではなく、食生活全体の組み合わせが関係していると考えられています。
食物繊維を多く摂れる
野菜や豆類、全粒穀物などには食物繊維が含まれています。
地中海食では、こうした食品を日常的に取り入れるため、食物繊維を摂りやすい食生活になります。
野菜や魚などを中心にできる
野菜や魚などを増やす一方で、赤身肉や加工肉などを控えることで、食事全体のバランスが変わります。
大腸がんとの関係では、こうした「何を増やすか」と「何を減らすか」の両方が重要です。
体重や炎症などとの関係も考えられている
地中海食を続けることで、内臓脂肪や体重、体脂肪、血糖値、炎症状態を示すCRPなどが改善する可能性についても報告されています。
このように、地中海食は特定の栄養素だけではなく、食生活全体を通して健康を支えることが重要だと考えられています。
地中海食だけで大腸がんを完全に予防できるわけではない
ここで注意しておきたいのが、地中海食を食べれば大腸がんにならない、という意味ではないことです。
2025年のレビューでも、地中海食と大腸がんリスク低下との関連については、示唆されるものの、エビデンスには限界があるとされています。また、最新の大規模解析でも、結果の確からしさは「中等度」と評価されています。
つまり、地中海食は大腸がん予防を考えるうえで注目されている食生活のひとつですが、「この食事をすれば大腸がんを防げる」という魔法の食事ではありません。
食生活だけでなく、運動、体重管理、禁煙などを含めた生活習慣全体を整えることが大切です。
また、大腸がんは早期発見・早期治療も重要です。
食生活に気をつけるだけでなく、必要な年齢になったら大腸がん検診を受けることも忘れないようにしましょう。



